2026年7月19日日曜日

総監 必須科目Ⅰ-2 記述式問題文 「地方創生」

今日明日と筆記試験です。
まずはトップバッターの総合技術監理部門を受験された皆さま、たいへんお疲れさまでした!

受講生のかたからさっそくに試験問題情報を提供していただきましたので記述式問題文を掲載しますね。

能登空港(のと里山空港)
【石川県輪島市】

必須科目
Ⅰ-2 次の問題について解答せよ。(指示された答案用紙の枚数にまとめること。)

 人口減少に歯止めをかけ,東京圏への過度な一極集中を是正することにより,すべての国民が多様な幸せを実現する社会を目指す「地方創生」の取組が始まり10年が経過した。この10年間で,地方の人手不足の一層の進行,若者や女性の地方離れなど,地方創生をめぐる社会情勢は厳しさを増す一方,インバウンドの増加,リモートワークの普及,AI・デジタル技術の急速な進展などの地方創生にとって追い風となる変化も生じてきた。これらの変化並びにこれまでの施策の成果・反省を踏まえ,新たな展開を目指す「地方創生2.0基本構想」が昨年閣議決定され,今後10年間を見据えた地方創生の方向性が定められた。地方創生への対応は事業や組織の置かれた状況により異なると考えられるが,総合技術監理に求められる俯瞰的な視点から,それぞれに適した役割を考え,我が国の課題解決につなげることは重要であろう。そこで本論文では,この地方創生に向けた取組について検討してみたい。
 「地方創生2.0基本構想」に基づき続けて閣議決定された「地方創生に関する総合戦略」では,地方創生に向けた3つの政策目標(以下,「地方創生の目標」という。):1.強い経済,2.豊かな生活環境,3.選ばれる地方,が掲げられている。さらに,これらの3つの政策目標と,下図a~rの18項目からなる具体的な施策の成果(以下,「アウトプット」という。)及びこれにより促される国民,企業等の動き(アウトカム)との因果関係を整理し,総合戦略全体の実効性を高めている。

図「地方創生に関する総合戦略」の概要
(内閣官房「「地方創生に関する総合戦略」の概要について」を元に作成)

 上述の基本構想,総合戦略においては,国,地方公共団体の役割に加え,地域の多様なステークホルダーの役割の重要性が強調されている。すなわち,産官学金労言士(産業界,行政,学界,金融界,労働界,言論界,士業)等が相互に連携し,それぞれの人材,資金,ノウハウ等を活かして地方創生の目標に向けて貢献することが求められている。また,都市部にある企業・教育機関等も,地方に目を向け,それぞれの強みを活かした地域貢献等を行うことが重要とされている。
 そこであなたがよく知っている事業(研究開発・製品製造・販売等の業務機能の集合体としての事業,個々のプロジェクトの集合体としての事業,国・地方公共団体の事業等が代表例である。)や組織(役所や法人の全体とすることも,個々の部署や事業部等とすることもできる。)のうち,地方創生に貢献している,あるいは今後の貢献が期待できる事業や組織を1つ取り上げ,その目的や創出している成果物等を踏まえ,地域のステークホルダーとの連携により事業や組織が貢献しうる取組について,総合技術監理の視点から以下の(1),(2)の問いに答えよ。さらに,事業や組織の枠を超え,地方創生の目標に向けて我が国において取るべき施策について,以下の(3)の問いに答えよ。
 なお,「地方」とは都市と対になって成り立つ相対的な概念であり,その間に明確な境界線を引くことは困難であるが,本論文における「地方」とは,主に東京圏(東京都,神奈川県,千葉県,埼玉県)都市部以外の地域を指すものとして解答すること。
 ここでいう総合技術監理の視点とは,トレードオフに留意しながら,「業務全体を俯瞰し,経済性管理,安全管理,人的資源管理,情報管理,社会環境管理に関する総合的な分析,評価に基づいて,最適な企画,計画,実施,対応等を行う。」立場からの視点をいう。なお,書かれた論文を評価する際,考察における視点の広さ,記述の明確さと論理的つながり,そして論文全体のまとまりを特に重視する。

(1)本論文においてあなたが取り上げる事業や組織の内容と,そこにおける地方創生の目標に向けて貢献すると考えられる取組について,以下の問いに答えよ。
問い(1)については,答案用紙1枚以内にまとめよ。)

① 事業や組織の内容として,名称,目的,及び創出している成果物(製品・構造物・サービス・技術・政策等)を記せ。
② この事業や組織において,近い将来(おおむね5年以内)に地方創生の目標に向けて貢献すると考えられる取組を2つ取り上げ,それぞれについて,その取組が成果として目指すアウトプット(図のa~rから選択),及び取組の概要を記せ。

記載例)
 取組1:a.地域資源の活用促進を目指し,・・・(取組1の概要)
 取組2:r.地方への移住推進に向け,・・・(取組2の概要)
 なお,2つの取組が成果として目指すアウトプットは異なる項目を選択すること。また想定する時期までに事業や組織の内容や形態そのものが変化することを踏まえて解答しても構わない。

(2) (1)で概要を記した2つの取組それぞれについて,地域のステークホルダーとの連携を含めた具体的な取組内容に関する以下の問いに答えよ。
問い(2)については,答案用紙を替えたうえで,まず取組1について1枚以内にまとめ,さらに答案用紙を替えたうえで取組2について1枚以内にまとめよ。)

① 地域のステークホルダーとの連携方法を含む事業や組織の具体的な取組内容を記せ。
② ①で記述した取組によりアウトプットの達成につながる理由を記せ。
③ ①で記述した取組を行ううえで,地域のステークホルダーとの関係も含めた直面する障害とその対応方策を総合技術監理の視点から記せ。ただし,2つの取組それぞれについて,総合技術監理の5つの管理分野のうち2つ以上の視点を含むこととし,異なる総合技術監理分野のトレードオフに留意すること。また,解答欄にはどの分野の視点であるかを明記すること。

(3)地方創生の目標に向けて,あなたが有効と考える我が国としての施策を2つ取り上げ,それぞれについて以下の問いに答えよ。なお,問い(3)では,事業や組織の枠を超え,我が国として取るべき施策の観点から解答すること。なお,2つの施策が成果として目指すアウトプットは異なる項目を選択すること。
問い(3)については,答案用紙を替えたうえで,まず1つ目の施策について1枚以内にまとめ,さらに答案用紙を替えたうえで2つ目の施策について1枚以内にまとめよ。)

① 有効と考える施策,成果として目指すアウトプット(図a~rから選択),及びそれらがつながる理由を記せ。
② ①で記述した施策に関し,想定する今後の政策の動向,経済の動向,社会情勢の変化,技術革新の進展等の背景を含めて,その有効性と実現性について記せ。
③ ①で記述した施策を実現するうえでの最も重大な障害とその対応方策を複数の視点に留意して記せ。なお,複数の視点にには,総合技術監理の視点に限らず,我が国が直面する重要課題等の視点を含めて記述してもよい。

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