2019年5月19日日曜日

平成31年度技術士第2次試験 要チェック分野まとめ(必須科目Ⅰ) 

最後に必須科目Ⅰです。
これまでの必須科目は択一試験(マークシート)だったわけですが、今回からは記述式(解答用紙3枚)になります。
「技術部門」全般にわたる専門知識,応用能力,問題解決能力及び課題遂行能力に関するもので,
現代社会が抱えている様々な問題について,「技術部門」全般に関わる基礎的なエンジニアリング問題としての観点から,多面的に課題を抽出して,その解決方法を提示し遂行していくための提案を問う。とのことです。
部門共通というところがミソですね。
建設環境は建設部門ですので、いまいちど建設部門なのだと認識してください。暗示にかけてもいいです。とにかく環境系のひとは建設部門だという意識がたいへん低いです。

平成24年度試験までは同様に解答用紙3枚の記述問題だったわけでして、出題方式はそのままとは思いませんが、出題テーマの取り上げ方は参考になると思います。
では具体的にどういったことが出題されていたのか、見てゆきましょう。

H24
①防災・減災に向けた社会基盤の整備
②地球環境問題3つの視点

H23
今後の社会資本整備
②建設産業の活力回復

H22
防災・減災対策
②海外での社会資本整備

H21
①低炭素社会の実現
②高度化細分化した技術

H20
①アセットマネジメント
②技術力の維持・向上

H19
①地域活性化
②大量退職に伴う技術継承

こうしてみると「●●における社会資本整備のあり方」を問う問題ばかりですね。
●●には、限られた予算、人口減少、労働人口減少、少子高齢化、グローバル社会、激甚化する災害、インフラ老朽化、環境保全、グローバル社会、ICTといったあたりになろうかと思います。
これすべて「国土のグランドデザイン2050」から取っています。

さらにピンポイント気味に予想してみると、激甚化する災害については近年頻発している水害モノに注目しています。たとえば水防災意識社会再構築ビジョンなど。

もちろん、昨年の平成29年度国土交通白書はあらためて目を通しておいてください。
白書といえば「働き方改革」が取り上げられてましたね。そこから生産性向上という切り口も要チェックですね。国土交通省では生産性革命プロジェクトを推進しています。

といった2本を予想しているわけですが、さてどうなりますか。

すすきのへ至る路
【札幌市中央区】

いずれにしろ、選択科目Ⅲと同様、なにがテーマとなっても建設部門の技術者としての対応はそんなにはバリエーションはないと思います(解答ネタ、解答パターンとして)。
あらかじめ上記のテーマごとに骨子を整理しておけば試験当日は出題テーマに合わせてアレンジする程度で対応できると思います。


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2019年5月18日土曜日

平成31年度技術士第2次試験 要チェック分野まとめ(Ⅲ) 

それではまずは選択科目Ⅲからいきましょう。
平成31年度試験からは「社会的なニーズや技術の進歩に伴う様々な状況において生じているエンジニアリング問題を対象」とした出題になるのですが、平成30年度までの試験では「(建設環境)に係わる社会的な変化・技術に関係する最新の状況」や「(建設環境)共通する普遍的な問題」について問われました。
上記、文言が変わりましたが内容はそう大きくは変わらないと思います。
では具体的にどういったことが出題されていたのか、見ていきましょう。

H30
グリーンインフラを組合わせた防災・減災の取組
持続可能な都市のための都市計画

H29
生態系ネットワーク(エコロジカルネットワーク)
再生可能エネルギーの利活用

H28
気候変動適応策
大規模津波災害からの復旧復興事業における自然環境への配慮

H27
コンパクトシティと環境配慮
建設副産物の3R推進策

H26
防災減災と生物多様性
インフラ更新と環境配慮

H25
低炭素都市づくり
閉鎖性水域の水質改善策

いずれも建設部門共通の社会的課題について建設環境の技術者としてどのようにアプローチするか(課題を抽出してそれをどのように解決を図るのか)が問われています。

建設部門共通の社会的課題のほうは、白書で取り上げられるような社会的課題に対して、建設環境の技術者としての取り組みを書けるかどうかになるのではないでしょうか。

御所建礼門へ至る路
【京都市上京区】

建設部門の共通課題(国土のグランドデザイン2050)としては、これまでにも出題されているものも含めて
人口減少社会(H27・H30)
少子化・高齢化社会(H27・H30)
③防災減災(H26・H28・H30)
インフラ更新(H26)
⑤災害復興や東京オリンピック等に向けての建設ラッシュ(H27・H28)
⑥気候変動適応策と緩和策(H28)
⑦低炭素都市づくり(H25・H27 ・H30)
⑧観光立国
⑨建設産業の活性化・技術継承
⑩建設事業の海外展開
生産性の向上~i-Construction
があり、

建設環境独自のものとしては、
⑫環境改善(閉鎖性水域の保全再生)(H25)
⑬生態系保全(H29)
⑭再生可能エネルギー(H29)
がありました。
環境改善ものとしては、水質のほかにも底質(水質みたいなものですが)、自然再生事業都市緑化などもあるかもしれません。

一昨年から昨年にイチオシしていたものに、
多自然川づくり
があります。一昨年はちょうど河川法改正から20周年でした。
今年こそ「過去を振り返り今後に活かす」というテーマで出題されるのではないでしょうか。これまでの取り組みの成果(効果)、解決されていない課題及び新たに浮かび上がった課題、その解決策、その留意点です。

ただし「多自然川づくり」というのは河川に限定したはなしになっちゃいますから、ここはもっと大きくくくったテーマとして、
⑯生物多様性保全
というズバリそのままで出題される可能性もあるんじゃないかと考えています。
もしくはH29のように生態系ネットワーク(エコロジカルネットワーク)の視点からの問いもあるかもしれません。

そして生物多様性というのは自然環境系のひとを対象としているので、もうひとつのほうは生活環境系の大ネタである
⑰閉鎖性水域の水質改善
が出る、というのはどうでしょうか。●●保全策、●●改善策シリーズです。
平成25年度に試験方法が変更された初年度にも閉鎖性水域の水質改善策が出題されています。
平成31(2019)年度はもしかしたら奇をてらわない、誰でも答えられる(そのぶん高度な記述レベルが求められる)出題内容になると面白いなと思っています。
とはいえ採点する側になって考えると誰でもとりあえず回答できる問題だったら答案レベルに差がつきにくくなっちゃって採点するほうがかえってたいへんなことになっちゃうかもしれませんね。そう考えるとやっぱりナイかな。

たくさん挙げてしまいましたが、なにがテーマとなっても建設環境の技術者としての対応はそんなにはバリエーションはないと思います(解答ネタ、解答パターンとして)。
要はどんなテーマであっても環境負荷低減を図ることでボトルネックを解決解消し、課題を達成するということです。あるいはボトルネックを解決解消して課題である環境負荷低減を図るということです。この軸さえブレなければ大丈夫です。
この際、カギとなるのが「ボトルネックの抽出」になります。
ここでご自分の解決策を展開しやすいボトルネックを抽出できるかどうかで、あの短い限られた時間で回答論文を書ききることができるかどうかが決まるのではないでしょうか。

頑張ってください!
*ボトルネックとは、課題の達成を阻む問題点のことで、近年の問題文では「技術的課題」とも。


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2019年5月17日金曜日

平成31年度技術士第2次試験 要チェック分野まとめの前に(Ⅰ&Ⅲ)

つづきまして、2つの設問から1問を選ぶスタイルの「問題解決能力及び課題遂行能力」が問われる必須科目Ⅰと選択科目Ⅲです。なお、平成30年度試験までは選択科目Ⅲで「課題解決能力」として問われていました。
問題解決能力及び課題遂行能力とはなんでしょうか。
平成31(2019)年度 技術士試験の概要について」によると、「社会的なニーズや技術の進歩に伴い,社会や技術における様々な状況から,複合的な問題や課題を把握し,社会的利益や技術的優位性などの多様な視点からの調査・分析を経て,問題解決のための課題とその遂行について論理的かつ合理的に説明できる能力」とあります。
その出題内容は、
必須科目Ⅰが
現代社会が抱えている様々な問題について,「技術部門」全般に関わる基礎的なエンジニアリング問題としての観点から,多面的に課題を抽出して,その解決方法を提示し遂行していくための提案を問う。
選択科目Ⅲが
社会的なニーズや技術の進歩に伴う様々な状況において生じているエンジニアリング問題を対象として,「選択科目」に関わる観点から課題の抽出を行い,多様な視点からの分析によって問題解決のための手法を提示して,その遂行方策について提示できるかを問う。
ということです。

論理的、ということですから、これは従来から確認されている技術士の資質である論理的考察ができるかどうか、そしてそれを試験官に伝えることができるか、がキモです。
これには骨子(表)で整理して記述するクセを身につけると、書き間違うことはありません。骨子(表)についてはこれまでにも何回か記述していますし、SUKIYAKI塾のHPにも詳しいのでそちらをご確認ください。

京都市街に続く路
【蹴上インクライン 京都市】

評価にあたっては、問題を問題たらしめている要因の抽出課題遂行を阻むボトルネックの抽出が表現できるかどうかがいちばん大きいのではないかと感じます。
実はこれができているかどうかでほぼ合否が分かれるといっても過言ではありません。わたしが行っている添削講座でもほぼこの問題要因の抽出ボトルネックの抽出についての指導になっています。それだけ皆さんが苦手としている部分です。ここをクリアすると一足お先に「合格」することができます。

また、多面的に課題を抽出多様な視点からの分析も重要です。
一面的でなく多面的な視点が求められています。よく受講生から多面的(多様)な視点とはどういったものなのでしょうか、という質問を受けますが、定義はないので多面的でさえあれば試験としてはOKです。多面的については設問(1)か(2)で問われています。ここでは課題について幅広い視点(多様な視点)から記述していることを表現してください。いっぺんに書こうとするから書けないんです。センテンスで区切るなり、項目だてするなり、ひとつの面づつ箇条書きでもいいので書き分けてください。

物事にはいい面だけでなく悪い面もあります。
プラスの効果だけでなくマイナスもあります。
あるいは環境保全とインフラ整備はトレードオフになっている場合が多いです。
さらには予算は限りがあるわけですからどれだけ素晴らしい提案内容だとしても資金面が追い付かなければ実現可能性は下がってしまいます。
益をこうむる人もいれば犠牲を強いられる人も出てきます。下流側を守るために上流側を犠牲にせざるを得ないなどがありますよね。
そして生物多様性保全には4つの危機的側面があります。
あるいはいろんな地域として森、川、海、や都市と地方。
はたまた時間的に異なる側面として計画段階、施工段階、維持管理段階、等々。

これらのことはリスクや留意点でも使えます。

白書や解説書、そのほかいろんな資料ではあることについて説明があったあと、「一方で、~」というのがありますよね。これが別の面について述べているもので、つまり多面的な視点になります。
なお、多面的とはいえ、たくさん書きすぎてもしょうがないので、数の指定がなければ3つくらいにまとめるのが無難です。同じく数の指定がなければ、リスクや留意点だったら多くて2つ、なんだったら1つでもいいでしょう。

必須科目Ⅰと選択科目Ⅲにおける対象分野の傾向と予想は次回以降に。

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2019年5月16日木曜日

平成31年度技術士第2次試験 要チェック分野まとめ(Ⅱ-2) 

続きまして、Ⅱ‐2(2つの設問から1問を選ぶスタイルの応用能力問題)です。
応用能力とは何ぞや、というところですが、「平成31(2019)年度 技術士試験の概要について 」によると、応用能力とは、
これまでに習得した知識や経験に基づき,与えられた条件に合わせて,問題や課題を正しく認識し,必要な分析を行い,業務遂行手順や業務上留意すべき点,工夫を要する点等について説明できる能力

とあります。平成30年度試験までの定義とほぼ同じなのですが、「工夫を要する点」というのが新たに加わりました。とはいえ、平成30年度試験までも具体的な出題内容のところで「工夫を要する点」についての認識を問うとありましたので、そう考えると全く同じ変更ナシと言ってもイイと思います。
具体的にはどんなことが問われるのかを見てみると、
「選択科目」に関係する業務に関し,与えられた条件に合わせて,専門知識や実務経験に基づいて業務遂行手順が説明でき,業務上で留意すべき点や工夫を要する点等についての認識があるかどうかを問う。
ということです。これまた変更ナシです。
業務遂行手順留意点工夫を要する点、というのがキモになります。

国会議事堂に続く道
【東京都千代田区 国会通り】

それでは具体的にどういった業務の遂行手順が問われてきたのか、これまでの出題内容を振り返ってみましょう。

H30
道路事業の計画段階配慮書
風力発電所建設事業の調査・予測及び評価手法

H29
第1種事業の環境アセス(環境保全措置~回避低減、代償措置)
歴史まちづくり

H28
第1種事業の環境影響評価(環境要素ごとの環境保全措置)
低炭素まちづくり計画

H27
建設事業における外来種対策
第1種事業における工事中の環境影響評価

H26
計画段階配慮書
土壌汚染対策

H25
希少種への影響予測と環境保全措置
生活環境への影響予測と環境保全措置

これはもうほぼ環境アセス(のしかも環境保全措置)ですね。環境影響評価法に基づく手続きはもちろん、法アセスに満たない規模も含んだ建設事業にかかる環境配慮(環境負荷低減)に関する手続きが問われています。そしてそのなかで環境保全措置についてもよく問われています。
これは受験要件を満たした建設環境分野の技術者であれば当然これまでに実績、経験を積んでいるはずです。
建設環境の技術者は大きく、自然環境系、生活環境系、環境影響評価系に大まかに分けられますが、いずれの技術者でも回答できるはずの出題内容となっています。

H31の試験対策としては、
(1)まず法アセスの手続きの流れをしっかり頭に叩き込むこと
(2)ご自分が経験した(あるいは資料が入手可能な)環境アセスの一連の流れ(計画段階から環境保全措置まで)とその内容を概略で結構ですのでチェックしておく

そのほか、
(3)建設事業による環境負荷を低減する技術(つまり環境保全措置)について、その実施手順と留意点を整理しておく
(4)さらに事業の前提条件として「第1種事業」であることがたびたび出題されています。仮に事業規模が指定されていなかったとしても第1種事業で記述してもOKなのですから(たぶん)、この機会に第1種事業の規模は抑えておきましょう。特にご自分が取り上げる予定の事業におかれましては、しっかりと数字(kmだとかhaだとか車線数だとか)を頭に入れておいてください(覚えやすい数字になっています)。なお高速道路建設事業は規模指定がないのでイイかもしれません。

もういっこのまちづくり系は、半ば無理やり感はありますが、
都市の緑空間の保全・活用によって潤いのある豊かなまちづくり
あたりがねらい目かもしれません。

とにかく、

Ⅱ‐2の回答については、APECさんは「業務計画書を作る感覚で」としています。特記仕様書兼作成手順書(問題文です)に沿って業務計画書(回答論文です)を作成するように書き上げればいいと思います。

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2019年5月15日水曜日

追記 平成31年度技術士第2次試験 要チェック分野まとめ(Ⅱ-1) 

先週末、わたしの所属するSUKIYAKI塾沖縄でいごの会で筆記試験対策セミナーを開催しました。設立10周年ということもあって、今回はSUKIYAKI塾講師が一同に会する全国大会も併せて開催しました。
北海道、東北、東京、北陸、名古屋、大阪、広島、四国、博多の各支部から派遣された講師のかたがたをお迎えしての前夜祭BBQ(沖縄ではビーチパーティと呼びます)、本番の筆記試験対策セミナー、夜は温泉宿に移動しての大宴会、翌日には沖縄周遊ツアーと盛りだくさんでした。
セミナーそのものは、午前にAPECさんによる講義、午後は科目別のグループセッションを行いました。今年度から試験方法等が変更されることもあって受講生もたくさん参加してくださり、用意した椅子は全て埋まり、3人掛けのぎっちぎち状態で受講していただきました。

いつもならわたしは午後の科目別グループセッションでは建設環境や環境部門など環境系の講師を務めるのですが、今回はセミナー統括係に専念させていただき、講義のほうはでいごの会講師と北海道と広島の派遣講師のかたがたにお任せしました。
中盤からお邪魔させていただき、ほかの講師のかたがたのアドバイスなどとても興味深く拝聴し(とはいえ、悪い癖でついつい横入りしてしまいましたが)とても勉強になりました。

その講義で使用したテキストにはわたしのブログでとりあげたことなども引用していただいていて嬉しかったですね。派遣講師のかたからはご自身の受験の際にこのブログを参考にしたとんですよ、との言葉もいただきまして、これもとても嬉しいことでした。

というわけで、昨年、好評いただいた(わりにはハズレまくった)当ブログの人気投稿記事ともいえる過去問出題ジャンルまとめと出題予想をこれからしばらく連載します。
これまでもまるっきりハズレたわけではないですが、それでももちろんズバリ的中しているわけでもありませんので、ご自分でもいろいろと思いめぐらせながら試験問題、出題ジャンルを考えてみて下さい。
そして試験まで残り2か月、集中して頑張ってください!

海に続く道
【宮古島市 下地島 通り池】

まずは過去問を振り返ってみましょう。

H30
①低周波音とその対策
②底層溶存酸素量とその改善策
③再生可能エネルギーの導入状況と太陽光発電事業の課題
④建設事業における外来種対策と留意点

H29
①外来種防止行動計画
②閉鎖性海域の環境保全目標
③気候変動を考慮した防災対策、減災対策
④土壌汚染による有害汚染物質の摂取経路

H28
①湖沼やダム湖の富栄養化対策
②建設発生土のリサイクル
③騒音対策
④生物多様性民間参画

H27
①生態系サービス
②再生可能エネルギー
③景観重要公共施設制度
④廃棄物最終処分場跡地

H26
①生物多様性4つの危機
②ヒートアイランド現象
③循環型社会
④下層DO

H25
①環境再生における順応的管理
②改正環境影響評価法
③建設リサイクル
④生態系ネットワーク

でした。

日本技術士会が公表している試験内容の解説「平成31(2019)年度 技術士試験の概要について」を見ると、Ⅱ‐1で問われている『専門知識』の意味する内容は「選択科目」における専門の技術分野の業務に必要で幅広く適用される原理等に関わる汎用的な専門知識とあります。
出題内容は 「選択科目」における重要なキーワードや新技術等に対する専門知識を問う。 
評価項目としては、技術士に求められる資質能力(コンピテンシー)のうち,専門的学識,コミュニケーションの各項目とあります。
重要キーワード新技術というのがミソですね。これはこれまでの試験と変わりません。

大きく変わった点は、4問出題されたなかから1問を選択すればいいことになりました。これまでは2問でしたよね。受験経験があるかたはわかると思いますが4問中1問は書けるけど、もう1問がたいへんだったと思います。
今年からは1問でいいのでだいぶ気が楽になるのではないでしょうか。

昨今の話題なども鑑みるとH31(2019)年度は以下のようなあたりになるんじゃないかと予想しました。

気候変動適応計画、改正国交省気候変動適応計画
土壌汚染対策法ガイドライン
ブルーカーボン沿岸透明度の目標設定ガイドライン
「美しい山河を守る災害復旧基本方針」ガイドライン
⑤SDGs(17のゴール)第5次環境基本計画
海洋再生可能エネルギー発電洋上風力発電アセス
環境アセス実施上の課題
第四次循環型社会形成推進基本計画
プラスチック問題(6/13追加)
環境部門や水産部門寄りとも思いますが、NHKクローズアップ現代でも取り上げられるくらいの社会問題となっているわけですから建設部門からの視点も整理しておくべきかもしれません。たとえ直接のテーマとしては出題されなくても、建設廃棄物系の出題の場合はプラスチック問題について言及すると評価が上がるように思います。

・防災減災(グリーンインフラ生態系を活用した防災減災防災公園
生物多様性オフセット
・沿岸漂砂(河川流量の減少と水質及び土砂移動への支障)
水循環基本計画(水辺空間の保全・再生・創出)
ダム再生ビジョン
持続性ある実践的な多自然川づくり


以上のものは問題Ⅲ対策も意識しながらチェックしておかれるとよいでしょう(アセス手続きは問題Ⅱ-2対策として)。
いずれにしても重要キーワードや新技術はそろそろ出題分野的に出尽くした感がありますので(というのは大げさですが)、今後は過去に出題された分野であっても問いかたを変えてくるようになるのではないかとも考えています。
そういった意味では、これまでの試験で頻出している分野である生物多様性関連と循環型社会関連についてはしっかり基本的知識を整理しておく必要があります。

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2019年5月1日水曜日

GWはインフラツーリズム!

改元されましたね。
昨日の退位の儀の終わりに松の間を退かれる直前で振り返られたお姿にグッときました。
今日からは令和です。いつ頃慣れるんでしょうね。平成のときは平成2年くらいで慣れましたでしょうか。

平成の最後の日は家族で過ごすことができました。平成の日々を懐かしむわけではないのですが、ちょうどわたしが学生時代の平成2年~4年までを過ごした外人住宅が、いまは店舗になっていたのでドライブがてら訪ねてみました。ほぼ30年ぶりに中に入ると、ほとんどリフォームされていてすっかり様変わりしていたのですが、特別に案内していただいた奥のプライベート空間は昔の面影を残していました。30年は長いようでもあり短いようでもあり、いずれにしても感慨深い年月ですね。

このまとまった10連休も長いようできっと短く感じる連休になると思います。
GWで家族サービスなどご自分の勉強時間を捻出するのが大変だとは思いますが、頑張ってください。受講生から論文の添削依頼も思った以上に舞い込みます。皆さん、気合入っていますね。わたしも同じ熱量で相対しないとと気合を入れなおしているところです。

梅が枝餅【福岡県大宰府市】

今回ご紹介するのはいっけんGWにちなんだネタのようですが実は違うんです。なにやら国交省が近ごろ熱心に取り上げているインフラツーリズム。国の重要テーマであるインフラ維持管理更新ですが、これまで以上に財政負担も大きくなるのが目に見えていることもあって、やっぱりいくら国民生活のために必要なインフラだといっても、受益者である国民自体がその効用を理解していないことには何もなりません。
こういったツアーを通して親しんでもらうとともにインフラの重要性を一般のかたに理解していただくことは建設事業を推進するうえでもとても大事ですよね。
といったことが必須科目Ⅰの解答論文ネタとしてじゅうぶんに活用できると思います。
ぜひお近くに、あるいは旅行先で行く機会があったら見学してみて下さい。

インフラツーリズム有識者懇談会

インフラを観光資源として活用するインフラツーリズムの付加価値を高め、地域や民間と連携した新たなインフラツーリズムに育て、展開していくために必要な方策について、幅広く議論を行います。
   設立趣旨   規約
   提言(平成31年3月26日) 

といった懇談会も始まっています。
今年の試験では「インフラツーリズム」は要チェックかもしれません。

報道・広報

来て、見て、触れて、学ぶ! GWはインフラツーリズム!
~大人も子供も楽しめる最新ツアー424件を掲載~

平成31年4月23日
   今だけ、ココだけでしか見られない旬の最新のインフラツアー全424件
  をインフラツーリズムポータルサイトに掲載しました。
   また、インフラツーリズムのロゴマークを選定するため、facebook
  にて投票を行います。ぜひご覧いただき「いいね!」で投票ください!

  インフラポータルサイトでは、全国の様々なインフラ施設で開催している
 インフラツアー、見学会の情報を紹介しています。


   インフラツーリズムポータルサイト
      http://www.mlit.go.jp/sogoseisaku/region/infratourism/index.html
    

  また、2020年に向けて取り組む「インフラツーリズム魅力倍増プロジェクト」
 にて活用するロゴマークを選定するため、インフラツーリズムfacebookにて
 閲覧者投票を行います。
  投票の結果は、今後の開催予定のインフラツーリズム有識者懇談会での
 議論に活用いたします。

   インフラツーリズムfacebook
      https://www.facebook.com/mlit.infratourism/

   

   
月山ダム(山形県)放流の様子   筑後川防災施設「くるめウス」(福岡県)

添付資料

報道発表資料(PDF形式)PDF形式