2021年5月10日月曜日

気候変動に伴う降雨量や洪水発生頻度の変化

GWが終わり、令和3年度業務が本格的に動き出しておられるのではないでしょうか。
それにしても新型コロナは変異型が広がっているとのことでまだまだ収束には程遠いですね。
来月に予定している筆記試験対策セミナーも予定どおりに開催できるのか、できるにしてもどういうかたちで開催するのか、(肝心の筆記試験対策そのものよりも)検討しなければいけないことが多くてたいへんに悩ましいです。

令和3年度の試験も7月に実施される予定ですが、変異型の猛威次第ではどうなるかわかりませんね。たぶん大丈夫だと思いたいところですが(あと2か月です!)。
とはいえ、技術士を目指しているひとは受験して合格して登録しないことには技術士を名乗れないわけですので、試験がいつになろうとも来るべき試験に備えて粛々と準備を進めてください(予定通りならあと2か月です!)。

そんななか、わたしの住む沖縄はGW後半から梅雨入りしました。
いまのところだらだら降るというよりは、降るときには強い雨が降る、というサイクルになっています。どちらかというと梅雨の終わりのような降り方のようにも感じます。
これも気候変動の影響なのかどうなのかわかりませんが、とはいえアカショウビンはきちんと渡ってきましたし、季節ごとの自然現象は年によって多少のゆらぎはあるにせよ、新型コロナで振り回されるなかもこうしてきちんと暦通りなことに例年以上にありがたみを感じます。

梅雨といえば、ここ数年来、河川の氾濫や土砂災害が全国各地で頻発しています。災害発生の報道に触れるたびに心を痛めているわけですが、治水対策、災害対策が順次進められてはいても、これでもう心配無用ということには(様々な要因、事情があり)なりませんね。
この防災減災については、技術士の、特に建設部門ではメインテーマとなっていることからも、わたしたち建設分野の技術者にはその持てる技術で安心安全な暮らしに貢献する、そのための力をいかんなく発揮することが社会から求められているのがわかります。

長々と書いてしまいましたが、ちょうど先般、気候変動を踏まえた治水計画の見直しについての発表がありましたので取り上げます。
これは建設環境というよりも建設部門の必須科目対策ですね。もちろん河川砂防を受験されるかたは専門の選択科目の回答のほうでこの見直しされる治水計画の考え方や根拠(特に数値)を踏まえた論文とする必要があるでしょう。
わたしの講座の受講生も今年はなぜか河川砂防海岸海洋を受験するかたが例年よりも多いです。建設環境を取得した後の2科目め、事業所としては建設環境よりも河川砂防のほうが主たる業務のかたなのでしょうね。そういえば県外の建設環境&環境保全計画のSUKIYAKI塾講師のかたも令和2年度試験で河川砂防を受験し見事(というか)無事に合格されました。その口頭試験の際にはフォーラム8の受付で鉢合わせになりそれは驚いたものです。

概要版の添付資料をみると、
○2℃上昇した場合の降雨量変化倍率は、北海道で1.15倍、その他(沖縄含む)地域で1.1倍、4℃上昇した場合の降雨量変化倍率は、北海道・九州北西部で1.4倍、その他(沖縄含む)地域で1.2倍とする。
○4℃上昇時には小流域・短時間降雨で影響が大きいため、別途降雨量変化倍率を設定する。
というように、地域ごと(降雨特性が類似している地域区分ごと)に影響予測が違うことにご注目くださいね。

多摩川右岸大丸外災害復旧工事(洗堀した河岸の復旧
是政橋からの眺め
【東京都府中市】

「気候変動を踏まえた治水計画のあり方」提言を改訂
~気候変動の影響を踏まえた治水計画への見直し~

令和3年4月30日

国土交通省では、今般、「気候変動を踏まえた治水計画に係る技術検討会」が取りまとめた提言改訂版を踏まえ、水系ごとに、洪水の流量がどの程度増加するか等の科学的な分析を行い、気候変動の影響を考慮した治水計画へ順次見直し、治水対策をさらに強化してまいります。

○近年、水害が激甚化・頻発化しており、今後も気候変動の影響により降水量が増大すること等が懸念されていることを踏まえ、平成30 年4月に有識者からなる「気候変動を踏まえた治水計画に係る技術検討会」(以下、「技術検討会」)を設置し、令和元年10 月に技術検討会から提言が公表されました。

○その後、気候変動予測モデルによる新たに整備されたアンサンブルデータを用いた分析や、気候変動を踏まえた治水計画の具体的手法等について、技術検討会で議論を進め、今般、改めて「提言 改訂版」としてとりまとめられました。

○改訂版では、気候変動を考慮した治水計画へ見直すにあたり、計画で想定する外力を世界の平均気温が2度上昇した場合を想定した降雨量とするとともに、過去に経験したことのない雨の降り方も考慮した上で、治水対策の検討の前提となる基本高水を設定すべきことが示されました。
<改訂の概要>
 ・暫定値として公表した「2℃上昇時の降雨量変化倍率」を精査し、確定値とした。
 ・これまで検討対象外としていた「島しょ部地域」および「短時間・小流域の場合」に対して、適用可能な降雨量変化倍率の値を示した。
 ・「気候変動の影響を踏まえた治水計画」について、具体的な検討手法を示した。 等
  ※添付資料:気候変動を踏まえた治水計画のあり方 提言 改訂版【概要】を参照

○提言や検討会の開催状況、資料等は、以下URL に掲載しています。
 http://www.mlit.go.jp/river/shinngikai_blog/chisui_kentoukai/index.html

添付資料

報道発表資料(PDF形式:161KB)PDF形式

添付資料(PDF形式:472KB)PDF形式

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