2021年5月28日金曜日

総監部門の要チェック分野まとめ(記述式)

わたしは1年前のコロナ禍以降、家に閉じこもってばかりなのも癪なので、この機会をなにかプラスに転じたくなり、近所にある小さなダムの周回道路を少しづつですがジョギングするようになりました。自分でも信じられないことに、1年を経たいまでも続いており、続いているどころか走りに出る頻度や距離、そしてスピードも上がっています。おかげで体力もついてきたように感じていて、老後に向けた体づくりをこれから本格的にやろうかな、と考えるまでになりました(笑)
すっかり個人的なはなしにズレていますが、いつもは軽く5kmを目安に走っていて、ちょうどそのダムを6周するとだいたい5kmになるんです。そういうことからあと6周と聞くとこれからのペース配分だとかいよいよ最後のセットだとかの感覚になっちゃうんです。
そうです、総監の筆記試験まで、あと6週となりました。

これまで総監については出題予想だとか過去問まとめだとかは行っていませんでしたが、今回は建設環境だけじゃなくて環境部門だとか水産部門についても取り上げましたので、わたしの講座の受講生のうち1/3を占める総監部門についても取り上げないのはフェアではないかもしれないな、と思うようになりました(そんなことないですかね)。
とはいえここで取り上げたからと言って、もちろん予想問題が的中することはありえないわけで、そういう期待はしないでくださいね、スミマセン(笑)。

とはいえ(ばっかりですが)、総監の場合はどんな問題が出題されようとも、総監として対応したらそれでいいだけです。それに対応できないうちは総監技術士の相応しさが足りないということになります。
総監技術士の相応しさとは総合技術監理を理解していること、そして実施できることであり、それを読み手である試験官に伝えることができて初めて合格することができます。
「総合技術監理」については、ご存知の通り5つの管理のそれぞれの内容を理解することももちろん重要なのですが、記述式問題で書くべき内容は、なんといっても総監キーワード集2021の1ページから4ページにある「1.総合技術監理」にある内容です。これが出題されます。そこに書かれた内容をご自分の立場や役割を設定したうえで出題されたテーマや各設問で要求されていることに沿ったかたちで表現できるかどうかが合否の分かれ目になるわけです。
トレードオフ×優先順位=全体最適化」
つまり、出題テーマなんてなんだっていいわけです。テーマなんかよりは問題文に合わせてしっかり書ききることができるかどうかです。それには事前にテーマが予想できるかどうかはあまり関係ないと思います。

と、これだけ書いておいてナンですが、これまでの試験テーマを振り返るとほぼそのときどきの社会問題、社会的な課題にちなんだテーマで出題されています。とするといちばんの話題、というか社会問題である新型コロナ(感染症)になるのかもしれません。
でもそのままだと昨年の自然災害に似てしまいますからね。そうするとやっぱりたとえ新型コロナだとしても昨年度とは違った切り口で問われるでしょうから、いったいどういうふうなことを問われるんだろうか、と考えるのも総監的思考力を養うのにイイかもしれません。

しかしアレコレ考えるとやっぱり新型コロナはないかもしれませんね。
次に注目したい話題はなにになるかと考えたところ、わたしのイチオシは脱炭素社会に向けた取り組み、になりました。ちょっと身びいきな感覚かもしれませんが(笑)
ちょうど2日前の26日に「2050年までの『脱炭素社会』の実現」を基本理念とする改正地球温暖化対策推進法が参議院で全会一致で可決、成立したばかりです。脱炭素社会の実現に向けて、国民、国、地方自治体などが密接に連携することが規定されています。つまりこれは決して他人ごとではないわけです。国民それぞれができることから取り組んでいかないといけないわけです。
そういうことからもこれは受験者各々の立場、組織においてどのような取り組みができるのかが問われてもおかしくありません。だいたいこれまであまり社会環境管理メインの出題ってなかったんじゃないですかね。もちろん答案のほうにはいくら脱炭素社会の構築とはいっても社会環境管理メインってわけにはいきませんから、経済性管理を中心に、人的資源管理や情報管理の管理技術を駆使して、もちろん管理間のトレードオフを調整、取組内容の優先順位を検討しながら脱炭素社会に合致した組織運営ができるよう全体最適化を図る計画を立てられるとカッコイイですね。2030年までの短・中期目標と2050年までの最終目標のそれぞれの対策について、組織一丸となって脱炭素社会に向けた取り組みをビシッと計画できるとすごくカッコイイですよね。

あるいはこれは大穴ですが、脱炭素なんかよりもいまの国民全体を(そして参加国を)巻き込んだいちばんホットな話題っていうと、やっぱり避けては通れない話題になりますが、開催するのかしないのかの東京オリンピックになりますね。外部環境に翻弄されるビッグイベント(事業)の管理ってのはどうでしょうか。。。
うー、想像しただけで押し潰されそうです。。。これはどう書いても気が重そうですね。

気持が高揚するほうを取りたいので、やっぱりわたしとしては脱炭素社会かな。

日本オリンピックミュージアム
【東京都新宿区】

気分を変えて、これまでどういったことが出題されていたのか、そして出題のキッカケとなる事象がいつ発生していたのかを見てみましょうか。

R2
【R1に台風や豪雨災害が頻発】

R1
【H29年12月のぞみ34号重大インシデントなど】

H30
働き方改革
【H30年6月に働き方改革関連法が成立】

H29
事業における継続可能性
【H28年12月に「SDGs実施指針」が決定、8つの優先課題と具体的施策が示された】

H28
新技術導入による変更管理
【H28年4月にi-Construction委員会から同報告書がリリース】

H27
国際イベント関連プロジェクト
【H27年6月に東京オリパラ大会特別措置法が成立】

H26
人口減少社会を見据えたインフラ更新
【H26年5月にいわゆる「増田レポート」が発表】

H25
ライフサイクルを鑑みたメンテナンス
【H24年12月に笹子トンネル事故が発生】

ご存知のとおり、総監はほぼその前年~半年程度の期間に話題になっている事柄が出題されていますよね。
社会を揺るがす事件・事故に災害、はたまた今後の中長期にわたって社会変革を促すような施策には敏感に反応してください。そしてそういったニュースに触れるだけでなく、事業主(経営者)の立場でその影響と対応策について5つの管理と全体最適化を考えておいてください、というか考えるクセをつけてください。

まずはイキナリ回答論文を書き始めるのではなく、過去の合格答案事例集を入手してそれを研究、分析することをオススメします。
たくさんの合格論文をみるとわかると思いますが、それら受験生は専門分野(技術部門)が異なるうえに、年度によってテーマも違うわけですけれども、総監としての課題や解決策そのものにはバリエーションがないことがわかると思います。人間、やれることは決まっていますからね。
というわけで、過去問についてしっかり取り組んでおけばOKだと思います。
もちろん事前に準備することなしに、試験本番でゼロベースで課題を抽出、解決策を提示するなんてことは、あの長いようで実はとても短い試験時間にはとてもではありませんができません。しかし事前にしっかり準備しておけば、試験本番では準備していた手持ちのピースのうちどれをどのように当てはめればよいのかを問題文に照らし合わせながら決めるだけです。

なお、APECさんによると、今年度から作問委員が変わるようで、試験問題の出題様式がガラッと変わる可能性もあります。もしかしたらH24以前のように、そのときどきの社会的話題からではなく、普遍的な管理上の課題から出題されるかもしれません。
そういうことからも、テーマにいちいち振り回されないで総監としての相応しさをアピールするにはどうすればよいかのほうに気を配るべきだと思います。

わたしの講座です。課題や解決策の妥当性、論理的整合性の確認を含めて、論文の添削を受けたい方はぜひどうぞ。

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