2020年5月23日土曜日

瀬戸内海における今後の環境保全の方策の在り方について(答申)

沖縄は梅雨入りしてからというもの連日のように雨が降っています。それも大雨です。今年は前線が張り付いていてシツコイですね。気分も鬱々となりがちです。
そして筆記試験の日程が大幅に後ろ倒しになったのでヤル気を失っていませんか?大丈夫ですか?
昨年度試験(1次試験)もなかなか波乱でしたが、今年の試験はそれに輪をかけて大波乱になっていますね。とはいえ、ここは地道にやれることをコツコツやりましょう。一夜漬けが有効なマークシート試験はもうないのですから(総監はありましたね)、ここはシッカリ論文対策のためにじっくり時間をかけて模範解答を作成するべく論文を練り上げましょう。

本日取り上げるのはこれまでたびたび出題されている「閉鎖性水域の水質改善」に関する方策です。
水産部門の水産庁では以前より政策課題としてメインテーマになっている「豊かな海」ですが、中央環境審議会から同様の答申がありましたので、環境部門の環境省においてもこれを受けてこれから本格的に動き出します。この動きは我らが建設環境でも関連したはなしになってきますので、閉鎖性水域の水質改善についてはただ水を「キレイにする」だけでなく「豊かな海」の視点も盛り込むとよいでしょう、いや、盛り込む必要が出てきたといえましょう。SDGs目標14「海の豊かさも守ろう」に直結する話です。

瀬戸内海では窒素やリンなどの栄養塩類が水質浄化策によって少なくなり過ぎてしまったことで養殖ノリの色落ちが発生、イワシなどと並んで沿岸における食物連鎖の底辺を支える重要な魚種であるイカナゴ資源の減少にも影響するようになりました。
このように、これまでのような水質浄化一辺倒では「豊かさ」が守れないことがあらわになりました。陸域からの栄養塩類を規制する富栄養化対策(だけ)ではなく、適度なイイ塩梅での栄養塩濃度を維持する方向に舵を切ったというわけです。今後は「水質総量削減制度」を見直して魚類等のえさとなるプランクトンを増やすことで魚介類が豊富な「豊かな海」を目指すことになりました。

そのためには瀬戸内海全体の水質を管理する「水質総量削減制度」と、「湾・灘ごとの栄養塩類管理の仕組み」を調和・両立させることが求められています。
具体的には、管理水域を定め、栄養塩類濃度の目標値や管理計画等を設定、対策の実施、効果や周辺環境への影響の検証、管理への反映というPDCAサイクルを標準化し、その実施のためには湾・灘ごとのような特定の水域における協議会の活用、を提案しています。
(↑ココ重要)。

富栄養化対策で陸からの栄養塩類の流入負荷を減らしたことで水がきれいになったのはいいのですが、きれいにし過ぎて水中の栄養塩がなくなってしまい、肝心の水産資源や海洋生態系、湖沼生態系を支える1次生産者である植物プランクトンや藻類が育たなくなってしまったんです。「過ぎたるは猶及ばざるが如し」そのものですね。
閉鎖性水域、水質保全、(水域の)生物多様性、などが問われた場合には積極的に上記の意識と具体的方策を盛り込んでください。

閉鎖性水域の極み、毛ガニのサブマリン・キャッチャー
【釧路フィッシャーマンズワーフMOO】

報道発表資料
令和2年3月31日
水・土壌
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中央環境審議会「瀬戸内海における今後の環境保全の方策の在り方について(答申)」について

令和元年6月19日(水)に環境大臣が諮問した「瀬戸内海における今後の環境保全の方策の在り方について」は、中央環境審議会水環境部会瀬戸内海環境保全小委員会において審議され、その結果を受けて本日、中央環境審議会会長から環境大臣へ答申がなされましたのでお知らせします。

1.経緯

令和元年6月19日(水)に環境大臣が諮問した「瀬戸内海における今後の環境保全の方策の在り方について」は、中央環境審議会水環境部会瀬戸内海環境保全小委員会において審議が重ねられました。同小委員会における審議の過程では、関係機関等からのヒアリングを行うほか、令和2年2月7日(金)から令和2年2月28日(金)まで意見募集(パブリックコメント)を実施しました。これらを踏まえた同小委員会における審議の結果を受けて、本日、中央環境審議会会長から環境大臣へ別添1のとおり答申がなされました。

2.意見募集(パブリックコメント)の結果

(1)意見募集(パブリックコメント)方法の概要
  • 意見募集期間:令和2年2月7日(金)から令和2年2月28日(金)
  • 告知方法:電子政府の総合窓口[e-Gov]、環境省ホームページ及び報道発表
  • 意見提出方法:電子政府の総合窓口(e-Gov)意見提出フォーム、郵送、ファックス、電子メール
(2)御意見の件数
  • 意見提出者数:13(団体、個人)
  • 意見数:38
(3)御意見の概要及びこれに対する考え方
頂いた御意見の概要及びこれに対する考え方は、別添2のとおりです。
また、別添3のとおり、中央環境審議会水環境部会における意見を踏まえた修正及び技術的修正を行いました。

添付資料

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