2020年5月9日土曜日

令和2年度技術士第2次試験 要チェック分野まとめの前に(Ⅰ&Ⅲ)

つづきまして、2つの設問から1問を選ぶスタイルの「問題解決能力及び課題遂行能力」が問われる必須科目Ⅰと選択科目Ⅲです。
問題解決能力及び課題遂行能力とはなんでしょうか。
「平成31(2019)年度 技術士試験の概要について」によると、「社会的なニーズや技術の進歩に伴い,社会や技術における様々な状況から,複合的な問題や課題を把握し,社会的利益や技術的優位性などの多様な視点からの調査・分析を経て,問題解決のための課題とその遂行について論理的かつ合理的に説明できる能力」とあります。
その出題内容は、
必須科目Ⅰが
・現代社会が抱えている様々な問題について,「技術部門」全般に関わる基礎的なエンジニアリング問題としての観点から,多面的に課題を抽出して,その解決方法を提示し遂行していくための提案を問う。
選択科目Ⅲが
・社会的なニーズや技術の進歩に伴う様々な状況において生じているエンジニアリング問題を対象として,「選択科目」に関わる観点から課題の抽出を行い,多様な視点からの分析によって問題解決のための手法を提示して,その遂行方策について提示できるかを問う。
ということです。

論理的、ということですから、これは従来から確認されている技術士の資質である論理的考察ができるかどうか、そしてそれを試験官に伝えることができるか、がキモです。
これには骨子(表)で整理して記述するクセを身につけると、書き間違うことはありません。骨子(表)についてはこれまでにも何回か記述していますし、SUKIYAKI塾のHPにも詳しいのでそちらをご確認ください。

そして実際の問題文をみてみると一目瞭然ですが、全部門、全科目ともテーマが異なるだけで問われ方はほぼ同じでした。
必須科目Ⅰは、
Ⅰ-X (前文にテーマが示され)こうした状況下で,~を踏まえて,以下の問いに答えよ。
(1)~するために,技術者としての立場で多面的な観点から課題を抽出し分析せよ。
(2)(1)で抽出した課題のうち最も重要と考える課題を1つ挙げ,その課題に対する複数の解決策を示せ。
(3)(2)で提示した解決策に共通して新たに生じうるリスクとそれへの対策について述べよ。
(4)(1)~(3)を業務として遂行するに当たり必要となる要件を,技術者としての倫理,社会の持続可能性の観点から述べよ。

選択科目Ⅲは、
Ⅲ-X (前文にテーマが示され)~することが求められている。このような状況を踏まえ,以下の問いに答えよ。
(1)~を行うに当たって,技術者としての立場で多面的な観点から課題を抽出し分析せよ。
(2)抽出した課題のうち最も重要と考える課題を1つ挙げ,その課題に対する複数の解決策を示せ。
(3)解決策に共通して新たに生じうるリスクとそれへの対策について述べよ。

選択科目Ⅲでは必須科目Ⅰの(4)技術者としての倫理,社会の持続可能性の観点がないだけで、あとは同じですね。必須科目Ⅰは建設部門の技術者としての視点で、選択科目Ⅲでは建設環境の技術者としての視点で記述してください。

この流れ、平成時代の過去問に取り組む場合も令和時代用にアレンジする際に参考にしてください。もしかしたらR2年度は変えてくるかもしれませんが、それでも上記を整理して準備しておけば大丈夫でしょう。

考える人
【東京都台東区上野公園 国立西洋美術館】

評価にあたっては、課題を課題たらしめている根本の要因を炙り出せるか(これが課題分析)、それを文章で表現できるか、にかかっています。
実はこれができているかどうかでほぼ合否が分かれるといっても過言ではありません。わたしが行っている添削講座でもほぼこの課題の分析(問題点の抽出)についての指導になっています。逆に考えると、提案する解決策のそもそもの理由・根拠なんですが、それだけ皆さんが苦手としている部分です。ここをクリアすると一足お先に「合格」することができます。

また、こあれには多面的に課題を抽出、多様な視点からの分析も重要です。
一面的でなく多面的な視点が求められています。よく受講生から多面的(多様)な視点とはどういったものなのでしょうか、という質問を受けますが、定義はないので多面的でさえあれば試験としてはOKです。多面的については設問(1)か(2)で問われています。ここでは課題について幅広い視点(多様な視点)から記述していることを表現してください。いっぺんに書こうとするから書けないんです。センテンスで区切るなり、項目だてするなり、ひとつの面づつ箇条書きでもいいので書き分けてください。

白書や解説書、そのほかいろんな資料では、あることについて説明があったあと、「一方で、~」というのがありますよね。これが別の面について述べているもので、つまり多面的な視点になります。
なお、多面的とはいえ、たくさん書きすぎてもしょうがないので、数の指定がなければ3つくらいにまとめるのが無難です。

必須科目Ⅰと選択科目Ⅲにおける対象分野の傾向と予想は次回以降に。

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