それでは続きまして自然環境科目の選択Ⅱ‐2(2つの設問から1問を選ぶスタイルの応用能力問題)で出題されたネタを見てみましょう。
応用能力については「平成31(2019)年度 技術士試験の概要について 」によると次のような説明があります。
これまでに習得した知識や経験に基づき,与えられた条件に合わせて,問題や課題を正しく認識し,必要な分析を行い,業務遂行手順や業務上留意すべき点,工夫を要する点等について説明できる能力
とあります。
「選択科目」に関係する業務に関し,与えられた条件に合わせて,専門知識や実務経験に基づいて業務遂行手順が説明でき,業務上で留意すべき点や工夫を要する点等についての認識があるかどうかを問う。
ということです。
業務遂行手順、留意点や工夫を要する点、というのがキモになります。
実際の問題文をみてみると、上記の「応用能力」の説明そのままですよね。ということは今後も同じような問われ方になるんじゃないでしょうか(違っていたらゴメンナサイ)。
Ⅱ-2-X (前文に業務テーマが指定されます)~の担当責任者として業務を行うに当たり,下記の内容について記述せよ。
(1)調査,検討すべき事項とその内容について説明せよ。
(2)業務を進める手順について,留意すべき点,工夫を要する点を含めて述べよ。
*あるいは(2)業務を進める手順を具体的に示し,それぞれの項目ごとに留意すべき点,工夫すべき点を述べよ。
(3)業務を効率的,効果的に進めるための関係者との調整方策について述べよ。
この流れ、令和元年度から3年続けて同じでしたね。令和4年度はもしかしたらじゃっかんアレンジしてくるかもしれませんが、それでも大きくは変えられないと思います。
これまでどおりの準備で大丈夫でしょう。
羽田空港にて
【東京都大田区】
それでは具体的にどういった業務の遂行手順が問われてきたのか、これまでにどんな業務が出題されたのか振り返ってみましょう。
①国立公園の歩道新設
②道路改修業務におけるロードキル対策
R2
①生態系ネットワークを踏まえた自然再生事業
②生物多様性地域戦略の改訂業務
R1
①生息域外保全計画
②自然公園における利用者負担
H30
①国立公園満喫プロジェクト(自然公園におけるインバウンド利用推進)
②生物多様性地域戦略の改訂業務
H29
①地域の自然再生事業
②生物多様性地域戦略の改訂業務
H28
①原発事故避難民の帰還にあたり利活用を前提とした自然環境の保全育成基本計画
②地域のエコツーリズム推進
H27
①河川中流域における自然環境の保全とその利活用を目的とした整備基本計画
②自然ふれあい活動計画
H26
①奥山地域における自然環境の保全育成基本計画
②自然公園における情報提供施設の改修計画と運営計画
H25
①里地里山における自然環境の保全育成基本計画
②林地を自然ふれあいの場とする基本計画
まずはなんといっても生物多様性地域戦略(の改訂)ですね。
ついで自然公園の維持管理や自然再生事業が続きます。
試験対策としては、とにかく2問のうち1つは受験要件を満たした自然環境保全分野の技術者であれば当然これまでに実績、経験を積んでいるはずのものが出題されます。直接の経験がなくとも間接的にでも関わっているはずですし、なんなら耳学問でも体に入っているはずです。とにかくこの分野の技術士を目指すのであれば当然身につけておくべき応用能力です。
R4の試験対策としては、
①生物多様性地域戦略の改訂業務の流れ
②自然公園における維持管理計画
③自然再生事業の流れ
④自然環境の利活用計画
などを整理しておけばOKじゃないでしょうか。
とにかく、
Ⅱ‐2の回答については、APECさんは「業務計画書を作る感覚で」としています。特記仕様書兼作成手順書(問題文です)に沿って業務計画書(回答論文です)を作成するように書き上げればいいと思います。
わたしの講座です。論文の添削を受けたい方はぜひどうぞ。
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