2022年5月17日火曜日

R4総監部門の要チェック分野まとめ(記述式)

技術士筆記試験まであと2か月となりました。早いですね。早いといえば、今度の試験ではなく令和5年度試験に向けて取り組み始めるひとからも相談を受けました。早いとはいっても令和5年度試験もあと1年しかないですからね。どちらも計画的にコツコツ進めてほしいと思います。

GW前から連載していた出題ジャンルまとめと予想ですが、最後に総監部門を取り上げます。
とはいえ総監については予想するのはあまり意味はないようなところもあり、何が出題されたとしても総監として答えるのみです。なんて言っちゃうと身も蓋もないのですが、これは真実です。
じゃあどうしてこんな記事を投稿するのかというと、それはこれまでを振り返り、今後に思いを馳せるためです。予想して、アタッタ、ハズレタと一喜一憂するためではありません(って一喜一憂しているんですが(笑))

総監技術士の相応しさとは総合技術監理を理解していること、そして実施できることであり、それを読み手である試験官に伝えることができて初めて合格することができます。
「総合技術監理」については、ご存知の通り5つの管理のそれぞれの内容を理解することももちろん重要なのですが、記述式問題で書くべき内容は、なんといっても総監キーワード集2022の1ページから4ページにある「1.総合技術監理」にある内容です。これが出題されます。そこに書かれた内容をご自分の立場や役割を設定したうえで出題されたテーマや各設問で要求されていることに沿ったかたちで表現できるかどうかが合否の分かれ目になるわけです。
「トレードオフ×優先順位=全体最適化」
一般部門はテーマの勉強が重要でしたが、総監部門の場合はテーマの勉強というよりも、総監そのものの勉強が重要なのです。
つまり、出題テーマなんてなんだっていいわけです。テーマなんかよりは問題文に合わせてしっかり書ききることができるかどうかです。それには事前にテーマが予想できるかどうかはあまり関係ないと思います。

と、これだけ書いておいてナンですが、これまでの試験テーマを振り返るとほぼそのときどきの社会問題、社会的な課題にちなんだテーマで出題されています。
わたしのイチオシは(昨年度も推してて出題されませんでしたが)脱炭素社会に向けた取り組み、になりました。カーボンニュートラルが話題にもなっていますからね。ちょっと身びいきな感覚かもしれませんが(笑)
昨年のブログからそのまま引用しますが、「2050年までの『脱炭素社会』の実現」を基本理念とする改正地球温暖化対策推進法が参議院で全会一致で可決、成立したばかりです。脱炭素社会の実現に向けて、国民、国、地方自治体などが密接に連携することが規定されています。つまりこれは決して他人ごとではないわけです。国民それぞれができることから取り組んでいかないといけないわけです。
そういうことからもこれは受験者各々の立場、組織においてどのような取り組みができるのかが問われてもおかしくありません。だいたいこれまであまり社会環境管理メインの出題ってなかったんじゃないですかね。もちろん答案のほうにはいくら脱炭素社会の構築とはいっても社会環境管理メインってわけにはいきませんから、経済性管理を中心に、人的資源管理や情報管理の管理技術を駆使して、もちろん管理間のトレードオフを調整、取組内容の優先順位を検討しながら脱炭素社会に合致した組織運営ができるよう全体最適化を図る計画を立てられるとカッコイイですね。2030年までの短・中期目標と2050年までの最終目標のそれぞれの対策について、組織一丸となって脱炭素社会に向けた取り組みをビシッと計画できるとすごくカッコイイですよね。

あるいはこれは大穴?ですが、新型コロナウイルスやらウクライナ情勢などから考えると、再びBCPが出題されるかもしれません。R2年度に出たばかりなのでアレですが、定期的に繰り返し出題されてますもんね。

タコス
【沖縄県宜野湾市】

では、これまでどんなテーマが取り上げられたのか見てみましょう。

R3
【ビッグデータ解析とかAIとかDXなど】

R2
【R1に台風や豪雨災害が頻発】

R1
【H29年12月のぞみ34号重大インシデントなど】

H30
働き方改革
【H30年6月に働き方改革関連法が成立】

H29
事業における継続可能性
【H28年12月に「SDGs実施指針」が決定、8つの優先課題と具体的施策が示された】

H28
新技術導入による変更管理
【H28年4月にi-Construction委員会から同報告書がリリース】

H27
国際イベント関連プロジェクト
【H27年6月に東京オリパラ大会特別措置法が成立】

H26
人口減少社会を見据えたインフラ更新
【H26年5月にいわゆる「増田レポート」が発表】

H25
ライフサイクルを鑑みたメンテナンス
【H24年12月に笹子トンネル事故が発生】

こうみるとやっぱり総監はほぼその前年~半年程度の期間に話題になっている事柄が出題されていますよね。
社会を揺るがす事件・事故に災害、はたまた今後の中長期にわたって社会変革を促すような施策には敏感に反応してください。そしてそういったニュースに触れるだけでなく、事業主(経営者)の立場でその影響と対応策について5つの管理と全体最適化を考えておいてください、というか考えるクセをつけてください。

まずはイキナリ回答論文を書き始めるのではなく、過去の合格答案事例集を入手してそれを研究、分析することをオススメします。
たくさんの合格論文をみるとわかると思いますが、それら受験生は専門分野(技術部門)が異なるうえに、年度によってテーマも違うわけですけれども、総監としての課題や解決策そのものにはバリエーションがないことがわかると思います。人間、やれることは決まっていますからね。
というわけで、過去問についてしっかり取り組んでおけばOKだと思います。
もちろん事前に準備することなしに、試験本番でゼロベースで課題を抽出、解決策を提示するなんてことは、あの長いようで実はとても短い試験時間にはとてもではありませんができません。しかし事前にしっかり準備しておけば、試験本番では準備していた手持ちのピースのうちどれをどのように当てはめればよいのかを問題文に照らし合わせながら決めるだけです。

わたしの講座です。課題や解決策の妥当性、論理的整合性の確認を含めて、論文の添削を受けたい方はぜひどうぞ。

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