2019年6月20日木曜日

砂浜保全に関する中間とりまとめ

梅雨ですね。
沖縄はそろそろ明ける時期だと思うのですが、まだまだ激しい雨が連日のように続いています。豪雨災害なども気がかりですね。
山形(新潟)では地震も発生、それに伴い津波注意報も発令されました。試験対策等で「防災減災」についていつも以上に調べたり考える時間が多いとこういったニュースにはすごく敏感になりますよね。

本日、砂浜保全に関する中間とりまとめが発表されました。
海岸法の目的でもある『防護、環境、利用』の観点で、わたしたちが社会生活を送る上で欠くことができない存在と定義される砂浜について、砂浜と人との関わりの変換を受け、課題が抽出されています。そしてその課題に対して、流砂系・漂砂系の視点を持って「予測を重視した順応的砂浜管理」の展開を図るべき、との基本方針が打ち出されました。
※海岸法 第一条;この法律は、津波、高潮、波浪その他海水又は地盤の変動による被害から海岸を防護するとともに、海岸環境の整備と保全及び公衆の海岸の適正な利用を図り、もつて国土の保全に資することを目的とする。

今度の試験に「砂浜保全」が直接出るかは微妙ですが、防災減災、海岸、防災と環境、といった分野での出題があったら積極的にこの中間とりまとめで取り上げられている視点を盛り込むと高い評価となるでしょう。

国道6号線にて【福島県南相馬市小高区】

報道・広報

   「予測を重視した順応的砂浜管理」の実践
    ~砂浜保全に関する中間とりまとめの公表~

令和元年6月20日
    
 国土交通省は、砂浜保全に関する中間とりまとめとして、砂浜保全に関する背景や基本的な考え方、現状と主な課題を整理した上で、それに対して講ずべき施策について提言を頂きました。
○「津波防災地域づくりと砂浜保全のあり方に関する懇談会」は、今後の津波防災地域づ
 くりや砂浜保全のあり方を検討する場として平成29年9月に設置されました。砂浜保全
 のあり方については5回にわたり議論され、この度、提言がとりまとめられました。

○本提言では、これまでの後追い的な砂浜管理だけでなく、「予測を重視した順応的砂浜
 管理」の施策展開の必要性についてとりまとめられています。特に、日本のすべての砂
 浜の健康状態を定期的に確認する「健診的なモニタリング(砂浜の健康診断)」により、
 必要な砂浜幅が確保できないと予測された時点で対策を行うことが重要であることが
 強調されています。    


【中間とりまとめの主なポイント】
 ・最新技術を活用した砂浜のモニタリング手法の構築
  ・侵食対策の早期実施に向けた環境整備
  ・順応的砂浜管理の実施
  ・砂浜の海岸保全施設としての指定の促進
  ・専門的な人材の育成、技術力の向上
                          など
 【とりまとめ資料】
1.砂浜保全に関する中間とりまとめ【概要】
2.砂浜保全に関する中間とりまとめ【本文】
3.砂浜保全に関する中間とりまとめ【参考資料】
  とりまとめ資料及び懇談会に関する資料は、下記URLよりご覧下さい。
  http://www.mlit.go.jp/river/shinngikai_blog/tsunamiKondankai/index.html

添付資料

報道発表資料(PDF形式)PDF形式
別紙(概要)(PDF形式)PDF形式

津波防災地域づくりと砂浜保全のあり方に関する懇談会

中間とりまとめ
<砂浜保全>
<津波防災地域づくり>

2019年6月12日水曜日

令和元年版 環境白書・循環型社会白書・生物多様性白書

ご無沙汰しております。
いよいよ試験まで残りひと月となりましたね。これまでとこれからひと月の試験対策はその取組内容を変えてください。
これまでは①知識と②技術士試験に求められる論文の書き方の習得でしたが、これからのひと月はこれまで作成した模範解答論文を実際に解答用紙に鉛筆またはシャープペンシルで手書きで写し書きしてください。いわゆる写経です。これによりセンテンスが体に入ってきます。腕が覚えます。そして上半身の筋肉が長時間の筆記試験に耐えられるようになります。なにより書きなれない漢字を覚えることができます。
イイことづくめですので頑張って下さい!

このところ環境省のメルマガ配信がストップしていて、さらにこの間、東京やら福島やら大阪やらに出張が続きチェックを怠っていたところ、なんと環境白書が閣議決定されていましたね。
隅から隅までチェックする必要はありませんが、国の方向性、環境行政の方向性をチェックするのにうってつけの資料ですので(添付の概要だけでも)ザっと流し読みしてみてください。
これまでの温暖化や生物多様性等に加えて、今回は「プラスチック問題」が取り上げられています。このプラスチック問題は建設環境の技術者(技術士)としても要チェックだと思います。問題Ⅱ-1あたりで問われそうです。

また、東日本大震災の特集もあります。
先月末に所属する県の技術士会で福島研修に参加したのですが、現地の様子を目の当たりにし、とても衝撃を受けました。東京電力の職員のかたに案内していただいた福島第一原子力発電所、そして地元自治体職員のかたに案内していただいた帰還困難区域とその周辺地域。南相馬市と相馬市で宿泊した旅館のかたのお話。地震、津波、そして放射性物質汚染のこと。現地に行かないとわからないことや知ることができないこと、マスコミで報道されていないようなこともたくさん見聞きすることができました。
この環境白書で取り上げられている「第4章 東日本大震災からの復興と環境再生の取組」もしっかり読みこもうと思います。

ここなら笑店街【福島県双葉郡楢葉町】

報道発表資料
令和元年6月7日
総合政策
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令和元年版環境白書・循環型社会白書・生物多様性白書の閣議決定について

 令和元年版環境白書・循環型社会白書・生物多様性白書は、本日6月7日(金)に閣議決定され、国会に提出されました。
 本年の白書は、「持続可能な未来のための地域循環共生圏―気候変動影響への適応とプラスチック資源循環の取組―」をテーマとして、第5次環境基本計画(平成30年4月閣議決定)で提唱した「地域循環共生圏」の観点を交え、気候変動への適応とプラスチック資源循環について、各地域、各主体の取組や、ライフスタイルの転換に向けた取組事例等を紹介しています。
1.環境白書、循環型社会白書、生物多様性白書の経緯について
 環境白書、循環型社会白書、生物多様性白書の3つの白書は、それぞれ、環境基本法、循環型社会形成推進基本法、生物多様性基本法に基づく国会への年次報告書です。環境問題の全体像を国民に分かりやすく示し、参加協力を促すため、平成21年版から3つの白書を合冊しています。
全体の構成は、第1部・総合的な施策等に関する報告、第2部・各分野の施策等に関する報告からなっています。
2.白書の閲覧及び市販版等の入手方法について
(1)環境省ウェブサイトへの掲載等
本日閣議決定された「令和元年版環境白書・循環型社会白書・生物多様性白書」は、PDFデータを環境省ウェブサイト(http://www.env.go.jp/policy/hakusyo/)に掲載しています。なお、HTML形式のデータについては、6月下旬以降、同ウェブサイトに掲載する予定です。
(2)市販版の入手方法
「令和元年版環境白書・循環型社会白書・生物多様性白書」は、政府刊行物センターや政府刊行物取扱書店等で購入することができます(1部2,380円(税別、予価)、6月中下旬発売予定)。市販版の入手方法等については、発行元の日経印刷株式会社第一営業部(03-6758-1011)までお問い合わせください。
3.今後の普及啓発について
白書の内容を広く国民に普及させることなどを目的として、以下のとおり「白書を読む会」の開催や冊子の作成等を予定しています。
(1)「白書を読む会」の開催
本年の白書に関するテーマや狙いなどを環境省職員が説明する「白書を読む会」を開催します(入場無料)。開催日時・場所等については、別途お知らせします。
(2)「英語版 環境白書・循環型社会白書・生物多様性白書」
   国際社会に対して我が国の環境行政を発信するため、本年の白書の英語版小冊子を作成します。同冊子は、本年秋頃をめどに、環境省ウェブサイト(http://www.env.go.jp/en/wpaper/)にも掲載する予定です。
(3)「環境統計集」
   白書に掲載したデータ等は、機械判読可能なデータ形式で環境省ウェブサイトに掲載します。過去のデータは、環境省ウェブサイト(http://www.env.go.jp/doc/toukei/contents/index.html)に掲載しています。
4.その他
「令和元年版環境白書・循環型社会白書・生物多様性白書」の印刷工程の電力使用に伴い発生する二酸化炭素(CO2)については、環境省の「オフセット・クレジット制度(J-VER制度)」に基づき発行された東日本大震災における被災地のクレジットを購入し、オフセットしています。

添付資料


2019年6月1日土曜日

環境影響評価情報支援ネットワーク

建設環境科目の基本中の基本、必ず出題されてもいる分野が環境影響評価(環境アセス)であることはご存知だと思います。
さりながら実際に環境アセスをどっぷりやっているひとは意外と建設環境ではなく(ある意味当たり前かもしれませんが)環境部門環境影響評価を受験する傾向があります。
そのためか建設環境受験者で環境アセスを本格的に経験したひとというのは意外と少ないのかもしれません。

わたしも「アセスの経験がないのでどうやって勉強したらいいでしょうか」という相談をよく受けます。さらには環境保全措置すら経験がない、というかたもいらっしゃいます。そうなると筆記試験どころか業務経歴的に微妙にもなりかねないところがあるわけですが、とにかく環境アセス、環境アセスでの環境保全措置については、手続きの流れは知識として把握しておくことはいわずもがな、選択科目Ⅱ-2対策としては過去の事例をどれだけご自分のものとしておくかによると思います。

わたしが過去事例も含めて環境アセスに関するあれやこれやを調べるときにポータルサイトっぽく活用していた環境省の「環境影響評価情報支援ネットワーク」ですが、これまではGoogle検索で適当に「環境アセス 第1種事業」とかでアクセスしていたのですが、最近、環境省のほうで新しくリニューアルしたようで古いURLだと該当ページに飛ばなくなっちゃいました。困ったなぁと途方にくれていたところ、新しい引っ越し先を見つけましたのでここに貼り付けておきます。
リニューアルされたウエブサイトは環境アセス制度の解説もさることながら、縦覧期間終了後の環境影響評価図書の公開もあるなど、事例も豊富ですので活用しまくってください!
環境影響評価情報支援ネットワーク

まだまだ検索上位にはヒットしないようですので、残りひと月半のラストスパート、ライバルに差をつけるべくこのサイトを活用しまくりゴールに一番乗りしてください!

新版蝦夷土産道中寿五六

2019年5月19日日曜日

平成31年度技術士第2次試験 要チェック分野まとめ(必須科目Ⅰ) 

最後に必須科目Ⅰです。
これまでの必須科目は択一試験(マークシート)だったわけですが、今回からは記述式(解答用紙3枚)になります。
「技術部門」全般にわたる専門知識,応用能力,問題解決能力及び課題遂行能力に関するもので,
現代社会が抱えている様々な問題について,「技術部門」全般に関わる基礎的なエンジニアリング問題としての観点から,多面的に課題を抽出して,その解決方法を提示し遂行していくための提案を問う。とのことです。
部門共通というところがミソですね。
建設環境は建設部門ですので、いまいちど建設部門なのだと認識してください。暗示にかけてもいいです。とにかく環境系のひとは建設部門だという意識がたいへん低いです。

平成24年度試験までは同様に解答用紙3枚の記述問題だったわけでして、出題方式はそのままとは思いませんが、出題テーマの取り上げ方は参考になると思います。
では具体的にどういったことが出題されていたのか、見てゆきましょう。

H24
①防災・減災に向けた社会基盤の整備
②地球環境問題3つの視点

H23
今後の社会資本整備
②建設産業の活力回復

H22
防災・減災対策
②海外での社会資本整備

H21
①低炭素社会の実現
②高度化細分化した技術

H20
①アセットマネジメント
②技術力の維持・向上

H19
①地域活性化
②大量退職に伴う技術継承

こうしてみると「●●における社会資本整備のあり方」を問う問題ばかりですね。
●●には、限られた予算、人口減少、労働人口減少、少子高齢化、グローバル社会、激甚化する災害、インフラ老朽化、環境保全、グローバル社会、ICTといったあたりになろうかと思います。
これすべて「国土のグランドデザイン2050」から取っています。

さらにピンポイント気味に予想してみると、激甚化する災害については近年頻発している水害モノに注目しています。たとえば水防災意識社会再構築ビジョンなど。

もちろん、昨年の平成29年度国土交通白書はあらためて目を通しておいてください。
白書といえば「働き方改革」が取り上げられてましたね。そこから生産性向上という切り口も要チェックですね。国土交通省では生産性革命プロジェクトを推進しています。

といった2本を予想しているわけですが、さてどうなりますか。

すすきのへ至る路
【札幌市中央区】

いずれにしろ、選択科目Ⅲと同様、なにがテーマとなっても建設部門の技術者としての対応はそんなにはバリエーションはないと思います(解答ネタ、解答パターンとして)。
あらかじめ上記のテーマごとに骨子を整理しておけば試験当日は出題テーマに合わせてアレンジする程度で対応できると思います。


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2019年5月18日土曜日

平成31年度技術士第2次試験 要チェック分野まとめ(Ⅲ) 

それではまずは選択科目Ⅲからいきましょう。
平成31年度試験からは「社会的なニーズや技術の進歩に伴う様々な状況において生じているエンジニアリング問題を対象」とした出題になるのですが、平成30年度までの試験では「(建設環境)に係わる社会的な変化・技術に関係する最新の状況」や「(建設環境)共通する普遍的な問題」について問われました。
上記、文言が変わりましたが内容はそう大きくは変わらないと思います。
では具体的にどういったことが出題されていたのか、見ていきましょう。

H30
グリーンインフラを組合わせた防災・減災の取組
持続可能な都市のための都市計画

H29
生態系ネットワーク(エコロジカルネットワーク)
再生可能エネルギーの利活用

H28
気候変動適応策
大規模津波災害からの復旧復興事業における自然環境への配慮

H27
コンパクトシティと環境配慮
建設副産物の3R推進策

H26
防災減災と生物多様性
インフラ更新と環境配慮

H25
低炭素都市づくり
閉鎖性水域の水質改善策

いずれも建設部門共通の社会的課題について建設環境の技術者としてどのようにアプローチするか(課題を抽出してそれをどのように解決を図るのか)が問われています。

建設部門共通の社会的課題のほうは、白書で取り上げられるような社会的課題に対して、建設環境の技術者としての取り組みを書けるかどうかになるのではないでしょうか。

御所建礼門へ至る路
【京都市上京区】

建設部門の共通課題(国土のグランドデザイン2050)としては、これまでにも出題されているものも含めて
人口減少社会(H27・H30)
少子化・高齢化社会(H27・H30)
③防災減災(H26・H28・H30)
インフラ更新(H26)
⑤災害復興や東京オリンピック等に向けての建設ラッシュ(H27・H28)
⑥気候変動適応策と緩和策(H28)
⑦低炭素都市づくり(H25・H27 ・H30)
⑧観光立国
⑨建設産業の活性化・技術継承
⑩建設事業の海外展開
生産性の向上~i-Construction
があり、

建設環境独自のものとしては、
⑫環境改善(閉鎖性水域の保全再生)(H25)
⑬生態系保全(H29)
⑭再生可能エネルギー(H29)
がありました。
環境改善ものとしては、水質のほかにも底質(水質みたいなものですが)、自然再生事業都市緑化などもあるかもしれません。

一昨年から昨年にイチオシしていたものに、
多自然川づくり
があります。一昨年はちょうど河川法改正から20周年でした。
今年こそ「過去を振り返り今後に活かす」というテーマで出題されるのではないでしょうか。これまでの取り組みの成果(効果)、解決されていない課題及び新たに浮かび上がった課題、その解決策、その留意点です。

ただし「多自然川づくり」というのは河川に限定したはなしになっちゃいますから、ここはもっと大きくくくったテーマとして、
⑯生物多様性保全
というズバリそのままで出題される可能性もあるんじゃないかと考えています。
もしくはH29のように生態系ネットワーク(エコロジカルネットワーク)の視点からの問いもあるかもしれません。

そして生物多様性というのは自然環境系のひとを対象としているので、もうひとつのほうは生活環境系の大ネタである
⑰閉鎖性水域の水質改善
が出る、というのはどうでしょうか。●●保全策、●●改善策シリーズです。
平成25年度に試験方法が変更された初年度にも閉鎖性水域の水質改善策が出題されています。
平成31(2019)年度はもしかしたら奇をてらわない、誰でも答えられる(そのぶん高度な記述レベルが求められる)出題内容になると面白いなと思っています。
とはいえ採点する側になって考えると誰でもとりあえず回答できる問題だったら答案レベルに差がつきにくくなっちゃって採点するほうがかえってたいへんなことになっちゃうかもしれませんね。そう考えるとやっぱりナイかな。

たくさん挙げてしまいましたが、なにがテーマとなっても建設環境の技術者としての対応はそんなにはバリエーションはないと思います(解答ネタ、解答パターンとして)。
要はどんなテーマであっても環境負荷低減を図ることでボトルネックを解決解消し、課題を達成するということです。あるいはボトルネックを解決解消して課題である環境負荷低減を図るということです。この軸さえブレなければ大丈夫です。
この際、カギとなるのが「ボトルネックの抽出」になります。
ここでご自分の解決策を展開しやすいボトルネックを抽出できるかどうかで、あの短い限られた時間で回答論文を書ききることができるかどうかが決まるのではないでしょうか。

頑張ってください!
*ボトルネックとは、課題の達成を阻む問題点のことで、近年の問題文では「技術的課題」とも。


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2019年5月17日金曜日

平成31年度技術士第2次試験 要チェック分野まとめの前に(Ⅰ&Ⅲ)

つづきまして、2つの設問から1問を選ぶスタイルの「問題解決能力及び課題遂行能力」が問われる必須科目Ⅰと選択科目Ⅲです。なお、平成30年度試験までは選択科目Ⅲで「課題解決能力」として問われていました。
問題解決能力及び課題遂行能力とはなんでしょうか。
平成31(2019)年度 技術士試験の概要について」によると、「社会的なニーズや技術の進歩に伴い,社会や技術における様々な状況から,複合的な問題や課題を把握し,社会的利益や技術的優位性などの多様な視点からの調査・分析を経て,問題解決のための課題とその遂行について論理的かつ合理的に説明できる能力」とあります。
その出題内容は、
必須科目Ⅰが
現代社会が抱えている様々な問題について,「技術部門」全般に関わる基礎的なエンジニアリング問題としての観点から,多面的に課題を抽出して,その解決方法を提示し遂行していくための提案を問う。
選択科目Ⅲが
社会的なニーズや技術の進歩に伴う様々な状況において生じているエンジニアリング問題を対象として,「選択科目」に関わる観点から課題の抽出を行い,多様な視点からの分析によって問題解決のための手法を提示して,その遂行方策について提示できるかを問う。
ということです。

論理的、ということですから、これは従来から確認されている技術士の資質である論理的考察ができるかどうか、そしてそれを試験官に伝えることができるか、がキモです。
これには骨子(表)で整理して記述するクセを身につけると、書き間違うことはありません。骨子(表)についてはこれまでにも何回か記述していますし、SUKIYAKI塾のHPにも詳しいのでそちらをご確認ください。

京都市街に続く路
【蹴上インクライン 京都市】

評価にあたっては、問題を問題たらしめている要因の抽出課題遂行を阻むボトルネックの抽出が表現できるかどうかがいちばん大きいのではないかと感じます。
実はこれができているかどうかでほぼ合否が分かれるといっても過言ではありません。わたしが行っている添削講座でもほぼこの問題要因の抽出ボトルネックの抽出についての指導になっています。それだけ皆さんが苦手としている部分です。ここをクリアすると一足お先に「合格」することができます。

また、多面的に課題を抽出多様な視点からの分析も重要です。
一面的でなく多面的な視点が求められています。よく受講生から多面的(多様)な視点とはどういったものなのでしょうか、という質問を受けますが、定義はないので多面的でさえあれば試験としてはOKです。多面的については設問(1)か(2)で問われています。ここでは課題について幅広い視点(多様な視点)から記述していることを表現してください。いっぺんに書こうとするから書けないんです。センテンスで区切るなり、項目だてするなり、ひとつの面づつ箇条書きでもいいので書き分けてください。

物事にはいい面だけでなく悪い面もあります。
プラスの効果だけでなくマイナスもあります。
あるいは環境保全とインフラ整備はトレードオフになっている場合が多いです。
さらには予算は限りがあるわけですからどれだけ素晴らしい提案内容だとしても資金面が追い付かなければ実現可能性は下がってしまいます。
益をこうむる人もいれば犠牲を強いられる人も出てきます。下流側を守るために上流側を犠牲にせざるを得ないなどがありますよね。
そして生物多様性保全には4つの危機的側面があります。
あるいはいろんな地域として森、川、海、や都市と地方。
はたまた時間的に異なる側面として計画段階、施工段階、維持管理段階、等々。

これらのことはリスクや留意点でも使えます。

白書や解説書、そのほかいろんな資料ではあることについて説明があったあと、「一方で、~」というのがありますよね。これが別の面について述べているもので、つまり多面的な視点になります。
なお、多面的とはいえ、たくさん書きすぎてもしょうがないので、数の指定がなければ3つくらいにまとめるのが無難です。同じく数の指定がなければ、リスクや留意点だったら多くて2つ、なんだったら1つでもいいでしょう。

必須科目Ⅰと選択科目Ⅲにおける対象分野の傾向と予想は次回以降に。

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2019年5月16日木曜日

平成31年度技術士第2次試験 要チェック分野まとめ(Ⅱ-2) 

続きまして、Ⅱ‐2(2つの設問から1問を選ぶスタイルの応用能力問題)です。
応用能力とは何ぞや、というところですが、「平成31(2019)年度 技術士試験の概要について 」によると、応用能力とは、
これまでに習得した知識や経験に基づき,与えられた条件に合わせて,問題や課題を正しく認識し,必要な分析を行い,業務遂行手順や業務上留意すべき点,工夫を要する点等について説明できる能力

とあります。平成30年度試験までの定義とほぼ同じなのですが、「工夫を要する点」というのが新たに加わりました。とはいえ、平成30年度試験までも具体的な出題内容のところで「工夫を要する点」についての認識を問うとありましたので、そう考えると全く同じ変更ナシと言ってもイイと思います。
具体的にはどんなことが問われるのかを見てみると、
「選択科目」に関係する業務に関し,与えられた条件に合わせて,専門知識や実務経験に基づいて業務遂行手順が説明でき,業務上で留意すべき点や工夫を要する点等についての認識があるかどうかを問う。
ということです。これまた変更ナシです。
業務遂行手順留意点工夫を要する点、というのがキモになります。

国会議事堂に続く道
【東京都千代田区 国会通り】

それでは具体的にどういった業務の遂行手順が問われてきたのか、これまでの出題内容を振り返ってみましょう。

H30
道路事業の計画段階配慮書
風力発電所建設事業の調査・予測及び評価手法

H29
第1種事業の環境アセス(環境保全措置~回避低減、代償措置)
歴史まちづくり

H28
第1種事業の環境影響評価(環境要素ごとの環境保全措置)
低炭素まちづくり計画

H27
建設事業における外来種対策
第1種事業における工事中の環境影響評価

H26
計画段階配慮書
土壌汚染対策

H25
希少種への影響予測と環境保全措置
生活環境への影響予測と環境保全措置

これはもうほぼ環境アセス(のしかも環境保全措置)ですね。環境影響評価法に基づく手続きはもちろん、法アセスに満たない規模も含んだ建設事業にかかる環境配慮(環境負荷低減)に関する手続きが問われています。そしてそのなかで環境保全措置についてもよく問われています。
これは受験要件を満たした建設環境分野の技術者であれば当然これまでに実績、経験を積んでいるはずです。
建設環境の技術者は大きく、自然環境系、生活環境系、環境影響評価系に大まかに分けられますが、いずれの技術者でも回答できるはずの出題内容となっています。

H31の試験対策としては、
(1)まず法アセスの手続きの流れをしっかり頭に叩き込むこと
(2)ご自分が経験した(あるいは資料が入手可能な)環境アセスの一連の流れ(計画段階から環境保全措置まで)とその内容を概略で結構ですのでチェックしておく

そのほか、
(3)建設事業による環境負荷を低減する技術(つまり環境保全措置)について、その実施手順と留意点を整理しておく
(4)さらに事業の前提条件として「第1種事業」であることがたびたび出題されています。仮に事業規模が指定されていなかったとしても第1種事業で記述してもOKなのですから(たぶん)、この機会に第1種事業の規模は抑えておきましょう。特にご自分が取り上げる予定の事業におかれましては、しっかりと数字(kmだとかhaだとか車線数だとか)を頭に入れておいてください(覚えやすい数字になっています)。なお高速道路建設事業は規模指定がないのでイイかもしれません。

もういっこのまちづくり系は、半ば無理やり感はありますが、
都市の緑空間の保全・活用によって潤いのある豊かなまちづくり
あたりがねらい目かもしれません。

とにかく、

Ⅱ‐2の回答については、APECさんは「業務計画書を作る感覚で」としています。特記仕様書兼作成手順書(問題文です)に沿って業務計画書(回答論文です)を作成するように書き上げればいいと思います。

★最後に宣伝です(^^)/
沖縄県豊見城市で行ったAPECさんによるセミナー講義の模様を撮影した動画の販売をSUKIYAKI塾四国で開始しました。
よかったら合わせてご覧ください。
SUKIYAKI塾四国

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