この2題こそ、王道中の王道で(←コレばっかり繰り返してますね)、どちらの問題でも書けるように準備していたかたが多いのではないでしょうか。建設環境のひとはやはり防災減災対策をからめた話を準備していた人が多いですから結局Ⅰ-2のほうを選んだひとが多いかもしれませんね。
それにしても選択科目Ⅲのところでも書きましたが、『平成 31 年度技術士第二次試験に関する出題内容等について』には必須科目Ⅰは「専門知識、応用能力、問題解決能力及び課題遂行能力に関するもの」とあるのに、ふたを開けてみたら「課題を抽出し分析せよ」て、話が違いますよね。。。。皆さん動じずに対応できていたらよいのですが。
そして面白いことに、(1)~(3)まで選択科目Ⅲと同じでしたね(出題はこっちが午前で先なわけですが)。そしてそしてこれまた興味深いことに、選択科目Ⅲでは(3)のリスクとその対策で終わっていたのですが、必須科目Ⅰではさらに(4)として「技術者としての倫理と、社会の持続可能性」が問われました。
「倫理と持続可能性」がここまであからさまに問われるとは想像もしていませんでした。受講生からも「倫理」についてはどんな準備をしたらいいですか?という質問も頂いていていたのですが、それに対しては「そんなに気にする必要はないと思います。倫理的に誤っていないことを当たり前に記述していたらいいんじゃないでしょうか」なんて回答していたのですが。実はもっと積極的に記述すべきだったのですね(過去問対応では限界がありますが)。
皆さん、倫理と持続可能性の観点ってどんな感じで書きましたか?
Ⅰ 次の2問題(Ⅰ-1,Ⅰ-2)のうち1問題を選び解答せよ。(解答問題番号を明記し,答案用紙3枚以内にまとめよ。)
Ⅰ-1 我が国の人口は2010年頃をピークに減少に転じており,今後もその傾向の継続により働き手の減少が続くことが予想される中で,その減少を上回る生産性の向上等により,我が国の成長力を高めるとともに,新たな需要を掘り起こし,経済成長を続けていくことが求められている。
こうした状況下で,社会資本整備における一連のプロセスを担う建設分野においても生産性の向上が必要不可欠となっていることを踏まえて,以下の問いに答えよ。
(1)建設分野における生産性の向上に関して,技術者としての立場で多面的な観点から課題を抽出し分析せよ。
(2)(1)で抽出した課題のうち最も重要と考える課題を1つ挙げ,その課題に対する複数の解決策を示せ。
(3)(2)で提示した解決策に共通して新たに生じうるリスクとそれへの対策について述べよ。
(4)(1)~(3)を業務として遂行するに当たり必要となる条件を,技術者としての倫理,社会の持続可能性の観点から述べよ。
生産性革命プロジェクト(国土交通省)
平成27年度 国土交通白書 ~生産性の向上~
そしてもういっこの問題もテーマが異なるだけでそれ以外は全く同じ問い方でしたので、続けてⅠ-2も掲載しちゃいます。見比べてみてください。そして実はこれ、建設部門だけじゃなくて、全部門全科目ともこんなだったみたいですよ。
粘り強い防波堤【那覇港】
Ⅰ-2 我が国は,暴風,豪雨,豪雪,洪水,高潮,地震,津波,噴火その他の異常な自然現象に起因する自然災害に繰り返しさいなまれてきた。自然災害への対策については,南海トラフ地震,首都直下型地震等が遠くない将来に発生する可能性が高まっていることや,気候変動の影響等により水災害,土砂災害が多発していることから,その重要性がますます高まっている。
こうした状況下で,「強さ」と「しなやかさ」を持った安全・安心な国土・地域・経済社会の構築に向けた「国土強靭化」(ナショナル・レジリエンス)を推進していく必要があることを踏まえて,以下の問いに答えよ。
(1)ハード整備の想定を超える大規模な自然災害に対して安全・安心な国土・地域・経済社会を構築するために,技術者としての立場で多面的な観点から課題を抽出し分析せよ。
(2)(1)で抽出した課題のうち最も重要と考える課題を1つ挙げ,その課題に対する複数の解決策を示せ。
(3)(2)で提示した解決策に共通して新たに生じうるリスクとそれへの対策について述べよ。
(4)(1)~(3)を業務として遂行するに当たり必要となる要件を,技術者としての倫理,社会の持続可能性の観点から述べよ。
国土強靭化基本計画の見直し(概要)
国土強靭化(内閣官房)
地域強靭化基本計画(国土強靭化地域計画)(内閣官房)
今回、いちばんの変更点ともいえる必須科目の記述問題ですが、問題テーマ、出題方式だけでなく、答案用紙のマス目の色も何色になるんだろうと思っていました。
これまた予想に反してなかなか上品な紫色でしたね。わたしはベタに黄色系を想像していたのですが、さすが技術士会、センスがありますね~。プリンス好きにとってもすごく嬉しいです。
建設環境はひとまずこれで終了です。次からは環境部門や水産部門を取り上げますね。お楽しみに(ってまもなく公表されますが)。
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