2022年7月20日水曜日

建設環境 選択科目Ⅲ 生態系ネットワークとグリーンリカバリー

「問題解決能力及び課題遂行能力に関する」問題Ⅲ、Ⅲ-1が再び生態系ネットワーク、Ⅲ-2が低炭素(脱炭素)の変形版であるグリーンリカバリーでした。パターンとしては昨年度と同じでしたね。昨年度試験の模範解答を作成していたひとはそれをアレンジすることで結構書きやすかったのではないでしょうか。それゆえどちらを選択するか悩みに悩んだのではないでしょうか。
生態系ネットワークはR3だけはなくてH29にも出題されていましたので頻出ですね。建設環境の自然環境分野のドストライク分野なのでしょうね。
それにしてもグリーンリカバリーとはその響きが建設環境っぽくないので驚きました。まるで環境部門なわけです。Ⅱ-1のEco-DRRといい、今回の建設環境はだいぶ環境部門(環境省)寄りに感じるのはわたしだけでしょうか。

Ⅲ 次の2問題(Ⅲ-1,Ⅲ-2)のうち1問題を選び解答せよ。(赤色の答案用紙に解答問題番号を明記し,答案用紙3枚を用いてまとめよ。)

Ⅲ-1 生物が絶滅せずに生き残るうえで生態系ネットワークが重要な役割を果たしている。この生態系のつながりを保つうえで,河川は森林や農地,都市などを連続した空間として結びつける国土の生態系ネットワークの基軸の1つであり,流域の中にまとまった自然環境を保持している貴重な空間となっている。このような状況を踏まえ,以下の問いに答えよ。

(1)河川を基軸とした生態系ネットワークの現状について,多面的な観点から技術的な課題を3点抽出し,その内容を観点とともに示せ。

(2)抽出した課題のうち最も重要と考える課題を1つ挙げ,その課題に対する複数の解決策を示せ。

(3)解決策に共通して新たに生じうるリスクとそれへの対策について述べよ。


等々力渓谷
【東京都世田谷区】

Ⅲ-2 新型コロナウィルス感染症の感染拡大による経済活動の停滞や人の移動の抑制などが要因となって,2020年度における我が国のCO2総排出量は2019年度と比較して減少しているが,今後経済が回復し人の移動が増加すると,CO2総排出量も増加する可能性が考えられる。
 一方で,コロナ禍により我が国の社会経済も大きな影響を受けているが,それへの対応や復興において,単に以前の状況に戻るのではなく,より良い社会経済の実現に向けて,気候変動やその他の環境課題への対策を進める「グリーン・リカバリー」という考え方が提唱されている。
 このような状況を踏まえ,建設環境の技術者として,以下の問いに答えよ。

(1)コロナ禍を契機として生じた「在宅勤務・テレワークの増加」,「自宅での活動時間の増加」,「外出自粛に伴う購買行動の変化」という現状と,コロナ禍が収束した後において想定される状況を比較したとき,CO2排出を抑制するうえでの人やモノの移動に関する課題を多面的な観点から3つ抽出し,その課題の内容を観点とともに示せ。

(2)前問で抽出した課題のうち,最も重要と考える課題を1つ挙げ,その課題に対する複数の対策を示せ。

(3)前問(2)で示したすべての対策に共通して新たに生じうるリスクと,それへの対応策について,専門技術を踏まえた考えを示せ。


グリーンリカバリーとはいうものの、結局のところ、脱炭素社会における人やモノの移動(交通や物流)に関する課題になるんですよね。つまり次世代グリーンモビリティ、スマート交通、自転車移動、グリーン物流、カーボンニュートラルポート、といったあたりになりましょうか。それに気づけば脱炭素ネタ論文のアレコレが使えたのではないでしょうか。

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