2022年7月22日金曜日

水産部門 必須科目Ⅰ マーケットインと震災被害の回避低減

最後に水産部門必須科目の問題文を取り上げます。
昨年度に引き続き震災が出題されました。昨年度は東日本大震災から10年だったわけですが、正直、今年度も出題されるとは想像していませんでした。でも問題文にあるとおり、最近でも日本各地で地震が頻発していますからね。東日本大震災から学び今後に活かすことこそ水産部門の技術者に求められている課題なのだと思いました。

14 水産部門【必須科目Ⅰ】
Ⅰ 次の2問題(Ⅰ-1,Ⅰ-2)のうち1問題を選び解答せよ。(解答問題番号を明記し,答案用紙3枚を用いてまとめよ。)

Ⅰ-1 近年,我が国では人口の減少や生活様式の多様化等に伴い,食に対する志向が変化し,水産物消費量は減少傾向を示している。また,漁業生産量も減少が続いている。さらに,今般の新型コロナウィルス感染症拡大の影響も受け,食品の消費形態が大きく変化してきている。こうした中で,我が国の水産業が将来にわたって持続的に発展していくため,プロダクトアウトの考え方に加えて,漁業,養殖業,食品加工業,流通業,あるいはそれらの周辺分野においても,消費者ニーズを重視したマーケットインの考え方が注目されている。
 以上の現状を踏まえて,以下の問いに答えよ。

(1)マーケットインに留意した取り組みを水産業の現場へ導入するに当たり,技術者としての立場で,水産部門全体にわたり広く多面的な観点から3つの課題を抽出し,それぞれの観点を明記したうえで,その課題の内容を示せ。

(2)抽出した課題のうち最も重要と考える課題を1つ挙げ,その課題に対する複数の解決策を示せ。

(3)前問(2)で示したすべての解決策を実行して生じる波及効果と専門技術を踏まえた懸念事項への対応策を示せ。

(4)前問(1)~(3)の実現に当たり,技術者としての倫理,社会の持続可能性の観点から必要となる要件・留意点を題意に即して述べよ。

水産土木は必須科目だけじゃなくて選択科目Ⅲでもマーケットインが出題されたんですよ。マーケットインって昨年度の水産白書で特集されていましたよね。ということは来年は確実に水産基本計画から出題されますね。

【沖縄県那覇市】

Ⅰ-2 世界のマグニチュード6.0以上の地震の約2割が我が国で起こっているとされる。地震調査研究推進本部では,今後30年以内の地震発生確率として南海トラフ地震が70~80%など,日本列島の各地において大規模な地震が発生する可能性を示している。2011年3月に発生した東日本大震災の被災地では,未だ水産業は復興途上であることから,今後の大地震発生は,水産業の壊滅的被害や食料流通網の混乱など国民への安定した食料供給を揺るがすおそれがある。
 以上の状況を踏まえて,以下の問いに答えよ。

(1)震災による水産業や国民への食料供給に及ぼす影響を回避,又はできる限り小さくするために,東日本大震災を振り返り,技術者としての立場で水産部門全体にわたり広く多面的な観点から3つの課題を抽出し,それぞれの観点を明記したうえで,課題の内容を示せ。

(2)抽出した課題のうち最も重要と考える課題を1つ挙げ,その課題に対する複数の解決策を示せ。

(3)前問(2)で示したすべての解決策を実行して生じる波及効果と専門技術を踏まえた懸念事項への対応策を示せ。

(4)前問(1)~(3)の業務遂行において必要な要件を,技術者としての倫理,社会の持続可能性の観点から題意に即して述べよ。


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