次期生物多様性国家戦略研究会報告書の公表について
今般、次期生物多様性国家戦略の策定に向けた課題の洗い出し及び方向性を示す研究会からの提言として「次期生物多様性国家戦略研究会報告書」が取りまとめられましたので、お知らせいたします。
1.概要
環境省では、次期生物多様性国家戦略の策定に向けて、中央環境審議会(以下「審議会」という。)での検討に先立ち、生物多様性に関する今後10年間の主要な課題や対応の方向性について、幅広い観点から有識者の御意見を伺うことを目的として、2020年1月に「次期生物多様性国家戦略研究会」(座長:中静透 国立研究開発法人森林研究・整備機構 理事長)を設置し、これまで9回開催してきました。
今般、本研究会により「次期生物多様性国家戦略研究会報告書」が取りまとめられました。この報告書では、審議会での次期生物多様性国家戦略の検討のための資料として、目指すべき2050年の自然共生社会の姿と2030年までに取り組むべき施策が整理されました。
<次期生物多様性国家戦略研究会報告書のポイント>
2030年までに取り組むべきポイントとして以下が示されました。
・ 保護地域外の保全(OECM※1)や絶滅危惧種以外の種(普通種)の保全による、国土全体の生態系の健全 性の確保
・ 気候変動を含めた社会的課題への自然を活用した解決策(NbS※2)の適用
・ 生物多様性損失の間接要因となる社会経済活動への対応として、ビジネスやライフスタイル等の社会経済の あり方の変革
・ 次期生物多様性国家戦略の構造・目標・指標を大幅に見直して、目標の達成状況の明確化と多様な主体の行動を促す。
(※1) Other Effective area-based Conservation Measures: 保護地域以外の地域をベースとする効果的な保全手段のこと。
(※2) Nature-based Solutions: 自然が有する機能を持続可能に利用し、多様な社会的課題の解決につなげる考え方。
2.次期生物多様性国家戦略研究会の概要
(1) 研究会委員
(略)
(2) これまでの開催状況
第1回 令和2年1月7日 2050年の自然との共生の実現
第2回 令和2年2月19日 生物多様性国家戦略の構成と課題設定
第3回 令和2年6月22日 人口減少下での国土利用のあり方と自然と共生した安心・安全な地域づくり
第4回 令和2年9月15日 身近な地域から地球規模までの自然資源利用における持続可能性の確保
第5回 令和2年10月26日 生存基盤である生態系のレジリエンス確保と新たなリスクへの対処
第6回 令和2年12月22日 身近な暮らしに提供される自然の恵みの確保と自然に配慮したライフスタイルへの転換
第7回 令和3年3月2日 ポスト2020生物多様性枠組の策定に向けた国際的な検討を踏まえた、自然共生社会の実現に向けた方策と基盤整備
第8回 令和3年5月17日 生物多様性と関連した施策が必要と指摘される最近の課題(新型コロナウイルス感染症や2050年カーボンニュートラル等)への対応
第9回 令和3年6月21日 これまでの研究会を踏まえた全体討議
※ 各回の次期生物多様性国家戦略研究会に関する資料は、以下のURLを参照。
https://www.biodic.go.jp/biodiversity/about/initiatives5/index.html
<添付資料>
・ 次期生物多様性国家戦略研究会報告書
参考 生物多様性国家戦略について
生物多様性国家戦略は、生物多様性条約及び生物多様性基本法に基づく、生物多様性の保全及び持続可能な利用に関する国の基本的な計画です。平成7年に最初の生物多様性国家戦略を策定し、これまでに4度の見直しを行いました。現行の「生物多様性国家戦略2012-2020」に代わる次期生物多様性国家戦略は、生物多様性条約COP15で採択予定の「ポスト2020生物多様性枠組」を踏まえた上で策定予定です。
0 件のコメント:
コメントを投稿