2021年7月12日月曜日

建設環境 選択科目Ⅲ 生態系ネットワークと低炭素型・脱炭素型まちづくり

「問題解決能力及び課題遂行能力に関する」問題Ⅲ、Ⅲ-1が生態系ネットワーク、Ⅲ-2が低炭素型・脱炭素型のまちづくりでした。
生態系ネットワークはH29にも出題されていましたのでこんなにすぐに出題されることはちょっとビックリしました。わたしの講座受講生の皆さん、過去問に取り組んでいた方は苦も無く記述できたのではないでしょうか。

そして低炭素・脱炭素型まちづくりのほうも、H30に持続可能な都市のための都市計画H27にはコンパクトシティと環境配慮H25には低炭素都市づくりが出題されています。ハッキリ言って頻出分野ですね。低炭素社会の実現のためのコンパクトシティということなので、これらの過去問で活用した骨子をうまく使いまわせば対応可能でしょう。
そして必須科目もそうですが、課題の抽出にあたって、これまでは「複数」だったのが、今年度は「3つ」ときっちり指定されましたね。これまた講座の受講生には「課題は3つ」と指導アドバイスしていたので、こちらも手持ちの駒で展開できたのではないでしょうか。

どっちを選択しようか悩んじゃいますね。きっと低炭素・脱炭素型まちづくりのほうを選ぶひとが多そうだからライバルの少ない生態系ネットワークがいいのかな、でもやっぱりこっちのまちづくりのほうがネタも豊富だし深みもあるしなぁ、と贅沢に悩まれたのではないでしょうか。河川系、生きもの系のひとは生態系ネットワークでしょうかね。
どにかくどちらでも、あるいは少なくともどちらかは自信をもって解答できたのではないでしょうか?問題文を見た瞬間の、皆さんのガッツポーズが目に浮かびます。

Ⅲ 次の2問題(Ⅲ-1,Ⅲ-2)のうち1問題を選び解答せよ。(赤色の答案用紙解答問題番号を明記し,答案用紙3枚を用いてまとめよ。)

Ⅲ-1 将来にわたって生物多様性が確保された国土は,自然のポテンシャルを活かした国土利用を進めていくうえで重要であり,生態系ネットワーク(エコロジカル・ネットワーク)を形成することは,健全な生態系の保全・再生・創出の手段として有効とされる。このような状況を踏まえ,以下の問いに答えよ。

(1)生態系ネットワークの空間配置についての基本的な考え方を述べよ。そのうえで,建設環境の技術者として生態系ネットワーク形成の取組を進めるに当たり,多面的な観点から課題を3点抽出し,その内容を観点とともに示せ。

(2)前問(1)で抽出した課題のうち最も重要と考える課題を1つ挙げ,その課題に対する建設分野における解決策を複数示せ。

(3)前問(2)で示した解決策に共通して生じうるリスクとそれへの対策について述べよ。


三四郎池
【東京都文京区】

Ⅲ-2 新型コロナ危機を契機として市民の生活様式は大きく変化しているが、引き続き環境に配慮した低炭素型・脱炭素型のまちづくりが求められている。コンパクトシティの取組が進まず,市街地の拡散や人口密度の低下が進んでいる地方都市において,低炭素型・脱炭素型のまちづくりを実現するために,「交通」,「エネルギー」,「みどり」の3分野の対策が必要とされている。このような状況を踏まえ,建設環境の技術者として,以下の問いに答えよ。

(1)低炭素型・脱炭素型のまちづくりを実現するうえで,市街地の拡散や人口密度の低下による「交通」,「エネルギー」,「みどり」分野の課題を,技術者として多面的な観点から3つ抽出し,それぞれの観点を明記したうえで,課題の内容を示せ。

(2)抽出した課題のうち最も重要と考える課題を1つ挙げ,その課題に対する複数の解決策を示せ。

(3)前問(2)で示したすべての解決策を実行しても新たに生じうるリスクとそれへの対策について,専門技術を踏まえた考えを示せ。


しかし冒頭から「新型コロナ危機を契機として市民の生活様式は大きく変化しているが、」なんて始まるのでいったい何が出題されるのかとドキドキしましたよね。なんのことはない(なんて書くと怒られちゃいますが)低炭素脱炭素型のまちづくり、コンパクトシティでした。
とはいえ、そのまま読み進めると「コンパクトシティの取組が進まず,市街地の拡散や人口密度の低下が進んでいる地方都市において」なんてあったのでこれまた驚きました。
問題文の文章としての読み応えはⅢ-2に軍配が上がりますね。
そういえばH30のときも問題文に感動したことを思い出しました。

0 件のコメント:

コメントを投稿