2015年7月23日木曜日

建設環境 Ⅲ-1 コンパクトシティの実現に向けた環境への配慮の取組

問題Ⅲの課題解決問題、昨年に引き続き今年も建設部門としての出題でした!

1つめはコンパクトシティの実現に向けた(あるいはその機会を捉えた)環境への配慮の取組、2つめは東京オリンピック関連工事を睨んだ建設副産物の3Rの推進について。
総監も東京オリンピックにちなんだ出題でした。オリンピックが開催される2020年まであと5年といったギリギリのタイミングで堰を切ったようにそこかしこで問われまくっているわけですね。

これからの都市の構造が人口減少などの将来の社会変化にあわせて見直されているなかで、あるいは降ってわいた国際的なビッグイベントの準備が急ピッチで進められるなかで、建設環境の技術者としてあなたはそれに対してどう取り組むべきだと考えているのか?
を試験官から問われているわけです。

●コンパクトシティに都市を変化させるのに合わせて、環境への配慮をどのように図っていくべき?
●建設ラッシュ、インフラ更新ラッシュでこれから建設副産物・廃棄物がドーンと増えることが予想されているけど、その副産物(廃棄物)の3Rをどのように進めていくべき?

昨年度は防災対策やインフラ維持管理更新の際の環境配慮が問われたその問題文を目にした瞬間、建設部門の端くれ技術者として武者震いしましたが、今年は2年目ということもあって、おぉ~そうきたか!うん、うん、といううなずき感が気持ちの大部分を占めました。

(昨年度同様に)こういった問題に対しては(微熱程度には)情熱的な熱い技術者魂を試験官にぶつけたいところです。

今回はⅢ-1を取り上げます。

Ⅲ 次の2問題(Ⅲ-1,Ⅲ-2)のうち1問題を選び解答せよ。(解答問題番号を明記し,答案用紙3枚以内にまとめよ。)

 Ⅲ-1 ある都市において,市街地が拡散した都市の構造を見直し,コンパクトシティの実現に向け,都市構造全体の計画の立案が求められている状況にある。同時に,この機会を捉えて,地球環境をはじめとする環境への配慮の取組を連携して推進する必要がある。このような状況を踏まえ,計画を立案する立場として,以下の問いに答えよ。

(1)市街地が拡散した都市における環境面の課題を複数挙げ,コンパクトシティの実現に向けた取組を進めながら環境への配慮を図る観点から積極的に取り組むべき項目を多面的視点から説明せよ。

(2)上述した取り組むべき項目について環境面の改善効果を高めるために,あなたが計画上最も重要視しなければならないと考えることについて,その理由も併せて述べるとともに,それを実現可能とするための対応策を示せ。

(3)あなたの対応策がもたらす効果を具体的に示すとともに,想定される留意点・リスクについても記述せよ。


名物ブラックラーメン
【お団子と串の都市構造でコンパクトシティを実現した富山市にて】

(1)は、昨年度に引き続き「多面的」に記述することが求められています。
多面的ってどんな面かと戸惑うわけですが、環境ジャンルにもいろいろありまして、なるべく異なる分野からの項目を拾ってきたらいいんじゃないかと思います。(2)以降でピックアップする自分の得意分野をひとつ、それ以外の異なる分野からそれぞれひとつづつ、あわせて3つくらい挙げれば十分じゃないでしょうか。

①(市街地が拡散したことにより)温室効果ガスが増加→発生を抑制することが課題
②(市街地が拡散したことにより)資源活用効率が悪化→効率的に活用するための仕組みづくりが課題
③(市街地が拡散したことにより)自然環境が劣化→自然を再生することが課題

上記はあくまで例ですが、いずれの分野・項目を取り上げるにしろ市街地が拡散したことによる課題でなければいけません。

(拠点的市街地における環境共生型の都市システムの構築)
環境と共生するエコ・コンパクトシティの実現に向けては、温室効果ガスの削減に加え、資源の有効利用、生物多様性の保全を含む自然共生を実現することが重要であるという観点から、地球環境問題やヒートアイランド減少等の環境問題に対し、環境負荷の少ない集約型都市構造を形成しつつ、拠点的市街地を中心に都市環境施策を展開すべきである。

エコ・コンパクトシティの実現より

(2)は、(1)で挙げた取り組むべき項目から本命を1つを選んで、環境面の改善効果を高めるために重要視しなければいけないと考えること(ようは環境配慮、さらに進んでエコアップ的な効果が期待できる策)について、課題、問題点、解決策を述べればイイのではないでしょうか。
問題文を読んでパッと思いついたのは、わたしの場合には③自然環境劣化に対する取組として自然再生(事業)ですかね。で、その問題点と解決策なんかを想定した地域に合わせて設定します。

(3)は、それによる具体的な効果、さらには想定される留意点・リスクについて書くことが求められています。留意点・リスクも必ず書くことが求められるようになりましたね。骨子表の項目にも加えてもイイですね。
いくら改善策を行ったとしてもその結果がすべてプラスなことばかりではないですからね。
ものごとのマイナス面をも把握している技術者であることが技術士に相応しい技術者に求められているようですから、そのマイナス面をちゃんと把握している証として留意点やリスクについてもサッと答えられないといけないわけです。
プラス面を最大化させながら、マイナス面を極力最小化させることができる技術者ということをアピールしてください。
●●のために△△すると◎◎となるが、▼▼しすぎると××となるので▼▼しすぎないように留意する、とか、●●のために△△すると◎◎となるが、▼▼にとっても◎◎なので××とならないよう注意する、とかなんとかそんな内容です。ちなみに××がリスクです。
そんなに難しく考える必要はありません。
が、書きそこなうとOUTです。

では、また。

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