2025年9月26日金曜日

ダム湖が生き物の“新しいすみか”に ~河川水辺の国勢調査34年間の成果を分析~

9月も後半となり、暑さはだいぶ和らぎましたでしょうか。確かに夏の盛りと比べると過ごしやすくなった感がしますよね。こうして季節はちゃんと廻っているのだなぁと感慨に浸りながら夕日を眺めつつ呑むビールは格別です。そろそろ七輪も引っ張り出してこようかな。

5年振りの国勢調査が始まったところですが、我々建設環境系の技術者にとっては「河川水辺の国勢調査」のほうがなじみ深いですよね。業務は頻繁に実施しているにもかかわらず、なかなかその成果が世間に広まらないものだと思っていたところですが、久しぶりにこうして報道発表されました。
なんでも新しい開放水面によってミサゴなどの狩場が創出されているとか、逆に外来種(特に外来魚)の分布域や個体数の増加が傾向にあることが明らかになったとのことです。ミサゴはここ沖縄にもいるんですよね。しかも沖縄は湖や1級河川が存在しないこともあって、ダムの存在はとても貴重です。まさに開放水面が創出されたことによる影響をみるのにうってつけのフィールドなのではないでしょうか。

カワウ?
【沖縄県石垣市 真栄里ダム】

ダム湖が生き物の“新しいすみか”に
~河川水辺の国勢調査34年間の成果を分析~

令和7年9月24日

平成2年度から「河川水辺の国勢調査」を実施しています。
初の試みとして、最新(令和5年度)の調査結果をこれまでのデータとあわせて分析し、特徴をとりまとめました。
今回の分析により、ダムの整備によって出現したダム湖において、新たな生き物の生息環境が創出され、継続的に利用されていることが分かりました。一方で、外来生物の影響等も明らかになりました。

○ 国土交通省では、河川環境の整備と保全を適切に推進するため、河川・ダムにおける生物相を定期的、
 継続的、統一的に把握することを目的として、平成2年(1990年)度より「河川水辺の国勢調査」を実施しています。
  本調査は、全国一級水系の国管理区間の河川、及び国・水資源機構管理のダムを主な対象としており、
 これまでの34年間にダムでは約1200調査を実施しています。
  ※河川調査結果の分析は5月に公表済。(https://www.mlit.go.jp/report/press/mizukokudo04_hh_000266.html

○ これまでの調査結果から生物相の変化傾向を分析し、特徴をとりまとめました。

                とりまとめ(抜粋)

○ 分析結果の詳細については別紙をご参照ください。

○ 引き続き経年的な分析を行い、ダム及び河川の環境管理に活かしてまいります。
  ※令和5年度の調査結果の概要については、河川環境データベースをご覧下さい。 (https://www.nilim.go.jp/lab/fbg/ksnkankyo/mizukokudam/download/R05.htm
 
 

添付資料

報道発表資料(PDF形式)PDF形式

2025年9月12日金曜日

洋上風力発電所の環境影響に係るモニタリングガイドライン

9月になりましたがまだまだ暑いですね。しかし吹く風が秋の気配を乗せてどことなく和らいでいるようにも感じます。
それにしても11月4日(火)の合格発表まで長いですね。手ごたえのあるひともないひとも、試験のことはいったん脇に置いて業務に邁進しておられることと思います。
それでも早くも気持ちを切り替えて来年の試験に向けてどうにかしたいとお考えのひとはぜひ早めに着手してこれから1年弱の期間をシッカリ筆記試験対策に充ててください。きっと来年のいまごろは成果が実感できていると思いますよ。そんなかたを応援しています。

来年の試験といえば、標記のとおり、洋上風力発電の環境アセスに関するガイドラインが公表されました。モニタリングに関してのものです。項目や手法、データの取り扱いについてのガイドラインが示されており、まさに選択科目Ⅱ-2で問われそうな内容ですよね。
つい先日には秋田県沖や千葉県沖の洋上風力発電事業から事業者が撤退するというニュースも駆け巡りました。目まぐるしく変化する世界情勢もあり、事業化はなかなかハードルが高いということをあらためて実感しているところですが、いまのところ現段階では国土交通省も洋上風力発電を推していますから、近いうちに建設部門建設環境でも問われそうです。ぜひチェックしておいてください!

NHK総合のクローズアップ現代で放送されました
【沖縄県うるま市】

2025年09月11日
  • 総合政策

「洋上風力発電所の環境影響に係るモニタリングガイドライン」の公表及び意見の募集(パブリックコメント)の結果について

 本日、「洋上風力発電所の環境影響に係るモニタリングガイドライン」を公表しました。 
 併せて、令和7年6月17日(火)から同年7月17日(木)までの間に実施したガイドラインの案に関する意見の募集(パブリックコメント)について、その結果を取りまとめました。

■ 「洋上風力発電所の環境影響に係るモニタリングガイドライン」の公表について

 2050年カーボンニュートラルの実現に向けては、電源の脱炭素化が鍵であり、また、2030年までに生物多様性の損失を止め、回復させる(ネイチャーポジティブ)という目標達成に向けて、環境への適正な配慮を確保しつつ、地域との共生を図りながら、再生可能エネルギーの最大限の導入を促すことが重要です。
 このうち、洋上風力発電所の導入に関しては、これまで国内における実績が少なく、知見が十分に蓄積されていないことから、環境影響評価の場面においても、様々な懸念の声が上げられています。「風力発電事業に係る環境影響評価の在り方について(一次答申)(令和6年3月 中央環境審議会)」において、洋上風力発電事業の環境影響に係る不確実性に対応する観点から、事業者の事業実施や継続に係る予見可能性を確保しつつ、工事中及び稼働中における実際の環境影響を把握するためのモニタリングを実施することが重要であるとされました。さらに、モニタリングの実施によって環境影響に係る科学的知見の充実を図ることで、我が国全体での洋上風力発電事業の環境負荷の低減と、事業実施の際に必要となる環境保全措置の最適化を図り、将来的により環境に配慮した洋上風力発電事業の推進に資することが期待されるとされました。
 このような背景から、令和6年7月、環境省と経済産業省では、「洋上風力発電におけるモニタリング等に関する検討会」を設置し、事業者の予見可能性の確保の観点を踏まえ、海外の動向や最新の科学的知見を基に、国と事業者の役割分担を含めたモニタリングの内容、環境配慮の確保に向けたモニタリング結果の活用方法等について整理し、「洋上風力発電所の環境影響に係るモニタリングガイドライン」を作成しました。

■ 意見の募集(パブリックコメント)の結果について

 令和7年6月17日(火)から同年7月17日(木)までの間に実施した「洋上風力発電所の環境影響に係るモニタリングガイドライン(案)」の意見募集の結果は下記のとおりでした。頂いた御意見とそれに対する考え方については別添3を御参照ください。

(1)意見募集期間:令和7年6月17日(火)から同年7月17日(木)まで
(2)告知方法:電子政府の総合窓口(e-Gov)及び環境省ホームページに掲載
(3)意見提出方法:電子政府の窓口(e-Gov)意見提出フォーム又は郵送
(4)意見提出数:20通(意見の件数71件)