2024年4月17日水曜日

i-Construction 2.0 ~建設現場のオートメーション化による生産性向上(省人化)~

出ましたね、i-Construction 2.0。これは筆記試験に出題されるんじゃないでしょうか。建設部門必須科目だけじゃなくて総監でも関連した出題があるかもしれません。
たとえ直接的に出題されなくても、これを踏まえた課題や解決策を展開できるとバッチリですね。総監の場合はこれを踏まえた管理上の課題など。
ぜひ、i-Construction 2.0を導入することによって解決すること、あるいはi-Construction 2.0を導入するにあたっての課題を整理しておいてください。この作業は無駄にはならないと思います。

それにしても技術の進歩は著しいですね。ここ最近は生成人工知能 (生成 AI) の進歩がホントに目を見張るようです。ちょっとした質問を投げかけたら瞬時に回答が得られますもんね。
先日ためしにChatGPTに冷蔵庫の残りものを列挙して、ついでに希望のシチュエーションを伝えてみたら、否定する余地のないメニューとレシピがスラスラと、それも留意点や注意点までも添えられて回答されました。あまりにそつのない無難な内容が、瞬時に回答されたことに対してありがたいようでいてとても怖いことにも思いました。でも慣れちゃうとこうしてズバリの回答をもらえることが当たり前になるのでしょう。良いのか悪いのかわかりませんが。
なかには技術士試験の過去問をChatGPTに投げかけてるひともいるんでしょうね。そうして得られた回答文を添削してみるというのも一興かもしれません(笑)。

AIを搭載した自律型建設ロボットによる施工で数百人規模での省人化や
過酷な環境下での作業負担が大幅に軽減したそうです
麻布台ヒルズ【東京都港区】



i-Construction 2.0」を策定しました
~建設現場のオートメーション化による生産性向上(省人化)~


令和6年4月16日

 国土交通省では、建設現場の生産性向上や業務、組織、プロセス、文化・風土や働き方の変革を目的として、i-Construction及びインフラ分野のDXを推進しています。
 今般、i-Constructionの取組を加速し、建設現場における省人化対策に取り組むため、国土交通省の新たな建設現場の生産性向上(省人化)の取組を「i-Construction 2.0」としてとりまとめました。

 国土交通省では、建設現場の生産性向上の取組として、2016年度より、ICT施工をはじめとする「i-Construction」の取組を進めてきました。

(参考)国土交通省におけるi-Constructionの取組,  https://www.mlit.go.jp/tec/i-construction/index.html

 今後、更なる人口減少が予測されるなか、国民生活や経済活動の基盤となるインフラの整備・維持管理を、将来にわたって持続的に実施していくことが必要であることから、「国土交通省インフラ分野のDX推進本部」(本部長:技監)において、これまでの取組をさらに一歩進め、「i-Construction 2.0」として別紙のとおりとりまとめました。

 i-Construction 2.0では、2040年度までに建設現場の省人化を少なくとも3割、すなわち生産性を1.5倍向上することを目指し、「施工のオートメーション化」、「データ連携のオートメーション化」、「施工管理のオートメーション化」を3本の柱として、建設現場で働く一人ひとりが生み出す価値を向上し、少ない人数で、安全に、快適な環境で働く生産性の高い建設現場の実現を目指して、建設現場のオートメーション化に取り組みます。
 
 以下URLにi-Construction 2.0の本文を掲載しております。

       i-Construction 2.0 ~建設現場のオートメーション化~
     https://www.mlit.go.jp/tec/constplan/content/001738240.pdf

添付資料

報道発表資料(PDF形式)PDF形式

2024年4月15日月曜日

世界初!海藻藻場(&環境配慮型コンクリート)による二酸化炭素の吸収量

まもなく受験申込受付が終了します。本日の消印まで有効です。
多くのかたは無事に郵送したのではないかと思いますが、これからというかたは、添付書類等の漏れなどなきよう抜かりなく。
そして申し込みが済んだらいよいよ筆記試験対策に本腰を入れないとですね。筆記試験まであと3か月です。
わたしの受講生も既にスタートしています。年度末は忙しいからだとは思いますが、受験申込書を今月早々に完成させて皆さん過去問に取組んでいます。それにしても今年はなぜか建設部門、農業部門、森林部門、水産部門、環境部門、総監部門とバラエティに富んでいます。特に建設部門、森林部門、環境部門は複数科目ですから、それは目まぐるしいです。
わたしの専門ではない分野の科目も担当していることで、付け焼刃的に慌てて勉強(というか下調べ)してから添削に臨んでいるわけですが、これがすごく勉強になります。視野が広がる喜びを感じます。いっそ脳みそが直接に喜んでいる状態とでもいいましょうか(笑)。
わたしは本格的に挑んでいるわけではないのでわかった風なことは言えないのですが、この歳になって新ジャンルに挑むのは大変なんでしょうけれども本人としては意外と楽しいのかもしれませんね。憧れます。

かくいう私はご存じの方も多いかもしれませんが、生業は環境調査業の生物調査屋なんです。そして扱う対象の生物群は「海藻」なんです。
就職してからこれまでアセス関連での環境調査で海藻相を調査する仕事が多かったわけですが、ここ3年くらいはだんだんとCO2吸収がらみでの調査も増えてきて、特に国交省がブルーカーボンを掲げるようになってからはこれがあからさまに劇的に増えています(やっていることはこれまでとほぼ同じなんですが)。大学などの研究はなおさらですよね。先日、神戸大学で開催された日本藻類学会に参加してきたのですが、やっぱりブルーカーボンに絡めた研究が多かったですね。研究費がつきやすいんでしょうね。
これらの国を挙げた研究の成果として、今回、世界で初めて海藻藻場によるCO2の吸収量を国連に報告することができたのでしょう。いろんな課題をひとつづつ克服、解決させていったからこそなんだと思います。
引き続き研究の進展に期待したいです(誰目線?)。

そういうわけで、技術士試験という側面からみても、水産部門水産水域環境は当然のこととして、建設部門建設環境や環境部門自然環境保全でも不定期的に問われている「藻場」について、とてもよいトピックだと思います。ぜひチェックしてみてください。なに部門で問われるのかは不明ですがそろそろ問われるんじゃないかと思いますよ。

【沖縄県恩納村】

我が国の沿岸域に生息する海洋植物による二酸化炭素の吸収量(約35万トン)が国連に報告されました
~海藻藻場による二酸化炭素の吸収量の報告は世界初~

令和6年4月12日

 国連気候変動枠組条約の締約国は、毎年4月に各国の温室効果ガス排出・吸収量を国連に報告することとなっています。
 本年4月の報告において、ブルーカーボン生態系※1の一つである海草(うみくさ)藻場及び海藻(かいそう)藻場(以下、藻場)による吸収量を我が国として初めて盛り込みました。このうち、海藻藻場については締約国の中で初めて報告したこととなり、世界初の取組になります。
※1:ブルーカーボンとは藻場や干潟などの海洋生態系に蓄積される炭素のことであり、そうした蓄積作用を有する生態系を「ブルーカーボン生態系」と言います。

○ 国土交通省では、温室効果ガス吸収源の拡大によるカーボンニュートラルの実現への貢献や生物多様性による豊かな海の実現を目指し、ブルーカーボンの活用を推進しています。 

○ 昨年度、国土交通省と国立研究開発法人海上・港湾・航空技術研究所 港湾空港技術研究所は、我が国の沿岸域における藻場の繁茂面積の推計手法を開発しました。 

○ この推計手法に加え、農林水産省が開発した藻場タイプ別の吸収係数も活用して、2022年度の我が国の温室効果ガス排出・吸収量において、藻場による吸収量を合計約35万トンと算定しました。 

○ 本年4月の国連への温室効果ガス排出・吸収量の報告において、我が国として初めて藻場による吸収量を盛り込みました。ブルーカーボンに該当する吸収量を国連に報告している国(先進国でも豪州、米国、英国、マルタの4か国のみ)はありますが、海藻藻場については日本が世界で初めての報告となります。 

○ なお、国土交通省では並行して、グリーンレーザー※2を搭載したドローンを含む、藻場の繁茂面積を高精度かつ効率的に把握・管理するシステムの開発を進めています。
  これにより、現在は捕捉できていない藻場を算定対象とすることができるようになります。引き続き、関係機関と連携し、藻場の繁茂面積及び吸収量の算定手法の高精度化に取り組んでまいります。
※2:水中透過性が高く、藻場の繁茂状況の計測が可能なレーザー

添付資料

報道発表資料(PDF形式:202KB)PDF形式

別紙1 ブルーカーボン生態系について(PDF形式:281KB)PDF形式

別紙2 我が国のブルーカーボン生態系による温室効果ガス排出・吸収量の報告状況(PDF形式:308KB)PDF形式

別紙3 世界におけるブルーカーボンの活用に向けた取組の動向(PDF形式:243KB)PDF形式

別紙4 ブルーカーボン高精度データ把握・管理システムの開発 (PDF形式:324KB)PDF形式


環境省からはさらに詳しい内容が掲載されています。

最後には「環境配慮型コンクリート」についても「世界で初めて吸収量(CO2固定量)を算定した」とあります。


2024年04月12日

2022年度の我が国の温室効果ガス排出・吸収量について

過去最低値を記録し、オントラック(2050年ネットゼロに向けた順調な減少傾向)を継続しました。

代替フロン等4ガス(HFCs・PFCs・SF6・NF3)の排出量は約5,170万トンで、2021年比で1.4%の減少となり、2009年以降初めて減少しました。
なお、HFCsについては、フロン排出抑制法への改正によって使用時漏えい対策が導入されたこと等を踏まえて、排出係数(使用時漏えい率)を見直し、2016年以降に適用しました。

今回の国連への報告では、世界で初めて、ブルーカーボン生態系の一つである海草藻場及び海藻藻場における吸収量を合わせて算定し、合計約35万トンの値を報告しました。
今後は塩性湿地・干潟の算定についても検討を進めます。

また、3類型(4種類)の環境配慮型コンクリートによる吸収量(CO2固定量)を同じく世界で初めて算定し、合計約17トンの値を報告しました。
今後はJクレジット化に向けた検討を進めます。
<補足>
・ 2022年度の我が国の温室効果ガスの排出量は約11億3,500万トンで、2021年度比で2.5%の減少、2013年度比で19.3%の減少となった。 
・ 2021年度からの排出量減少の主な要因は、産業部門、業務その他部門、家庭部門における節電や省エネ努力等の効果が大きく、全体では、エネルギー消費量が減少したことが考えられる。
・ 代替フロン等4ガス(HFCs・PFCs・SF6・NF3)の排出量の減少については、オゾン層保護法に基づく生産量・消費量の規制、フロン排出抑制法に基づく低(地球温暖化係数)冷媒への転換推進、及び機器使用時・廃棄時の排出対策等により、代替フロン(HFCs)の排出量が減少したことが主な要因。
・ 2022年度の森林等からの吸収量は約5,020万トンで、2021年度比6.4%の減少となった。吸収量の減少については、人工林の高齢化による成長の鈍化等が主な要因と考えられる。
・ ブルーカーボンについては、前年度のマングローブ林による吸収量の算定・報告に加え、国土交通省(面積データ)、農林水産省(藻場タイプ別の吸収係数)との連携により、世界で初めて、海草藻場及び海藻藻場の吸収量を合わせて算定・報告した。今後は、塩性湿地・干潟の算定についても検討していく。
・ 環境配慮型コンクリートについては、製造時CO2固定型(CO2-SUICOM)、CO2由来材料使用型(T-eConcrete/Carbon-Recycle、クリーンクリートN)、バイオ炭使用型(SUSMICS-C)の3類型4種類のコンクリートについて、日本建設業連合会等の協力により、科学的な知見やデータ等が整ったため、同じく世界で初めて吸収量(CO2固定量)を算定した。今後は、知見やデータ等が整ったものから随時算定を進めるとともに、策定した算定方法を参考にしつつ、Jクレジット化に向けた検討を進める。

2024年4月2日火曜日

生物の生息・生育・繁殖の場としてもふさわしい河川整備及び流域全体としての生態系ネットワークのあり方

新年度になりました。異動や転職など立場や勤務先が変わったひともおられると思います。あるいは技術士登録が済み、晴れて技術士として活動するかたもいらっしゃいますよね。皆さん、新しい環境でさらなるご活躍をされますことを祈念いたします!

わたしはといいますと、特に変わり映えしません。淡々と粛々と活動して参ります。それでも県の委員なども担っているので、責務を果たすべく、気持ちを引き締めさらなる精進に努めます。

受験申込書の締め切りがあと2週間と迫るなか、わたしの講座の受講生の皆さん、だんだんと書類の内容が技術士に相応しい感じに仕上がってきています。
メールでのやり取りを繰り返すうちに、試験で求められる技術士コンピテンシーをご自分の業務に落とし込めるようになります。技術士コンピテンシーの理解が進むと、なにより技術士としての相応しさが備わってくるのが実感してもらえると思います。そうすると、次の関門である筆記試験に向けて勢いづくのではないでしょうか。技術者としての成長(というか発見)をそばで見守れることが何より嬉しいです。

まだ取り掛かっていないというひともあと2週間ありますから、早く目覚めて、そして奮起し、最後はなんとかカタチにしてください!

それにしても沖縄は渇水が続いていて、ダムの貯水率も50%を下回った状態が数か月も続いています。このまま雨が降らないと10年以上ぶりに断水を断行しなくてはいけなくなるぞ、アラートが発せられています。
わたしが沖縄に引っ越した30数年前は毎年のように夜間断水などの給水制限がありましたが、ダム建設が進んだ平成中期以降、断水とは無縁の暮らしを享受していました。
それにしても雨が降らないと渇水、逆に雨がいっぺんに降りすぎると洪水になります。人間も生きものなので「水」は欠かせないとはいえ、社会資本がある程度整った令和でも、やっぱり「雨水」には振り回されますね。。。

というわけで(?)今日は流域治水について取り上げます。
なんだかんだ言って建設部門のメインですよね。なかには「流域治水における河川環境の保全・創出の取組強化」についても取り上げられています。建設環境のひとはこちらも漏れなくチェックしておいてください。

広瀬川澱緑地
【宮城県仙台市】

令和5年度の流域治水の取組の進展について
~令和6年度からの流域治水のさらなる加速化に向けて~

令和6年3月29日

令和5年度においても流域治水の取組が全国で進展しています。令和6年度からの予算制
  度の拡充や水災害リスクを自分事化し流域治水の取組主体を増やすための取組等、流域治水
  の現場レベルでの実践をさらに加速化していきます。

〇 流域治水の取組の進捗
 ➣ 一級水系において、指標として見える化した7つの代表的な取組内容が進捗しました。(別添1)

〇 流域治水に係る予算制度の拡充
 ➣ 令和6年度から、浸水や土砂災害の危険が高い地域における流域対策を一層推進するため、河川、砂防、下水道、まちづくり等のあらゆる分野において流域治水の取組に資する予算制度を拡充します。(別添2)

〇 特定都市河川の指定拡大
 ➣ 令和5年度には、肱川水系、鳴瀬川水系、高城川水系、石狩川水系、一宮川水系、利根川水系、最上川水系、甲突川水系、新川水系、稲荷川水系及び阿武隈川水系の11水系159河川が特定都市河川に指定され、また、特定都市河川指定等の予定時期を示すロードマップを全国の27水系で公表しました。(別添3)

〇 水災害リスクを自分事化し、流域治水に取り組む主体を増やすための取組
 ➣ 住民や企業等のあらゆる関係者による、持続的・効果的な流域治水の取組の推進に向け、行政の働きかけに関する普及施策の体系化と行動計画をとりまとめました。この行動計画に基づき、流域治水ロゴマークの決定等の普及施策の取組を進めてきました。今後、更なる水災害リスクの自分事化を図るとともに、流域治水に取り組む主体を増やすための取組を推進していきます。(別添4)

〇 流域治水における河川環境の保全・創出の取組強化
 ➣ 今後の河川環境施策を着実に進めていくために、令和6年2月から「生物の生息・生育・繁殖の場としてもふさわしい河川整備及び流域全体としての生態系ネットワークのあり方検討会」を開催し、3月に提言(案)を公表しました。(URL:https://www.mlit.go.jp/river/shinngikai_blog/seitai_network/index.html

〇 土砂災害リスクを踏まえた防災まちづくりの推進
 ➣ 居住誘導区域等における防災まちづくりと連携した砂防関係施設の重点的な整備に向けて、まちづくり連携砂防等事業が新たに逗子市、雲南市、長崎市で開始されました。(別添5)

〇 関係省庁、流域関係者との連携強化
 ➣ 令和6年3月に「流域治水の推進に向けた関係省庁実務者会議」を開催し、関係省庁間の連携強化を進めています。(URL:https://www.mlit.go.jp/river/kasen/suisin/renkei001.html
 ➣ 令和5年度の出水期において、全国のべ181ダムで事前放流を実施し、洪水に備えました。
   (URL:https://www.mlit.go.jp/report/press/mizukokudo04_hh_000221.html
 

添付資料

報道発表資料(PDF形式)PDF形式

別添資料(PDF形式)