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2025年4月24日木曜日

オオクチバス等防除の指針(改定)、アライグマ防除の手引き(改訂)

外来種被害防止行動計画第2版はチェック済でしょうか?
外来種対策が盛り上がってきましたね。
・・・なんて言っていたら足元が大騒ぎになってしまいました。
ナントここ沖縄本島では昨年からセグロウリミバエの侵入が確認されていましたが、とうとうこの4月からはそのまん延防止のため「緊急防除」が始まっちゃいました。
島外への出荷・移動制限は当然のことながら、我々一般市民に対しても家庭菜園などでのウリ科植物の栽培を控えるようにとのお達しがありました。
すでにホームセンターなどの園芸コーナーからはゴーヤー、キュウリ、ヘチマなどの主力植物が姿を消しています。
これらは食べるだけじゃなくて壁面緑化植物としても普及していますもんね。我が家も毎年ゴーヤーだのヘチマだのキュウリを育てていたんですよ(いるんですよ)。参ったなぁ。。。そのほかウリ科植物にはスイカ、メロン、カボチャ(!)もあるし、農家さん大丈夫かな・・・

気を取り直して試験対策に戻りますが、その外来種対策の大ネタが飛び込んできました。オオクチバス(いわゆるブラックバス)の防除指針が改定され、アライグマ防除の手引きが改訂されました!
どちらも業務遂行手順及び留意点なども更新されているので要チェックです。選択科目Ⅱ-2あたりで出題されることでしょう。

ズッキーニもウリ科
【秋田県横手市】

2025年04月22日
  • 自然環境

「オオクチバス等に係る防除の指針」の改定について

 環境省及び水産庁では、平成17年6月に作成した「オオクチバス等に係る防除の指針」※ について、外来生物法の改正等の動向や防除手法に係る最新の知見等を踏まえて見直しを行うこととし、有識者による検討会において検討を進めてきました。

 ※ 外来生物法に基づく特定外来生物に指定されているオオクチバス、コクチバス及びブルーギル(「オオクチバス等」という。)の防除事業を効果的・効率的に進める上で、適切な目標設定や防除手法に係る知見・情報を正確に伝達し、防除実施計画の策定方法について明示することを目的に、2005(平成17)年6月に環境省・水産庁が作成した指針。

 今般、「オオクチバス等に係る防除の指針」を改定しましたので、お知らせいたします。
本指針は環境省HPの下記のページにて公開します。
https://www.env.go.jp/nature/gairai/info_centrarchidae.html
 
改定版「オオクチバス等に係る防除の指針」https://www.env.go.jp/nature/intro/1law/files/shishin_bass.pdf
2025年04月22日
  • 自然環境

「アライグマ防除の手引き(改訂版)」の公表について

 アライグマは、「特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律」の施行時(平成17年)に、いち早く指定された特定外来生物の一種ですが、高い侵略性を有し、各地で生態系への悪影響や農林水産業への被害をもたらしています。

 そのため、平成23年3月に「アライグマ防除の手引き」を作成し、その後も改訂等を行ってきました。

 アライグマ防除を効果的に実施するための参考となるよう、特に体制構築のあり方や具体的な防除方法を分かりやすく紹介することを目的として見直しを行うこととし、関係機関等へのヒアリングや有識者による検討会において検討を進めてきました。


 今般、「アライグマ防除の手引き(地域から構築する効果的な防除)」として同手引きの改訂を行いましたので、お知らせいたします。地方公共団体や民間団体などによるアライグマ対策に本手引きを活用していただき、各地での対策の推進につながることを期待しています。
本手引きは環境省HP「日本の外来種対策」の下記のページにて公開します。
https://www.env.go.jp/nature/intro/3control/tebiki.html
アライグマ防除の手引き(地域から構築する効果的な防除)https://www.env.go.jp/nature/intro/3control/files/araiguma_tebiki_kansei.pdf

2025年3月30日日曜日

外来種被害防止行動計画 第2版

桜の開花が始まったとの知らせがあちこちから飛び込んできます。春ですね。
我が家も昨晩は桜ご飯にしてみました。特に何がある訳ではないのですが、やっぱり華やぎますね。ごはんのうえにちょこんとのった桜の花の塩漬けを眺めながら、卒業あるいは入学時の桜吹雪を思い出していました。

受験申込書の作成は進んでいますか?早いものでもう3月も終わりです。4/15(WEB)の締め切りまであと半月ですね。いよいよ抜かりないよう整え作業に入ってください。記載内容だけでなく、必要書類等の準備も忘れずに。締め切り日に脂汗をかきながら慌てているひとが必ずいますので。

そして筆記試験対策のほうも盛り上がってきました。年度末で業務多忙のためかしばらく添削依頼も減少していたのですが、この週末、いっぺんにどっと依頼が舞い込んできました。こちらもいよいよ7月の本番を見据えて最終コーナーに入った感がいたします。残り3か月半、集中して頑張ってください!

今日は以前にも取り上げました外来種防止行動計画の決定版です。ここから必ず出題されると思います。自然環境保全系(建設環境含む)のかたは必ずチェックしてください。
特に「背景」、「6つの行動」、「8つの主体の役割と具体的な行動」については、概略をひとに説明できるくらいに整理しておいてください。きっと出題されますよ。

外来種である二ホンイノシシ
【慶良間諸島国立公園 座間味島】

2025年03月28日
  • 自然環境

「外来種被害防止行動計画 第2版」の公表について

農林水産省、国土交通省 同時発表

 「外来種被害防止行動計画」(平成27年3月環境省・農林水産省・国土交通省作成)について、近年の国内外における外来種への対応強化の動き等を踏まえ、外来種対策の更なる充実及び管理体制の強化を図り、国内の多様な主体による更なる対策を推進する観点から、令和5年度より見直しを進めてきました。
 今般、2030年(令和12年)までの目標を定めた改定計画である「外来種被害防止行動計画 第2版」を策定しましたので、お知らせします。

1.背景

 環境省、農林水産省及び国土交通省では、愛知目標(生物多様性条約第10回締約国会議(平成22年10月)にて採択)及び「生物多様性国家戦略2012-2020」(平成24年3月閣議決定)に基づき、平成27年3月に、我が国の外来種対策の中期的な総合戦略として「外来種被害防止行動計画」(以下「行動計画」という。)を作成・公表しました。
 その後、「昆明・モントリオール生物多様性枠組」(生物多様性条約第15回締約国会議(令和4年12月)にて採択)及び「生物多様性国家戦略2023-2030」(令和5年3月閣議決定)並びに外来生物法改正(令和5年4月施行)等を踏まえて「行動計画」を見直すこととし、令和5年10月に「外来種被害防止行動計画の見直しに係る検討会」を設置しています。
 同検討会では、外来種対策の更なる充実及び管理体制の強化を図り、国内の多様な主体による外来生物対策の更なる推進及び同分野における国際貢献に資すること等の観点から作業を進め、今般、「外来種被害防止行動計画 第2版」を策定しました。

2.外来種被害防止行動計画 第2版のポイント

 「外来種対策を担う全ての主体による外来種対策の実践を促すこと」をテーマとして、それぞれの主体が実施すべき侵略的外来種対策の具体的な行動を記載しています。行動計画に基づき、外来種対策を担う全ての主体が、外来種対策の「実践」に主体的かつ積極的に取り組んでいくことで、我が国における外来種対策の総合的な推進を達成し、2030年(令和12年)のネイチャーポジティブの実現につなげることを目指しています。
 このため、外来種対策を推進するための総論的な6つの行動を設定し、更にそれを受けて各主体の役割と各主体が取るべき具体的な行動を設定することで、それぞれの立場でどのような行動をとるべきかについて具体的に記載しています。

① 6つの行動

  • 行動1:対策優先度を踏まえた防除計画の策定
  • 行動2:外来種対策の実行
  • 行動3:外来種対策に係る普及啓発及び対策主体としての人材育成・活用
  • 行動4:情報の共有・発信及び調査研究・技術開発の推進
  • 行動5:国際連携、国際貢献等
  • 行動6:外来種対策を通じた寄生生物・感染症対策

② 8つの主体の役割と具体的な行動


  1. 役割:全国的な外来種対策の推進
    行動:国内未定着の侵略的外来種の水際対策 など
  2. 地方公共団体
    役割:地域における外来種対策の推進
    行動:地域における計画的な外来種防除の実施 など
  3. 国民
    役割:当事者としての意識醸成と対策の実施
    行動:飼育・栽培している外来種の管理の徹底 など
  4. 民間企業・団体
    役割:当事者としての意識醸成と対策の実施
    行動:事業活動における外来種対策方針の作成 など
  5. 研究機関・団体
    役割:外来種防除に係る科学的知見の集積・発展・共有
    行動:科学的知見の発信や活用、防除技術の開発や実用化 など
  6. 教育機関
    役割:外来種問題についての教育主体
    行動:高等教育における外来種問題の教育 など
  7. 生物展示施設
    役割:外来種問題についての研究・教育機関
    行動:展示を活用した外来種問題についての総合的な発信 など
  8. メディア等発信者
    役割:外来種問題についての普及啓発主体
    行動:外来種問題についての適切かつ多角的な発信 など

3.意見募集(パブリックコメント)の結果

 「外来種被害防止行動 第2版」の案に係る意見募集(パブリックコメント)を、令和7年1月31日から同年2月19日まで実施しました。延べ意見数は35件でした(参考2)。

4.外来種被害防止行動計画 第2版 の省内ホームページリンク

2025年2月2日日曜日

外来種被害防止行動計画 第2版(案)

前回の投稿からひと月経ってしまいました。年初は投稿頻度を挙げることを高らかに掲げたわけですが、早くも有言実行とはなかなかいかない現実にぶつかっています。皆さん、いかがお過ごしでしょうか。
わたしはこの間、最後の模擬面接指導、それから年明けからの筆記試験対策講座の中期コース開始もあり、なかなか忙しくしています。もちろん、本業のほうも年度末に向け盛り上がってきました。そんな大事な時期ではありますが、周囲ではインフルエンザ等も流行しています。皆さんも体調管理にはじゅうぶん留意して日々を大事に過ごしてください。

クドイですが令和7年が早くもひとつき経過しました。いよいよ令和7年度試験を見据えた動きを始めないといけません。
そんなタイミングで大ネタが飛び込んできました!
標記のとおり、外来種被害防止行動計画の改定第2版です。まだ案の段階ではありますけれども令和6年度中の改定を目指しているとのことですから、これはもうほぼこの内容で、令和7年度試験でほぼ確実に出題されると思います(たとえ直接の出題がなくとも関連する回答ネタの場合は積極的に改定内容を踏まえた内容とすると評価が爆上がり間違いなしです)。
ぜひ改定箇所や改定版の特徴的な箇所やキーワードをチェックして、それに付随した出題及び解答ネタなどを整理しておいてください!

手取川
【石川県能美市】


2025年01月31日
  • 自然環境

「外来種被害防止行動計画 第2版 (案)」に対する意見の募集(パブリックコメント)について

 「外来種被害防止行動計画」(平成27年3月環境省・農林水産省・国土交通省作成)について、近年の国内外における外来種への対応強化の動き等を踏まえ、外来種対策の更なる充実及び管理体制の強化を図り、国内の多様な主体による更なる対策推進を目的に、令和6年度中の改定を目指して検討を進めています。
 今般、「外来種被害防止行動計画 第2版」の案を作成しました。
 同計画案について、広く国民の皆様から御意見を募集するため、令和7年1月31日(金)から令和7年2月19日(水)までの間、パブリックコメントを行います。

概要

環境省、農林水産省及び国土交通省は、愛知目標(生物多様性条約第10回締約国会議(平成22年10月)にて採択)及び「生物多様性国家戦略2012-2020」(平成24年3月閣議決定)に基づき、2015(平成27)年3月に、我が国の外来種対策の中期的な総合戦略として「外来種被害防止行動計画」(以下「行動計画」という。)を作成・公表しました。

その後、「昆明・モントリオール生物多様性枠組」(生物多様性条約第15回締約国会議(令和4年12月)にて採択)及び「生物多様性国家戦略2023-2030」(令和5年3月閣議決定)等を踏まえて、外来種対策の更なる充実及び管理体制の強化を図り、国内の多様な主体による外来生物対策の更なる推進及び同分野における国際貢献に資することを目的に、「外来種被害防止行動計画の見直しに係る検討会」において、「行動計画」の令和6年度中の改定を目指して検討を行い、今般、改定案「外来種被害防止行動計画 第2版」(案)を作成しました。
同計画案では、「外来種対策を担う全ての主体による外来種対策の実践を促すこと」をテーマとして、それぞれの主体が実施すべき侵略的外来種対策の具体的な行動を記載しています。本計画に基づき、外来種対策を担う全ての主体が、外来種対策の「実践」に主体的かつ積極的に取り組んでいくことで、我が国における外来種対策の総合的な推進を達成し、2030年のネイチャーポジティブの実現につなげることを目指しています。
この行動計画の案について、以下のとおりパブリックコメントを行います。

意見募集について

1. 意見募集の対象

外来種被害防止行動計画 第2版(案)の概要…資料1
外来種被害防止行動計画 第2版(案)…資料2

2. 募集期間

令和7年1月31日(金)~令和7年2月19日(水)

3. 意見の提出方法

  1. 電子政府の総合窓口(e-Gov)の意見提出フォームを利用する場合
    e-Gov( https://public-comment.e-gov.go.jp/servlet/Public )の「意見募集案件」の一覧から「『外来種被害防止行動計画 第2版(案)』に対する意見募集について」にアクセスいただき、「意見募集要領(提出先を含む)」を御確認の上、「意見入力」へのボタンをクリックし、「パブリック・コメント:意見入力フォーム」より御提出ください。
  2. 郵送の場合
    次の様式に沿って御意見等を御記入の上、4 の宛先まで送付ください。

意見提出様式

[件名]「外来種被害防止行動計画 第2版(案)」に対する意見
    (郵送の場合は、封筒に件名を赤字で記載してください。)
[氏名](企業・団体の場合は、企業・団体名、部署名及び担当者名)
[郵便番号・住所]
[電話番号]
[メールアドレス]
[御意見]
  • 該当箇所(どの部分についてか該当箇所が分かるように明記してください)
  • 意見内容
  • 理由(根拠となる出典等を添付又は併記してください)
(注意事項)
・御意見は日本語で提出してください。
・A4版の用紙にて提出してください。
・電話での意見提出はお受けいたしかねますので御了承ください。

4. 意見提出先 ※郵送の場合

〒100-8975 東京都千代田区霞が関1-2-2
環境省自然環境局野生生物課外来生物対策室
パブリックコメント担当 宛て

5. 資料の入手方法

  1. インターネットによる閲覧
    下記ページに掲載の「『外来種被害防止行動計画 第2版(案)』に対する意見募集について」を御参照ください。
    https://public-comment.e-gov.go.jp/servlet/Public
  2. 窓口での配布
    環境省自然環境局野生生物課外来生物対策室
    (東京都千代田区霞ヶ関1-2-2中央合同庁舎5号館26階)
    ※事前に入館登録が必要になりますので、来館される場合は、必ず事前に御連絡をお願いいたします。(電話番号(代表):03-3581-3351)

6. 注意事項

  • 御提出いただきました意見については、氏名、住所、電話番号等個人情報に関する事項を除き、全て公開される可能性があることをあらかじめ御了承願います。 
  • 皆様からいただいた意見に対し、個別にお答えすることはできませんので、その旨御了承願います。 
  • 以下に該当する場合など、頂いた御意見の内容によっては受付の対象外とさせていただくことがありますので、あらかじめ御了承ください。
  
・御意見の内容が、「外来種被害防止行動計画 第2版(案)」と無関係な場合
・御意見の中に、特定の個人・法人等が識別され得る情報がある場合
・個人・法人・事業等の権利利益を害するおそれがある場合
・個人・法人・事業等の誹謗中傷に該当する場合
・事業・ホームページ・思想等の宣伝・広告に該当する場合
・記載された情報が虚偽であると判明した場合

2023年7月20日木曜日

自然環境保全 選択科目Ⅲ 池のかいぼりと除染済土壌等の再生利用

「問題解決能力及び課題遂行能力に関する」問題Ⅲ、Ⅲ-1が池のかいぼり、Ⅲ-2が除染済土壌等の自然公園事業での再生利用でした。池のかいぼりはTV番組を想起したためちょっと笑みが漏れましたが、2つめの問題文に目を移すと、環境部門必須科目ⅠのALPS処理水と対をなすかのように、福一原発事故による放射能汚染の除染処理後の土壌等再生利用についてのものでした。原発の放射能汚染処理後についてこうまで続けて問われるとは思わなかったのでしばし茫然となりました。

皆さんどちらを選択されましたでしょうか。実際に汚染処理土壌の再生利用に携わっているひと以外は外来種対策としての池のかいぼりのほうを選んだのではないでしょうか。こっちは実際に取組んだことがなくてもTV番組の視聴経験だとかニュース記事などの記憶をもとに専門家ならではの視点から課題を抽出できそうですよね。

Ⅲ 次の2問題(Ⅲ-1,Ⅲ-2)のうち1問題を選び解答せよ。(赤色答案用紙に解答問題番号を明記し,答案用紙3枚を用いてまとめよ。)

Ⅲ-1 多種の外来生物が蔓延している都市公園内の池(1ha)について,かいぼりを実施し,主に在来生物により構成される生態系を取り戻すための事業が行われることになり,自然環境保全技術者の立場で事前調査及び実施計画策定を担当することとなった。

(1)事前調査及び実施計画策定に当たり,技術者の立場からどのような課題が考えられるか,多面的に検討したうえで課題を3つ示し,その内容を述べよ。

(2)前問(1)で示した課題のうち最も重要と考えるものを1つ選び,重要と考える理由とその課題に対する解決策を示せ。

(3)前問(2)で示した解決策に関連して新たに浮かび上がる将来的な懸念事項とそれへの対応策について,専門技術を踏まえた考えを示せ。


わたしもずいぶん昔に業務でとある農業ダムのかいぼりに係る環境調査に関わったことがあり、かいぼりして救出したミナミメダカの一部を自宅で繁殖させています。増えすぎたメダカを生きもの好きのひとに配ったり、ラムサール条約登録湿地のビジターセンターにも譲渡したことがありますが、沖縄県では令和2年11月に沖縄県希少野生動植物保護条例が制定され、これまでのようには譲渡できなくなっちゃいました。そうはいってもメダカたちは人間の都合などお構いなしにどんどん増えるばっかりですから、いったいこれからどうしたものかと悩んでいます。

Ⅲ-2 原子力災害後,福島県内で除染により除去した土壌等(総発生量見込み約1,330万m3)は,同県大熊町と双葉町にまたがる中間貯蔵施設(約16km2)に保管されている(一部搬入中のものあり)。同土壌等のうち線量が低く(8,000Bq/kg以下)再生利用可能なものは,公共事業等に活用することとなっている。同土壌等を国立,国定公園において,国又は県の自然公園等事業で使用する場合を想定し,以下の問いに答えよ。

(1)盛土材料が必要な具体的な1つの事業を想定し,当該地で同土壌等の再生利用を行う場合,技術者の立場で,計画,施工,運搬・管理の工程を通じて多面的に検討したうえで,合意形成及びその他の課題2つの計3つを抽出し,それぞれの課題の内容と対応の基本的な考え方を示せ。

(2)前問(1)で抽出した課題のうち特に重要となる合意形成について,複数の解決策を,専門技術用語を交えて示せ。

(3)前問(2)で示した解決策を実行しても生じる可能性のあるリスクとそれへの対応策について,専門技術を踏まえた考えを示せ。

特定廃棄物埋立情報館 リプルンふくしま
【福島県双葉郡富岡町】


設問(2)では最も重要な課題が問題文で「合意形成」と指定されているのも驚きました。これは必須科目Ⅰ-2のALPS処理水の問題文でも最後の設問(3)では技術者倫理だけでなくコミュニケーションについても問われたことと共通していると思います。放射能汚染については合意形成といった多様な関係者とのコミュニケーションが最もデリケートで最も配慮すべき最も重要なことであることを反映した問いだからなのでしょう。問題文を通して、ただの技術士筆記試験問題とは違った重みで技術士の社会的な役割について考えさせられることとなりました。

先月はちょうどSUKIYAKI塾東北主催の「福島のいま」と題したツアーに参加し、(一定濃度(8,000Bq/kg)を超える放射性物質を含み環境大臣が指定した廃棄物である)特定廃棄物の埋立に関する情報施設「リプルンふくしま」をはじめ特定廃棄物の埋立処分場やセメント固型化処理施設などを見学してまわりました。
福島には震災後これまで3回、たまたまですが4年ごとに訪れています。
1回目の震災から4年後の2015年時点ではまだまだ瓦礫がそこかしこに放置されていましたが、2019年では放棄された田畑などに汚染された土壌等が詰まった黒いフレコンバックがうずたかく積みあがっていました。2023年ではそのフレコンバックがほとんどなくなっており、人間活動エリアの除染がだいぶ片付いたように見受けられました(森林などの除染はまだまだ進んでいませんが←森林部門森林環境Ⅲ-2で出題されました!)。再生利用できないものはセメント固型化ののち埋立処分され、本問題のように再生利用できるものは中間貯蔵施設にて保管されているわけです。
今後も震災からの復興を追いかけたいと思っています。

R5年度筆記試験のコメント評価をしています。
第3者目線での評価を欲している方はぜひどうぞ。
詳しくはこちらをご覧ください。

2023年4月22日土曜日

アメリカザリガニ防除マニュアル

今週末はSUKIYAKI塾四国が開催する筆記試験セミナーに講師として参加するため松山に来ています。孫の顔を見るためという試験とはまったく関係ない用事と抱き合わせではありますが(笑)。すっかり好々爺です。

なんて呑気なことを言ってる状況ではない感じになっちゃっています。
今週頭に受験申し込みの締め切りという一大イベントが済み、いよいよ筆記試験対策ステージに移りました。
これがまるで前線が通過した感じと言いましょうか、潮目が変わるように論文添削の依頼がどんどん舞い込み、嬉しい(?)悲鳴をあげているところです。SUKIYAKI塾四国で担当する受講生の論文も目を通さなくてはいけませんしね。
自分で招いたこととはいえ、ちょっと調子に乗り過ぎたかな、と思わなくもないです(笑)。

論文の書き方については添削講座のほうで個別に指導をしていますが、試験問題に取り上げられそうなネタについてはこのブログで紹介しています。
毎年恒例の出題予想まとめについてはGW後に投稿しますのでお待ちください。

でも、わたしなんかのブログ投稿を待っていてはダメですよ。
7月の筆記試験に出題されるネタというのは前々年から今時期くらいまでに出たマニュアル、手引き、ガイドライン、法改正(特に手順、手続き)が取り上げられることが多いです。思い当たるものはしっかり再チェックしておいてください。

今回取り上げるのはその最有力候補です(といっても対象は環境部門自然環境保全です)。
令和4年4月に「アメリカザリガニ対策の手引き」が作成されてそこそこニュースにもなりましたよね。その後アカミミガメとアメリカザリガニが「条件付特定外来生物」に指定され、そしていよいよ来る6月1日からはアカミミガメ・アメリカザリガニの規制が始まります!これに関連してアメリカザリガニの防除マニュアルがこのたびリリースされました。

毎年有力候補に挙げていたような記憶があるのですが(そして出題されていない記憶がありますが)、今度こそ、アカミミガメor/andアメリカザリガニを扱った問題が出るのではないかと思っています。しっかり準備しておいてくださいね。

松山市駅
【愛媛県松山市】

2023年04月17日
  • 自然環境

条件付特定外来生物に指定されるアカミミガメ及びアメリカザリガニに係る特定飼養等施設の基準の細目等及び業として行う飼養等の方法の公布並びにアメリカザリガニ防除マニュアル等の公表について

 「特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律施行令の一部を改正する政令」(令和5年政令第16号。以下「改正政令」という。)に基づき、アカミミガメ及びアメリカザリガニを条件付特定外来生物に指定すること等に伴い、「環境大臣が所掌する特定外来生物に係る特定飼養等施設の基準の細目等を定める件の一部を改正する件」(令和5年環境省告示第35号)及び「特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律施行令附則第二条第一項に基づき主務大臣が定めるアカミミガメ及びアメリカザリガニの業として行う飼養等の方法」(令和5年環境省告示第36号)が公布されたため、パブリックコメントの結果と併せてお知らせいたします。

 また、アメリカザリガニの対策のために令和4年4月に作成した「アメリカザリガニ対策の手引き」について、実際の防除事業により得られた課題等を踏まえた改訂を行うとともに、同手引きの内容を基にアメリカザリガニの防除活動に必要な情報を端的にとりまとめた「アメリカザリガニ防除マニュアル」を作成しましたので、お知らせいたします。

本日公布された告示の概要

  1. (1)環境大臣が所掌する特定外来生物に係る特定飼養等施設の基準の細目等を定める件の一部を改正する件(添付資料1、2、3)
     今般、条件付特定外来生物に指定されるアカミミガメ及びアメリカザリガニについて、特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律第5条に基づく飼養等の許可を受ける際に必要な特定飼養等施設の基準の細目等を定める等の所要の改正を行いました。
      
  2. (2)特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律施行令附則第二条第一項に基づき主務大臣が定めるアカミミガメ及びアメリカザリガニの業として行う飼養等の方法(添付資料4、5)
     今般、条件付特定外来生物に指定されるアカミミガメ及びアメリカザリガニについて、販売又は頒布をする目的以外の目的で飼養等を業として行う者が遵守すべき飼養等の方法を定めました。なお、本告示内における「特定飼養等施設」の基準の細目については、(1)において規定しているため、添付資料2に記載するアカミミガメ及びアメリカザリガニに係る特定飼養等施設の基準の細目を御参照ください。
 上記の2つの告示は改正政令の施行の日(令和5年6月1日)から適用されます。
 また、アカミミガメ及びアメリカザリガニを取り扱う事業者の方々に向けて、改正政令や上記の告示等を踏まえた規制内容について周知するためのリーフレットを下記のページにて公開しています。
●事業者向けリーフレット(アカミミガメ)
https://www.env.go.jp/nature/intro/4document/files/akamimi/leaflet.pdf
●事業者向けリーフレット(アメリカザリガニ)
  https://www.env.go.jp/nature/intro/4document/files/amezari/leaflet.pdf

意見募集(パブリックコメント)の結果について

 上記の2つの告示について、令和5年2月14日(火)から同年3月16日(木)までパブリックコメントを実施し、5件の御意見を頂きました。実施結果の詳細は、添付資料6及び添付資料7のとおりです。

「アメリカザリガニ対策の手引き」の改訂と「アメリカザリガニ防除マニュアル」の作成について

 アメリカザリガニはとても身近な生き物ですが、近年は水辺の生態系に対して非常に大きな影響を与えていることが明らかになっており、対策が急がれていることから、令和4年4月に「アメリカザリガニ対策の手引き」を作成しておりました。今般、東京都千代田区皇居外苑、石川県珠洲市のため池群、鹿児島県奄美市奄美大島小湊の水田周辺にて、同手引きに記載される内容に沿った防除作業を試行して得られた課題や、最新の科学的知見、改正政令の内容等を反映し、同手引きの改訂を行いました。
 また、アメリカザリガニ対策に係る防除の重要性や対策方法の普及を図るために、同手引きの内容を基に、防除対策の流れや捕獲手法、捕獲作業の手順等のアメリカザリガニの防除活動に必要な情報を端的に取りまとめた「アメリカザリガニ防除マニュアル」を作成しました。
 地方公共団体や民間団体などによるアメリカザリガニ対策にこれらの資料を活用していただき、各地での本来の水辺の生態系の保全・再生の促進につながることを期待しています。
 本手引き及びマニュアルは環境省HP「日本の外来種対策」の下記のページにて公開します。
 https://www.env.go.jp/nature/intro/3control/tebiki.html
 ※ アカミミガメの防除の手引き及び防除マニュアルも上記ページで公開しています。

2022年9月21日水曜日

特定外来生物被害防止基本方針の変更

台風も過ぎ、ここ沖縄もまだまだ暑いようなところはありますが、それでもそれなりにちゃんと秋になりました。だいたい日が沈むのが早くなりましたよね。これから一気に季節が進み、技術士試験スケジュールも後半戦に突入することでしょう(←無理やりな言及ですね)。

今回は、環境部門の自然環境保全はもとより、建設部門の建設環境でも問われる(特定)外来生物対策です。5月に外来生物法が改正されたことに伴って、外来生物対策の基本的な事項を定めた被害防止基本方針が一部変更されました。変更内容の概要あたりは確認しておいてください。

絶滅危惧種か?特定外来種か?
同定が難しいアカウキクサ類
【福岡城跡5号堀 福岡県福岡市】

2022年09月20日
  • 自然環境

特定外来生物被害防止基本方針の変更の閣議決定について

令和4年5月に特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律(外来生物法)の改正案が成立したことに伴い、中央環境審議会自然環境部会野生生物小委員会において、特定外来生物被害防止基本方針(※)の変更についての審議が行われ、令和4年9月9日に変更案の答申がなされました。

※特定外来生物被害防止基本方針
外来生物法第3条に基づき、特定外来生物による生態系、人の生命・身体及び農林水産業に係る被害を防止するため、被害防止の基本構想を定めるとともに、特定外来生物の選定、取扱い、防除等に関する基本的事項などを定めるもの。

この答申を踏まえ、外来生物法第3条第4項において準用する同条第1項に基づき、本日、特定外来生物被害防止基本方針の変更が閣議決定されました。

背景

特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律(平成16年法律第78号。以下「法」という。)第3条第1項に基づき策定されている「特定外来生物被害防止基本方針」(以下「基本方針」という。)では、特定外来生物による生態系等に係る被害を防止するための基本的な方針を定めています。
本年5月に成立した特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律の一部を改正する法律(令和4年法律第42号。以下「改正法」という。)を踏まえ、基本方針の変更を行うべく、令和4年5月に中央環境審議会に諮問を行い、これを受けて中央環境審議会自然環境部会野生生物小委員会から9月9日に中央環境審議会から環境大臣、農林水産大臣に対して「特定外来生物被害防止基本方針(変更案)」が答申されました。
本答申を踏まえた基本方針の変更案について、9月20日に閣議決定されました。

変更の概要

改正法を踏まえ、主に以下の点を追加等しております。
外来種被害防止行動計画・生態系被害防止外来種リストの外来生物法における位置づけ
各主体の役割に関する責務規定の新設に伴う、国、都道府県、市町村、事業者、国民等の役割や、関係者の連携
附則第5条による一部規制の適用除外のある特定外来生物の選定(アカミミガメ、アメリカザリガニの指定を想定)の考え方
要緊急対処特定外来生物の選定(ヒアリ類の指定を想定)の考え方
要緊急対処特定外来生物が存在等している輸入品等、物品等、施設の移動の制限又は禁止の命令
特定外来生物等が存在等している輸入品等又は要緊急対処特定外来生物が存在等している物品等が付着等している土地又は施設の消毒又は廃棄
要緊急対処特定外来生物に係る対処指針
詳細については、添付資料3を御覧ください。

意見の募集(パブリックコメント)の実施結果について

令和4年7月8日から8月6日にかけ、7月7日の中央環境審議会自然環境部会野生生物小委員会において取りまとめられた基本方針の変更案についてパブリックコメントを実施し、合計33件の御意見をいただきました。これについての実施結果は、添付資料5、6のとおりです。

今後の予定

基本方針の変更については、告示として10月頃に官報掲載を予定しております。
なお、外来生物法の改正に関連した今後のスケジュールについては、添付資料1の2頁を御参照ください。

2022年6月8日水曜日

令和4年版環境白書 グリーン社会の実現に向けて変える私たちの地域とライフスタイル ~私たちの変革から起こす脱炭素ドミノ~

白書シーズンたけなわ、いかがお過ごしでしょうか。
7日に環境白書が閣議決定され、HPにて公表されました(^^)/
「脱炭素」はもちろんメイン課題ですが、「循環経済」、「分散・自然共生」あわせて『グリーン社会』、この実現に向けて私たちの地域とライフスタイルから変革を起こしてゆきましょう!というテーマのようです(まだちゃんと読んでません)。
スローガン「私たちの変革から起こす脱炭素ドミノ」です。
報道発表のページには概要版の記載がなかったので、白書をまとめたページも下記に貼り付けておきます。
白書を全部読むのはたいへんですし時間もないですから、この概要版だけでもチェックしてみてください。「1.5℃」とか「30by30」とか多くのキーワードが盛りだくさんです。しかし概要版なのにぜんぶで32ページもあるなんて、そうとう力が入ってますよね。

そして今回の環境白書の閲覧方法ですが、ウエブサイトや冊子のほか、なんと電子書籍版Kindleや楽天Koboでも配信されるようです。しかも1年間限定で無料で配信されるそうですよ。ただし開始が7月中下旬とのことなので、残念ながらこんどの筆記試験対策には間に合いませんね。。。

環境白書・循環型社会白書・生物多様性白書

環境白書・循環型社会白書・生物多様性白書

最新の白書

関東も梅雨入りしましたね
【東京都府中市】

令和4年6月7日
総合政策
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令和4年版環境白書・循環型社会白書・生物多様性白書の公表について

令和4年版環境白書・循環型社会白書・生物多様性白書は本日令和4年6月7日(火)に閣議決定されたため公表いたします。

1.令和4年版環境白書・循環型社会白書・生物多様性白書のテーマ

グリーン社会の実現に向けて変える私たちの地域とライフスタイル
~私たちの変革から起こす脱炭素ドミノ~

 2030年までを「勝負の10年」として、国内外で「脱炭素ドミノ」を起こしていくために私たち一人ひとりが、未来に影響を与える当事者であるという意識を持って行動し、脱炭素のみならず、資源循環、分散・自然共生という多角的なアプローチによってグリーン社会の実現を目指していくことをお伝えしています。

2.令和4年版環境白書・循環型社会白書・生物多様性白書のポイント

  • 気候変動や資源の大量消費、生物多様性の損失等の危機に対して世界が大きく動き出し、危機的状況を世界全体で乗り越えるための国際動向を紹介。
  • 「脱炭素」と並行して「循環経済」、「分散・自然共生」という多角的かつ、相関しているアプローチからグリーン社会の実現を目指すことを記述。
  • 地域資源を生かして脱炭素化を図りつつ、経済活性化・社会課題の解決を目指す地域づくりや、「ファッション・食・住まい・移動」から一人ひとりのライフスタイルの変革により、持続可能で将来世代が、希望を持つことができる社会を引き継げることを目指すことを記述。
  • 東日本大震災・原発事故の被災地の環境再生取組の進捗や、復興の新たなステージに向けた未来志向の取組を紹介。

環境白書・循環型社会白書・生物多様性白書の特色

  • 環境白書、循環型社会白書、生物多様性白書の3つの白書は、法律に則ってそれぞれ国会へ提出する年次報告書ですが、環境問題の全体像を分かりやすく示すために3つの白書を合わせて編集し、1つの白書としてまとめています。
  • 冊子で使用している紙は、持続可能な木材を使ったFSC®認証紙です。日本の官公庁の白書において初めての使用となります。

   ※FSC®(Forest Stewardship Council®)認証とはFSCロゴマーク
    環境、社会、経済の便益に適い、きちんと管理された森林からの製品を
    目に見える形で消費者に届け、それにより経済的利益を生産者に還元する
    仕組みです。

  • 印刷工程の電力使用に伴い発生する二酸化炭素(CO₂)は、環境省の「オフセット・クレジット制度(J-VER制度)」に基づき発行された東日本大震災における被災地のクレジットを購入し、オフセットしています。

4.白書の閲覧及び冊子の入手方法

(1)環境省ウェブサイト http://www.env.go.jp/policy/hakusyo/

   PDFデータで掲載します。なお、HTML形式のデータについては、7月上旬以降、同ウェブサイトに掲載
  する予定です。

(2)冊子の入手方法

  ①単行本
   政府刊行物センターや政府刊行物取扱書店等で購入することができます(1部2,728円(税込、予定価
   格)、6月中下旬発売予定)。入手方法等については、発行元の日経印刷株式会社第一営業部(03-
   6758-1011
)までお問い合わせください。

  ②電子書籍
   電子書籍版Kindle及び楽天Koboにて、1年間無料配信予定(7月中下旬配信予定)。