2015年8月19日水曜日

日本らしく美しい景観づくり

お盆があけて日常業務に戻られた方が多いのでしょうか。
毎年書いていますが、沖縄のお盆は旧暦で行うのでこれからなんですよ。
今年は8月26日がウンケー(お迎え)、28日がウークイ(お送り)です。
南西諸島にはまたまた台風が近づいていますが、ちょうど台風の影響がなくなった頃にお盆を迎えられそうです。よかったですね。
子どもも大きくなったのでもうエイサーを追っかけることはなくなりましたが、それでも遠くの方から地元青年団のエイサーが聴こえてくるとおもてに飛び出したくなっちゃいます。
皆さんのところではどんなお盆なのでしょうか。

お盆のある風景というのは全国各地いろいろで、その地その場所ごとに独特の自然、歴史、文化の積み重ねによっていま現在のかたちになっているんだろうと思います。
そう考えるとお盆によって立ち現れる風景というのも地域の大事な景観となっていると言えるのではないでしょうか。

と、やや強引に書きすすめましたが、今年の試験では久しぶりに景観法がらみの出題がありました。そして本日、「日本らしく美しい景観づくりに関する懇談会報告書」が公表されました。
景観行政のこれからの方向性を把握する第1級の資料です。ぜひ概要版だけでもチェックしておいてください。
なかでも「公共土木工事における配慮」のあたりは、これからも試験で直接問われる内容になっていると思います。
そもそも建設環境は都市計画分野と被る要素が多いです。だいたい問題Ⅱ-1の景観重要公共施設制度のほかにも問題Ⅲではコンパクトシティが出題されたくらいですからね。

エイサー 道ジュネー【南大東島】

「日本らしく美しい景観づくりに関する懇談会」報告書の公表について

平成27年8月19日
 国土交通省では、平成16年の景観法制定から10年が経過したことを契機に、景観行政に関する幅広い点検・検証を行うため、昨年6月より「日本らしく美しい景観づくりに関する懇談会」を7回にわたり開催しました。このたび、報告書をとりまとめたので公表します。

【報告書概要】
 景観行政を取り巻く状況や景観法の活用実態といった我が国の実情を踏まえた上で、良好な景観が、地域に暮らす人々の誇りとなり、地域全体の価値の向上につながることを示すとともに、国内外の人々が日本的で美しいと感じる景観の「創出」と「保全」のために必要な方策のあり方についてとりまとめたもの。

 ・総 論:「良好な景観形成を進める上での基本的な考え方」
 ・論点1:「広域景観の形成」
 ・論点2:「創造的な景観協議のあり方」
 ・論点3:「景観を資産として捉えることによる地域価値の向上」
 ・論点4:「新たな課題に対する景観マネジメント」

 「日本らしく美しい景観づくりに関する懇談会」報告書の本文及び概要は、都市局ホームページでも公表しています。
 <URL>http://www.mlit.go.jp/toshi/townscape/toshi_townscape_tk_000037.html

2015年8月15日土曜日

国土形成計画と国土利用計画

国土形成計画と国土利用計画の変更が閣議決定されました。

国土形成計画については大枠で国(国交省)の方向性を把握して、それを実現するには、あるいはそれを実現する際に環境保全との両立を図るにはどうすればよいか、が建設環境の技術者に求められている課題です。ぜひご自分の立場でなにができるか、なにをすべきなのかを考えてください。これすなわち問題Ⅲの設問に対する解答になるはずです。

国土利用計画のほうをみると、より具体的な記述が目立ちます。以下に建設環境分野に関連した課題とその解決の方向性が示された箇所を抜き出しました。この内容に沿う具体的な技術的な課題や留意点等をご自分で考察してください。これすなわち問題Ⅲの設問に対する解答になります。
こうして考えると、近々自然再生事業についてもストレートに問われるような気がしてなりません。

国土利用計画(全国計画)
●国土利用をめぐる基本的条件の変化
2.持続可能で豊かな生活の基盤として、自然が持つ多 様な機能を活用
自然環境の悪化により、生態系のもつ食料・水の供給 などの生態系サービスを維持できないおそれ

●国土利用の基本方針
「適切な国土管理を実現する国土利用」、「自然環境・美しい景観等を保全・再生・活用する国土利用」、「安全・安心を実現する国土利用」 の3つを基本方針とし、国土の安全性を高め、持続可能で豊かな国土を形成する国土利用を目指す。

自然環境・美しい景観等を保全・再生・活用する国土利用
○自然環境の保全・再生・活用
・優れた自然条件を有している地域等を核とした生態系ネットワークの形成
・自然環境の有する多様な機能を活用したグリーンイ ンフラ等の取組の推進による地域の魅力等の向上
○地域の個性ある景観の保全・再生・創出 等

それにしてもグリーンインフラという言い回し、国交省も使うんですね(→使うようになったんですね→試験で問われる可能性が高まりましたね)。

国指定天然記念物 慶佐次湾のヒルギ林【沖縄県東村】

国土形成計画(全国計画)について

平成27年8月14日
  本日、国土形成計画法(昭和25年法律第205号)に基づき、国土形成計画(全国計画)の変更の閣議決定がなされました。
  本計画は、昨年7月に策定した「国土のグランドデザイン2050」等を踏まえて、急激な人口減少、巨大災害の切迫等、国土に係る状況の大きな変化に対応した、平成27年から概ね10年間の国土づくりの方向性を定めるものです。
  本計画では、国土の基本構想として、それぞれの地域が個性を磨き、異なる個性を持つ各地域が連携することによりイノベーションの創出を促す「対流促進型国土」の形成を図ることとし、この実現のための国土構造として「コンパクト+ネットワーク」の形成を進めることとしています。
  今後、国土形成計画(全国計画)の具体化に向けた取組を進めてまいります。

国土利用計画(全国計画)について

 本日、国土利用計画法(昭和49年法律第92号)に基づき、国土利用計画(全国計画)の変更の閣議決定がなされました。
 本計画は、国土の利用に関して全国的な見地から必要な基本事項を定めるものであり、「適切な国土管理を実現する国土利用」、「自然環境と美しい景観等を保全・再生・活用する国土利用」、「安全・安心を実現する国土利用」の3つを基本方針とし、国土の安全性を高め、持続可能で豊かな国土を形成する国土利用を目指すものです。
 今後、国土利用計画(全国計画)の具体化に向けた取組を進めてまいります。

2015年8月11日火曜日

添削指導アドバイスをはじめます

平成22年度試験に合格した翌年からSUKIYAKI塾の添削講座に講師として参加し、受験に真剣に取り組んでいるかたの論文等を添削してまいりました。
身近な知り合いを含めると、これまでの5年間でのべ50人を超えるかたたちに指導アドバイスしたことになります。そしてその一助となったかどうか、平成26年度試験までの4年間で23名のかたが合格されました。

今年に入ってブログを訪問してくださるひとが増えてきて驚きつつも喜んでいたわけですが、それに比例するように添削指導の依頼をあちらこちらから受けるようになりました。
ブログを始めるキッカケとなったひとが平成26年度試験で無事に合格されたということもあり、意を決してこのタイミングでさらに一歩進めた添削指導アドバイスを始めることにしました。


本サービス(添削指導アドバイス)はSUKIYAKI塾とは異なり有料でお受けします。
対象とする技術部門科目は以下の2つです。
●建設部門建設環境
他の部門科目(例えば環境部門など)についてはご希望であればお引き受けしますが、専門技術に関する指導はできませんので論理構成や文章に関する指導アドバイスとなります。

●総合技術監理部門
総監については科目を問いません。ただし建設-建設環境以外の科目の場合には専門技術を踏まえた管理については言及できないこともあります。

下記の4つのコースを設けました。
料金は①②がそれぞれ15,000円、③が10,000円、④が3,000円です。
※併願・重願の場合はそれぞれの部門科目単位で受け付けます。

①出願書類作成コース
期間:受付完了時から平成28年度試験の申込期限日の4日前まで書類を受け付けます。
内容:受験申込書の記載内容と業務経歴票(5行の業務経歴と「業務内容の詳細」)についての添削指導を行います。平成28年度の様式が正式発表されるまでは平成27年度様式で添削指導を行い、平成28年度様式が発表され次第、あらためて添削指導いたします。
うまく作成できないかたには業務経歴のたな卸しと詳細業務の骨子の作成アドバイスからスタートします。
添削回数:期間内は回数無制限です。ただしわたしがOKと判断したらそこで終了とすることもあります。
料金:15,000円

②筆記試験論文添削コース
期間:受付完了時から平成28年度筆記試験日の4日前まで論文を受け付けます。
内容:建設環境については選択科目ⅡとⅢを、総監については記述論文(必須科目Ⅰ-2)の添削指導を行います。基本的に過去問題に対する回答論文の添削です。原稿に赤を入れるのではなく、メールでコメントをお返しする方式です。
論文の仕上がり具合に自信がないかた、文章作成が苦手なかた、論理的思考が苦手なかた、専門技術分野が偏っているかた、それぞれに応じた指導をいたします。
添削回数:期間内は回数無制限です。ただし複数の論文を同時並行では添削しません。わたしが次の問題に移ってOKと判断してから別の設問に取り組んでください。
料金:15,000円

③平成27年度 口頭試験バックアップコース
期間:受付完了時から口頭試験終了まで。
※筆記試験合格発表後から募集開始
内容:再現論文のコメント評価、申込書類~経歴票に関する質疑、Skypeによる模擬面接を1回行います。
総監についてはマインドマップの作成を通した指導も行います。
添削回数:期間内は回数無制限です。
定員:定員に達し次第、受付終了します。
料金:10,000円

④平成27年度筆記試験の再現論文に対するコメント評価
内容:再現論文のコメント評価を行います。建設環境は選択科目Ⅱ-1×2つ、Ⅱ-2、Ⅲの合計4つ、総監は記述論文(必須科目Ⅰ-2)です。
原稿に赤を入れるのではなく、メールでコメントをお返しする方式です。
返信回数:各設問に対し、1回のコメントとそのコメントを受けての再質問・返信を1回の計2回
料金:3,000円

【注意事項】
●本サービスは、Gmailを使用して行いますので、Gmailの送受信が可能な環境であることが必須条件です
●本サービスに使用するファイル形式はPDFもしくはMS Wordファイルのみです。これ以外のファイルは原則として対応できません
●添削指導の対象である経歴票や論文等はメールに添付してお送りいただきます
●メール受信後、添削コメント等を返信するまでに最大4日間の日数をいただきます(ただし、これまでは受信の翌日~翌々日に返信しています)
●総監については科目を問いませんが建設-建設環境以外の科目の場合には専門技術を踏まえた管理については言及できないこともあります
●領収書は発行いたしません
●振込手数料はご負担ください

本サービス(添削指導アドバイス)をご希望されるかたは上記の内容を確認いただいたうえで下記のフォームにてお申込みください。お申込みの時点で上記の注意事項にご同意いただいたものとします。
フォームを受信後、遅くとも翌日中には振込先の銀行口座をご案内するメールをGmailで返信いたします。
※3日以上経過しても返信がない場合はGmailとのやりとりが不可能な環境と思われます。その際はお手数ですがご自身で設定等を調整したうえで再度ご応募ください。

今回はスタート年ということで全体的に受講料は低く抑えました。この活動が軌道にのったら平成29年度試験対策からは正規料金を頂けるようにしたいと思っています。

★お申込みはこちらからお願いします
お申込みフォーム

2015年8月10日月曜日

技術士2次試験の答案用紙

技術士会HPで本年度の筆記試験問題が公開されましたね。
日本技術士会HP

今年受験されたかたはもうとっくに再現論文は作成されたことと思いますが、まだのひとはこのお盆休みの間に完成させてください!

試験問題の公開にあわせて平成25年度からデザインが新しくなった答案用紙を真似た模擬答案用紙をMSワードファイルに作ってみました。
APECさんのサイトに載せてもらいましたので、ご入り用のかたはそこからダウンロードしてください。
SUKIYAKI塾 資料室 ダウンロード集

再現論文が作成済みのかたもこの様式に合わせていまいちど作成してみてはいかがでしょうか。

問題Ⅱの2枚目


2015年8月5日水曜日

水質汚濁に係る生活環境の保全に関する環境基準の見直し

試験も終わって、択一の正答も発表されて、皆さん、いかがお過ごしでしょうか。
夏季調査などがピークを迎え、業務に邁進されていることと思います。

必須科目の択一問題は、結局、蓋を開けてみれば、過去問からの出題がこれまで同様に多かったですね。
技術士試験にかぎらず、マークシート問題はすべからく過去問を第一に取り組むべきだということがあらためてわかりました。
そしてSUKIYAKI塾の掲示板をみますと、鳥居さんが提供している100本ノックが好評のようです。
来年の試験を考えているひとはいまからでも始めてイイんじゃないでしょうか。

今回取り上げるのは、平成26年度の選択Ⅰ(4問から2問を選択してそれぞれ1枚記述するヤツ)で出題された下層DOなどを環境基準に追加することに関する話題です。

下の添付資料にある「報告案」を見ると、そもそもの経緯から課題から解決策の方向性までバッチリ示されています。
来年あたりに再び問われるであろう「閉鎖性水域の水質改善」に関するネタの宝庫です。
来年の受験を考えているかたはぜひ手に取って熟読ください。
昨年は下層DO(底層溶存酸素量)だったので、今度はもうひとつのほうの透明度(沿岸透明度)だったりして。そして透明度についてはこれまた近年出題がない沿岸生態系(藻場など水生植物群落)の保全との絡みで出題されたらいいな(私の生業なので)。

ガッツのあるひとは(なくてもべつにイイんですが)、「報告案」を読んだうえでのあなたの意見をパブコメ期間中に環境省に提出してみてはいかがでしょうか。
手っ取り早く当事者感覚を養うことができるので試験勉強に資するのはもちろん、(技術士の倫理綱領にある)『技術士は、地球環境の保全等、将来世代にわたる社会の持続可能性の確保に努める』にも繋がります。

アマモ場【沖縄県読谷村 トリイビーチ】

報道発表資料

平成27年8月4日
水・土壌
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(お知らせ)「水質汚濁に係る生活環境の保全に関する環境基準の見直しについて」(報告案)に対する意見の募集(パブリックコメント)について

 中央環境審議会水環境部会生活環境項目環境基準専門委員会では、環境基本法第16条に基づく水質汚濁に係る環境基準のうち、生活環境の保全に関する環境基準に関し、「水質汚濁に係る生活環境の保全に関する環境基準の見直しについて(報告案)」を取りまとめました。
 本報告案について、広く国民の皆様から御意見をお聴きするため、平成27年8月4日(火)から9月2日(水)までの間、パブリックコメントを実施いたします。
1.意見募集の背景
 環境基本法に基づく水質汚濁に係る環境基準は、維持することが望ましい基準として定められている行政上の目標であり、人の健康の保護に係る環境基準(健康項目)と生活環境の保全に係る環境基準(生活環境項目)に区分されています。生活環境項目については、現在12項目について環境基準が定められています。
 平成25年8月30日付け諮問第358号により、中央環境審議会に対してなされた「水質汚濁に係る生活環境の保全に関する環境基準の見直しについて(諮問)」について、平成25年12月より、中央環境審議会水環境部会生活環境項目環境基準専門委員会(以下「専門委員会」という。)において、これまでの知見を踏まえ、底層溶存酸素量及び沿岸透明度について検討を行ってまいりました。
 今般、平成27年7月7日に開催された専門委員会(第6回)の議論を踏まえて、本諮問に対する報告案が取りまとめられました。本案について、広く国民の皆様からの御意見をお聴きするため、パブリックコメントを実施いたします。同専門委員会においては、頂いた御意見を考慮し、報告案を最終的に取りまとめる予定です。
2.意見募集対象
 「水質汚濁に係る生活環境の保全に関する環境基準の見直しについて(報告案)」

3.資料の入手について
(1)電子政府の総合窓口
(2)窓口での配布
  環境省水・大気環境局水環境課
  (東京都千代田区霞ヶ関1-2-2 中央合同庁舎5号館23階)

4.募集期間
 平成27年8月4日(火)から平成27年9月2日(水)17:00まで
 (※郵送の場合は9月2日(水)必着)

5.意見の提出方法
 記入要領に従って、次のいずれかの方法で送付してください。
(1)電子政府の総合窓口(e-Gov)
電子政府の総合窓口(e-Gov)の意見提出フォームに、記入要領にしたがって記入の上、御提出ください。
(2)郵送、ファックス又は電子メールによる御提出
環境省水・大気環境局水環境課
〒100-8975 東京都千代田区霞が関1-2-2
TEL:03-5521-8314
FAX:03-3593-1438
電子メール:mizu-kikaku@env.go.jp

添付資料