2015年7月24日金曜日

建設環境 Ⅲ-2 建設副産物の3R

最後にⅢ-2です。

Ⅲ 次の2問題(Ⅲ-1,Ⅲ-2)のうち1問題を選び解答せよ。(解答問題番号を明記し,答案用紙3枚以内にまとめよ。)

Ⅲ-2 天然資源が極めて少ない我が国が持続可能な発展を続けていくためには,廃棄物などの循環資源が有効に利用・適正処分される「循環型社会」を構築していくことが必要である。一方,2020年の東京オリンピック・パラリンピック関連工事等の本格化や社会資本の維持管理・更新時代の到来により,建設副産物の発生量の増加が想定される。この様な状況を踏まえて,建設副産物の3R(リデュース,リユース,リサイクル)に関して,以下の問いに答えよ。

(1)今後,建設副産物の3Rを推進していく上での課題を,多面的な視点から複数挙げ,その内容についてそれぞれ述べよ。

(2)上述した課題のうち,あなたが最も重要と考えるものを1つ挙げ,その理由を説明するとともに,その課題を解決するための対策を示せ。

(3)あなたの示した対策を実施する際に生じ得る問題点と,その問題点への対処方法について述べよ。

出ましたね!
ドンピシャで出題されたのでビックリしました。
試験直前にブログで~今年の試験で出題されるのかはわかりませんが(出てもおかしくありません)~と取り上げた「建設発生土(循環型社会)における課題」、
さらにはその前の~来年以降の近い将来に再度出題される可能性は高いと踏んでいます~建設リサイクル2014」をチェックしてもらえていたらバッチリ書けたのではないでしょうか。
なんだかんだでだんだん予想できるようになってきたような、そんな気が大きくなってしまいそうな自惚れ感にひたってしまいそうです。
このパターンから言えば、来年は『閉鎖性水域の水質改善』が出ますね。注目しておきたいと思います。

建設リサイクルに話をもどしますが、上記のブログで紹介した資料だけでも相当なレベルの回答が書けそうですが、せっかくなので今回は行政資料ではなく、ゼネコンさんによる現場サイドからの取組事例を紹介しますね。

KAJIMAダイジェスト
Back Number
2000
june特集:建設副産物のリサイクル
http://www.kajima.co.jp/news/digest/jun_2000/tokushu/toku01.htm

建設現場での取組み・リサイクル事例
ゼロエミッションをめざして

 建設現場では大量の建設副産物が発生する。その中に廃棄物もあれば再生資源もある。特に現状でリサイクル率も低く処理上大きな問題となっているのが,混合廃棄物と建設汚泥である。数種の材料が混じった混合廃棄物の分別処理は建築工事での主要な課題だ。特に解体工事では木くず,紙くず,コンクリート塊,鉄筋くずから,ガラス,蛍光灯まで各種分別が必要とされている。一方,建設汚泥処理は大量発生する土木現場で大きな課題となっている。各現場ではそれぞれに方策検討を行い,リサイクル率の向上を図り,廃棄物の出ないゼロエミッション現場をめざしている。

建築工事における建設副産物3R
(Reduce,Reuse,Recycle)活動の徹底

 当社における3R運動は1991年度から始まる。代表的モデル現場を中心に展開されてきた。中には建設大臣賞受賞の科研製薬建設工事(現・文京グリーンコート,98年竣工)や南千住四丁目都民住宅建設工事(昨年竣工)があげられる。このノウハウは引き継がれ大規模現場から中小現場まで展開中だ。さらなる徹底のためには混合廃棄物のリサイクル率向上が課題となっている。近年は解体・リニューアル分野での強化徹底にも重点が置かれている。
建設混合廃棄物の選別・再資源化フロー
建設混合廃棄物の選別・再資源化フロー

最後になりましたが、回答した論文の再現だけはしておいてくださいね!
では、また。

おつかれさまでした!
【北海道札幌市】

2015年7月23日木曜日

建設環境 Ⅲ-1 コンパクトシティの実現に向けた環境への配慮の取組

問題Ⅲの課題解決問題、昨年に引き続き今年も建設部門としての出題でした!

1つめはコンパクトシティの実現に向けた(あるいはその機会を捉えた)環境への配慮の取組、2つめは東京オリンピック関連工事を睨んだ建設副産物の3Rの推進について。
総監も東京オリンピックにちなんだ出題でした。オリンピックが開催される2020年まであと5年といったギリギリのタイミングで堰を切ったようにそこかしこで問われまくっているわけですね。

これからの都市の構造が人口減少などの将来の社会変化にあわせて見直されているなかで、あるいは降ってわいた国際的なビッグイベントの準備が急ピッチで進められるなかで、建設環境の技術者としてあなたはそれに対してどう取り組むべきだと考えているのか?
を試験官から問われているわけです。

●コンパクトシティに都市を変化させるのに合わせて、環境への配慮をどのように図っていくべき?
●建設ラッシュ、インフラ更新ラッシュでこれから建設副産物・廃棄物がドーンと増えることが予想されているけど、その副産物(廃棄物)の3Rをどのように進めていくべき?

昨年度は防災対策やインフラ維持管理更新の際の環境配慮が問われたその問題文を目にした瞬間、建設部門の端くれ技術者として武者震いしましたが、今年は2年目ということもあって、おぉ~そうきたか!うん、うん、といううなずき感が気持ちの大部分を占めました。

(昨年度同様に)こういった問題に対しては(微熱程度には)情熱的な熱い技術者魂を試験官にぶつけたいところです。

今回はⅢ-1を取り上げます。

Ⅲ 次の2問題(Ⅲ-1,Ⅲ-2)のうち1問題を選び解答せよ。(解答問題番号を明記し,答案用紙3枚以内にまとめよ。)

 Ⅲ-1 ある都市において,市街地が拡散した都市の構造を見直し,コンパクトシティの実現に向け,都市構造全体の計画の立案が求められている状況にある。同時に,この機会を捉えて,地球環境をはじめとする環境への配慮の取組を連携して推進する必要がある。このような状況を踏まえ,計画を立案する立場として,以下の問いに答えよ。

(1)市街地が拡散した都市における環境面の課題を複数挙げ,コンパクトシティの実現に向けた取組を進めながら環境への配慮を図る観点から積極的に取り組むべき項目を多面的視点から説明せよ。

(2)上述した取り組むべき項目について環境面の改善効果を高めるために,あなたが計画上最も重要視しなければならないと考えることについて,その理由も併せて述べるとともに,それを実現可能とするための対応策を示せ。

(3)あなたの対応策がもたらす効果を具体的に示すとともに,想定される留意点・リスクについても記述せよ。


名物ブラックラーメン
【お団子と串の都市構造でコンパクトシティを実現した富山市にて】

(1)は、昨年度に引き続き「多面的」に記述することが求められています。
多面的ってどんな面かと戸惑うわけですが、環境ジャンルにもいろいろありまして、なるべく異なる分野からの項目を拾ってきたらいいんじゃないかと思います。(2)以降でピックアップする自分の得意分野をひとつ、それ以外の異なる分野からそれぞれひとつづつ、あわせて3つくらい挙げれば十分じゃないでしょうか。

①(市街地が拡散したことにより)温室効果ガスが増加→発生を抑制することが課題
②(市街地が拡散したことにより)資源活用効率が悪化→効率的に活用するための仕組みづくりが課題
③(市街地が拡散したことにより)自然環境が劣化→自然を再生することが課題

上記はあくまで例ですが、いずれの分野・項目を取り上げるにしろ市街地が拡散したことによる課題でなければいけません。

(拠点的市街地における環境共生型の都市システムの構築)
環境と共生するエコ・コンパクトシティの実現に向けては、温室効果ガスの削減に加え、資源の有効利用、生物多様性の保全を含む自然共生を実現することが重要であるという観点から、地球環境問題やヒートアイランド減少等の環境問題に対し、環境負荷の少ない集約型都市構造を形成しつつ、拠点的市街地を中心に都市環境施策を展開すべきである。

エコ・コンパクトシティの実現より

(2)は、(1)で挙げた取り組むべき項目から本命を1つを選んで、環境面の改善効果を高めるために重要視しなければいけないと考えること(ようは環境配慮、さらに進んでエコアップ的な効果が期待できる策)について、課題、問題点、解決策を述べればイイのではないでしょうか。
問題文を読んでパッと思いついたのは、わたしの場合には③自然環境劣化に対する取組として自然再生(事業)ですかね。で、その問題点と解決策なんかを想定した地域に合わせて設定します。

(3)は、それによる具体的な効果、さらには想定される留意点・リスクについて書くことが求められています。留意点・リスクも必ず書くことが求められるようになりましたね。骨子表の項目にも加えてもイイですね。
いくら改善策を行ったとしてもその結果がすべてプラスなことばかりではないですからね。
ものごとのマイナス面をも把握している技術者であることが技術士に相応しい技術者に求められているようですから、そのマイナス面をちゃんと把握している証として留意点やリスクについてもサッと答えられないといけないわけです。
プラス面を最大化させながら、マイナス面を極力最小化させることができる技術者ということをアピールしてください。
●●のために△△すると◎◎となるが、▼▼しすぎると××となるので▼▼しすぎないように留意する、とか、●●のために△△すると◎◎となるが、▼▼にとっても◎◎なので××とならないよう注意する、とかなんとかそんな内容です。ちなみに××がリスクです。
そんなに難しく考える必要はありません。
が、書きそこなうとOUTです。

では、また。

2015年7月22日水曜日

建設環境 選択科目Ⅱ-2-2 第1種事業における工事中の環境影響評価

選択科目Ⅱ-2のもうひとつの選択肢は、第1種事業における環境影響評価についての設問でした。

H25年は希少種または生活環境への環境影響の予測と保全措置の、H26年は計画段階配慮書についての実施手順が問われました。
今年は第1種事業の環境アセスの調査及び予測手法、並びに環境保全措置についての問題です。実に3年連続で環境アセスが出題されていますね。
今後とも環境影響評価のさまざまな場面を切り取ったものがⅡ-2で問われ続ける可能性が高いと思います。

今回の設問では、問題文とその文末にわざわざカッコ書きされているとおり、まず第一に、施設等の事業対象そのものの存在による影響ではないことに注意してください。
事業の供用後の環境影響評価ではなく、あくまで建設事業の工事中における環境影響を評価し保全対策を検討することが求められています。
対象とする環境項目が工事中のものかどうかが重要で、ここを外してはダメです。
工事中ということを考えると、騒音振動や濁りの発生(水質)、重機の往来(動物・植物)、なんかがパッと思い浮かびました。こういった工事が自然環境豊かな地域であるとか、生活環境と隣接した地域で行われることを想定すればいいんじゃないでしょうか。
皆さんはどうされましたか?

もちろん第1種事業であることがわかるような事業を設定しないと、これまたダメです。
第1種事業の代表的なものは、高速道路新幹線原子力発電所があり、これらは面積や規模などの条件なしで第1種です。そのほかは事業の規模が規定されていますのでそれを超える規模であることを書き添えたらバッチリですね。
規定数値を失念しちゃっていたとしても最低でも「第1種事業のダム建設」などのような表現でなんとか体裁を整えてください。
規模もそうですが、そもそも第1種事業の対象事業ではないものを取り上げたら、その時点でOUTです。
※第1種事業の対象となる事業は、道路、河川(ダムなど)、鉄道、空港(飛行場)、発電所、廃棄物最終処分場、埋立・干拓、土地区画整理事業、新住宅市街地開発事業、工業団地造成事業、新都市基盤整備事業、流通業務団地造成事業、宅地(住宅地・工業用地含む)の造成事業の13種類の事業+港湾計画です。

以上を設定したら、あとは記述する内容が細かく要求されているので、その指示(ガイド)に従って書けばいいですね。
実際に携わった経験があるひとはあまり悩むことなくスラスラと書けたのではないでしょうか。
今年の総監の問題もそうですが、設問の要求事項がとても細かくなっており、人によって相性の差が大きく出そうです。

環境アセスメントガイド

【小樽駅】

Ⅱ-2 次の2設問(Ⅱ-2-1,Ⅱ-2-2)のうち1設問を選び解答せよ。(解答設問番号を明記し,答案用紙2枚以内にまとめよ。)

Ⅱ-2-2 「環境影響評価法」に定める第一種事業にあたる建設事業が計画されており,工事中の環境影響が懸念されている。この工事中の影響に関する調査・予測及び環境保全措置の検討を行うに当たり,以下の問いに答えよ。(本設問では,工事中の環境影響に係る事項とする。)

(1)あなたが想定した建設事業の概要と,その事業が実施される地域の状況を具体的に述べよ。

(2)(1)で述べた地域の状況との関連性を踏まえて,この建設事業において環境影響を及ぼす要因と影響を受ける環境要素の項目(以下,環境項目という)を5つ挙げよ。また,あなたが最も重要と考える環境項目をその中から1つ選び,その理由を述べよ。

(3)(2)で最も重要であると選んだ環境項目について,調査と予測を行うための手法を述べよ。具体的に,調査事項,調査地域,調査地点及び調査期間,予測の前提条件,予測方法,予測地域・地点及び予測時期について,明記すること。

(4)(2)で最も重要であると選んだ環境項目について,実施することが適切と考えられる環境保全措置と見込まれる効果を説明せよ。また,環境保全措置の検討を行う際に留意すべき事項を2つ挙げよ。

次回はいよいよ選択科目Ⅲです。
では!

2015年7月21日火曜日

建設環境 選択科目Ⅱ-2-1 建設事業における外来種対策

試験が終わっての投稿第2弾。
たくさんのかたが訪れてくださってますのでがんばって投稿します。

今回は「選択科目」に関する応用能力について試される選択科目Ⅱ-2です。
Ⅱ-2はどちらも王道ジャンルでしたね。
ひとつめは建設事業における外来種対策、ふたつめは第1種事業の環境アセスでした。
ここまで出し惜しみせずにどストレートに出題しちゃうと、来年以降はどうなっちゃうのでしょうか。
それにしても今年は環境部門から建設環境に乗り換えたひと、環境部門に合格してから2部門目として建設環境に挑んでいるひとがわりあい見受けられるのですが、そんなひとにはまさにドンピシャリの設問だったと思います(もちろんどちらも建設事業に絡めた内容にしないと×です)。

Ⅱ-2 次の2設問(Ⅱ-2-1,Ⅱ-2-2)のうち1設問を選び解答せよ。(解答設問番号を明記し,答案用紙2枚以内にまとめよ。)

Ⅱ-2-1 近年,外来種の拡大が自然環境や人間社会に影響を与えているとの課題がある。あなたが建設事業の責任者として外来種対策を踏まえた業務を推進するに当たり,外来種と建設事業を想定した上で,当該事業に関する以下の問いに答えよ。

(1)あなたが想定した外来種と建設事業の概要を述べよ。

(2)想定した建設事業において,外来種が自然環境及び人間社会に及ぼす影響を述べよ。

(3)(1)で想定した建設事業の実施に当たり,外来種対策に必要な調査計画内容について述べよ。

(4)(1)で想定した建設事業について,具体的な外来種対策を1つ挙げ,その内容を述べよ。また,その対策の実施に当たり留意すべき事項を述べよ。


ダム湖面をビッシリ覆うボタンウキクサ【沖縄県那覇市首里 金城ダム】

資料リリースやシンポジウム開催など行政(それも国交省系)からの動きが目立つようになりましたが、ついに取り上げられましたね。
生き物調査系、自然環境保全系、なかでも河川事業系のひとはこっちの問題を選んだのではないでしょうか。
以前にブログでも取り上げたのですが、「河川における外来種植物対策の手引き」、「河川における外来魚対策の事例集」を勉強していたひとはバッチリ書けたんじゃないでしょうか。書けましたよね?

河川における外来植物対策の手引きと外来魚対策の事例集が公表されました

ブログには、来年の筆記試験に出てきそうなネタです(ほぼ確実に出るんじゃないでしょうか)と書いていますが、実際には2年後の試験に出たという結果となりました。

では!

2015年7月20日月曜日

建設環境 選択科目Ⅱ-1

筆記試験、お疲れさまでした。
今年は日本全国どこも天変地異的なことには見舞われなかったようで安堵しています。
沖縄は雨が時折降る程度でした。

皆さん、どうでしたでしょうか。

記述問題の設問内容については昨年同様に建設環境の王道を行く出題分野だったですね。
要求レベルも順当だったし、出題方法も昨年と変化はなかったので、昨年度試験を踏まえていればそこそこ準備できたのではと想像します(昨年と同じコメントになっていますね)。

それにしても、今年も試験監督をしたのですが昨年に比べて記入ミス(受験番号・問題番号の書き忘れなど)の答案が多かったです。
これも試験のうちと自分に言い聞かせていますが、やはり途轍もなく勿体ないことです。
と、他人事ながら結構、落ち込んでいたのですが、添削等で関わった受験生のひとたちから「試験終わりましたぁ~」の連絡がつぎつぎと入り、皆さん控えめながら自信のほどが伺える文面でしたので嬉しく思っています。
10月29日(木)が早くも待ち遠しいですね~

いまいゆ【沖縄県那覇市泊漁港内の泊いゆまち】

それでは以下に、試験問題(記述もの)を振り返ってみましょう。

まず、Ⅱ-1の4つの設問から2問を選ぶスタイルの専門知識問題です。
  • 生態系サービス
  • 再生可能エネルギー
  • 景観重要公共施設制度
  • 廃棄物最終処分場跡地
Ⅱ-1-1の生態系サービス以外は、法制度がらみの出題でしたね(特に3、4)。
Ⅱ-1は今後も基本的に法制度からの出題になるんでしょうね。
ややもすると、この1~2年に法改正されたものについつい注目しがちですがそんなことは関係ないですね。
あくまで建設事業を進めるときに環境分野で配慮が必要な項目に関する法律や制度について問われることでしょう。そういう意味で王道ネタは今後とも抑えておく必要があります(って試験に関係なく建設環境技術者であれば当然わかっていなくてはいけないものだと言えます)。

9-11 建設環境【選択科目Ⅱ】
Ⅱ 次の2問題(Ⅱ-1,Ⅱ-2)について解答せよ。(問題ごとに答案用紙を替えること。)

Ⅱ-1 次の4設問(Ⅱ-1-1~Ⅱ-1-4)のうち2設問を選び解答せよ。(設問ごとに答案用紙を替えて解答設問番号を明記し,それぞれ1枚以内にまとめよ。)

Ⅱ-1-1 自然環境に係わる施策の評価や企業の環境への取組において近年,重要性を増している生態系サービスについて概説せよ。生態系サービスの向上に寄与する建設事業を1つ挙げ,その事業が向上に寄与する具体的な生態系サービス及びその寄与する理由を述べよ。

Ⅱ-1-2 平成23年に「電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法」が公布される等,国内における再生可能エネルギーの利用が促進されているところである。再生可能エネルギーの導入が推進されている背景を概説するとともに,現在,国内で利用されている再生可能エネルギーを2つ挙げ,各々の環境面における得失を述べよ。

Ⅱ-1-3 「景観法」に規定されている,景観重要公共施設制度について説明せよ。また景観重要公共施設制度によって期待される効果について,制度の説明を踏まえて述べよ。

Ⅱ-1-4 平成16年に「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」が改正され,廃棄物最終処分場跡地等廃棄物が地中にある土地で行われる形質変更に関する制度が導入された。この制度が導入された目的及び制度の概要について述べよ。また,廃棄物最終処分場跡地における建設事業の施工計画を立案する際に本制度に基づいて検討が必要な項目を4つ挙げよ。
  1. 生態系サービスについては、生物多様性と生態系サービス
  2. これを選んだひとが多いと思いますが、再生可能エネルギーの環境面における得失は、「環境面における」というのがミソです。経済的、あるいは技術開発的な課題は駄目だと思います。
  3. 久しぶりの景観法、APECさんが推していたジャンルでしたね。景観重要公共施設の手引き(案)
  4. 施工計画としては、①廃棄物の飛散防止、②造成法面の安定確保による廃棄物流出防止と雨水による廃棄物流出防止、③廃棄物の露出防止、④廃棄物が飛散・流出・露出した場合の措置、になるのでしょうか。最終処分場跡地形質変更に係る施行ガイドライン
Ⅱ-2は次回とします。

では!

2015年7月15日水曜日

時はめぐり、また夏が来て

早いもので、「10時になりました。それでは試験をはじめてください」まであと5日ですね。
ここまできたらジタバタしてもどうにもなりません。
試験本番のそのときそのいちにちに、体と心の調子をトップの状態にもってゆくべくアスリート感覚で調整することを第一に心がけてください。

【仙台市青葉区 国分町】

●生活リズムを早寝早起きにスライドさせましょう。
これは試験本番の午前10時から午後5時まで脳みそが活発に活動できるようにするためです。

●うがい手洗いを面倒がらずにやりましょう。
風邪をひいたらたいへんです。時はめぐり、日本全国、先週末から季節がまた夏になりました。季節の変わり目は要注意です。

●なにもやらないのも精神的によくないので、添削を受けた回答論文の完成版を1日に1~2回は手書き練習しましょう。※やりすぎ注意です。以前、やりすぎで腱鞘炎になっちゃったひとがいました。

●まとまった時間があれば択一試験の過去問題や想定問題を解いてみましょう。
これは現在の知識が合格レベルに達しているかどうかを確認することよりも、設問にある「間違ったものを選べ」とか「正しいものを選べ」などの要求事項の読み間違いをしてしまわないかどうかのチェック(というか訓練)に力点を置いてください。

●試験本番の持ち物リストを作成し、準備できるものは準備しておきましょう。
受験票は当然のこと、書きやすいシャープペンシル、替え芯、消しゴム(1文字づつ消せるノック式もオススメ)、腕時計、電卓、タオルなど
持ち物(持ち込み不可、机上に置くこと不可のもの)については平成27年度 技術士第二次試験筆記試験 受験上の注意事項を確認してください。

●わたしが受験するときには、栄養ドリンクを2本(午前用、午後用)を準備しておいて、試験開始30分前くらいに一気飲みしていました。脳にブドウ糖を注入するんです。
そのほか私的な準備品リストは、当日のお昼ご飯として、おにぎり2個、ペットボトルのお茶かミネラルウォーターを1本。
とにかくお昼はガッツリ食べると脳に血液が行かなくなりますので注意が必要です。不足分は飴などのひと口モノを試験の合間の休憩時に放り込むくらいで調整してもいいかもしれません(試験中は不可です)。
わたしはじゃっかん空腹気味のほうが脳みそが冴えるんですよね。

●会場も事前に下見ができる境遇のかたはやったほうがいいと思います(特に初めて受験するかたは)。
下見ができなくても(できてもですが)、試験当日は早めに会場に着くようにしてください。精神的なゆとりが全然違います。
もし遅刻寸前で慌てて会場に駆け込むと、それだけで心拍数がハネ上がりますし、そんなことではとてもじゃないですがフレッシュな酸素と豊富な栄養を運んでくれる血液が体中に散らばっちゃって受験に必要な質と量の血液が肝心の脳に供給されませんからね。
だいたい試験に際しての注意事項を聞き逃す(頭に入らない)リスクが増大します。
不利なことこの上ないです。

●なお、昨年の高知豪雨の例もありますが、試験当日に交通機関がストップ等して試験会場にたどり着けずに受験することができなくなっても代替措置や受験料返還はありません。
昨年のことを受けてなのか、技術士会HPに新たに以下のアナウンスが掲載されました。

技術士第二次試験を受験される皆様へ (7月19日・7月20日)

7月19日(日)、7月20日(月・祝)に予定されております、平成27年度技術士第二次試験は予定どおり実施いたします。
一部の地域において、交通機関の乱れ等が予想されますので、余裕をもって試験会場にお越しください。
なお、公共交通機関の運行停止などにより受験できない場合であっても、再試験及び受験手数料の返還はいたしませんので、ご了承ください。

●台風直撃のときには、バスタオルと着替え一式も持参したことがありました(笑)
台風とまではいかなくとも、当日が雨降りの場合には、体が(足元から)濡れたあとに試験に臨むことを想定して、何らかの対処ができるように準備しておくべきです。

●面接試験ではないので服装はなんでもいいのですが、冷房の効き具合、風の当たり具合が座席によって異なりますので、会場が暑くても寒くてもどちらでも対処できるように、わたしはTシャツに長ズボンといった格好で、薄い長袖シャツは羽織る感じでもって行きました。くつは足にやさしいジョギングシューズがオススメです。サンダル履きのひともよく見かけますね。
とにかくふだんの自分の実力が発揮できるようなものがイイと思います。
ここ数年はよく試験監督を任されることが多いのですが、檀上から受験生の皆さんを眺めますと、女性は身嗜みが整っているのに対して、男性はユルユル、ダルダルのひとが多いです。
社会的な無言の圧力を文句も言わずに黙々と乗り越えている女性の皆さんに思いを馳せないわけにはゆかず、やっぱりそんな女性には頑張ってほしいとつい力が入っちゃいますね。
ですがもちろん心の中で応援することしかできませんけどね。

●その何回か試験監督を務めた経験から、最後にこのブログを読んでくださっているひとたちにお伝えしておきたいことがあります。
それは、受験番号、氏名、問題番号などの記入ミス、未記入ミスが、毎回、毎教室、必ず発生している!ということです。
監督員から直接にミスの該当者に伝えることはできません。それでもなんとかわかってもらいたいという忸怩たる思いがマックス極まります。ざんないとはこのことです。
試験終了前に試験監督が「もう一度、受験番号や問題番号等の記入漏れがないかしっかり確認してください」と言ったら、素直に確認してください。
時間もないのでそれどころじゃないのもわかりますが、そもそも上記のようなミスをしていたら「失格」ですからね。不合格どころか採点もありません。
1年がムダ、とまでは言いませんが、徒労感甚だしいだろうし、そこから復活するのにも時間がかかると思います。

がんばってください!

2015年7月10日金曜日

建設コンサルタント白書

いやあ、今回の台風9号はなかなかシツコイです。
接近から1日経ったいまも雨風が強いんですよ。
台風接近で昼夜問わずの災害対応に追われているかたもあると思いますが、わたしの職場は臨時休業中です。。。
申し訳ない気持ちも引きずりつつ、試験直前のこのタイミング、天から与えられた時間を使って勉強に充てているひともいらっしゃるんでしょうね。
なかには停電しちゃってそれどころじゃないってひともあるかもしれませんが。
九州や西日本では大雨になったようですし。。。。
皆さんのところはいかがでしょうか。

さざれ石 【武田神社 山梨県甲府市】

今日は平日にぽっかり時間ができたので、SUKIYAKI塾沖縄でいごの会のウエブサイトのほうをちょっとイジッてました。
実は、SUKIYAKI塾沖縄でいごの会では、APECさんをお招きして9月19日(土)にRCCMセミナーを開催します。合わせて技術士第1次試験対策セミナーも行います。

詳しくは、SUKIYAKI塾沖縄でいごの会HP
http://sukiyaki-okinawa.jimdo.com/

そのRCCM資格を主催している建設コンサルタンツ協会から建設コンサルタント白書が毎年発表されていて本年度版が先月に出ています。

試験対策の参考図書としての優先順位は下がりますが、国土交通白書や環境白書を読み疲れた際に、拾い読みしてみるのもいいですよ。

建設コンサルタント白書-安全・安心を支える建設コンサルタント-
http://www.jcca.or.jp/achievement/annual_report/white_reports.html

2015年7月6日月曜日

沿岸部(港湾)における気候変動の影響及び適応の方向性

台風が3つも発生して、そのうち2つは沖縄に向かってきている現在、少しづつ風が強くなってきたようです。梅雨も明け、いよいよ台風シーズン到来です。
台風といえば職業がら高潮被害をすぐに想起することもあってか、今日は沿岸関連ネタをUPします。

主に港湾のひと対象ではあるのですが、一部、建設環境も関わることなので取り上げてみました。
気候変動によって海面水位の上昇することが予測され、沿岸部(港湾)へは高潮偏差の増大、波浪の強大化、潮位の上昇による影響が考えられています。
具体的には、干潟・浅場に対して潮位の上昇による汀線の後退、波高の増大に伴う底質移動や海岸浸食の増加が挙げられています。
その対策(適応策)として、建設環境分野を拾ってみると、ソフト対策としての「沿岸域における生態系による減災機能の定量評価手法開発」がありました。
問題Ⅱの1枚問題で地球温暖化関連が出題された際に使えるんじゃないでしょうか。

テトラポッド 【沖縄県那覇市】

「沿岸部(港湾)における気候変動の影響及び適応の方向性」の公表について

平成27年6月30日
 気候変動に関する政府間パネル(以下、「IPCC」という。)においては、第4次評価報告書(平成19年公表)のシナリオで課題とされた政策主導的な排出削減対策を考慮したRCPシナリオをもとに検討が行われ、第5次評価報告書としてまとめられました。第5次評価報告書では、気候システムの温暖化には疑う余地はないことが示され、また、世界平均気温の上昇を産業革命前に比べて2℃以内にとどめられたとしても、我が国において気候変動の影響を生ずる可能性があり、その影響への適応を計画的に進めることが必要となっているため、気候変動の各分野への影響を関係府省が検討した上で、平成27年夏頃に政府全体の「適応計画」が策定される予定です。
沿岸部(港湾)においては、第4次評価報告書等を踏まえ、平成21年3月に「地球温暖化に起因する気候変動に対する港湾政策のあり方」答申(以下、「答申」という。)がとりまとめられております。
 国土交通省港湾局では、平成26年7月に「沿岸部(港湾)における気候変動の影響及び適応の方向性検討委員会」(以下、「委員会」という。)を設置し、答申における適応策の進捗状況及び第5次評価報告書における変更点への対応について検討してきたところです。この度、全3回の委員会開催を経て、別添のとおり「沿岸部(港湾)における気候変動の影響と適応の方向性」が取りまとめられましたので、お知らせいたします。
 今後、本とりまとめを踏まえ、国土交通省港湾局において、政府全体の適応計画に位置づける施策の検討を進めてまいります。

<別添資料>
○沿岸部(港湾)における気候変動の影響及び適応の方向性 概要
○沿岸部(港湾)における気候変動の影響及び適応の方向性

<会議内容の詳細は以下URLを参照>
 http://www.mlit.go.jp/kowan/kowan_fr7_000021.html

2015年7月2日木曜日

平成26年度 国土交通白書

1週間ほど家を空けている間に出ましたね、国交省の白書。
もちろん問題Ⅰの択一問題の元ネタがこの白書からナマ引用されて出題されるわけではないので熟読する必要ありませんが(昨年度の白書から出ます)、現在の、そして近い将来の日本社会が直面している(するであろう)課題について重大なものから順に取り上げられていますので、現状と課題、解決策の方向性を知るにはもってこいの文書です。
第1章のテーマだけでもチェックしてくださいね。
H26年度の総監の試験でもとりあげられた「人口減少・超高齢化社会」。
これからの社会の仕組みが大きく変わりますね。
地方創生地域経済の活性化、を念頭に流し読みしてみてください。

磊々峡(らいらいきょう) 【宮城県仙台市】

はじめに

 我が国は今、世界に先駆けて「人口減少・超高齢社会」を迎えている。2008年に始まった人口減 少は今後加速度的に進み、急激な人口減少・少子化、異次元の高齢化が進行することが予測されてい る。特に地方では、若年人口だけでなく高齢人口も減少している地域もあるなど、都市部に先駆けて 人口減少が深刻となっており、地域経済の疲弊につながっている。これらの課題に対応し、いかに明 るい未来を築いていくかが、政府全体での喫緊の課題となっている。

 2014年 5月には、日本創生会議・人口減少問題検討分科会(座長:増田寛也氏)より、「2040年 には 896の市区町村において若年女性(20-39歳)人口が半分以下となり、これらの市区町村は消滅 する可能性がある」という推計が公表され、日本全国で大きな反響を呼んだ。 国土交通省としては、同年 7月に「国土のグランドデザイン 2050~対流促進型国土の形成~」を 公表し、急速な人口減少や巨大災害の切迫を背景に、2050年を見据えた国土づくりの理念や考え方 を示したところである。 

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 以上のような状況及び問題意識を踏まえ、平成 26年度国土交通白書の第Ⅰ部では、「将来世代にわ たる豊かな暮らしを実現するための国土・地域づくり~対流促進型国土の形成~」をテーマとし、 「国土のグランドデザイン 2050」を踏まえつつ、特に「個性ある地方の創生」に焦点をあてて、本 格的な人口減少社会における国土・地域づくりについて考察する。 

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 そして、第 2節「時代に合った構造的な地域づくり」において、「国土のグランドデザイン 2050」の基本コンセプトである「コンパクト+ネットワーク」の効果・取組事例の紹介等を通じ、 対流促進型国土の形成に向け、地域構造(ストラクチャー)面での考え方として、「コンパクト+ ネットワーク」が重要である旨を述べる。

○平成26年度国土交通白書について
  http://www.mlit.go.jp/report/press/sogo08_hh_000086.html

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国土のグランドデザイン2050