2012年4月28日土曜日

環境アセス法改正にともない、その「基本的事項」も改正

GWがはじまりました。
まとまった休みがとれるひとにとってはこのGW期間は集中して試験勉強に取組むことができる絶好の機会です。
普段の隙間時間の勉強も大事ですが、GWのようなまとまった時間がないとできないこともあると思います。
ぜひ、後悔しないためにもなにをすべきかを考えてみてください。

。。。。てなことを書きましたが、GWになにをするかはもちろんひとそれぞれで優先順位が違いますよね。
特に小さいお子さんのいらっしゃるご家庭では家族サービスが最優先となると思います。
技術士試験は毎年ありますが、小さいお子さんの成長は早いです。
今しかないですから今しか出来ないことを最優先に、と考えるとやはり「お子さんとの時間」のほうが圧倒的に大事ですね(実に羨ましいです)。

わたしの場合は子供も大きくなったので自分のことに時間を使えますから、よぉーしいっちょ久しぶりに真正面から論文書きでもやってみるか!!!、と意気込んでおりました。
が、見事に計画頓挫、今日は勉強らしいことは特になにもしないまま、PCの前にいます。。。ははは

どうでもいい前書きはこのへんにして、今日はひさしぶりに行政情報を投稿します。

環境影響評価法が昨年3月に改正され、本年4月1日より施行されました。
そのなかでも「計画段階配慮書」手続きが新設されたことが大きいのですが、この「計画段階配慮書」ってのがいわゆる「戦略的環境アセスメント」と同じなのか違うのか、とか具体的にはなにをどうすればいいのかなどの情報がほとんど皆無の状態でした。

環境影響評価法の運用にあたっては、具体的な実施内容についての基本的な考え方を環境大臣が「基本的事項」として公表することとなっているようですが、このほど法改正にともなって、この「基本的事項」も改正されました。

「基本的事項」とは、
・環境影響評価の現状
・第二種事業の判定基準
・環境影響評価項目とその調査手法に関する選定指針
・環境保全措置指針
などについての基本的事項が定められているそうです。

この「基本的事項」は5年ごとに見直し(点検)することとなっていて、前回の平成17年3月改正から5年以上が経過していること、さらにはこのたびの法改正にともなって新設された計画段階配慮書手続き等についてもこの「基本的事項」を定める必要がある、というのが流れのようです。

また、今回の基本的事項の改正にあたってその拠り所とした有識者からなる「技術検討委員会」の報告書もあわせて公表されました。
これが非常に参考になる資料です。
わけても後半の「環境アセス制度の円滑な実施に向けての課題」のあたりは要チェックですよ!
これは試験対策にあたっては絶対に外すことはできない第1級の資料だといえましょう。

うーん、やっぱり環境アセス関連、とくに新制度に関する問題が試験に出されるのはほぼ確実なんじゃないかと思いますが、実際はどうなのでしょうか。

立山連峰を望む【富山県魚津あたり】

平成24年4月2日

「環境影響評価法に基づく基本的事項等に関する技術検討委員会」報告書の公表及び環境影響評価法に基づく基本的事項(環境省告示)の改正について(お知らせ)

1.
環境影響評価法に基づく基本的事項については、その内容全般について、5年程度ごとを目途に点検し、その結果を公表するものとされています。また、平成23年の環境影響評価法の改正により計画段階配慮書手続等が創設されたことを受け、これらの手続に関する基本的事項を定める必要があります。
2.
環境省では、この見直しを行うに当たって、有識者からなる「環境影響評価法に基づく基本的事項等に関する技術検討委員会」を平成23年6月に設置し議論を重ねてきたところですが、先般、本委員会の報告書案を取りまとめ、これに対するご意見の募集(パブリックコメント)を行いました。この結果を踏まえ、本委員会の報告書を取りまとめましたので、お知らせします。
3.
また、環境省は、本委員会報告書を踏まえ、環境影響評価法に基づく基本的事項を改正し、告示しましたので、お知らせします。

1.環境影響評価法に基づく基本的事項とは

 環境影響評価法において対象事業種ごとに主務大臣が定めるべき第二種事業の判定基準や環境影響評価項目等選定指針などに関して、対象事業種にかかわらず横断的に基本となるべき事項(以下単に「基本的事項」という。)について環境大臣が定めるものです。

2.経緯

 基本的事項は、5年程度ごとを目途に見直し、その結果を公表するものとされており、平成17年の前回改正から5年を経過したことから、点検を行う必要があります。また、平成23年の環境影響評価法の改正により計画段階配慮書手続等が創設されたことを受け、これらの手続に関する基本的事項を定める必要があります。今回の見直しでは平成23年6月に有識者からなる「環境影響評価法に基づく基本的事項等に関する技術検討委員会」(http://www.env.go.jp/policy/assess/5-4basic/index.html)を設置し、基本的事項の検討を進めてきました。
 平成24年1月には本委員会の報告書案を取りまとめ、1月17日(火)から2月16日(木)までの間、御意見の募集(パブリックコメント)を行い、25通170件のご意見を頂きました。これらの御意見を踏まえ、さらに報告書案を検討し、平成24年3月に本報告書が取りまとめられました。
 また、環境省は本報告書を踏まえ、基本的事項を改正し、4月2日に告示しました。

3.報告書及び基本的事項の告示改正の内容

 別添資料のとおり。

4.今後の予定

 基本的事項の改正を受け、対象事業種ごとに定められる主務省令が、環境省との協議を経て、秋頃を目途に改正されることとなります。なお、本報告書には、環境影響評価法施行規則(環境省令)の改正事項についても盛り込まれていますが、この施行規則の改正についても、主務省令と同時期に行う予定です。
添付資料

2012年4月26日木曜日

受験申込書を発送!

本日、簡易書留にて受験申込書を発送しました。
明後日の土曜日には到着するそうです(しかし受け取ってもらえるのかな?)。

一昨日からハートに火がついて、昨日にPDFに入力(全角と半角の使い分けに要注意)&証明写真を撮影し、本日、昼休みに受験料を郵便振込み、いったん社にもどって振込証書と顔写真を申込書に貼りつけ、コピー&スキャンしたのち添付書類とともにクリアファイルにまとめて封筒に入れ、もういちど郵便局に引き返し。。。。。。

ここのところ、SUKIYAKI塾出願支援講座の受講生の添削を中心に、地元であるSUKIYAKI塾沖縄でいごの会の新しいホームページ作成作業を進めておりました。
ので、なかなかブログのほうは更新ままならず、すみませんでした。
SUKIYAKI塾沖縄でいごの会HPはこちら

みなさん、受験申込書類は提出なさいましたでしょうか?
締切は5月8日(火)の17時または消印有効ですが、間にGWを挟んでいるので実質的にはもうあまり平日は残っていません。
仮に書類に不備があっても挽回するのは厳しくなってきます。
できるだけ早めの提出をすべきと思います。
そしてGWは筆記試験対策のほうに時間をかけるべきですよ。

【首里から那覇を望む】

短いですけれども、今日はこのへんで。

では、近いうちにまた!


2012年4月15日日曜日

経歴票の使われ方の実際

前回につづき、経歴票について。

・・・・・最初の構想では実は数回に分けて経歴票作成のポイントを書こうと考えていたのですが、もう締切までひと月もないし、いいかげん引っ張っても意味がないので、逆方向から光を当ててみることにします。

というわけでいきなりですが、実際の口頭試験では経歴票がどのような使われ方をしたのか、わたしの事例を紹介します。

まず経歴票がコチラ。

平成22年度試験だったので、当時はいまとちがってインターネット申請もできました。
その様式なので(しかも入力途中の様式です)見た目が違うわけです。
でも、入力文字数制限とかは別として、内容は同じですのでそこは気にしないでください。

なお、体験論文の詳述は7番目、概略のみのは4番目の業務でした。
どちらも最近の業務ではなかったので、すべての業務について念のため論文的なストーリーを作っておきましたが、実際の試験では訊かれませんでした(そういうものです)。

で、実際の口頭試験での様子を以下に公開します(経歴関連部分)。

試験官はふたり。試験官Aが左、試験官Bが右。
試験官A:司会役 温和でにこやか、どことなくノーベル化学賞受賞の田中耕一さんに似る。40代。
試験官B:終始ムスっとした表情、藤子不二雄Aを若くした感じ。声が小さく聞き取りづらいうえ、質問を2つ続けて出す。50代。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

A:「それでは一応お聞きしますが、あなたの名前をフルネームで、受験番号もお願いします」(両試験官とも起立したまま)
私:「はい、0911X00XX、○○○○○と申します。よろしくお願いします」(質問にある、①名前、②受験番号の順で答えるべきかどうか一瞬迷ったが、噛まないためにもこれまでの練習どおりとした)

A:「はい、どうぞお掛けください」(試験官が着席する)
私:「はい、失礼します」

 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

A:「まずは事前に提出していただいている、あなたの経歴と、それから技術的体験論文の内容について説明してください。全部で10分程度でお願いします
私:「はい。私は、XX大学理学部XX学科を卒業後、平成8年に株式会社 環境調査XXXに入社いたしました。
平成11年までの4年間、研究員として主担当者の補助的な立場、主に沿岸域における海岸整備事業、空港建設事業等の環境調査を行いました。そしてそれらの環境影響評価や環境保全対策検討などの補助を行いました。
平成12年から主任研究員として、管理技術者の下で主担当者としての仕事を任されるようになり、沿岸域における海岸整備事業や公有水面埋立等の社会資本整備に係る環境調査、そして環境保全対策の検討を行ってまいりました。
また、役職としては4月より係長を拝命し、より責任のある立場で業務を行っております」

(経歴票に記載していない4月以降のことも付け足してみたのだが、試験官Aさんがうなずいてくれたので精神的に落ち着き、これで調子が乗ってきた)

私:「つぎに業務1の説明をいたします」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・上記の内容そっくりそのままで1分半です・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・そのほか試験官が経歴票をチラチラみながら質問したことを以下に抜粋します・・・ 

B:「あなたの会社は、職員は何人ですか
私:「えー、X人ほどです」

B:「そのうち技術職は何人くらいですか
私:「えー、‥‥(事務職・営業職のひとの人数を数える、さらに社長・役員を除くと)‥‥X人ほどです」

B:「分析がメインなんですか
私:「はい、私は生物調査の部署ですが、ほかには水質や大気質などの化学分析、騒音振動などの物理測定などの部署がありまして、分析がメインの環境計量証明を行っている会社です」

A:「大学ではどういった研究をされてたんですか。分析関係ですか
私:「え、はい、いや分析というか、海洋生物の生態学講座、研究室でした。卒論はXX先生のところでXXダムの魚道を利用する生きものの遡上降下についてのものをやりました」
(試験官AさんならXX先生をひょっとしてご存知かもしれないと思ってためしにぶつけてみたけど、反応なし)


B:「今回が初めての受験ですか
私:「はい、初めてです。今回満を持して、といいますか、仕事での必要性も高まったので、挑戦しました。(試験官Bさんが経歴票を確認しだしたので実は1次試験に合格したのは平成15年...ですか、それからだいぶ時間がたっているんですが、その間はほかの民間資格などの取得に励んでおりました」(言い訳的な余計なことばかりペラペラ喋ってしまった)

B:「民間資格というのはRCCMのことですか
私:「あっ、RCCMは今年受験しました。取得した民間資格は生物分類技能検定の1級ですとか、港湾...」

B:「分類?技能?それはプロポの要件になってるの?
私:「はい、えー、生物分類技能検定については、主に環境省系のものがプロポの要件になっているものもありますが...」

A:「生物の分類ということは、あなたが実際に生物調査、分類をしているということですか
私:「はい、私は主に海域の生物の、特に海藻をやっています」

A:「それでは実際に海に潜っているんですか
私:「はい、潜っています。その体験論文のXXの移植についても、実際に潜水して作業しました。論文には細かくは書いていませんが、実際にはただ運べばいいというものではなくて、細かい指示、確認をしたりしないといけませんので」

A:「はい、それでは試験は以上です」(すごく唐突だった)
私:「えっ!?、はい、そうですか。ありがとうございました。よろしくお願いします。失礼します」
(試験官Aさん、Bさんが起立するので、あたふたと立ち上がり、荷物を抱えて慌しく退出した)
経歴説明のポイントは、地位・職名別にまとめて説明しました。

【卒業~入社→研究員の補助時代→主任研究員の主担当時代(+係長になったこと)】 

というように、技術者としてのステップアップ過程を印象付けるよう演出しました。
たいしたこと説明してませんが、これで1分半です。
残り9分程度で体験論文の2つの業務を3分、7分で説明しました。

【おまけの宣伝です】
わたしの口頭試験での様子(と体験論文)は、ほぼ完全版のかたちでAPECさんの書籍(技術士受験を応援する第二次試験合格法 口頭試験編 2011年度版)に収録されています。
通常書籍版とダウンロード書籍版の2種類があります。
よろしかったらお買い求めください(3,400円)。


Techlifeテックライフ通販サイト:http://techlife.jp/ProductCard.php?product_id=57

2012年4月13日金曜日

専門とする事項は大事です

今月2日から受験申込書の配布がはじまっていましたが、いよいよ11日から申込書類の受付が開始されました!
http://www.engineer.or.jp/c_topics/001/001606.html
期限はGW明けの5月8日(火)の17時までです(郵送の場合は消印有効)。

今日は申込書類のこと、なかでも重要な経歴票のことを書くことにします。

経歴票はいわずもがなのことですが、受験資格があるか?ということが第一義にあるわけです。
ほとんどのひとはココについては条件は満たしているわけですからここではあえてアレコレ書きません。

次の段階で大事になってくるのは、口頭試験のときです。
「技術士としてふさわしいか?」について審査される際の資料になるのです。

そのため多くの受験生は「技術士」にふさわしくみせようと多少とも背伸びした職務内容を記入していることと思います。
もちろんそれでいいと思いますし、だいたいわたしもそのように書きましたし、いまではそのようにアドバイスしています。
でも多くのひとは「技術士」になることしか考えていません。
それでは不十分です。受験生と試験官との間にはまだ深くて広い川が流れています。

試験官は経歴票をなんのために使うのかを考えてみてください。
試験官は「技術士にふさわしいか」というよりも、「当該部門の、当該選択科目の、さらには専門とする事項の技術士としてふさわしいか?」を審査するのに経歴票を使っているのです。

今日はこの受験部門、選択科目、さらには自分で自分を規定する大事な行事である「専門とする事項」の大事さを強調したいと思います。

タンポポ【北海道網走郡女満別~呼人】


専門とする事項については、受験申込案内にある「選択科目の内容」からの文言そのままでもいいでしょう。
そういうひとはその内容と経歴票に書いた職務内容が合致しているか?を確認してください。

案内書に書いてあるベタな文言では試験官にアピールできない!もしくは自分の専門を言い表せない!というひとは別な文言をどこかから引っ張ってきてもいいでしょう。
そういうひとは必ずだれか技術士に内容の確認をしてもらってください。そしてこの場合には複数の技術士にみてもらうほうがいいです。

どちらにしても仕上がった経歴票は第3者にみてもらいましょう。
自分のことを試験官目線で冷静にみつめるのは大変にむずかしいですからね。

繰り返しますが、職務内容を埋めたらもう一度、「専門とする事項」の記載内容を確認してください。

職務内容を記入する際の注意事項についてはまた次回に書くこととします。

では!

2012年4月11日水曜日

地球温暖化対策中間とりまとめ

久しぶりの投稿になりました。
3月末よりSUKIYAKI塾出願支援講座がはじまり、ご応募くださったかたや知り合いのひと向けに経歴票作成のお手伝いをしているところです。

経歴票についてのことは別の機会に投稿するとして、今日は国土交通省から発表されたばかりの「地球温暖化対策」についての中間とりまとめについてご案内します。

「地球温暖化対策」ですが、震災以降はあまり聞かなくなりました。
しかし現在の京都議定書の約束期間が今年度(2012年)いっぱいとなっていますから、そろそろ行政としても来年以降にむけたアクションを起すというか方向性を示してもらわないとな、と思っていたわけです。
しかも、COP3(1997年12月)での京都議定書(90年比で日本は6%削減)のあと、
ダボス会議(2008年1月)では「2050年に排出量を半減させる(福田首相)」とか、
洞爺湖サミット(2008年7月)では「90年比で2020年までに国内排出量を25%削減(鳩山首相)」とか、
2011年12月に行われたCOP17で採択されたダーバン合意では、日本は「延長に応じないので削減義務は負わないけど報告義務がある」とか、
結局のところ、ナニがドウなっているのかさっぱりワケがわからなくなっていました。

そのあたりをいったん整理する意味合いとしても非常にタイムリーな(それでも遅いかな)資料だと思います。
中間とりまとめではあるですが、込み入った現状をまずは整理した資料としてすごく役立つものと思います。
しかも震災を踏まえての内容ですから、そういった意味からも有用です。

ここに書かれたことをベースに筆記試験での論文を構築するなり、ネタとするなりで活用するといいと思います。
なにも地球温暖化についてのズバリそのものの設問でなくても、これからのインフラ整備を行ううえでは最重要テーマであることには変わりありませんから、どんな問題が出ようとも、この資料に書かれている内容を踏まえるべきです!!!

 干潟を彷徨う【沖縄島中城湾にて】

 国土交通省の中期的地球温暖化対策中間とりまとめについて
平成24年4月9日
 地球温暖化対策については、京都議定書目標達成計画の計画期間が2012年度をもって終了することを踏まえ、国際的枠組みの合意形成に関する国際交渉の動向を見据えつつ、政府として、2013年以降の地球温暖化対策について検討を進めているところです。本年夏を目途に、原子力政策、エネルギーミックス、地球温暖化対策からなる「革新的エネルギー・環境戦略」を策定するべく、集中的に議論が進められています。
 同戦略の策定に向けて、国土交通省は、所管分野の地球温暖化対策について、社会資本整備審議会環境部会・交通政策審議会交通体系分科会環境部会合同会議において議論を重ねてきました。
 今般、両部会として、国土交通省の中期的地球温暖化対策の基本的考え方及び対策・施策のメニューを内容とする中間とりまとめを行いましたので、別添のとおり公表致します。