2012年6月26日火曜日

国土交通分野のインフラ海外展開:新たなステージへの展開 戦略と具体策

今日は建設一般ネタをあげます。

いわゆる午前中の2時間半、答案用紙3枚(1800字)で取組む「建設一般」ですが、2問のうち1問を選んで記述するスタイルとなっています。
これまでその時々で話題の「社会資本整備ネタ」がひとつ、もうひとつが「建設業界モノ」が出題されています。
この「建設業界モノ」でハズせない資料がこのたび発表されました。

実は、昨年の問題でわたしの予想とドンピシャだったのが、この「建設業界モノ」でした。
予想する根拠となった資料が平成23年6月23日に発表された「建設産業の再生と発展のための方策2011」です。
これを齧っていれば、なんの捻りもなくバッチリ書けた設問でした。
その資料が発表された日付をみると、平成23年6月23日とあります!!
で、今年も6月22日に発表されてますし、これは一応チェックしておいたほうがいいと思いますよ。
できれば、昨年の「~のための方策2011」とあわせてひとととおり確認しておいてください。

梅雨明けしました【古宇利大橋】


「国土交通分野のインフラ海外展開:新たなステージへの展開 戦略と具体策」について

平成24年6月22日
本年5月以降3回にわたり、「インフラ海外展開推進のための有識者懇談会」が開催され、インフラ海外展開を推進するにあたっての現状の問題意識の共有及び必要な方策についての検討がなされてきました。このたび、別添のとおり、これまでの検討結果が「国土交通分野のインフラ海外展開:新たなステージへの展開 戦略と具体策」としてとりまとめられましたので、お知らせいたします。
なお、本懇談会は7月以降も開催され、引き続き検討が進められる予定です。
添付資料
国土交通分野のインフラ海外展開:新たなステージへの展開 戦略と具体策(PDF ファイル)


「建設産業の再生と発展のための方策2011」について

平成23年6月23日
建設産業戦略会議においては、昨年12月以降12回にわたり討議が重ねられてきましたが、この度、別添のとおり、「建設産業の再生と発展のための方策2011」が取りまとめられましたので、お知らせいたします。
添付資料
  • 建設産業の再生と発展のための方策2011(PDF ファイル)PDF
  • 建設産業の再生と発展のための方策2011(資料編)(その1)(PDF ファイル)PDF
  • 建設産業の再生と発展のための方策2011(資料編)(その2)(PDF ファイル)PDF
  • 建設産業の再生と発展のための方策2011(資料編)(その3)(PDF ファイル)PDF
  • 建設産業の再生と発展のための方策2011(資料編)(その4)(PDF ファイル)PDF
  • 建設産業の再生と発展のための方策2011(概要)(PDF ファイル)PDF


    2012年6月22日金曜日

    リオ+20 ~環境省イニシアティブ~

    先週はほぼ連日のように投稿していましたが、息切れしました。。。。
    それに急きょAPECさんのセミナー動画の販売をすることになり、てんやわんやしてました。
    なんとか販売開始に漕ぎ着け、いまでは全国のみなさんから注文をいただいております。
    よろしかったらどうぞ。
    SUKIYAKI塾沖縄でいごの会 オンライン販売のページ

    今日は手短に、ブラジルで開催されたリオ+20のことを自分の備忘録的に投稿します。

    もう試験問題はとっくに出来上がっているので、建設環境だけでなく、環境部門でさえもリオ+20からの設問はありません(と思います)。

    でも低炭素社会的なネタ、あるいは生物多様性ネタ、はたまた持続可能で活力ある国土ネタの際には、「リオ+20で○○したように~」などのキラーフレーズを論文に挿入すると、「私は最新の動向にも敏感ですよ~」というアピールにつながると思います。
    そのためにも下記の資料は(ガッツリ読まないまでも)さぁーっと目を通しておいてください。

    それにゆくゆくは口頭試験のときに訊かれるかもしれません。
    これは建設環境とて同様です。
    わたしのときは(H22)、COP10が10月にあって、口頭試験が12月でした。
    で、試験官から「COP10について、どういうものか説明してください」とストレートな質問がありました。

    Mt.Waste【JAPAN】
    平成24年6月21日

    国連持続可能な開発会議(リオ+20)における「環境省イニシアティブ」の国連事務局への提出について(お知らせ)

     
    1.
    6 月20日(水)から開催されている国連持続可能な開発会議(リオ+20)において、「環境省イニシアティブ」を国連事務局に本日(現地時間20日(水))提出し、リオ+20のイニシアティブとして、同日、正式にリオ+20公式ホームページに掲載されました。
    2.
    「環境省イニシアティブ」は、リオで国際的に合意された成果文書を、日本国内及び国際社会において具体的に実施するための自主的な行動の集大成です。環境省は、2050年に温室効果ガスを80%削減する低炭素社会3Rの推進による循環型社会生物多様性の保全及び持続可能な利用を進め自然と調和する社会の実現を目指します。こうした持続可能な発展の実現手段として、経済のグリーン化を積極的に進めていきます。
    3.
    「環境省イニシアティブ」はリオ+20の成果文書が期待する取組の一部を成すものです。国連事務総長が、他のステークホルダーのイニシアティブとともに取りまとめて、ウェブサイトに掲載します。6月20日午前6時(現地時間6月19日午後6時)時点でのべ485のイニシアティブが提出されており、環境省は439番目の団体として提出しました。
    <リンク先:リオ+20公式ホームページ>
    http://www.uncsd2012.org/index.php?page=view&type=1006&menu=153&nr=439#deliverables
    添付資料

    上記の2.の「80%削減」にはビックリしますが、主語は「環境省」ですので、お間違えのないように。
    あっそういえば、環境白書も出たようですね。

    2012年6月17日日曜日

    技術士論文は、「私の考え」として書くべきです

    記述するうえで大事なことがあります。
    たいていの問題文では「~について,あなたの考えを述べよ」、「~について,どのようにすべきか述べよ」とあります。

    この場合には、回答者の考えを書くことが求められているわけですから、文末は、「~と考える」、「~すべきである」などとしなければいけません。

    城山(塔頭)の途中からの眺め【伊江島】

    「考えられる」ではなく「考える」
    受動態ではなく、能動態です。
    科学論文では再現性が重要なので、誰がやっても同じ方法であれば同じ結果が導かれる(←受動態)ことが重要なので、論文全体として、「~と考えられる」のように受動態で記述します。

    科学論文を学生時代から慣れ親しんでいるひとによくみられますが、ついつい技術士論文もこの受動態で書いてしまうひとがいます。
    技術士の論文では、「あなた」がなにをどのように考えたのか、が重要なのですから、「~と考える」となります。
    科学論文とは違い、技術士筆記試験の答案にはあなたの考えを書かなくてはいけません。

    特にこれは技術的体験論文を記述するときに重要なことですが、体験論文は、だれがやってもこうなった、という話ではなく、私がやったからこうなった、という展開(というか裏テーマ)にしなければいけません。


    ひとの意見であっても、「私の考え」として書くべき
    専門知識及び応用能力のアピールのために、論文で記述する際の肝になる部分は、まだ法律化されていないネタ、つまり該当するナンチャラ学会やホニャララ検討委員会などで議論されているネタを盛りこむとよいです。
    そういったナンチャラ委員会などで議論されているひとの意見や考えを論文に盛り込む際にも、問題文で「あなたの考え」を書くことが求められている場合には、当然「自分の考え」として書くべきなのです。
    人の考えをパクってはいけないのでそんなことできない、と考えてはいけません。
    上記の学会や検討委員会で検討されている「考え」を私もそのように考える」というスタンスで臨みましょう。
    遠慮せず、ゴリ押しぎみに主張してください!


    。。。。。。というようなことをテキストにも書き、このブログにも投稿しようと思っていた矢先、SUKIYAKI塾HPの掲示板に、『「私はこうしました」と強調することが正直、しっくりこない』という投稿がありました。
    思わず反応してしまって、以下のようなことをレスポンスしました。

    No.30885 RE:「私が行った提案」? 投稿者:すごろく 投稿日:2012/06/14(Thu) 08:30]

    私も最初は(気が小さいのか)「私が、私が」と主張するのに抵抗がありました。
    しかし技術士となった現在では以下のようにハッキリと断言できます。


    技術士の資格は個人に対してのものであって、集団に対するものではありません。
    発注者、住民、組織の内外などさまざまな人々と事業を進めていくのは当然のことですが、そのなかにあって「あなた」は、どんな課題を進めるにあたり、どんな問題点を、どのように解決したのか?が問われている試験です。
    したがって、主語は「私」にならなければいけません。


    その後APECさんほかのかたたちの投稿もあり、とても参考になる意見がありますので掲示板のほうもぜひ確認してみてください。

    ひとは己ひとりでは決して大きな仕事は成し遂げられませんが、しかし多くのひとたちと協働して課題を達成するなかで、「あなた」はなにをしたのか?というところを見る試験なのだと思います。

    以上、ずいぶんと熱く語ってしまった感がありますが、思いは伝わったでしょうか。
    ここまでもシツコク強調していてアレなんですが、実際に答案として記述する場合には、文末表現として「~と考える」ばかりでは文章として広がりがなくなり、読んでいてリズムが悪くなります。

    ぜひ合格論文集を参考にして、文末表現の調整・工夫を臨機応変にアレンジしてください。

    2012年6月16日土曜日

    筆記試験突破のカギその4 応用能力

    複数回に渡って連投してきた『筆記試験突破のカギ』シリーズ、いよいよ今回で最終回となります。
    最後に投稿しますのは「応用能力」についてです。

    分野ごとに踏まえておくべき法律、マニュアル、指針、書籍などに記載されていることはあくまで「基礎」です。
    試験ではさらに「応用能力」を備えていることをアピールしないと合格できません。

    わたしがこれまで指導・アドバイスしてきたなかで感じることは、論理的考察力を備えているのになかなか合格できないひとの場合、その原因は「応用能力」のアピールが弱いんじゃないかということです。

    金箔蔵のなか【金沢市東茶屋街】

    応用能力をアピールするためのテクニック
    ~解決策は留意点を必ず添えて~
    解決策のネタも行政資料等からのネタで書くことになると思いますが、その方策を資料に書かれているとおりにただ挙げるだけではアピール度が弱いです。
    書いてある解決策があなたのオリジナルのアイデアではないことくらい試験官は知っています。
    試験官が合否判定の際に確認したいことは、論文に書いてあるその方策がいくら正しい方策だとしても、あなたがその方策を理解したうえで解決策として提案しているか?です。

    これを証明するには、その解決策が有効となる条件(あるいは効果が薄くなる条件)を書くべきです。
    つまり「留意点」です。
    留意点を書くことで、その技術が使いこなせる応用能力のある技術者だと認識してもらえると私は考えます。

    2012年6月15日金曜日

    東日本大震災教訓集

    防災減災、安全安心ジャンルが出題された場合には、先の大震災の教訓を踏まえた記述をしなければいけません。
    東海・東南海・南海への備えを担うのが建設部門です。

    国交省メルマガ(2012/6/14 第908号)に以下の資料が紹介されていました。
    必ず目を通しておいてください。
    そして、資料にあるとおり、災害対応時期別にやるべきことを整理しておいてください。

    来たるべき試験に備えて万全の体制を敷いておいてください。

    例:大災害がひとたび発生した場合の対応においては、発災期、応急復旧期、復興期それぞれで異なる対応が求められている。
    災害対応時期3つなかからひとつの時期を選び、建設技術者の立場からその時期特有の課題と対策を述べよ。

    台風が近づいている那覇市の空【2010年撮影】

    ○東日本大震災教訓集「広域大震災に備えて」
     ~国民の安全・安心の確保に向けて準備するべき29の要点~
      平成23311日に発生した東日本大震災は過去に例を見ない未曾有の巨大災害であり、行政だけでなく企業や市民の皆さんも様々な災害対応を行いました。
    東北圏広域地方計画協議会では、それらを通じて得られた多くの教訓や課題を埋もれさせることなく、今後起こりうる広域大災害の備えや様々な地域計画に活用していただくために「東日本大震災教訓集」をとりまとめました。

    本教訓集に記載した教訓は、各機関が東日本大震災の災害対応を通じて得られた主な教訓や課題を整理し編集したものです。
    「発災・初動対応期」「応急復旧・被災地応急対応期」「復興期」の項目ごとに教訓を分類し、「教訓が得られた背景」と「教訓の活かし方」を掲載しています。
    全国の自治体の関係者の皆様にもこの教訓集が活用されることを期待します。

    <国民の安全・安心の確保に向けて準備すべき29の要点(教訓)>
    1.発災・初動対応期
    (1)大規模災害時は、早期に広範な被災状況を正確に把握することが、その後の体制を構築する上で重要
      (2)大規模災害時には、人命救助・物資輸送のためのルート確保等に向けた人材・機材の結集が必要
      (3)大規模災害時において、リエゾン(災害対策現地情報連絡員)派遣などによる情報収集が自治体支援に有効
      (4)大規模災害時に通信が途絶した自治体においては、衛星携帯電話や専用回線(無線)が有効
      (5)大規模災害時において、被災自治体への専門技術者などの派遣による的確かつ迅速な復旧への対応が有効
      (6)排水ポンプ車や照明車など様々な災害対策機械が行方不明者の捜索や自治体の支援に有効に機能
      (7)大規模災害時において、救援物資調達などの組織の垣根を越えた総合的な取組が有効

    2.応急復旧・被災地応急対応期
      (1)応急復旧に備えた資機材の確保や速やかな工事契約による迅速な応急復 旧の実施が重要
      (2)圏域を越えた支援体制の構築、国や地方の役割の明確化等による災害時における連携体制の確立が必要
      (3)災害時においても安心できる救助体制や地域医療体制の確保が必要
      (4)災害時における多様な階層による地域間連携が必要
      (5)災害時における道の駅、SA・PA、空港、公園等の有効活用が必要
      (6)多様な輸送モード(自動車、鉄道、航空、海上輸送)の連携強化が必要
      (7)大規模災害時に備えた燃料供給体制の構築が必要
      (8)迅速な救出・救助活動などを行うため、被災現場の状況、情報等を早期に把握できる体制の構築が必要
      (9)災害時における避難所のニーズの把握、共有化などによるきめ細かな被災者支援体制の構築が必要
     (10)「新しい公共」等、多様な主体が主導する被災地域の復興の促進が必要

    3.復興期
      (1)東北全体のネットワークを考慮した代替性の確保が必要
      (2)「減災」の考え方に基づく多重防御による「津波防災まちづくり」の推進が必要
      (3)地盤沈下などの災害リスクを考慮した土地利用計画が必要
      (4)住宅・建築物や上下水道の耐震化や耐震性向上に関する研究開発の推進が必要
      (5)様々な災害への応急対応や広域的対応等、平時からの実践的な防災訓練、防災教育が必要
      (6)地域の特性を踏まえた再生可能エネルギー(太陽光、風力、地熱、バイオマス、中小水力)の普及促進、関連技術の開発等の更なる加速が必要
      (7)農林水産業の復興に資する早期の経営再開や経営合理化等の体質強化が必要
      (8)災害に強く、競争力のあるものづくり産業の構築が必要
      (9)被災観光施設等の早期復旧及び震災や原発事故に伴う観光自粛、風評による影響を払拭するための取組が必要
     (10)被災地域の雇用の維持・確保や地域産業の復旧・復興のための支援策が必要
     (11)復興にあたっての自然環境への配慮や、地域文化の復興、地域コミュニティの再生、被災者の孤立に対する支援が必要
     (12)津波など大規模災害時に膨大な量の災害廃棄物が発生することを想定し、効率的な処理の仕組みをつくることが必要

    ■東日本大震災教訓集「広域大震災に備えて」
    http://www.thr.mlit.go.jp/kokudo/pdf/kyoukunshu/kyoukunshu.pdf

    2012年6月12日火曜日

    筆記試験突破のカギその3 専門知識

    思いのほか大好評となってきた『筆記試験突破のカギ』シリーズ、本日は専門知識について投稿します。

    技術士とは、高度な専門知識をもち応用能力を駆使できる技術者に与えられる資格なのですから、そもそも当該分野の専門知識がなければ話になりません。
    分野ごとに踏まえておくべき法律、マニュアル、指針、書籍、それから施策の方向性などがあり、技術士(にふさわしい技術者)はこれらを当然踏まえて業務に、そして試験にあたらねばなりません。

    「専門知識」が足りないと、Bグループから問題を選択する際に、自信を持って選べない、という事態に陥ります。この時点でかなり不利な状況となります。

    専門知識の習得は、受験を決意してから一朝一夕に身につくものではありません。

    ・・・が、実は皆さん既に一定以上のレベルには達しています。
    それは1次試験に合格している(あるいはJABEE認定コースを修了している)からです。
    さらに2次試験の受験資格があると認められたのですから、一定期間以上の実務経験を積んでいるわけです。
    つまり専門分野の基礎知識(略して専門知識)があるわけです。

    ただし、せっかくの専門知識が断片的なままになっていて体系的に整理されていないと応用が利かないため試験官を納得させられる表現が書けません。
    さらには最新の動向を把握しておかないと、見当違いな提案内容となってしまいます。
    つまり不合格です。

    北海道のみちはどこまでもまっすぐだ【フレペの滝 遊歩道 知床国立公園】

    この専門的知識があることをアピールするために、
    ①効果的なネタを、
    ②手軽に収集することができ、
    ③体系的に整理されていて、
    ④最新の動向が把握できるのが…
    省庁や関係外郭団体のHPに掲載されるような行政資料です!!

    これまでに出題された問題文をみると、その出題のもとになった資料が必ず存在します。
    こういった資料については確実に押さえておかなければ合格することは厳しいでしょう。
    特に最近の問題文にはこの元となる法律や資料名が挙げられています。
    過去問を参考にして、だいたいどういったクラスの資料が問題として使われやすいのか、の感覚を研ぎ澄ます努力(意識)も必要です。

    これは選択科目だけでなく、建設一般、環境一般にも通用します。
    国土交通白書や環境白書の最新刊の発刊を待たずとも、ちょこちょこ発表される行政資料に普段から目を通しておく習慣をつけておくべきだと思います。

    しかし闇雲に資料を収集しても結局のところ身につきません。
    まずは今の自分に足りないのは何か?を把握する必要があります。

    手っ取り早く自分の弱点を把握するためにオススメなのが、前々回に紹介した合格論文を読んでわからない部分を調べることです。
    自分の専門分野に近い論文をなるべくたくさん読み漁って、論文中の単語、施策、法律、マニュアル等でわからない部分が出てきたら、それをインターネット等で調べましょう。

    もう試験まであとひと月半しかありません。
    いかに効率よく勉強を進めるか、あるいは専門知識を体に叩き込むか、という課題を達成する技術も、技術士を目指す技術者には必要な技術なのだと思います。

    2012年6月10日日曜日

    筆記試験突破のカギその2 論理的考察力

    ようやくわたしの試験勉強のほうもエンジンがかかり、PCに向かってアレコレする時間が増えました。
    その余力を駆ってなのか、現実逃避なのかわかりませんが、ブログの更新頻度も上がってきたようです。
    そういうわけで(?)今日は「筆記試験突破のカギ」シリーズ第2弾、論理的考察力について投稿します。

    昨年、いろんなひとの論文を添削していて、いちばん多かったのが「論理的考察力」が欠けているものでした。
    いくら豊富な知識、高度な技術力を示したとしても、論理的に破綻していてはまるっきりダメなのです。

    新聞蝶とも呼ばれるオオゴマダラ【浦添市にて】

    ではどうすればよいか?
    論理的考察力を身につけるには、「骨子法」の習得がもっとも手っ取り早く、そして確実です。
    骨子法は、箇条書き(できたら項目だけ)で「現状→課題→問題点→解決の方向性→具体策」を簡単な表にまとめるものです。

    骨子法の最大の利点は
    あれこれ考えながら書いていても、横道にそれない(それにくい)のです。
    なぜかというと、論理的に破綻していないかを確認しやすいからです。

    記述問題だからといって、長文が続く論文を書いてしまうと、あとで確認するにもいちいち全文読まないといけません。
    これでは課題と解決策がかみ合っていない不合格論文の典型であるネジレ現象がおきていても気づきにくいです。
    骨子法による表形式だと、文章をいちいち読まなくても論理の流れが確認できるわけです。

    骨子法を会得すると、論理的考察力が身につくだけではありません
    専門知識や応用能力をアピールするために必要なこと、あるいは足りない部分が具体的に見えてきます。あとはその欠けている部分を埋めるだけでいいのです。

    骨子法の詳しい解説はSUKIYAKI塾HPにありますのでそちらを参考ください。

    最初はなかなかうまく作れないと思いますが、過去の合格論文を解体して、骨子表にまとめることで構成を学ぶのが早道です。それに最適なのがコチラ
    筆記試験合格答案実例集(APEC-semiオンライン販売)
    平成23年度技術士第二次試験の筆記試験問題と、筆記試験に合格した受験生の皆さんからご提供いただいた再現答案論文・骨子・メモ等です。
    建設一般143例(Ⅱ-1 ;105例、Ⅱ-2 ;38例)+建設環境の専門問題 5人×2問;10例で、価格は1,500円です。
    さらに、平成22年度版(一般109例、専門30例)、平成21年度版(一般23例、専門8例)もそれぞれ販売されています。気になる過去問があるかたはぜひどうぞ。

    作った骨子は、必ず第三者、できたら技術士に見てもらいましょう。
    最初はやっぱりどうしてもオカシな点があるものです。
    それでも3回くらいやりとりすると、大抵のひとは「骨子法」のコツが身につきます。

    2012年6月9日土曜日

    港湾における地震・津波対策のあり方

    ちかごろ身近なひとから「白書」は出ないんですか?という質問を受けるようになった。
    よく知らないし、いつ出るのかの情報もつかんでいないので、「まだ出ないみたいね」としか答えられない。

    でも、もう白書なんて出なくてもいいんじゃないですかね?資料は出揃ってますよ。
    この1年に出た行政資料で十分対応できます、論文構成できます。

    別のひとからは、早くも骨子の添削依頼が来ていて、ネタは「防災」を取り上げています。
    わたしの試験(平成22年度)のときも問われましたが、その後に東日本大震災がありましたので、それ以前の対策方策そのままでは通用しないのは明らかです。
    その後の(震災後の)フレッシュな課題&方策をいかに論文に練りこめるか、の勝負になります。

    昨年、緊急的に「中間報告」が発表されましたが、先月に(案)として出され、いま意見募集がなされている行政による方策が港湾における地震・津波対策のあり方(案)です。
    現段階での、地震・津波対策にあたっての課題、問題点、解決策の方向性の宝庫です。
    ぜひチェックして、文言、フレーズ、考え方をパクッてください。

    クロワッサンアイランドの入り江側【水納島】

    LNEWSより http://lnews.jp/2012/06/e060713.html

    国土交通省は5月8日、港湾における総合的な津波対策のあり方(案)を公表した。
    これは昨年7月6日に中間発表を行った後、会議を重ね第5回の港湾分科会防災部会で、中間とりまとめからの変更点を含め発表されたもの。
    「東日本大震災による港湾の被害・復旧状況と課題」、「港湾における地震・津波対策の基本的考え方」、「港湾における地震・津波対策の施策方針」の3つの柱でまとめている。
    東日本大震災による港湾の被害・復旧状況と課題では、港湾関連公共土木施設の被害報告額を約4138億円としている。津波による被害、地震動、液状化による広域的な被害が報告されている。
    港湾における地震・津波対策の基本的考え方では、今後、東海・東南海・南海地震が連動するなど海溝型地震による津波災害の強大化が指摘されるなか、構造物で津波からの浸水を防ぎきる対策だけでなく、津波による浸水を前提にした避難対策や構造物による減災効果も考慮した総合的な対策を検討する必要に迫られている。
    東日本大震災では、被災者支援のための緊急物資の輸送や地域の生産活動の継続で港湾が重要な役割を果たした。こうした港湾の役割を踏まえ、事前の対策により被害を最小化し、被災直後においても最低限の重要な産業・物流機能を維持するとともに、たとえ被災したとしても、施設を迅速に復旧し、産業・物流機能を継続させるための対策を検討する必要がある、としている。
    港湾背後の防護とともに、被災地でとり得る対策のみならず、国際的・全国的な視点から日本全体を俯瞰し、代替輸送ルートの設定やバックアップ体制の確立を通じて、災害に強い海上輸送ネットワークを構築する必要があるという。
    港湾における地震・津波対策の施策方針では、港湾の津波からの防護、港湾の災害対応力の強化、災害に強い海上輸送ネットワークの構築に向けた対策の推進を挙げている。
    港湾の津波からの防護では、防潮堤による背後市街地の防護、港湾における産業・物流機能の防護とともに、水門・陸閘等の施設の管理・運用体制の構築も挙げられている。
    港湾の災害対応力の強化では、耐震強化岸壁を核とする港湾の防災拠点の形成、施設や機能の重要度に応じた耐震性・耐津波性の向上としている。
    災害に強い海上輸送ネットワークの構築に向けた対策の推進では、海上輸送ネットワークの核となる施設における耐震性・耐津波性の向上、湾域において船舶航行の安全性を確保する対策の推進、広域的なバックアップ体制の構築等を挙げている。
    6月上旬の第6回防災部会で、「港湾における総合的な津波対策のあり方」が取りまとめられる予定。
    ■港湾における地震・津波対策のあり方(案)
    http://www.mlit.go.jp/common/000210679.pdf



    2012年6月5日火曜日

    筆記試験突破のカギ 問題文読解力【アピール編】


    前回で終わったかにみえた「問題文読解力」対策ネタ、ことのほか好評なのでもう1回やります。

    筆記試験合格のためには問題文を読み間違えないことはもちろんですが、もうひとつ付け加えるならば、問題を読み違えていないことを試験官にアピールするのも得策です。
    本日の投稿は、問題文読解力シリーズ最終回、アピール編です。

    若狭湾の静かな朝【福井県小浜市阿納】

    要求事項に確実に応えるテクニック ~そのまま素直に見出しに使う~

    問題文には社会的背景や前提条件などのあとに、答案用紙に記述すべきことが示されます。
    この問題文で記述することが求められていることを過不足なく着実に回答するためには、記述することが要求されている事項ひとつひとつアンダーラインを引き、これをそのまま見出しタイトルとするのがいちばんイイです。

    こうすることで回答モレを防げますし、問題文を読み違えていないことをアピールできるわけです。

    なにより試験官にとってもこの回答すべき項目がそのまま見出しタイトルになっていると採点しやすいんじゃないでしょうか。
    ほとんど採点ポイントのチェックリストみたいなものです。
    大げさに考えると、文章をちゃんと読まなくても見出しタイトルと中身の字ヅラだけで採点できる(と思います)ので試験官にとっても好都合なのです(しかも高評価)。

    さらに、問題文の要求事項部分をほぼそのままオウム返しのように文章ごと挿入しちゃうこともアリだと思います。
    例えば、問題文に「現行制度の課題を2つ挙げよ」というのがあった場合、答案記述の際には、

    1.現行制度の課題
     以下に、現行制度の課題を2つ挙げる。
    1.1ホニャララ

    なんてやっちゃってもいいと思います。
    試験官が投げかける質問(問題文)に対して受験生が返答する(回答論文)わけですから、つまり日常の会話と同じキャッチボール的な要素があるわけです。
    いつもの会話でも、相手が言ったことをそのまま繰り返して会話を引き継いでいくことをよくやりますが、あれと同じです。
    そのほうがテンポよく、流れよく、スラスラと記述(あるいは採点のために読み進めることが)できると思います。

    .....と、ここまで書いてて最後にこんなこと書くのはアレなんですが、もちろんケースバイケースでそのまま見出しタイトルとしないほうがいい場合、あるいは別のタイトルとしたほうが書きやすい場合があると思います。
    上記のことは「絶対にそうすべし」というものではありません。

    2012年6月2日土曜日

    筆記試験突破のカギ 問題文読解力【解決編】

    前回、筆記試験不合格要因のひとつとして、「問題文を読み間違える」を取り上げました。
    今日はこの問題の解決策として、「問題文を読み間違えない」ための方策をいろいろ書いてみます。そして読みにくくなっちゃいますが、骨子法的な構成も併せて表記します(特に青字のところ)。

    カクレクマノミ【石垣島白保にて】

    読解力の把握 ~まずは己を知る~
    問題文を読み間違える原因には、大きく2つあると思います(知識不足は別として)。

    ①国語力が不足している
    ②早とちりする
    ここまでがいわゆる「問題点の抽出」になります。

    まずは、自分に国語力が足りないか、あるいは早とちりしやすい傾向があるのかを把握する必要があります。
    これにはやっぱり論文をみてもらって、直接に指摘を受けるのがいちばんいいです。

    論文添削等が受けられない場合には、日々の業務を行うなかで会社等の組織(同僚や上司、あるいは部下)や顧客等の取引先とのやりとりの際に、相手から
    いや、わたしが言っているのはそういうことじゃないんですよ
    というようなことをよく言われるひとは、「読み間違えしやすい傾向」があると考えたほうがよいでしょう。
    性格的にセッカチで早合点しやすいひとが該当します。

    解決編
    1.国語力の訓練 ~活字に慣れる~
    ①国語力が不足している場合の解決策は、「国語力をつける」になります。
    具体的には、新聞記事、文献資料、書籍など、活字メインの活字媒体を日常的に読み漁りましょう。
    普段からコツコツと繰り返し、少しずつでも力をつけていくしかありません。
    『いい文章を浴びるように読む』
    これが結局のところ一番着実です。

    2.読み間違えないために ~落ち着いて読む、そして読み直す勇気~
    ②早とちりすることの解決策は、「落ち着いて読む」ことにつきます。
    具体的には、1回で理解できなければ勇気を持って(面倒がらずに)もう一度読み直すべきです。
    特に試験本番では時間がないからといって、さぁーっと流し読みしてはいけません。
    答案用紙をあらかた埋めたあとで問題文(の意図するところ)を読み間違えていたことに気づいた場合、もうどうしようもないことが多いです。
    それこそ時間、そして気持ちの余裕はありませんのでいい論文なんて書けっこないです。

    いずれにしても読解力が不足している場合には、専門知識不足などよりも実は合格レベルに達するまでに時間がかかります。
    決して甘く考えてはいけません。

    2012年6月1日金曜日

    筆記試験突破のカギ 問題文読解力【問題提起編】

    6月になりました。
    実質的にあと2ヶ月です。
    これから筆記試験終了の瞬間まで、スケジュール管理、情報管理、体調管理、つまるところ自己管理、と「管理」を常に意識して自分に対峙してください。
    .....実はすべて私自身へのメッセージになっています。

    とにかく我武者羅に勉強するのはもちろんですが、時間もないことですから優先順位を常に意識して効率的に筆記試験用の頭と体に仕上げていってください。

    月桃のつぼみ【沖縄県東村にて】

    わたしが昨年1年間にいろんなかたたちを指導してきたところ、筆記試験を突破するためのカギは大きく4つに集約されるのではないか、と感じるようになりました。
    この、筆記試験突破のカギについて、これから数回のシリーズに分けて連載します。

    カギその1 問題文読解力
    当たり前のようなことを書きますが、問題文で答案論文に記述することが求められていることをちゃんと書かなければいけません。

    いくら記述試験とはいえ、そもそも訊かれてもいないことに対して(用紙のマス目を埋めるだけのために)受験者の勝手な文章を書いていてはダメです。

    最近の出題傾向として、特に建設一般のほうでは「問題文の長文化」があります。
    問題文を読んでいるうちに、何が問われているのか(つまり何を書かなければいけないのか)がわからなくなってしまいます。

    実は合格論文でも設問にある要求事項に100%応えている論文はそんなにありません。
    そうはいっても90%以上は満たさないと合格は厳しいでしょう。

    技術のあるなしよりも、この「問題文読解力」がないひとが意外にも多いのではないかと思います(もちろん問題文読解力も技術のうちのひとつです)。

    まとめますと、不合格要因の1番目として「問題文を読み違えてしまう」があります。

    骨子法的に考えると
    「合格レベルの論文を書く」という課題に対して、
    それを阻むボトルネックとして「問題文を読み違えてしまう」という問題点がある、
    というわけです。

    次回は、この問題点を解決する策、つまり解決策について書きます。