2012年2月29日水曜日

まちづくりマネジメント

コンパクトシティとかスマートシティとか、これまでも地域経済建て直しのためにいくつか試行錯誤的に取り組まれてきましたが、震災後はその復興計画との絡みもあって、より具体的に熱を持ったものとなっているように思います。
つまり、筆記試験で問われる可能性が高いと踏んでいます!

そこでオススメするのがこの本です。


先日紹介した弁護士の伊藤真さんの仕事学のすすめのテキストと同じシリーズで、都市計画家の西郷真理子さんの「まちづくりマネジメントはこう行え」。

仕事学のすすめ
まちづくりマネジメントはこう行え 2011年10月
西郷真理子
https://www.nhk-book.co.jp/shop/main.jsp?trxID=C5010101&webCode=61895702011

日本再生を担う凄腕リーダー

川越・高松など地方の商店街の再開発を手掛け、次々と活性化させてきた一級建築士の西郷真理子さん。1000回を超える会合を重ねて地元の合意を取りつけ、住民主体のまちづくりを成功させた徹底討論の手法や、地域再生の秘策を学ぶ。


目次
地方都市は必ず活性化できる!
第1回 住民主体のまちづくり
第2回 快適な空間をつくれ
第3回 地域の強みを生かせ
第4回 人を巻き込むコミュニケーション能力


これまたすごくいい本です。
前に紹介した資料(集約化で地方はどう変わるか http://www.city.kuwana.lg.jp/img/files/shisei/toshikeiei/0505_shuyaku_tihou.pdf)とか国土交通白書に書かれていることも重要なんだけど、ああいうお堅い資料ってのはどうしても頭でっかちになって終わっちゃう、というか机上の空論というか、そもそも自分のものになりませんよね、どこか他人行儀で。

この本は読みながら追体験ができるというか、知識が血肉になるというか、すごくよかったです。
自分も一緒になって四国の香川は高松の丸亀商店街を再生させたような気になっちゃいます。
てか、丸亀商店街に視察に行きたいですよ、ハッキリ言って。
やっぱ、人を動かす力、現場に行きたくさせる力があるネタって、潜在パワーがすごいです。
多少、粗があってもうっちゃれます(これは主に体験論文のはなし)。

とにかくこの本には、地元住民との協働作業を繰り返していく過程であぶりだされるいろんな課題、問題点、そしてそれをどうやって乗り越えていったのか、わかりやすく書かれています。
コンパクトシティ地元住民との協働地元主体のまちづくり、あたりのエッセンスを手っ取り早く体に入れるにはオススメです、ぜひ!

行政発行の資料からのネタだけで論文を構成するよりも、こういった実務者の実体験にもとづいた言葉、経験のエッセンスをちりばめるとかなり差がつくんじゃないでしょうか。

テレビ放送は見逃しちゃってるのが口惜しい。。。また再放送やんないのかな。。。。

では!

2012年2月26日日曜日

生物多様性国家戦略2010の点検結果

COP10 が名古屋で開催されたのが2010年の夏くらいでしたっけ?
あれから1年以上の時間が経過し(感覚的には2、3年前のことのようにも感じます)、最近では「生物多様性」なる文言も巷で見聞きする量がすっかり減ってしまいました。
比較的専門分野といえる私の周りでさえこうなのだから、一般のひとにとってはもうほとんど意識の外にあるのかもしれません。

COP10開催の1~2年前はそれこそCOP10に向けてのアピールのため、関係省庁、外郭団体、大企業等からかなりの資料が発表されたものです。
たとえば国土交通省の取組について→パンフレット「環境の創造と継承を目指して」(PDFファイル6.57MB)
環境省から生物多様性関連のパンフレット・報告書のいろいろを掲載しているURL→ http://www.biodic.go.jp/biodiversity/wakaru/library/index.html

しかし開催後は、名古屋議定書と愛知目標についてまとめた資料くらいでしょうか→「生物多様性条約COP10の成果と愛知目標(パンフレット)」(11MB)

そして2011年3月に東日本大震災が発生し、世の中はそれどころではない状況になりました。

いま日本の一番の課題は、「震災からの復興」です。
その復興あたり、「生物多様性」の視点というのは優先順位は低いかもしれませんが、しかしわれわれ建設環境分野(の特に自然環境系)の技術者は忘れてはいけないと思います。
つまり、筆記試験の際にはどんな設問であろうともこの「生物多様性」の視点を論文に盛り込むべきです。

。。。。と書きながらも私自身は実は少し忘れかけていたところもあったわけですが、スヌーズのごとくタイミングよくこの2月初旬に環境省から生物多様性国家戦略2010の実施状況の点検結果が発表されました。

白米千枚田【能登半島北部にて】

生物多様性国家戦略2010の実施状況の点検結果及びそれに対する意見募集(パブリックコメント)の結果について(お知らせ

 生物多様性国家戦略関係省庁連絡会議では、平成22年3月に閣議決定された生物多様性国家戦略2010に基づく施策等の実施状況について点検結果を取りまとめました。本案については、平成23年11月25日(金)から平成23年12月26日(月)までの間、意見募集(パブリックコメント)を行い、1件の意見提出がありました
1.点検について
 平成20年6月に生物多様性基本法が施行したことを受け、平成22年3月に同法に基づく生物多様性国家戦略2010が閣議決定されました。生物多様性国家戦略2010では、同戦略に基づく施策等の実施状況について、関係省庁が自主的な点検を行い、生物多様性国家戦略関係省庁連絡会議が取りまとめ、中央環境審議会に報告することとしています。
 今回の点検は主に平成22年3月から平成23年7月までの施策等を対象としており、以下の内容で構成されています。
◆点検結果の構成
第1章 4つの基本戦略に関する取組状況について
1.「生物多様性を社会に浸透させる」に関する取組
2.「地域における人と自然の関係を再構築する」に関する取組
3.「森 ・ 里 ・ 川 ・ 海のつながりを確保する」に関する取組
4.「地球規模の視野を持って行動する」に関する取組
第2章 生物多様性の保全及び持続可能な利用に関する行動計画の点検結果
1.数値目標の点検結果
2.具体的施策の点検結果
2.意見募集(パブリックコメント)について

-以下略-

詳しくはコチラ→生物多様性国家戦略2010の実施状況の点検結果及びそれに対する意見募集(パブリックコメント)の結果について(お知らせ)

では!


2012年2月21日火曜日

技術的体験論文に相応しい業務とは?

合格発表まであと2週間となりました。

私の知り合いにも結果待ちのひとが何人かいます。
なかには私が筆記試験対策指導や体験論文のアドバイスをしたひともいるし、提出済の体験論文にダメ出しして口頭試験用に論文を修正した内容のシナリオを作成してもらったひともいます。

それにしても各ステージでいろんなひとたちがいましたね。。。感慨深いです。
ぜひとも皆さんに「合格」してほしいと切に願います。

今年受験するみなさんは、4月からの経歴書執筆に向けて、いまのこの時期は体験論文のテーマとして採用する業務を抽出して、さらに技術的体験論文として相応しい内容とするため骨子程度に書き出すレベルくらいにはその業務を練っておくことをオススメします。

体験論文が既に仕上がっている(もちろん技術士の査読審査済み)というひと以外の、特に挑戦すること複数回のひとにとっては必須の作業だと思います。

しかしこの「体験論文として相応しい業務」を抽出するのが、意外と厄介なんですよね。

いろんな受験指導の書籍やウェブサイトなどでも指摘されているとおり、業務上の(あるいは社会一般から解決要請の)ある課題に対して、(課題遂行を阻む)問題点をあなた自身が抽出して、それに対してあなた自身による解決策を提示し、最終的にどのような成果が得られ、今現在はどうなっていて、改善すべき点はどんなことか、将来はどのように活かして(応用して)いくのか、を書くわけです。

決して、事業規模の大小、プロジェクトの派手さぐあいではありません。
ポイントは、オリジナルな視点で問題点を抽出できるか?その問題点に対して論理的に飛躍のない整然とした解決策を示せるか?だと思います。

。。。。。。という漠然とした書き方ではいまいちピンとこないひとも実際のところ多いようで、なかなか伝えるのに苦労しています。
こればっかりは人から伝えられるものではなく、自分で掴みとらなければならないことなのでしょう。

そんな折、体験論文作成を指導したひとへのメールを見返したら、とても印象深いキーワードがありましたので、皆さんにもご紹介いたします。
以下の青太字で示す切り口でまずは論文候補とする業務をピックアップしていってもイイんじゃないでしょうか。
合格祈願【沖縄本島名護市にて】

拝読してのコメントを、添付したエクセルシートに記入しましたので、ご確認ください。

【全体コメント】
自信を持って試験に臨める業務ですね!
論文を読んでいて、実際の現場を見学しに行きたくなりました。

きっと試験官もそう思うと思います。
そう思わせたら『勝ち』です。
論文について気になったところは、問題点の書き方と改善策の提示の仕方くらいです。
いまのままでも口頭試験のときにしっかりと説明できればOKだと思いますが、無駄に質疑に時間をかけることもないと思いますので、できるだけ論文をブラッシュアップさせてください。


では!

2012年2月16日木曜日

仕事学のすすめ 伊藤真“司法試験流”知的生産術

いま時期はまだ試験勉強も本格的にスタートしていなくって、さぁどのように勉強を進めようか?どのようにモチベーションを維持したらいいのか?について模索しているひとも多いのではないかと思います。

この本スゴイです! 
。。。というかこの伊藤さんというひとがスゴイのか。。。
とにかく内容が脳みそに直接響いてきます!そしてなにより安いです!550円!

NHKのEテレ(旧教育テレビ)で再放送している番組のテキストになるようですが、全4回放送のうち3回が終わってしまいましたので、まだ見ていないひとはテキストを手に入れることをオススメします!
「司法試験」をそのまま「技術士第二次試験」に置き換えて読んでください。
もちろんTV放送をご覧になったひとでも、ぜひとも書籍でもおさらいするとよいでしょう(観たひとには説明不要でしょうね)。

この伊藤さんというひとは、とにかくポジティブバイブレーションにあふれていて、とても感銘を受けます!


最短最速の学習法とは?
司法試験のカリスマ講師として知られる伊藤真さんに、ビジネスパーソンが活用できる知的生産のノウハウを聞く。短時間で本質をつかむ学習法から、日々の能率をあげる時間管理術、さらにはスランプに陥ったときのセルフコントロール法まで、目からウロコのアイデアが続々登場!

目次
“司法試験流”知的生産術 伊藤真 弁護士
人生を変える勉強法を身につける

第1回 最短最速学習法
第2回 “部品”で作るプレゼン術 

第3回 確実に成果をあげる時間術
第4回 スランプを味方にする自己管理


第1回の内容は、目標設定の重要さゴールを意識することの大切さについてわかりやすく(納得させられちゃうように)書かれてあります。
第2回は、記述論文の書き方、口頭試験でのプレゼン方法の参考に
第3回は、スケジュール管理法の参考になります。
第4回は、セルフコントロール・自己管理について


詳しくはこちら→NHK出版 https://www.nhk-book.co.jp/shop/main.jsp?trxID=C5010101&webCode=61895742012

では!

2012年2月15日水曜日

改正環境影響評価法


これまで何度となく改正案が国会で審議されては政権交代などの外部要因により頓挫していた環境アセス法ですが、震災後の平成23年4月にいつのまにか公布されていてちょっと不意打ちだった記憶も新しいところ、いよいよ平成24年4月1日からその一部が施行されます。

環境アセス関連については、建設環境では繰り返し設問され、近いところでは平成22年度試験でズバリ出題されました。平成23年度はさすがに連続では出ませんでしたけれども、法律が施行される今年は要チェックでしょう。

。。。と書きましたが、建設環境、環境アセスに関わるすべての技術者にとっては、技術士試験に関係なく必要なことですよね。

そんな折、環境省から案内がありました。ちょうど施行を前にして環境省が全国行脚で説明会を開催するそうです。年度末の繁忙期だとは思いますが、ちょっと覗いてみてもいいかもしれません。

陸海空の境界【南大東島にて】

環境省では、改正環境影響評価法の円滑な施行を図るため、地方公共団体、事業者及び一般の皆様に対応していただきたい点などを説明することを目的に、改正環境影響評価法についての説明会を全国5カ所で開催します。

環境影響評価法の完全施行から10年を迎え、法の施行を通じて浮かび上がった課題や、生物多様性の保全地球温暖化対策の推進地方分権の推進行政手続きのオンライン化等の社会情勢の変化に対応するため、改正環境影響評価法が、平成23年4月22日に成立、同月27日に公布され、その一部が平成24年4月1日から施行されます。

改正環境影響評価法においては、交付金の交付対象事業の法対象事業への追加方法書段階における説明会開催の義務化事業の早期段階における環境配慮を図るための計画段階配慮書の手続及び環境保全措置等の報告・公表の手続の新設などが盛り込まれました。

これを受け、環境省では、環境影響評価法、同法施行令及び同法施行規則等の改正事項を中心に、地方公共団体、事業者及び一般の皆様にわかりやすく解説するため、平成24年2月27日(月)から3月6日(火)にかけて、全国5カ所(青森県、東京都、愛知県、広島県、福岡県)において、地方公共団体の皆様及び事業者・一般の皆様を対象に、説明会を開催します。

また、本説明会では、東日本大震災復興特別区域法が平成23年12月26日(月)から施行されたことを受け、同法における環境影響評価法の特例規定についても、解説を行う予定です。

とのこと。詳しくはこちら↓
改正環境影響評価法等の説明会の開催について(お知らせ)http://www.env.go.jp/press/press.php?serial=14812
では!

2012年2月6日月曜日

「持続可能で活力ある国土・地域づくり」の推進について


昨年の筆記試験問題がほぼ予想した通りだったので(ストレートな設問だっただけなんだけど)、ズバリ的中させたといえなくもないわけで(実は専門Bは大ハズレ!!)、まわりからは来年はナニが出ますか?という質問を早くも受けている。

そんなのワカンナイよ、と答えたいところだけど、ひとつだけいえることは、これから紹介する資料からほぼ100%出題される、と考えておいてよいのではないだろうか。


東京郊外の冬の空【東京都町田市 武相荘近くにて】

持続可能で活力ある国土・地域づくり」の推進について
 我が国は、人口減少少子高齢化財政制約国際競争の激化に加え、地球環境問題震災を契機としたエネルギー制約等、これまでにない困難に直面しています。

 これらの課題を克服し、我が国の明るい将来を築くため、国土交通省は一丸となって、「持続可能で活力ある国土・地域づくり」を進める必要があります。

 このような認識から、国土交通省においては、下記の別添資料の通り、「4つの実現すべき価値、8つの新たな政策展開の方向性」からなる、国土交通省としての基本方針を定めました。
 そして、基本方針に基づき施策の検討・具体化を図るため、省内横断的な体制を整備しました。
 今後、施策の検討・具体化に当たっては、本省内の各部局間の連携による横断的な取組、地方支分部局の活用及び他府省との積極的な連携を図っていくこととしています。
 また、日本再生重点化枠をはじめとする来年度予算や、国家戦略会議において検討が進められている日本再生の基本戦略にも、この「持続可能で活力ある国土・地域づくり」の考え方をできる限り盛り込んでいく方針です。

添付資料
持続可能で活力ある国土・地域づくり」の推進について http://www.mlit.go.jp/common/000184787.pdf
持続可能で活力ある国土・地域づくり」概要 http://www.mlit.go.jp/common/000184785.pdf
重点化措置との関係 http://www.mlit.go.jp/common/000184786.pdf

上記資料は必読ですよ。
ズバリ、来年の問題はココから出ます!
。。。。。って当たり前か(笑)幅広すぎるし、どんなジャンルにもからむしね(笑)

では!

2012年2月2日木曜日

ブログ開始

平成22年度に技術士(建設部門 建設環境)に合格したことをキッカケに、翌年より知り合いの受験生たちをはじめ、SUKIYAKI塾講師として全国各地の受講生のひとたちに受験のアドバイスを行ってきた。

すると皆さん共通した問題を抱え、共通の壁にぶち当たっていることに気がついた。
そしてこれは私が受験生として試験に取組んでいたときとまったく同じ悩みでもあった。

今年からは建設環境の受験生ひとりひとりに対する個別アドバイスに並行して、わりと共通した事柄についてはブログでまとめて発信、記録、アーカイブ化してみようと思い立ち、これからちょっとづつ投稿してみることにする。

なお、当ブログは基本的に実在の受験生へ送ったメールからアドバイス部分だけを抜き出したものとなっているため、前後不明で意味不明のところが多いと思うが、そこはご容赦いただきたい。

最初の投稿は、年も明けて早速に勉強開始したひとへのすごろく「語録」。

武蔵の国の冬の空【東京都町田市 武相荘近くにて】

動き出しましたね!
雪が積もると外に出たくない→屋内で勉強!!。。。。。というふうには単純にはいかないのでしょうが、この時期はまずは勉強するクセをつける、というか意識を試験勉強に向けるのがとても大事なのだと思います

勉強方法はですね、今時期(2月いっぱいまで)は論文をカッチリ作りこむよりは、論文に取り上げるネタを収集する時期だと思います(プラス体験論文ネタをこねくりまわす時期でもある)。
まずは国土交通白書と環境白書をあらためて読み込んでください。業務は忙しいけど試験まではまだ間があるわけですから、時間はあります。あるはずです。
昨年、読み込めていなかった部分をちゃんと拾いなおす感じでもう一回あらためておさらいして、国の方向性を理解してください。

国交省(や環境省)のメルマガは、毎日なるべくチェックして、自分で取捨選択するのに意味があるんです。
しかも今の時期に話題になるネタが試験に出やすいとオレは踏んでいます!!!!
だって春には問題を作らないといけないんだから。
試験問題はやっぱり最新の世の中の動向を踏まえたものとしたいハズだけど、問題作成直前に(世の中に)話題が出始めたネタではまだこなれてないでしょ、ネタ自体が。
問題作成の3ヶ月~半年前くらいに世の中に出てきた話題だと、試験作成時期である4月ごろまでにそれに対するいろんな考え、意見などの世の中の反応がわりと出揃ってるわけで、試験官もそれを踏まえたうえで問題を作りたいのではないか、と想像します。
 

一応、メルマガで目に留まったネタをあとで転送します(でもオレの専門である海岸ものに特化しちゃってるかなぁ)。

では!