2018年7月22日日曜日

平成31年度筆記試験対策 添削講座

平成30年度筆記試験も終わりましたので、次年度試験に向けての講座を開講いたします。

わたしの講師としての活動は、平成22年度試験に合格した翌年からSUKIYAKI塾の添削講座に参加するかたちでスタートしました。
SUKIYAKI塾のほか、身近な知り合いを含めると、これまでの8年間でのべ140名ほどのかたたちに指導アドバイスしたことになります。そしてその一助となったかどうか、平成29年度試験までの7年間で44名のかたが合格されました。

また、平成27年度からは総監の指導アドバイスも開始したところ、初年度にもかかわらず6名ものかたから吉報をいただくことができました。わたしはあくまで触媒にすぎませんが、『総監合格』にいくらかでも貢献できたであろうことに我ながら驚いています。

SUKIYAKI塾の活動と平行して綴り始めたこのブログですが、平成26年ごろからブログを訪問してくださるひとが増え始め、それに比例するように添削指導の依頼をあちらこちらから受けるようになりました。そこで平成28年から独自の添削講座を開講して受験に真剣に取り組む方のサポートを始めました。

軌道に乗った平成29年度以降、多くの受講生の皆さんとメールによる濃密なやりとりができました。受講生に恵まれたことが大きいと感じていますが、受講生の皆さんの理解の度合や伸び具合がそれはとても良い感触でした。
受講者さんから試験本番の感想を頂きました。

先生の予言通り、計画段階配慮とグリーンインフラが出題されていたので、驚きました!
これまでの的確なご指導、お礼申し上げます。

正直、もったいないケアレスミスもしてしまいましたので厳しい結果を予想していますが先生に教えていただき準備した分、手応えは、去年に比べてありました。
ありがとうございました。

●私の受験報告で恐縮ですが、択一は正答の追加に関わらずになんとかパスできそうです。記述につきましても問題Ⅱ、問題Ⅲといずれも全て書ききりました。(すごろく様のホームページ、大変参考になりました。)

などの声をいただきました。
文面から予想外の出題ではなかったことが伺えますよね。
実際、わたしも問題文を見て、これはイケる!と思いました。

来年度試験からは試験手続や方法が変更されます。

平成31年度 技術士試験の試験方法の改正について


現段階でハッキリしているのは択一問題(マークシート)がなくなります。
そしてその必須科目の問題Ⅰも3枚論文になります。

いまの問題Ⅲが専門科目~建設環境~に特化した課題解決問題ですが、問題Ⅰはたぶんそれの部門編、つまり建設部門共通の課題解決問題になると思います。
ちなみに平成24年度までもこのような出題でしたが、このいわゆる建設一般というのは建設部門共通の問題なので、全科目に関わる課題というのはわりと「環境」がらみのものが多かったです。そういうことでは建設環境のひとは書きやすいかもしれません。
そのほか環境ジャンル以外からは日本社会がいま抱える課題や近未来を見据えた課題(労働人口減少とか人口減少、高齢化社会、インバウンド、新技術への対応など)からの出題が多かったような印象でした。

そのほかのことはあんまりよくわかっていません。
詳細がハッキリするまでは過去問にしっかり取り組んでおくべきです。
いや、詳細がハッキリしたあとでも過去問と向き合うのが合格への近道だと思います。なぜなら科目は同じ建設環境なのですから。
そしてそれはスタートが早ければ早いほど有利だと思います。

そのようなわけで平成31年度試験に向けての添削講座を開講いたします。
これまでの指導経験を注力しますのでお任せください。

そのほか筆記試験再現論文に対するコメント評価も行います。
先日の試験答案について第3者の視点からの評価を欲しているかたはぜひどうぞ。


本サービス(添削指導アドバイス)はSUKIYAKI塾とは異なり有料でお受けします。
対象とする技術部門科目は以下の2つです。
●建設部門建設環境
わたしの専門はどちらかというと自然環境に関する分野ですので生活環境の保全に関する現場感覚はやや劣るかもしれません。しかしながらこれまで添削するうえで支障はありませんでした。
また、他の部門科目(例えば環境部門など)についてはご希望であればお引き受けしますが、専門技術に関する指導はできませんので論理構成や文章に関する指導アドバイスとなります。
なお、これまで建設環境以外には、環境部門の環境保全計画と自然環境保全のかたを指導いたしました。

●総合技術監理部門
総監については科目を問いません。ただし建設-建設環境以外の科目の場合には専門技術を踏まえた管理については言及できないこともあります。
なお、これまで建設環境以外には、施工計画・施工設備及び積算、道路、都市及び地方計画、河川砂防・海岸海洋、土質及び基礎、上水道及び工業用水道、農業土木、環境保全計画、自然環境保全のかたを指導いたしました。
ご希望のかたには、平成29年2月23日で頒布が終了した「技術士制度における総合技術監理の技術体系(第2版)」(いわゆる青本)のテキストデータを差し上げます。
なお一部内容を法律等の改正に伴い書き換えています(ただしH29年時点までのものです)。

下記の5つのコースを設けました。
※併願・重願の場合はそれぞれの部門科目単位で受け付けます。

★お申込みはこちらからお願いします

①平成30年度筆記試験の再現論文に対するコメント評価
内容:再現論文のコメント評価を行います。建設環境は選択科目Ⅱ-1×2つ、Ⅱ-2、Ⅲの合計4つ、総監は記述論文(必須科目Ⅰ-2)です。
原稿に赤を入れるのではなく、メールでコメントをお返しする方式です。
返信回数:各設問に対し、1回のコメントとそのコメントを受けての再質問・返信を1回の計2回
料金:3,000円

【平成31年度試験対策】
②出願書類作成コース
期間:受付完了時から平成31年度試験の申込期限日の7日前まで書類を受け付けます。
内容:受験申込書の記載内容と業務経歴票(5行の業務経歴と「業務内容の詳細」)についての添削指導を行います。平成31年度の様式が正式発表されるまでは平成30年度様式で添削指導を行い、平成31年度様式が発表され次第、あらためて添削指導いたします。※様式が大きく変更される可能性があります。
うまく作成できないかたには業務経歴のたな卸しと詳細業務の骨子の作成アドバイスからスタートします。
添削回数:期間内は回数無制限です。ただしわたしがOKと判断したらそこで終了とすることもあります。
料金:15,000円

③筆記試験論文添削 長期コース(7~11カ月)
期間:受付完了時から平成31年度筆記試験日の7日前まで論文を受け付けます。
内容:建設環境については選択科目ⅡとⅢを、総監については記述論文(必須科目Ⅰ-2)の添削指導を行います。過去問題に対する回答論文の添削です。原稿に赤を入れるのではなく、メールでコメントをお返しする方式です。
論文の仕上がり具合に自信がないかた、文章作成が苦手なかた、論理的思考が苦手なかた、専門技術分野が偏っているかた、それぞれに応じた指導をいたします。
添削回数:期間内は回数無制限です。ただし複数の論文を同時並行では添削しません。わたしが次の問題に移ってOKと判断してから別の設問に取り組んでください。
料金:30,000円 (平成30年度の筆記試験論文添削コースを受講したかたで同部門同科目の場合は25,000円)

④筆記試験論文添削 中期コース(3~6カ月)
期間:平成30年12月25日(火)から受付を開始します。受付完了時から平成31年度筆記試験日の7日前まで論文を受け付けます。
内容:建設環境については選択科目ⅡとⅢを、総監については記述論文(必須科目Ⅰ-2)の添削指導を行います。過去問題に対する回答論文の添削です。原稿に赤を入れるのではなく、メールでコメントをお返しする方式です。
論文の仕上がり具合に自信がないかた、文章作成が苦手なかた、論理的思考が苦手なかた、専門技術分野が偏っているかた、それぞれに応じた指導をいたします。
添削回数:期間内は回数無制限です。ただし複数の論文を同時並行では添削しません。わたしが次の問題に移ってOKと判断してから別の設問に取り組んでください。
料金:20,000円

⑤筆記試験論文添削 短期コース(1~2カ月)
期間:平成31年4月末から受付を開始します。受付完了時から平成31年度筆記試験日の7日前まで論文を受け付けます。
内容:建設環境については選択科目ⅡとⅢを、総監については記述論文(必須科目Ⅰ-2)の添削指導を行います。過去問題に対する回答論文の添削です。原稿に赤を入れるのではなく、メールでコメントをお返しする方式です。
論文の仕上がり具合に自信がないかた、文章作成が苦手なかた、論理的思考が苦手なかた、専門技術分野が偏っているかた、それぞれに応じた指導をいたします。
添削回数:期間内は回数無制限です。ただし複数の論文を同時並行では添削しません。わたしが次の問題に移ってOKと判断してから別の設問に取り組んでください。
料金:15,000円

【注意事項】
●本サービスは、Gmailを使用して行いますので、Gmailの送受信が可能な環境であることが必須条件です
●本サービスに使用するファイル形式はPDFもしくはMS Wordファイルのみです。これ以外のファイルは原則として対応できません
●添削指導の対象である経歴票や論文等はメールに添付してお送りいただきます
●メール受信後、添削コメント等を返信するまでに最大4日間の日数をいただきます
●総監については科目を問いませんが建設-建設環境以外の科目の場合には専門技術を踏まえた管理については言及できないこともあります
●領収書は発行いたしません
●振込手数料はご負担ください

本サービス(添削指導アドバイス)をご希望されるかたは上記の内容を確認いただいたうえで下記のフォームにてお申込みください。お申込みの時点で上記の注意事項に同意いただいたものとします。
フォームを受信後、遅くとも翌日中には振込先の銀行口座をご案内するメールをGmailで返信いたします。
※3日以上経過しても返信がない場合はGmailとのやりとりが不可能な環境と思われます。その際はお手数ですがご自身で設定等を調整したうえで再度ご応募ください。

★お申込みはこちらからお願いします

2018年7月21日土曜日

【番外編】水産部門・水産水域環境 Ⅲ

最後に問題Ⅲの課題解決問題です。
Ⅲ-1が海域の生物多様性、Ⅲー2が外来魚対策でした。

Ⅲ 次の2問題(Ⅲ-1,Ⅲ-2)のうち1問題を選び解答せよ。(解答問題番号を明記し,答案用紙3枚以内にまとめよ。)

Ⅲ-1 「生物多様性に関する条約(生物多様性条約)」の下で2010年,「愛知目標」が採択され,その多くが達成年としていた2020年をまもなく迎えようとしている。もとより水産業にとって海域の生物多様性の保全が重要であることは,将来にわたっても論を待たない。あらためて海域の生物多様性をふりかえり,以下の問いに答えよ。

(1)海域の生物多様性が低下してきた要因について,多様な視点から述べよ。

(2)上述の要因の中から,あなたが最も問題視する要因を選び,その問題解決のための技術的提案を示せ。

(3)あなたの技術提案がもたらす具体的な効果と,想定されるリスクについて述べよ。

これまたどうでしょう。
建設環境分野の知識で十二分に論を展開できるのではないでしょうか。
わたしもやや筆が滑りそうになるのを堪えつつ(少し堪えきれずにあえて沖縄でのことを試験官に問題提起するなど)、全部盛りで解答しました。

グルクンの類
【那覇市】

Ⅲ-2 内水面漁業の振興に関する基本的な方針(平成26年10月制定,平成29年7月変更)では,「特定外来生物等による被害の防止措置に対する支援等」として,特定外来生物用による内水面水産資源に対する被害を防止するため,外来魚について,効率的な防除手法の技術開発を進めるとしている。このような状況を踏まえ,以下の内容について述べよ。

(1)外来魚対策を計画・実施する上で,検討すべき課題を述べよ。

(2)上述の課題の中から,あなたが最も重視する課題を選び,その課題解決のための技術的提案を示せ。

(3)あなたの技術提案がもたらす具体的な効果と,想定されるリスクについて述べよ。

こちらも無勉で解答できるひともいらっしゃるのではないでしょうか。
わたしは実際に携わったことがないこともあって文章に迫力が出ないと判断してこっちは見送りました。
しかし2択のどちらも解答できそうな匂いがするのは嬉しい限りです。水域の生態環境保全に関わっているものとしては建設環境なんかよりも解答しやすいと感じました。
オレって実は水産の人間だったのかな、といまさらながらの気づきになりました。

他部門他科目の試験問題にお付き合いいただきありがとうございました。
ここまで試験のデキがよかったかのような書きぶりでしたが、実は択一のほうが微妙なんです。。。。明後日でしたっけ?正答の発表。。。。

【番外編】水産部門・水産水域環境 Ⅱ-2

つづいて「選択科目」に関する応用能力について試される選択科目Ⅱ-2です。

Ⅱ-2 次の2設問(Ⅱ-2-1,Ⅱ-2-2)のうち1設問を選び解答せよ。(解答設問番号を明記し,答案用紙2枚以内にまとめよ。)

Ⅱ-2-1 ある閉鎖性内湾において富栄養化が進行し,赤潮の発生や底層水の貧酸素化を引き起こしており,近年は魚類養殖生簀を一時避難させることもある。陸域の生活排水や漁港排水は浄化施設が稼働しており,湾岸に立地している工場排水も適正に処理されている。あなたがこの内湾の環境修復の担当者として数年次以上にわたり対策業務を進めるに当たり,下記の内容について記述せよ。

(1)具体的な環境修復手法の検討の前に,調査・検討すべき事項を示せ。

(2)一般的に環境修復手法は,物理的に環境を制御しようとする方法と,生物生態的な観点から環境を制御しようとする方法とが考えられる。それらの中から物理的手法と生物生態的手法とをそれぞれ1つずつ例示するとともに,その手法の欠点も指摘せよ。

(3)業務全体を通じて留意すべき事項を示せ。

わたしが選択した問題なのですが、これまたどうですか?
建設環境ジャンルでもよく問われる内湾域の富栄養化問題ですよね。
これまでに培ってきた知識で十分対応可能でした(たぶん)。

釧路フィッシャーマンズワーフMOO
【釧路市】

Ⅱ-2-2 河川における水産資源回復のため魚類の産卵場の造成を計画することとなった。対象種を選定した上で,あなたが担当者として業務を進めるに当たり,下記の内容について記述せよ。

(1)計画策定に当たって調査・検討すべき事項

(2)産卵場造成のための計画立案の手順

(3)業務を進めるに当たって留意すべき事項

こっちの問題は「対象種」を選定しないといけないので(わたしは実際にこういった業務を経験していないので)選択しませんでした。
しかしこっちでもイケるひとは結構いらっしゃるのではないでしょうか。
とくに北海道の建設環境受験生は、河川のそれも魚類を対象とした環境保全に携わっているひとが多いのでそういったひとはむしろ建設環境でのアセスよりも書きやすいんじゃないかと思いました。

問題Ⅲはまたあとで。

【番外編】水産部門・水産水域環境 Ⅱ-1

今回、わたしも久しぶりに受験しました。
部門科目は、水産部門の水産水域環境です。
残念なことに来年度からは科目が統合されますので「水産水域環境」としては最後の試験となります。
受験人数も少ないのか事前の情報がほとんどなく過去問くらいしか拠り所がありませんでしたが、わたしにとっては馴染みの深い分野なので違和感なく取り組めました。むしろ建設部門よりホーム感があったかもしれません。水域の生きものがらみの環境分野に携わっておられるかたは納得していただけると思います。
わたしの前後の受験生も同業他社の知り合いでした(ちなみに隣の列は建設部門の建設環境でした。これまた知り合いだらけ)。

【石西礁湖】

まずⅡ-1の4つの設問から2問を選ぶスタイルの専門知識問題です。
環境DNAは、先日に環境DNA学会に入会したこともあって、その入会案内に記載されている内容を一生懸命に脳内で再生することを試してみたのですが、うまく画像が結ばず断念(笑)。オーソドックスに多自然川づくりと水質改善策のほうを選択しました。

また、このブログでは「多自然川づくり」を推していましたが(今回の試験では出題されませんでしたが)、なんと水産水域環境のほうで出題されました。
わたしにとってはラッキーでした。
準備していた建設環境の皆さん、たいへんすみません。

14-4 水産水域環境【選択科目Ⅱ】
Ⅱ 次の2問題(Ⅱ-1,Ⅱ-2)について解答せよ。(問題ごとに答案用紙を替えること。)

Ⅱ-1 次の4設問(Ⅱ-1-1~Ⅱ-1-4)のうち2設問を選び解答せよ。(設問ごとに答案用紙を替えて解答設問番号を明記し,それぞれ1枚以内にまとめよ。)

Ⅱ-1-1 レジームシフト理論の概要を説明し,地球温暖化との相違について述べよ。

Ⅱ-1-2 環境DNA技術について知るところを示し,その水産水域環境分野における活用の可能性について述べよ。

Ⅱ-1-3 多自然川づくりの概要を説明し,魚類の生息場の保全,再生に果たす役割を述べよ。

Ⅱ-1-4 湖沼における水質悪化の要因を踏まえ,水質保全・改善の方策を述べよ。

どうですか?
建設環境ジャンルの知識でも、結構、書けそうですよね?
Ⅱ‐2については次回に取り上げます。

2018年7月20日金曜日

技術士試験 Ⅲ-2

平成最後の技術士筆記試験問題シリーズも今日で最後となりました。

Ⅲ-2は持続可能な都市(のための都市計画)でした。
総監のように前書きがやや長い問題でした。
そのなかで、「環境負荷の小さな都市は,単に物理的な環境への負荷を削減するだけでなくこのような持続可能な都市を目指していることを踏まえ,」というところにグッときました。一体どういうことを指しているのか、そのあとの問題文に移る前にここでいったん止まってしまいました。
どういうことだと思いますか?

【沖縄県伊是名島】

Ⅲ-2 我が国では,経済的発展と地球環境問題などの環境制約要因への対応を両立させることにより,次世代が快適な生活を享受するために活用可能な資源を保全し,次世代に過大な環境汚染等の負荷を起こさないようにしながらも現世代の生活を発展させるという,持続可能な発展が都市計画にも求められている。環境負荷の小さな都市は,単に物理的な環境への負荷を削減するだけでなくこのような持続可能な都市を目指していることを踏まえ,以下の問いに答えよ。

(1)我が国において,環境負荷の小さな都市を実現する上で,環境負荷の小さな都市を目指すこととなった環境面での課題を2つ挙げ,それらの課題が生じた社会的背景をそれぞれ説明せよ。

(2)上述した2つの課題から1つを選び,それを解決するための都市政策上の技術的提案と,それがもたらす効果を理由とともに具体的に示せ。

(3)あなたの技術的提案により生じうるリスクについて説明し,その対処方法を述べよ。

いやぁ、なんだか環境に対する(そして次世代へと引き継いでゆく)熱い情熱を、解答用紙を通じて試験官に直接ぶつけることができそうなすごくイイ問題ですね(文章は読みにくいですが)。
あれほどグリーンインフラ推しだったのですが、もし受験していたらわたしはこっちの問題を選択してしまいそうです。

回答のポイントですが「単に物理的な環境への負荷を削減するだけでなく、このような持続可能な都市を目指していることを踏まえた」内容になってないとダメです。どこまでダメなのかはわかりませんが。。。
ちなみに「このような持続可能な都市」とはどのような都市なのかというと、これまた問題文にあるとおり「経済的発展と地球環境問題などの環境制約要因への対応を両立させることにより,次世代が快適な生活を享受するために活用可能な資源を保全し,次世代に過大な環境汚染等の負荷を起こさないようにしながらも現世代の生活を発展させるという」都市のことです。
受験者各々が建設環境分野の技術者として日ごろから問題意識を持ってどうにかしたいと思っていることや実際に課題解決のために取り組んでいることを試験官に情熱をもって訴えるといいと思います。
感情的になりすぎないように、しかし熱いハートは忘れずに。

以上です。
最後に、解答論文の再現だけはしっかりやっておいてください(最低でも問題Ⅲだけは)。筆記試験に合格してから再現していなくて(そして何を書いたのかすっかり忘れちゃって)慌てるひとが毎年います。

それでは次の関門に向けてしばらく英気を養っておいてください。

お疲れさまでした!

2018年7月19日木曜日

技術士試験 Ⅲ-1

問題Ⅲの課題解決問題、Ⅲ-1がグリーンインフラ、Ⅲー2が持続可能な都市でした。
過去問にしっかり取り組んでいた方はどちらでもOKだったのではないでしょうか。
ただ、ほとんどのかたは防災減災ネタをあたためていたでしょうからグリーンインフラのほうを選んだんじゃないかな、と思っています。
グリーンインフラについてはこれまでしつこく推していたのですがなかなか直接の出題がなく、なんでかな?と訝しんでいたのですがようやく出題されました。

雨水貯留・地下浸透施設
【調布市】

Ⅲ 次の2問題(Ⅲ-1,Ⅲ-2)のうち1問題を選び解答せよ。(解答問題番号を明記し,答案用紙3枚以内にまとめよ。)

 Ⅲ-1 平成27年に閣議決定された国土形成計画,第4次社会資本整備重点計画では,グリーンインフラの取組を推進することが盛り込まれている。このような状況を踏まえ,以下の問いに答えよ。

(1)人工構造物によるインフラとグリーンインフラを組合わせた防災・減災の取組を1つ想定し,その概要を述べよ。また,2つの観点から,その取組における人工構造物によるインフラとグリーンインフラのそれぞれの特徴を述べよ。

(2)上述の人工構造物によるインフラとグリーンインフラを組合わせた防災・減災の取組の実施に当たっての技術的課題を3つ挙げ,それぞれについて述べよ。

(3)上記の技術的課題のうち1つについて課題を解決するための技術的提案,及びその提案の実施に当たってのリスクを述べよ。

グリーンインフラストラクチャー
社会問題を丸ごと解決「グリーンインフラ」

それにしても「人工構造物によるインフラ」という表現も説明的というか冗長ぎみですね。グレーインフラという表現は国交省的には採用していないんでしょうか。
その割にはグリーンインフラの説明がありません。ここらへんもあえて試しているということなのでしょう。
と思っていたら、択一のほうで説明的に出題されていましたね。
I-8 建設環境に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
① グリーンインフラは,自然環境が有する機能を社会における様々な課題解決に活用しようとする考え方で,昨今,海外を中心に取組が進められ,我が国でもその概念が導入されつつある。


2018年7月18日水曜日

技術士試験 Ⅱ-2-2

つづいて風力発電所建設事業の調査・予測及び評価手法です。
クドイようですが、それにしても2つ目もアセスとは驚きました。
建設環境のど真ん中ジャンルということなのでしょうね。
直接アセスに携わった経験があるひとは意外と少ないようですが、それでも建設環境の技術士となった暁にはいつでも担当できるようにしておかないといけません、ということが国からも求められているのでしょう。
そういった気構えで試験勉強に、日常業務に、臨んでください。

Ⅱ-2-2 環境影響評価法に定める第一種事業に当たる風力発電所の建設事業が計画されている。対象事業実施区域近傍には集落や,自然公園が存在している。本事業における,環境への影響に関する調査・予測及び保全措置の検討を行うに当たり,以下の問いに答えよ(本設問では,供用時の環境影響に係る事項を対象とする)。

(1)この事業の具体的内容と地域の状況を設定し説明せよ。また,それを踏まえて,この事業において環境影響を及ぼす要因と影響を受ける環境要素の項目(以下,環境項目という)を2つ挙げ,想定される環境影響の概要を説明せよ。ただし,近傍に集落及び自然公園が存在することを踏まえた環境項目を1つずつ挙げること。

(2)(1)で挙げた2つの環境項目について,本事業で適切な調査・予測及び評価の手法について述べよ。


【沖縄県国頭村】

風力発電所の環境影響評価のポイントと参考事例

風力発電についてはこのブログでも何回か取り上げています。これまでは解答者側に設定がゆだねられることが多かった地域の概況ですが今回は「集落」と「自然公園」の2つがあらかじめ設定されていました。これを踏まえた解答が求められているわけです。

そして重要なことですが、「(本設問では,供用時の環境影響に係る事項を対象とする)。」とあります。工事中の影響を取り上げてしまうと×です。

2018年7月17日火曜日

技術士試験 Ⅱ-2-1

つづいて「選択科目」に関する応用能力について試される選択科目Ⅱ-2です。
いやぁビックリしましたね!
2問とも第一種事業の環境アセスでした!
中身を見ると「計画段階配慮書」と「調査・予測及び評価手法」に分かれています。
まずは道路事業の計画段階配慮書(計画段階「環境」配慮書?)から。

Ⅱ-2 次の2設問(Ⅱ-2-1,Ⅱ-2-2)のうち1設問を選び解答せよ。(解答設問番号を明記し,答案用紙2枚以内にまとめよ。)

Ⅱ-2-1 環境影響評価法に定める第一種事業に当たる道路事業が計画されており,計画段階環境配慮書(以下,「配慮書」という)の手続きを行う必要がある。あなたは配慮書作成の責任者として手続きを行うに当たり,以下の問いに答えよ。

(1)計画段階配慮事項として「生態系」を選定した場合において,その調査,予測及び評価の手法を選定し,各手法の概要を説明せよ。

(2)この道路事業の位置等に関する複数案を2つ設定し,各案の相違点が明確になるように留意し,各案の概要を説明せよ。

(3)(2)で選定した複数案ごとに,(1)で選定した手法による予測・評価結果を説明せよ。


STUDENT DRIVER
【沖縄県中城村】

第1種事業であることを設定することは言わずもがな(過去問に真面目に取り組んでいた方はバッチリだったですよね?)、計画段階なのですから複数案が肝になるわけですが、問題文のほうで複数案を2つ設定することが求められましたね。
道路事業での複数案というのはそんな難しくないのではないでしょうか。相手が「生態系」への配慮のための複数案なので、「生態系」への影響を回避する仕方(というか回避案に限らないわけですが)を2つ設定すればいいと思います。ひとつは効率性(経済性優先)の案ともうひとつが環境負荷が低い案、でもイイし、2つとも環境負荷低減案でもいいです。環境負荷が低い案は、迂回案、トンネル案、橋梁案等々いろいろありますよね。もちろん迂回案1、迂回案2でもOKです。まっ、でも限られたスペースで各案の相違点が明確になるように記述するには全然違う案にしたほうが書きやすいかもしれません。

計画段階配慮手続に係る技術ガイド
道路環境影響評価の技術手法(平成24年度版)

とにかく、建設環境の技術者であればスラスラ書いてほしい問題です。
これが書けないようでは厳しいことを言うようですがまだまだです。「出直してこい」と言われても仕方ありません。
と、昨年どおりの出題内容でした!

2018年7月16日月曜日

技術士試験 Ⅱ-1

筆記試験、お疲れさまでした(^^)/
先週は西日本で豪雨災害がありたいへんでしたが、今日は試験会場のある箇所では日本全国、安定した天気だったようで安堵しています(外の気温は凄かったかもしれませんが)。

皆さん、どうでしたか。

今年は久しぶりにわたしも受験しまして、試験監督はやっていないんですが添削指導したかたが早くも問題用紙を送付してくださいましたので、さっそくに問題文を掲載します!
【熊本市】

それでは以下に、試験問題(記述もの)を振り返ってみましょう。

まず、Ⅱ-1の4つの設問から2問を選ぶスタイルの専門知識問題です。
  • 低周波音とその対策
  • 底層溶存酸素量とその改善策
  • 再生可能エネルギーの導入状況と太陽光発電事業の課題
  • 建設事業における外来種対策と留意点
底層溶存酸素量(下層DO・底層DO)、再生可能エネルギー、外来種は過去にも問われていますよね。問い方の角度、項目をちょこっと変えているだけです。過去問にしっかり取り組んでいた方は何かしら書けたのではないでしょうか。どの問題を選ぼうかと迷っちゃうくらいだったかもしれません。
しかし問い方がただのキーワード解説ではなくて、対策とか留意点とかメカニズムとかまでも求められているのでちょっとした問題Ⅲの簡易版みたいだな、とも思いました。
ここまでの一連の流れを含めて「専門知識」という位置づけにしているのかもしれません。

9-11 建設環境【選択科目Ⅱ】
Ⅱ 次の2問題(Ⅱ-1,Ⅱ-2)について解答せよ。(問題ごとに答案用紙を替えること。)

Ⅱ-1 次の4設問(Ⅱ-1-1~Ⅱ-1-4)のうち2設問を選び解答せよ。(設問ごとに答案用紙を替えて解答設問番号を明記し,それぞれ1枚以内にまとめよ。)

Ⅱ-1-1 周波数100Hz以下の低周波音(周波数20Hz以下の超低周波音を含む)について,一般的な騒音対策との違いについて説明せよ。また,建設事業に係る低周波音の発生源を1つ挙げ,その発生原因と対策について述べよ。

Ⅱ-1-2 水質汚濁に係る環境基準のうち,平成27年度に底層溶存酸素量が生活環境項目環境基準に追加された。この改正が行われた背景・目的について述べよ。また,底層溶存酸素量を改善するための対策手法のうち,内湾や湖沼等の水域内(岸辺や底質対策を含む)で実施される複数の対策手法と,それぞれの期待される改善メカニズムについて述べよ。

Ⅱ-1-3 近年の我が国の再生可能エネルギーの導入状況について,我が国のエネルギー政策を踏まえて述べよ。また,再生可能エネルギーのうち,太陽光発電事業において留意すべき環境面における課題を2つ挙げ説明せよ。

Ⅱ-1-4 建設事業(維持管理を含む)実施に当たり,外来種対策を行う場合に,対象種の定着段階に応じた対策を行う必要性について述べよ。また,未定着,定着後のそれぞれの段階において対策を行う際の留意点を述べよ。

よくわかる低周波音
底層溶存酸素量の類型及び基準値
再生可能エネルギーの大量導入時代における政策課題と次世代電力ネットワークの在り方
外来種被害防止行動計画(参考1:外来種被害防止行動計画パンフレットの7~8ページ)

先日、予想した「平成30年度技術士試験 要チェック分野まとめ(Ⅱ‐1)」では、
①防災減災(グリーンインフラ、生態系を活用した防災減災、防災公園)
②生物多様性オフセット
③沿岸漂砂(河川流量の減少と水質及び土砂移動への支障)
④水循環基本計画(水辺空間の保全・再生・創出)
⑤再生可能エネルギー(洋上風力発電、センシティビティマップ)
⑥SDGs(17のゴール)、パリ協定(2℃未満)
⑦建設リサイクル(リサイクル材の利活用、建設廃棄物処理)
⑧ダム再生ビジョン
⑨持続性ある実践的な多自然川づくり
⑩環境アセス手続き(環境保全措置等の結果の報告・公表)

としましたが、どれも外れちゃいましたね。
グリーンインフラは問題Ⅲで、環境アセスは問題Ⅱで(2問とも!)出題されました!
再生可能エネルギーはちょこっと掠りましたね。太陽光発電の課題についてはあくまで「環境面」での課題でないと×です。以前もこういった問題がありましたよね。
また、底質溶存酸素量については、その改正が行われた背景・目的について、先日の投稿「沿岸透明度の目標設定ガイドライン」の引用記事でも触れています。

こうしてみると、わたしとしてはそんなに的外れではなかったという印象なのですが、皆さんはどのように受け止めましたか?

Ⅱ-2は次回とします。

2018年7月14日土曜日

試験がんばってください

いよいよ試験ですね。
総監は明日、そのほかの部門は明後日です。

わたしも久しぶりに受験しますのでほとんど自分のためのリストなのですが、試験会場で実力をしっかり発揮するためのオススメ持ち物リストを書き出してみます。

●受験票
●財布
●使いやすいシャープペンシル(わたしはいつもDr.グリップです)
●替え芯(わたしはBです)
●消しゴム2種類(四角い良く消えるやつとノック式の1文字づつ消せるやつ)
●筆記用具ケース
●腕時計(Apple Watchなどのスマートウォッチはダメですよ)
●飲み物(ペットボトルの麦茶)
●タオル(2枚くらいあってもいいかも)
●ポケットティッシュ
●小さい定規(1回も使ったことはありませんが)
●カード式の計算機(総監のときに1回使ったことがあります)
●栄養ドリンク2本
●上着(長袖シャツ)
●足に負担のない運動靴(サンダルのひとも多いですよね)
●老眼鏡(これは今回の初リスト。忘れそうです)
●おにぎり2個
●択一問題資料
●記述論文資料
●携帯電話(試験中はオフ)
●これらを収納するかばん、というか手提げ袋

こんなところだったでしょうか。
これまで試験監督をやっていて実感するのは、座席によって寒かったり暑かったりいろいろです。そして試験中に設定温度をいじったりもしますので途中で暑くなったり寒くなったりと体感気温が変化することもよくあります。
試験会場が暑くても寒くても、さらには試験の最中に温度が変化したとしても対応できる服装にしてくださいね。つまり脱ぎ着できる格好です。

あとは会場には早めに着くようにしましょう。
これも試験監督をやっていた経験からですが、ギリギリ、あるいはそれこそ遅刻なんかするとたとえ受験できたとしてもよくないことがその後に起こりがちです。ろくなことないです。いいことないです(とは言っても実際に遅刻しちゃったとしてもあきらめちゃダメですよ)。

そうそう、毎年これも言っていることですが、試験監督をしていてなにがツライかというと、受験番号や選択問題番号の書き忘れ、総監以外の必須科目(マークシート)で16問以上にマークしちゃうこと、が頻発していることです。ひとつの試験会場(部屋単位)で数件発生しているんじゃないでしょうか。
こういったことは沖縄だけなのかもしれませんが、毎回必ずいるんです、これをやっちゃうひとが。本当に気を付けて下さい。
わたしも一般部門のマークシートは初めてなので思わず総監のノリで20問すべてにマークしてしまいそうで怖いです。。。気をつけないと。

もうここまできたら勉強に根詰めるのではなく、睡眠をとって試験本番時にフル回転できるように前日は脳をしっかり休めておきましょう。寝不足厳禁です。
しかしちょうどワールドカップが大詰めなんですよね。具合悪いことに、今晩は3位決定戦、そして明日は決勝戦です。
わたしは3位決定戦だけにしておきます。決勝戦は試験が終わってから観ることにしますが、果たして結果を知ることなしにそれまで過ごせるものでしょうか。。。。

それでは皆さん、ともに頑張りましょう。
予想外の出題でもたじろがず最後まで喰らいついていきましょう!
6割さえ取れれば、ぜったい合格するんですから!

気張れ!チェストー!

2018年7月13日金曜日

沿岸透明度の目標設定ガイドライン

西日本豪雨でとんでもないことになってしまいました。
被害に遭われた方にお見舞いを申し上げます。

いよいよ試験目前です。最後まであきらめないで頑張ってますか。
今度の試験で出題されるとは思いませんが、ここへきて閉鎖性水域ジャンルで小ネタとして活用するとすごく評価が上がるニュースが飛び込んできました。チャンスがあれば積極的にねじり込むとイイと思います。
それにしても小浜湾がモデル海域だったとは。。。

2014年に水質汚濁に係る生活環境の保全に関する環境基準の見直しについて検討されたなかで(下層DO及び透明度の環境基準設定に向けた動き)、下層DOについては2016年に環境基準として追加されましたが(底層溶存酸素量の類型及び基準値)、透明度については保留になっていました。
わたしが海藻や海草類に纏わる生態調査を生業としていることもあり、沿岸透明度についてはすごく気にしていたのですが、ついにガイドラインとして日の目を見ました。

エビとカニが睨めっこ【名護市嘉陽海岸】

報道発表資料
平成30年7月12日
水・土壌
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「沿岸透明度の目標設定ガイドライン」について

 水生植物の保全・再生と親水利用の場の保全の観点から、湖沼及び海域における地域環境目標として設定された沿岸透明度に関して、地域における沿岸透明度の目標設定の際の参考として活用いただくため、「沿岸透明度の目標設定ガイドライン」を取りまとめましたので、お知らせします。

1.経緯

 環境省では、水環境の実態を国民が直感的に理解しやすい指標として、湖沼及び海域を対象とした透明度の目標値の導入について検討を行ってきました。
 平成27年12月に中央環境審議会会長から環境大臣へなされた答申「水質汚濁に係る生活環境の保全に関する環境基準の見直しについて」を受け、海藻草類及び沈水植物等の水生植物の生育の場の保全・再生の観点並びに良好な親水利用の場の保全の観点から、湖沼及び海域における地域環境目標として沿岸透明度の目標値が設定されることとなりました。
 答申では、沿岸透明度の「目標設定に係る考え方及び手順については、国として整理を行った上で示すことが望ましい」とされており、今般、ガイドラインとして取りまとめたものです。

2.ガイドラインの概要

 本ガイドラインは、沿岸透明度を活用した水環境保全の取組が適切に促進されるよう、地域における沿岸透明度の目標設定の検討の際の参考として活用いただくことを念頭に、平成28年度に環境省において実施した諏訪湖(長野県)と小浜湾(福井県)を対象とした目標設定のモデル事業の結果も紹介しつつ、沿岸透明度の目標設定に係る考え方や手順等を解説したものです。
 本ガイドラインの構成としては、沿岸透明度の目標値の設定と水域へのあてはめの考え方、測定地点、評価方法などを整理するとともに、平成28年度に行ったモデル事業の結果等を資料編としてまとめました。

(参考)沿岸透明度の目標設定ガイドライン 目次

1. 沿岸透明度とは
2. ガイドラインの趣旨
3. 沿岸透明度の目標値設定の基本的考え方
4. 目標値設定及び水域あてはめの検討
4.1 地域の関係者の意見聴取
4.2 水域の特性の情報整理(検討手順A)
4.3 水生植物の保全・再生
4.3.1 水生植物の生育状況等の把握(検討手順B)
4.3.2 保全対象とする水生植物の選定(検討手順C)
4.3.3 保全対象種毎の保全対象範囲及び目標分布下限水深並びに目標値の設定(検討手順D)
(1) 分布下限水深の設定
(2) 目標値の設定
4.4 親水利用の場の保全
4.4.1 親水利用の行為の把握(検討手順E)
4.4.2 親水利用の行為毎の目標値の設定(検討手順F)
4.5 水域あてはめ及び目標値の設定(検討手順G)
5. 測定及び評価・活用方法
5.1 実施主体
5.2 測定地点
5.3 測定頻度
5.4 評価方法
(1) 評価値の算出方法
(2) 達成評価方法
6. 沿岸透明度の改善対策の方向性について
7. 湖沼における沿岸透明度の目標設定に係る留意点
7.1 湖沼に生育する水生植物について
7.2 湖沼における水生植物に係る現状と課題
7.3 沿岸透明度の目標設定の留意点
≪資料編≫
1. 沿岸透明度の概要等
2. 平成28年度諏訪湖におけるモデル事業結果
3. 平成28年度小浜湾におけるモデル事業結果
4. 車軸藻類の生育水深と透明度との関係について
5. 湖沼における水生植物の大量繁茂による障害への対策について

添付資料

2018年7月4日水曜日

「美しい山河を守る災害復旧基本方針」ガイドラインが改定

2014年4月に改訂された「美しい山河を守る災害復旧基本方針」ガイドラインですが、さらなる改定がありました。
前回の改定はこちら
美しい山河を守る災害復旧基本方針」【ガイドライン】の改定

建設環境の自然環境保全分野のドストライク資料です。
特に[3]良好事例の紹介をさらに追加、というのはありがたいですね。
建設環境の技術者がリーダーシップをとって、多自然川づくりの技術とあわせて、災害復旧する機会をとらえて環境面に配慮しましょう!
ぜひチェックしてください。

【釧路市北斗】

安全と環境のバランスのとれた改良復旧へ
~「美しい山河を守る災害復旧基本方針」ガイドラインを改定~


平成30年6月26日
国土交通省は本日、昨年の九州北部豪雨災害のような河川の大規模災害が発生した際に、より円滑に災害復旧が実施されるよう、再度災害を防止するための改良復旧事業に関する河道計画の記述を、本ガイドラインにおいて明確化しました。
これにより、地方公共団体等における迅速な復旧が推進されます。
 本ガイドラインは、河川が災害を受けた場合に安全と環境のバランスのとれた復旧を目指すため、災害復旧事業や改良復旧事業を実施する場合の原則を定めたものです。
 国土交通省では、地方公共団体等における迅速な復旧を推進するため、逐次、改定してまいりました。

改定のポイント

[1]河道計画に関する記述の明確化
各地で河川の氾濫による大規模災害が発生し災害からの復旧を行う場合に、再度災害を防止するため、川幅を広げるなどの「改良復旧事業」が実施されています。今回の改定により、改良復旧事業に関して、安全と環境のバランスのとれた河道計画の記述を明確化します。
[2]資料作成の効率化
効率的な災害査定設計書等の作成が可能となるよう、重複記述の省略など資料作成の効率化を行います。
[3]良好事例の紹介をさらに追加
本基本方針に示されているポイントを踏まえた復旧工法の良好事例をこれまでより増やして掲載します。

添付資料

報道発表資料(PDF形式)PDF形式

2018年7月3日火曜日

国土交通白書 2018

国土交通白書がリリースされました。
昨年は「イノベーションが切り拓く新時代~i-Construction」といった一昨年から続く生産性革命路線から、今年は「大きく変化する暮らしに寄り添う国土交通行政」を特集したものになっています。
三大都市圏の若者は地方移住に強い関心、ですか。。。うちの子ども(といっても成人ですが)は地方在住だからかやっぱり東京に強い感心がありますけどね。

ともかくも大きく変化する暮らしに対して建設環境分野の技術者としてどのように寄り添うべきか、つまりはどのような課題をどのように解決し、理想とする社会を実現してゆくか?について思いを巡らせてみてください。

こまごましたことは抜きにして、大枠の方向性を把握して、2週間後の試験に臨んでください。

路面電車のある風景
【富山市五福】


報道・広報

三大都市圏の若者は地方移住に強い関心 ~平成29年度国土交通白書を公表~

平成30年6月26日
 今回の国土交通白書では、“大きく変化する暮らしに寄り添う国土交通行政”をテーマに、我が国の人々の暮らしに対する意識を調査し、これらに対応する国土交通省の取組みを紹介しております。

概要

〇 国土交通白書は、毎年度、国土交通省の施策全般に関する年次報告として閣議配布し、公表しているものです。本年は、ライフスタイルに対する国民の意識について、「働き方」「楽しみ方」「動き方」「住まい方」に分けて分析しました。

〇 約5,000サンプルを対象に国民意識調査(アンケート調査)を実施したところ、
  • 三大都市圏に住む各世代のうち特に20代(4人に1人)が、特に地方移住に関心があること(実際に、地方移住を推進する「認定NPO法人ふるさと回帰支援センター」の利用者の年代の推移を見ると、20代の利用者数は10年前の約5倍に増加。)
  • 子育て世代がワークライフバランスを重視していること
  • 全体として、高齢社会を見据えた住まい方、駅や歩道のバリアフリー、自動運転技術などに高いニーズがあること等が分かりました。
また、これらに対応する、全国の空き地・空き家の利活用の促進やバリアフリーによる高齢者等に優しい移動の確保など、国土交通省の取組を紹介しています。

〇 最後に、本白書では、未来に向けて、国土交通行政は、すべての人が輝く社会の実現に向け、安心な暮らし、多様な生き方、充実した人生の実現に貢献する政策に、引き続き取り組んでいくこととしています。

2018年7月1日日曜日

多自然川づくりガイド

7月になりました。いよいよ決戦間近ですね。ここらで気合を入れなおしましょう。
そして必須科目(マークシート)対策として、あらためて過去問をチェックしておいてください。

前々々回だかに多自然川づくりの実施手順について要チェックです、と書きました。
ちょうどいい資料がありましたので紹介します。

北海道の多自然川づくりガイド ~川づくりの評価&事例集Ⅴ~

藻琴川水系【網走郡大空町】

河川ごとにポイントが写真付きでわかりやすく解説されています。
Ⅱ-2の問題を意識して実施手順、検討項目などをチェックしてください。
また、問題Ⅲを意識して技術的課題や対策およびその効果、さらにはリスクや留意点などもチェックしてください。
まっ、試験に関係なく、建設環境の技術者であれば基礎知識、素養を持ちたい内容ですね。