2014年12月17日水曜日

技術士第一次試験 合格おめでとうございます

合格おめでとうございます!

官報で実名をチェックしてみたら、知り合いと思しき人々のお名前がチラホラ散見され、とっても嬉しいです。

条件を満たすひとは来年にはさっそく二次試験にチャレンジしてください!
来年の試験は筆記試験が7月の海の日あたりになるなど、どうやら全体的にスケジュールが早まるらしいです。
早めにスタートしてください。
応援します!

このブログは主に二次試験受験者向けに発信しています。
よかったら参考にしていただいて試験に取り組んでいただけたら幸いです。

次は二次試験です!



2014年12月7日日曜日

口頭試験 2014

またまたご無沙汰しておりました。
この間、SUKIYAKI塾沖縄での口頭試験対策セミナーの開催があり、その準備の合間を縫って筆記試験合格者への直接の指導やアドバイス、セミナー後はアフターフォローとして喫茶店の個室を借り切っての模擬面接や遠方のひととはSkypeで模擬面接などを行うなど、1対1の指導を優先させており、ブログに投稿する余裕が全くありませんでした。
口頭試験に関しては、各々の経歴や業務詳細がぜんぜん違うこともあって、結局、Face to Face の指導が有効ですね。

そんな毎日を駆け抜けてきたのですが、本日、わたしが直接に関わった方たちの試験が全て終わりました。

皆さん、感触も悪くないようでひと安心です。最初はどうなることかと思ったひとも半数近くいらっしゃったので、感慨もひとしおです。

再現記録をみると、その質問内容や進行具合が昨年の試験よりもさらにスマートになっている印象がありますね。
試験内容を知ってしまった今、細部にわたって記述できないのがもどかしいのですが、そんなに意表をついた内容ではないということは言えます。
ブログやその他の巷での情報をたよりに対策をたてておいたらそれ以上のことを訊かれることはないと思います。
だいたい時間が短いですからね。
あっという間ですよ。

受験された皆さん、おつかれさまでした!

そしてこれから口頭試験を受けるひとには以下のアドバイスを送ります。

試験直前の時期は、質疑応答内容を研ぎ澄ますことよりも、
①試験に遅刻しない
②体調を崩さない(風邪をひかない)
この2つを最優先に取り組んでください。

東京は電車の本数が多いのですが、頻繁に止ります。
特にこの師走の時期はすぐに止ります。時間に余裕を持つことと、さらには代替ルートの確保をしっかり行ってください。
会場の下見もできたらしておいたほうが、精神的に落ち着くし、口頭対策に専念できますよ。

体調管理については、試験時間にピークをもってくるように、トップアスリートのつもりで取り組んでください。
先の遅刻対策にもなりますが体調を整えるためにも、アスリートが試合の数日前には選手村に乗り込むように、当日に遠方から移動してくることは避けてください。

今年の筆記試験でのことですが、試験当日、高知県では大雨洪水となり(いわゆる高知豪雨)高知市内では避難勧告が発令されただけでなく、道路の冠水や陥没、山間部では土砂崩れ多発により試験会場(香川県高松市)にたどり着けなかったひとが大勢いたそうです(県庁や市役所職員のかたは災害対応のため受験を諦めたかたも多数いらっしゃったとのこと)。
もちろん救済措置はありません。

坂本龍馬【高知市桂浜】

では!

2014年11月14日金曜日

H25年度からの口頭試験について

ご無沙汰です。忙しいですね。
わたしが知っている筆記試験合格者のかたたちも、業務がとっても忙しいのに、試験本番まで間もないひとが多いようで、精神的にたいへん追い詰められているようです。

あれもこれもやらないといけないし、経歴や小論文の洗い直しが必要なひともいるし、おまけに季節の変わり目で体調を崩してしまったし、と踏んだり蹴ったりな気分になってしまっているひともいるかもしれません。

でもここが正念場です。
人生でもそうそうない濃密な数週間を乗り切りましょう!

これから不定期ですが、口頭試験対策について気づいたことをメモ程度ですが記してゆこうと考えています。

ホームメイドスープで暖まりましょう【恩納村仲泊】

今回は、新試験制度で大きく変わった点を改めて強調しておきましょうか。

1.採点項目が減った
「体系的専門知識」と「技術に対する見識」がなくなりました。
このあたりのことは訊かれなくなったにもかかわらず、この知識対策に時間をかけているひとがまま見受けられます。ムダではないのですが優先順位が違います。
ご自分の経歴業務に絡めた質問はあるとは思いますが、いわゆる一般的な技術に関する質問はありません(既に筆記試験で確認済というスタンスです)。
それよりは、やっぱりご自分の経歴と小論文の論理構成をシッカリとしたものに仕上げることを優先してください。

2.時間が短くなった
H24年度以前では試験時間が30~40分程度のひとがほとんどでしたが、H25年度は多くの受験者がその半分の15~20分程度だったようです。
H24年度以前は10分程度の時間が与えられた自分の経歴と業務内容説明ですが、試験時間が短くなったH25年度では経歴と業務詳細(小論文で取り上げた業務内容)を5分で説明することが求められたひとが多かったようです。
バランスとしては、経歴1分(長くても1分半)、業務詳細を3分半~4分とするくらいがいいでしょうか。

これはまずシナリオをつくって、その流れ(流れです)を頭に入れてから、タイマーで計測しながら、あるいはスマートフォンなどで録音(録画)しながら、実際に声に出して発表してみましょう。
できたら誰か(奥さんとか旦那さんとか彼や彼女などのパートナー的なひと、あるいは会社の先輩や同僚、はたまたご兄弟や中学生以上のお子さんなどの)身近なひと、ホンモノの人間に向けて発表してみるのがイイです。

ご自分の仕事内容を、ご家族や親しいひとにも理解してもらえるまたとない機会でもありますよ。

がんばってください!



2014年10月30日木曜日

筆記試験 合格おめでとうございます!

筆記試験に合格されたみなさま、誠におめでとうございます。
今日という日はこれまでに費やした努力、先輩や仲間たちの協力、身近なひとにかけてしまった迷惑、などに思いを馳せながら、ハレて「合格」の喜びを爆発させてください!

台風一過の増上寺と東京タワー【東京都港区】

体験論文の提出がなくなったかわりに、試験のスケジュールが早まりました。
早いひとでは11月末から口頭試験が始まります。
遅くとも今度の3連休後半くらいからは気持ちを切り替え、口頭試験のそのときまで、なりふり構わず試験対策を最優先に取り組んでください。

ここ沖縄でも口頭試験対策セミナーを開催します。
ぜひご受講ください。
詳細はこちら

わたしの知り合いでこのブログをよく閲覧してくださっているひとからも、合格したとの吉報が朝いちばんに飛び込んできました。
嬉しいですね~

落ち着いたら当ブログの過去に投稿した口頭試験対策ネタもチェックしてみてください。

残念な結果となってしまったかたへ
6月に実施した筆記セミナーでは平成25年度合格者のかたおふたりに「先輩技術士からのアドバイス」というプログラムでご登壇いただきました。
そのときにおふたりとも共通して話されたことは、「合格するまで絶対にあきらめない」ということでした。
あきらめなければ合格できます。
この3か月で十分に休養できたはずです。
できるだけ早い時期から勉強をスタートさせてください。
筆記試験まで残すところ9か月です。これまでの3か月を3回くりかえしたら、もう明日は筆記試験当日がやってきます。

頑張ってください!


2014年10月26日日曜日

そろそろ次のステージへ移る心の準備を始めましょうか

たいへんご無沙汰していました。
忙しいといえば忙しいのですが、それよりもオッと目を引く行政資料がなかったので投稿していませんでした。

セマルハコガメ【石垣島】

いよいよ試験結果の発表が近づいてきましたね。

見事に合格していた場合には、ぜひとも模擬面接を受けてください。
それも何回も何回も面接してもらうべきです。
SUKIYAKI塾でも開催します。

われわれ沖縄でいごの会では11/24の休日に開催します。
お近くのひとはぜひ参加ください。
筆記セミナーとちがって定員がありますのでお早めに!
詳しくはこちら

日程的に都合が合わないひと(やもっと繰り返し受けたいひと)には、APECさん独自で行っている面接も例年ありますし、そのほか身近な技術士のひとにお願いしたらいいですよ。

試験までに準備したその厚みが、試験本番で味方になってくれるんです。
やはり誰にもアドバイス受けずに独りよがりになっていると、試験官もすぐにアラを見抜きます。
複数回面接したらそれだけ複数人の技術士によるアドバイスで独りよがりでないチームとしての迫力が出てくると思うんです。

試験のときはひとりぽっちなのは当然ですが、それこそこれまでともに意見を交わした仲間や指導してくださった技術士のひとらが結集した団体で闘っているということ、その最前線に身を置いているということがきっとわかると思います。

それでは合格発表のそのときまで、口頭試験対策のスケジュール確認と気持ちの準備を始めてください。

では、また!

2014年9月7日日曜日

建設リサイクル推進計画2014

試験以来、ご無沙汰しておりました。
もう9月の、しかも第2週になったんですね。
時がたつのは早いです。

わたし自身としてはまだ筆記試験の余韻が冷めやらないのですが、SUKIYAKI塾では早くも全国各地で開催される口頭セミナーの日程調整が行われています。
沖縄での開催が決定次第、お知らせいたしますね。

で、今の段階では特に試験対策らしい対策はやることないわけですが(する必要もないですね)、建設環境分野の時事ニュースは小まめに拾い読みを続けていると、冬の口頭試験や来年夏の筆記試験に役立つ自力を養ってくれると思います。

というわけで、今日は「建設リサイクル推進計画」について紹介いたします。
今年は記述問題としては出題されなかった「建設リサイクル」ですが、昨年までは2年連続で出題されていることから、来年以降の近い将来に再度出題される可能性は高いと踏んでいます。
その参考になる資料が発表されました。
さきにも書きましたが、現段階では教養程度に概要を軽くチェックしておく程度でよいと思います。

リン鉱石貯蔵庫跡【北大東島】

「建設リサイクル推進計画2014」の策定について

平成26年9月1日
 国土交通省は、これまで建設リサイクルや建設副産物の適正処理を推進するため、建設リサイクル推進計画を定期的に策定してきました。
 社会資本整備審議会環境部会・交通政策審議会交通体系分科会環境部会建設リサイクル推進施策検討小委員会(委員長:嘉門雅史京都大学名誉教授)が今後中期的に取り組むべき「建設リサイクル推進に係る方策」を平成26年8月13日にとりまとめ、ご提言頂いたところです。 
 今般、国土交通省は「建設リサイクル推進に係る方策」を受け、建設リサイクルの推進に向けた基本的考え方、目標、具体的施策をとりまとめた「建設リサイクル推進計画2014」を策定しましたので公表いたします。 
 本計画は、国や地方公共団体から民間事業者も含めた建設リサイクルの関係者が今後中期的に建設副産物のリサイクルや適正処理等を推進することを目的としており、関係業団体などを通じて本計画の周知を図ってまいります。 
 今後、目標の達成状況及び取組み・施策の実施状況のフォローアップ等にあたっては、適宜「建設リサイクル推進施策検討小委員会」からご助言等を頂き、効果的な施策の実施を図っていく予定です。

   <建設リサイクル推進計画2014のポイント> 
    ・建設副産物の物流状況を毎年モニタリングし、現場分別・再資源化・再生資材利用が不十分な者に対して、その促進を要請。
    ・建設発生土の官民一体となったマッチングを強化し、その有効利用を促進。
    ・建設副産物の再資源化率等に関する平成30年度目標値を設定し、建設リサイクルを一層推進。

2014年8月7日木曜日

技術士第二次試験 選択科目Ⅲ-2 インフラ更新と環境配慮

試験問題の最後は、インフラ更新時の環境配慮についての問題でした。

Ⅲ 次の2問題(Ⅲ-1,Ⅲ-2)のうち1問題を選び解答せよ。(解答問題番号を明記し,答案用紙3枚以内にまとめよ。)

 Ⅲ-2 我が国の社会資本ストックは,高度経済成長期などに集中的に整備され,今後急速に老朽化することが懸念されている。今後,真に必要な社会資本とのバランスを取りながら,如何に戦略的に維持管理・更新を行っていくかが問われている。同時に,この様な社会資本の更新の機会を捉えて,自然環境や生活環境などへの配慮の取組を実施する必要がある。このような状況を踏まえ,以下の問いに答えよ。

(1)社会資本の更新事業を1つ想定し,その概要を説明せよ。また,その更新事業を計画,実施する際に環境への配慮を図る観点から検討すべき課題を,多面的な視点から複数挙げ,その内容について述べよ

(2)上述した検討すべき課題のうち,あなたが最も重要と考えるものを1つ挙げ,その理由を説明するとともに,解決するための技術的提案を示せ

(3)あなたの技術的提案がもたらす効果を具体的に示すとともに,想定されるリスクについても記述せよ。
ボトルネックを忘れるな【那覇市栄町商店街】

総監のほうも人口減少・高齢化社会を見据えたインフラ更新計画についての問題でした。
他部門や他科目でもこのテーマで出まくっていたようですね。

昨年末(2013年12月31日)の投稿で取り上げた
「今後の社会資本の維持管理・更新のあり方について」答申(本文)(PDF形式)PDF形式
で示された10の基本的な考え方の5つめに「豊かな暮らし・環境や活力のある経済社会を実現するための維持管理・更新」というのがあります。
回答論文の作成に参考となる具体的なネタはありませんが、本問題の前段と同内容の方向性が示されています。ここをもっと深堀すればよかったですね。
いずれにしてもつい総監目線で見てしまうクセが抜けきれなくって頭の整理が難しいですがⅢ-1と同様に、

(1)多面的な視点を持っていることをアピールしておく必要があります。
更新に限らずインフラ整備というものは、われわれの生活利便性や安全性の維持/向上と環境(自然環境・生活環境)保全とのトレードオフの関係にあります。
このトレードオフをイイ塩梅のバランスで配慮する方向性を記述できたらバッチリだと思います。
さらに時間軸として、現在の状況と将来予測される社会状況についても忘れずに書いてください。

(2)上記のトレードオフ課題のうち、1つを取り上げて、その取り上げた理由と、その解決策を書くわけですが、これは建設環境分野の専門技術によってイイ塩梅のバランスで配慮できる解決策がバッチリですよね。
課題は、利便性・安全性・低コストのほうを優先させるか、環境(自然・生活環境)保全を優先させるか、はたまた優劣つけずに柔軟に対応させるのかはケースバイケースですので、いずれの課題にしてもそのケースの設定(優先させる根拠)を示す必要があります。
環境配慮は、環境の保全だけでなく、失われた環境を創出(再生)という方策もあります。
昔のインフラ整備によって劣化した地域の環境を、インフラ更新時に復元する」なんてのもウケがよさそうです。

いずれにしても1つ取り上げた課題の技術的提案を書く際には、問題点の抽出を忘れずに。
ボトルネックを忘れるなです。

(3)効果の具体例は「イイ塩梅」の実例を示すところです。
想定されるリスクは、留意点ともなるわけですが、
◆◆のリスクが想定されるので、●●する際にはコレコレに留意する。
この場合のリスクというのは、イイ塩梅のバランスを崩すリスクです。
インフラ整備に注力するあまり許容できないほどの環境悪化を引き起こしてしまう、あるいは環境保全に気を使うあまり肝心のインフラの安全性が確保されないとか。。。

今年は昨年以上に燃える設問(試験官からの質問状)でしたね~
もっといっぱい書きたい気分ですが、これで筆記試験の問題文に関する投稿は終わります。

最後に、
昨年の口頭試験の様子をうかがうと、ほとんどのひとは筆記試験の内容については質問はなかったとのことですが、そうはいっても筆記試験論文の再現はしておいてください。
勉強になることこの上ないし、来年以降につづく後輩の糧になるわけですし、残念な結果になった場合にはご自分のいちばんの糧になるわけです。
そしてわたしのような添削指導するものにとっての糧にもなります。
論文の再現はぜひとも今週中には終わらせてくださいネ。

追伸
沖縄は明日からお盆が始まります。
今年は8~10日が旧盆期間で、8日はウンケー(お迎え)、翌9日がナカヌヒー(中の日)、そして最終日の10日がご先祖を送るウークイ(お送り)です。
県内各地(特に中部)ではエイサーの道ジュネーがそこかしこで盛んに行われ、石垣島ではアンガマという行事があります。

では!

2014年8月6日水曜日

技術士第二次試験 選択科目Ⅲ-1 防災減災と生物多様性

問題Ⅲは課題解決問題です。
1つめは防災減災対策事業における生物多様性保全への配慮、2つめはインフラ更新時の環境配慮についての問題でした。

建設環境にはなかなか絡みにくいとされていた防災減災と老朽インフラの更新ネタで来ましたね!国交省白書のテーマをそのまま放り込んできました!

いま建設部門の技術者が社会から求められている2大分野が「防災減災」と「インフラ更新」でありますけれども、それに対して建設環境の技術者としてあなたはどう取り組むべきだと考えているのか?
を試験官から問われているわけです。

●防災減災を進めながら生物多様性の保全をどのように図っていくべき?
●老朽化したインフラを適宜更新するに際して、環境への配慮はどうあるべき?

問題を読んだときは、建設部門の端くれ技術者のひとりとして、正直、武者震いしましたねえ。

回答にあたってはもちろん論理的に矛盾なく整理する冷静さがたいへん重要だとは思いますが、こういった問題に対しては(微熱程度には)情熱的な熱い技術者魂を試験官にぶつけたいところです。

1つめは「生物多様性」と絞られていますが、2つめは「自然環境や生活環境」と対象がぼかされています。もちろん2つめのインフラ更新時に生物多様性の保全に配慮するネタを展開してもいいわけです。

2014年4月14日に投稿した美しい山河を守る災害復旧基本方針【ガイドライン】、「確実に出ますよ」といろんなひとに吹聴していたわけですが、災害復旧に際して生物多様性に配慮するという具体策を防災減災対策工事やインフラ更新事業にはめかえればいいんじゃないでしょうか。

美しい山河を守る災害復旧基本方針【ガイドライン】


Ⅲ 次の2問題(Ⅲ-1,Ⅲ-2)のうち1問題を選び解答せよ。(解答問題番号を明記し,答案用紙3枚以内にまとめよ。)

 Ⅲ-1 大規模な津波・高潮・洪水等の自然災害に対する備えとして,事前防災・減災を推進することが必要となってきている。一方,我が国の生物多様性の損失はすべての生態系に及んでおり,今後は,自然と共生できる事前防災・減災を進めていくことが重要になると考えられる。このような状況を考慮し,以下の問いに答えよ。

(1)事前防災・減災の取り組みを進めながら生物多様性の保全を図るために検討すべき事項を多面的に記述せよ

(2)(1)の検討すべき事項からの中から,生物多様性の保全を図る上で,あなたが最も重要と考えるものを,他の事項との比較を行った上で1つ挙げ,その理由を論述せよ

(3)(2)で挙げた事項に対する技術的課題を2つ挙げ,それぞれについて,解決するための技術的提案を具体的に述べよ


【大宜味村津波】

それにしてもどちらの問題も「多面的」に記述することが求められています。
多面的ってどんな面かと戸惑うわけですが、
防災減災対策、インフラ更新ともに、われわれの生活利便性(安全性)と自然環境(生物多様性)はトレードオフの関係にあります。
ここらあたりのことに言及して、イイ塩梅のバランスで配慮する内容を記述できたらバッチリだと思います。

なお、防災減災については、生態系を基盤とした方策も注目されてきているようです。
用い方が難しいかもしれませんが、こういった方策もあるよ、と多面的に考察するネタにも利用できますね。
生態系を基盤とした防災・減災(Eco-DRR)をめぐる国際的動向

では!

2014年8月5日火曜日

技術士第二次試験 選択科目Ⅱ-2-2 土壌汚染対策

もうひとつの選択肢は、改正された土壌汚染対策法に関するものでした。

沖縄では米軍基地の返還に伴って、燃料からくる油ですとか、果てはカドミウム、水銀、PCB、鉛、ヒ素などの有害物質による土壌汚染が発覚することが頻繁にあります。
しかしこれは自然由来とは言えませんので、こっちの設問を選択したひとは沖縄会場にはいなかったのではいかと推察します。
わたしもハッキリ申し上げて門外漢なので、以下、問題文を転記するとともに、参考までに出題のもとになったと考えられるマニュアルへのリンクを貼っておくにとどめます。

建設工事における自然由来重金属等含有岩石・土壌への対応マニュアル

そういえば、択一のほうでも土壌汚染対策法が出ていましたよね(問題文に記載ミスがありました)。
土壌汚染対策法は環境部門の範疇という勝手な思い込みがわたしのなかではあったのですが、建設環境もこれから要注意ジャンルとなったわけですね(わたしの認識が甘かっただけです)。

【石川県金沢市 近江町市場】

Ⅱ-2 次の2設問(Ⅱ-2-1,Ⅱ-2-2)のうち1設問を選び解答せよ。(解答設問番号を明記し,答案用紙2枚以内にまとめよ。)

 Ⅱ-2-2 公共事業の実施に当たって,自然由来の土壌汚染が確認された。当該工事における土壌汚染対策の責任者として業務を推進するに当たり,以下の問いに答えよ。

(1)想定する事業概要立地条件及び具体的な土壌汚染の内容について記せ

(2)本工事においては,近隣に処理事業者や処分場が無い。この条件下で対策を選定する手順を述べよ

(3)上記の手順で選定された措置,その選定理由及び実施上の留意事項について述べよ

次回はいよいよ選択科目Ⅲです。
では!

2014年8月4日月曜日

技術士第二次試験 選択科目Ⅱ-2-1 計画段階配慮書

試験が終わっての投稿第2弾。
早くもたくさんのかたが訪れてくださってますね。
マイナーと言われることもある建設環境が注目されるのは嬉しいです。

今回は「選択科目」に関する応用能力について試される選択科目Ⅱ-2です。
昨年はほとんど出題形式が同じだったので2つまとめて掲載しましたが、本年は毛色が違う2問でした。
というわけで、今回はひとつめの問題を取り上げます。

Ⅱ-2 次の2設問(Ⅱ-2-1,Ⅱ-2-2)のうち1設問を選び解答せよ。(解答設問番号を明記し,答案用紙2枚以内にまとめよ。)

 Ⅱ-2-1 山間部を事業実施想定区域とするある建設事業が計画されており,あなたは,この事業に係る計画段階配慮書手続を実施することとなった。
 建設事業及び,当該事業に関し調査,予測,評価を行う計画段階配慮事項(本設問では,事業完了後の環境影響に係る事項とする。)のうち特に重要と思われるものを1つ想定した上で,当該業務に関する以下の問いに答えよ。

(1)あなたが想定した建設事業の概要計画段階配慮事項を挙げよ

(2)建設事業の事業特性,事業実施想定区域及びその周辺の地域特性に言及しつつ,(1)で挙げた計画段階配慮事項を選定した理由を述べよ

(3)事業特性,地域特性を踏まえつつ,(1)で挙げた計画段階配慮事項に係る調査の手法について具体的に説明せよ

(4)(1)で挙げた計画段階配慮事項に係る調査,予測及び評価の結果を,それ以降の建設事業の具体化や環境影響評価手続きにどのように反映・活用するのか,反映・活用場面を1つ挙げ,その内容を概説せよ


複数案を検討した環境アセスを経た事業【那覇空港滑走路増設事業】

建設環境分野の技術者が建設事業のなかで業務上いちばん活躍するジャンルといえる、環境アセスや環境調査、環境保全措置に関する手続きや手順が昨年度に引き続き今年も問われるとは思っていましたが、昨年に改正法が施行されたばっかりの計画段階配慮書手続きについてのものでしたね!

以前より戦略的環境アセスメントに関する出題があったのでもしかしたら出るかもなと踏んでいたのですが、予想以上に具体的で詳細な要求に驚きました。
(1)~(4)まで書くべき内容が細かく指定されているので、そのまま素直に問われたことに対して返答すればいいだけですね。
どうせ回答用紙が2枚しかないので、項目だてをキッチリしていったらあまりたいそうな展開はできないわけです。
訊かれたことに答えるだけで良さそうです。
もし、すぐには書くことが思いつかなくても、強引に「わたしが想定した事業や地域ではこれが重要なんだ」という気迫で無理やり乗り切れるんじゃないでしょうか(←勝手な憶測デス)。

計画段階配慮書手続きに取り組んだ経験のあるひとはほとんどいないと思うわけですが、環境アセス(ミニアセス、自主アセス含む)や環境調査には何らかの形で携わった経験があるはずです。

①自然環境(生物多様性)、生活環境、景観、人と自然との触れ合い活動など、ご自分の得意分野(これは「専門とする事項」に記入したジャンルと合致するものが望ましいです)に関する、
②これまでに携わったあるいは経験はなくとも知識のある山間部での環境アセス(ミニアセス、自主アセス含む)を1つ取り上げて、
③事業により重大な影響を及ぼす恐れのあるネタ(山間部といえばわたしには猛禽類しか思い浮かびませんが。。。)を念頭に、
③実際に配慮したこと、あるいは配慮すべきだったと後に悔やまれたことなどをピックアップして、
④その事業が始まる前の段階(あるいは計画段階)に時間を巻き戻して、
⑤計画段階配慮書作成に係る調査等の手法(戦略的環境アセスの手法でいいです)を整理、
これはとにかく「複数案」がキーワードですよね。そのほか事業取りやめ案も複数案のひとつに入れるとか。ただし事業取りやめ案に重きを置く記述は避けましょう。書くとしても触れる程度にしておくべきです。なんといっても建設部門なので。。。
⑥反映・活用場面については、事業の計画段階でこんな配慮(複数案の検討)ができると、環境への影響を最小化、回避低減できる、とかそんなことを書けばいいんじゃないでしょうか。
これは実際の皆さんの経験で、配慮(事前に複数案の検討)をしたから環境が保全できたとか環境影響を回避・低減できたとかいうネタを(もちろん回答した想定事業に合わせて)利用すればいいと思います。
実際には配慮(事前に複数案の検討を)していなくても、配慮すればこれこれこうよかったという経験があればそれをアレンジすればいいです。
★もちろん計画段階の話なので、事業計画(範囲・位置・規模・期間・時期)が変更になるようなネタにしてください。

計画段階配慮手続に係る技術ガイド

では!

2014年8月3日日曜日

技術士第二次試験 選択科目Ⅱ-1

筆記試験、お疲れさまでした。
四国ではたいへんな大雨に見舞われているようですが、ここ沖縄では昨年に引き続き台風の影響もなく(数日前にかすっただけでした)、ふつうに暑いさなかで試験が実施されました(室内はもちろんクーラー完備で、今年はやや寒かったかもしれません)。

皆さん、どうだったでしょうか。

記述問題の設問内容については昨年同様に建設環境の王道を行く出題分野だったですね。
要求レベルも順当だったし、出題方法も昨年と変化はなかったので、昨年度試験を踏まえていればそこそこ準備できたのではと想像します。

今年も試験監督をしたのですが、昨年に比べて記入ミスの答案も少なく、安堵しました。
添削等で関わった受験生のひとからも連絡が入り、控えめながら自信のほどが伺える文面でしたので嬉しく思っています。
10月30日が早くも待ち遠しいですね~

まずはクールダウン【那覇市牧志公設市場】

それでは以下に、試験問題(記述もの)を振り返ってみましょう。

まず、専門知識の4つの設問から2問を選ぶスタイルでした。
  • 生物多様性の4つの危機
  • ヒートアイランド現象
  • 循環型社会
  • 下層DO
全部、建設環境の王道ネタなので、サプライズはなしですね。
特徴としては、ただ上記の内容を説明させるのではなく、それぞれ「建設分野」との絡み具合を書かせるよう仕向けていましたね。
この辺の建設分野との関係を表現できると、誰が読んでもA評価論文になると思います。

唸ったのは4番目の下層DOですね。
昨年は選択Ⅲの課題解決問題で出題された湖沼や閉鎖性水域の水質分野からの問題が、今年は選択科目Ⅱ-1で登場しました。
しかも巷でひそかに話題の下層DOが取り上げられました!
これは以前に紹介したネタ(2014年2月18日投稿)でもありましたので、それを読んでくださっていたらもしかしたらズバリ賞だったのではないでしょうか。
下層DO及び透明度の環境基準設定に向けた動き


9-11 建設環境【選択科目Ⅱ】
Ⅱ 次の2問題(Ⅱ-1,Ⅱ-2)について解答せよ。(問題ごとに答案用紙を替えること。)

Ⅱ-1 次の4設問(Ⅱ-1-1~Ⅱ-1-4)のうち2設問を選び解答せよ。(設問ごとに答案用紙を替えて解答設問番号を明記し,それぞれ1枚以内にまとめよ。)

Ⅱ-1-1 「生物多様性国家戦略2012-2020」において示されている生物多様性の4つの危機について,それぞれの危機を引き起こす要因と生物多様性への影響を説明せよ。
 また,4つの危機のうち建設分野に関係の深いものを1つ選び,先に示した危機を引き起こす要因を対象に,必要と思われる対策の概要を述べよ。

Ⅱ-1-2 ヒートアイランド現象の原因と考えられるものを3つに大別して,それらについて概説せよ。また,それぞれの原因を緩和するための建設分野における具体的対策を述べよ。

Ⅱ-1-3 平成12年に「循環型社会形成推進基本法」が公布され,社会資本整備の面からも循環型社会の構築が進められているところである。本法制定の背景を2つ述べよ。
 また,建設分野において,循環型社会の構築に重要と思われる施策とその概要を2つ述べよ

Ⅱ-1-4 湖沼や閉鎖性内湾の環境を表す指標として,下層溶存酸素量(以下,「下層DO」という。)が重要であるとの認識が高まってきている。下層DOが環境を表す指標として重要となってきた理由について述べよ。対策の原理が異なる下層DO改善に係わる対策を2つ挙げ,それぞれの対策の原理を説明せよ。

Ⅱ-2は次回とします。

では!

2014年7月27日日曜日

平成25年度試験の失敗例

いよいよ試験本番が近づいてきました。
あとはこれまで培ったものを本番で発揮できるよう、体調面を中心に、その環境を整えることに専念しましょう。

昨年度から出題方法が大きく変わりました。
それに翻弄され、多くの受験生が悔しい想いをすることになりました。
今年の試験に生かすべく、試験から数日後に以下のようなメモ書きを残しました。

試験から早くも1週間が経ちました。
この間、択一問題の正解探り、選択問題の解読、解答ミスの告白、などの情報が飛び交い、試験中のあの静かな教室とは打って変わって、たいへんに大賑わいでした。
それにしても目立つのは問題文読み間違えミスが多いことです。
今回試験の不合格要因の上位にランクされるのではないでしょうか。
  • 2問選択すべきところを1問しか選択しなかった
  • 解答用紙1枚で記述すべきところを2枚書いてしまった
  • 解答問題番号を記入し忘れてしまった
どの問題に取り組むかを決めたら、その次は「問題文で回答することが求められている部分をシッカリと読む」これが非常に重要です。

指定(~について回答せよ)規定(~枚以内で書け)

上記の試験官からのリクエストを無視しては合格は到底望めません。
自分勝手な「思い込み」、これがいちばんの敵なのだと思います。

落着いて、まずは問題文をしっかり読んでください。
1回目は問われている指定内容について
2回目はその回答方法の規定内容について

決戦前夜

今年だって「昨年と同じ」かどうかはフタを開けるまでわかりません。
出題者側だって、昨年の反省を踏まえて今年は変えてくるかもしれないからです。
どんな問題形式であろうとも、それに動じずに対応できる精神力と技術力を備えたいものです。

頑張ってください。

2014年7月7日月曜日

低炭素・資源循環・自然共生政策の統合的アプローチ

7月最初の週末が終わりました。勉強は捗りましたでしょうか。
試験までひと月を切ったこのタイミングで、なかなか渋い資料が発表されました。
環境部門の受験生は必読です。
建設環境のひとは興味があったら手に取ってみてください(←そうは言ってもとても興味深い内容ですよ)。

現状(と課題)→3つのビジョン(方向性)→6つの基本戦略(問題点と解決策)

がわかりやすくまとめられています。

沖縄は今夜から超大型の台風が来襲するようです。
地球温暖化のシナリオにあるように、台風が大型化しているのでしょうか。
どうなりますか。。。。

燐鉱石貯蔵庫跡【北大東島】

報道発表資料

平成26年7月4日

「低炭素・資源循環・自然共生政策の統合的アプローチによる社会の構築 ~環境・生命文明社会の創造~ 」(中央環境審議会意見具申)について(お知らせ)

 第4次環境基本計画の中心的な理念である「低炭素・循環・自然共生政策の統合」をより具体化するものとして、今後の環境政策の方向性を示す意見具申が中央環境審議会より本日なされました。
 これは、4月に開催された中央環境審議会総会において提案があり、議論を経て6月17日の総会において取りまとめられたものです。

平成24年に閣議決定された第四次環境基本計画では、「安全の確保を前提として、低炭素・循環・自然共生の各分野を統合的に達成すること」がその主要課題でありました。
しかし、環境行政全体として、低炭素、資源循環、自然共生はそれぞれ個別に議論される傾向があったことから、大局的な視点から、統合的に、より強力に進めていくべきということで、4月17日に開催された中央環境審議会総会において、「低炭素・資源循環・自然共生政策の統合的アプローチによる社会の構築」が提案されました。
その後の議論を経て、6月17日の中央環境審議会総会において、環境政策の中長期的な基本戦略に関する取りまとめとして了承され、本日付けで、中央環境審議会会長より環境大臣あてに意見具申がなされたものです。
 環境省においては、本意見具申を踏まえ、今後の環境政策を適切に推進してまいります。 
添付資料

2014年7月5日土曜日

国土のグランドデザイン2050

以前にも紹介した国土のグランドデザインものの最新リリース版です。
(当たり前ですが)国交省白書とも同じ方向性なので特段に新しいネタではありませんけれども、回答論文中で中長期的な未来の話を展開するときには、具体的な年号である「2050年を見据えた国土づくり」とかなんとか書いてみるといいんじゃないでしょうか。
白書の第1部にはこれからの社会インフラ整備にあたっては「将来を見越す」という視点が重要だととシツコク記述されています。
技術士に相応しい技術者の資質として「将来を見越せる」ことが求められていると感じます。

※しかし「対流促進型国土」の形成ってところがいまいちよくわかりませんでした。。。。。。

池間大橋【池間島】

「国土のグランドデザイン2050」の公表について
   ~対流促進型国土の形成に向けて~

平成26年7月4日
 平成25年秋から検討を進めてまいりました、新たな「国土のグランドデザイン」に関し、今般、「国土のグランドデザイン2050~対流促進型国土の形成~」としてとりまとめましたので、お知らせします。
 「国土のグランドデザイン2050」は、急速に進む人口減少や巨大災害の切迫等、国土形成計画(平成20(2008)年閣議決定)策定後の国土を巡る大きな状況の変化や危機感を共有しつつ、2050年を見据えた、国土づくりの理念や考え方を示すもので、これまで9回にわたる有識者懇談会を開催するなどしてとりまとめたものです。

【添付資料】
 別添1 「国土のグランドデザイン2050」概要
 別添2 「国土のグランドデザイン2050」
 別添3 「国土のグランドデザイン2050」参考資料
       (人口関係参考資料)

※添付資料及び有識者懇談会の開催概要は国土交通省ホームページに掲載しています。
  http://www.mlit.go.jp/kokudoseisaku/kokudoseisaku_tk3_000043.html


2014年7月4日金曜日

持続可能な島嶼社会

環境省の報道発表にもありました「持続可能な島嶼社会の発展に関する専門家会議」が先月末に沖縄県は恩納村にあります沖縄科学技術大学院大学で開催されました。
なんと、わたしの知り合いのSUKIYAKI塾講師のかたが携わった国際会議なんですよ。

主催が環境省ということもあって、建設環境というよりも、環境部門の受験生にとっては必修の内容ですが、建設環境のみなさんも添付資料としてリンクされた議長総括をぜひチェックしておいてください。

持続可能な社会を築いてゆく上での課題、さらには島嶼ならではのさまざまな課題が取り上げられています。
ここらあたりの小ネタ(←記述論文作成するうえでの小ネタという意味です)を絶妙なタイミングで回答論文に挿入できると、文句ナシでA評価レベルの信用が得られると思います。

川平湾【石垣島】

報道発表資料

平成26年7月1日

「持続可能な島嶼社会の発展に関する専門家会議 ~自然あふれる美ら島づくりをめざして~」の結果について(お知らせ)

 「持続可能な島嶼社会の発展に関する専門家会議」が、6月29日及び30日にかけて、沖縄県(沖縄科学技術大学院大学(OIST))にて開催された。
 この会議では、チャンドラ南太平洋大学副学長(フィジー)のほか、島嶼国の環境問題に関する国内外の専門家等10か国から200名を超える参加者を得て、島嶼国が共通に抱える課題や具体的な取組について、徹底した議論が行われた。
 会議冒頭に、環境省から、OIST、琉球大学、南太平洋大学を中核として、アジア太平洋地域の大学・研究機関が連携し、更なる研究への展開を図ることを目的として、島嶼国研究者によるネットワークの設立が提案され、賛同を得た。
 また、この会議の成果として、島嶼国研究者によるネットワークの下、沖縄を拠点として島嶼国の環境保全の知見の共有や研究の進展について報告し議論する必要性などを強調した議長サマリーが取りまとめられた。
1. 日程:平成26年6月29日(日)、30日(月)
2. 開催場所:沖縄科学技術大学院大学(OIST)
3. 会議の結果概要
 会議冒頭に、環境省地球環境局長より、我が国と島嶼国との協力をさらに強化するため、OIST、琉球大学、南太平洋大学を中核として、アジア太平洋地域の大学・研究機関が連携し、更なる研究への展開を図ることを目的として、島嶼国研究者によるネットワークの設立を提案し、多くの参加者から歓迎の意が表された。また、チャンドラ南太平洋大学副学長より、海面上昇など島嶼国の持続可能性に関する特有の課題と、その解決のために人材及び研究の能力向上の重要性を述べた基調講演が行われた。
 その後、サンゴ礁の保全などの自然環境の保全、沖縄・島嶼国における地球温暖化対策、適正な廃棄物の処理、自然生態系を活用した防災・減災・適応についての分科会や持続可能な開発のための教育(ESD)の取組に関するサイドイベントが開催され、専門家による徹底した議論が行われた。
 また、適応分科会において、冒頭、石原環境大臣は、適応対策の重要性及びこれらの経験をアジア太平洋地域を中心とする各国と共有し、国際的な取組みを推進していく旨述べた。
 会議の最後に、島嶼国研究者によるネットワークの下、沖縄を拠点として島嶼国の環境保全の取組が一層進展することの必要性を強調した議長サマリーが取りまとめられた。
4.会議HP
< http://www.env.go.jp/nature/biodic/ecdisso2014/>
5.添付資料:議長サマリー(日本語)
添付資料



2014年7月3日木曜日

8章 美しく良好な環境の保全と創造

国土交通白書ネタです。
白書が閣議決定されてネットにアップされましたが、老朽化した社会インフラの維持管理更新がテーマでしたね。
表立っては建設環境にあまり関連がないテーマですので、まずは8章の美しく良好な環境の保全と創造のところをよくよく見ておきましょう。
ここから試験問題がザクザク出ることと思いますので、用語や文節など、体に叩き込んでおいてください。特に、第1~4節、第6節が重要です。

8章 美しく良好な環境の保全と創造
第1節 地球温暖化対策の推進
第2節 循環型社会の形成促進
第3節 豊かで美しい自然環境を保全・再生する国土づくり
第4節 健全な水循環系の構築
第5節 海洋環境等の保全
第6節 大気汚染・騒音の防止等による生活環境の改善
第7節 地球環境の観測・監視・予測

浜辺の茶屋【南城市】



2014年7月2日水曜日

国土交通白書2014

筆記試験まであとひと月となりました。総仕上げ月間ですね。
ちょうどこのタイミングで国土交通白書が閣議決定され、さっそくにHPにアップされました。
平成25年度国土交通白書

建設部門最重要課題である、インフラ施設の維持管理・更新について取り上げられています。
この分野は建設環境とは直接には絡みにくいですよね。
ですが一応、念のために建設部門の一般教養として流し読みでもいいので確認しておいてください。
そして社会インフラの維持管理更新やインフラの老朽化対策について、建設環境分野からどのように貢献できるのか、あなた自身で考えてみてください。
建設部門の技術士としてふさわしい技術者なら、自分の意見を持っていてしかるべきものだと思います。

老朽化した橋【名護市呉我】
産経ニュース

政治

社会インフラの老朽化対策に民間資金の活用促す 25年度版国土交通白書
2014.7.1 10:52
 政府は1日、平成25年度版の国土交通白書を閣議決定した。これからの社会インフラの維持管理や更新についてクローズアップしており、今後急速に老朽化が進むインフラを維持管理、更新するには、PFI(民間資金活用による社会資本整備)などの方法で民間の資金やノウハウを活用していくことを求めた。
 白書では日本の競争力強化や経済成長には、既存の社会インフラの機能を向上させるような使い方の工夫が重要とした。例として道路施設「道の駅」に観光のほか、福祉や防災などの機能を強化する取り組みを紹介。高速道路では、割引料金による迂回路への誘導などで混雑の緩和を促す活用を提示。地方公共団体の文教施設や保健施設などを統廃合することによる、都市構造の集約化も必要とした。
 また老朽化対策を含めた公共施設の建設や維持管理、運営については、PPP(官民連携事業)やPFI(民間資金活用による社会資本整備)といった手法で、民間の資金やノウハウを一層活用していくことが重要とした。
 2月に国交省が全国約3千人を対象に行ったアンケートでは、老朽化していくインフラに対する不安を感じる層が76・2%と、23年2月の前回調査(60・7%)から上昇した。
 米国では、1980年代にインフラの老朽化が深刻な問題となり、新規事業と維持管理をバランス良く組み合わせて対応してきたという。

2014年7月1日火曜日

環境白書2014

沖縄地方は梅雨が明け、本格的な夏を迎えています。一言でいえば暑いです。
現地調査等の野外活動の際には熱中症対策に十分に気をつけないといけませんね。
特に試験前は体調等を崩すと元も子もありません(サッカー日本代表のように実力を発揮できないと大変なことになってしまいます)。

船浦海中道路にて【西表島】

閣議決定からひと月ほど経って、ようやく環境省HPに最新版の環境白書が掲載されました。
平成26年度版環境白書
地球温暖化の最新動向など、チェックしておいてください。

報道発表資料

平成26年6月6日

平成26年版環境白書・循環型社会白書・生物多様性白書について(お知らせ)

 平成26年版環境白書・循環型社会白書・生物多様性白書は、本日6月6日(金)に閣議決定され、国会に提出されました。
1.平成26年版環境白書・循環型社会白書・生物多様性白書の概要
 今回の白書は、「我が国が歩むグリーン経済の道」をテーマとし、東日本大震災の被災地における環境回復のための取組に加え、地球温暖化をはじめとする環境問題への対応と、経済成長の両立を目指すグリーン経済の重要性について示すとともに、これを実現する環境技術や環境金融等の取組を紹介しています。
2.白書の閲覧及び市販版等の入手方法について
(1)環境省ホームページ等への掲載
 環境省ホームページ(http://www.env.go.jp/policy/hakusyo/)に、「平成26年版環境白書・循環型社会白書・生物多様性白書」、「平成26年版図で見る環境白書・循環型社会白書・生物多様性白書」を6月下旬に掲載予定です。
 なお、一般的なタブレット等で閲覧可能な電子書籍版(EPUB形式)は、6月下旬より全国官報販売協同組合のホームページから無料でダウンロードすることができます。
(2)市販版の入手方法
 「平成26年版環境白書・循環型社会白書・生物多様性白書」は政府刊行物センターや政府刊行物取扱書店などで購入できます(1部2,380円(税別:予価)(※店頭に並ぶのは6月下旬になります。))。
 市販版の入手方法等については、発行元の日経印刷株式会社第三営業部まで、お問い合わせください(電話番号:03-6758-1013)。
3.今後の普及啓発について
 白書の内容を広く国民に普及させることなどを目的として、以下のとおり、「白書を読む会」の開催や冊子の発行等を予定しています。
(1)「白書を読む会」の開催
 環境省では、今年の白書について、テーマやねらいなどを執筆担当者が直接説明を行う「白書を読む会」を全国8か所で開催予定です(入場無料)。
 「白書を読む会」の開催日程については、後日、環境省及び各地方環境事務所のホームページ等においてお知らせします。
(2)「平成26年版図で見る環境白書・循環型社会白書・生物多様性白書」
 本白書の内容を100頁程度に要約・編集した冊子です。購入を希望される方は、日経印刷株式会社が実費(1部333円(税別:予価、振込手数料・送料別))で、6月下旬より頒布を行いますので、上記2(2)の日経印刷株式会社第三営業部までお問い合わせください。
(3)「こども環境白書」
 小学生向けに、環境白書の内容を、よりやさしく説明した小冊子を今後作成し、環境省ホームページ(http://www.env.go.jp/policy/hakusyo/kodomo.html)に掲載する予定です。
(4)「英語版環境・循環型社会・生物多様性白書」
 国際社会に対し、我が国の環境行政を発信するため、海外向けに英訳版を今後作成し、環境省ホームページ(http://www.env.go.jp/en/wpaper/)に掲載する予定です。
4.その他
 本白書の印刷工程の電力使用に伴い発生する二酸化炭素(CO2)については、環境省が創設した「オフセット・クレジット制度(J-VER制度)」に基づき発行された東北2県(岩手県、宮城県)のクレジットを購入し、オフセットしています。
添付資料

2014年6月19日木曜日

建設リサイクル推進に係る方策について

SUKIYAKI塾の添削講座もスタートし、受講生さんからもドシドシ添削依頼が舞い込んできています。
いよいよ試験まで残り50日を切りました。
皆さん集中して取り組んでいることと思います。
途中で息切れすることなく、このまま8月3日まで最後の追い込みがんばってください!

真夏の建設現場

環境白書も閣議決定され、そろそろ発表されそうなものですが、まだウエブ上にはUPされていませんね。
今回は建設環境科目のいち分野を占めている建設リサイクルについて、以下の報道発表があったのでご紹介します。
この建設リサイクルについては2年連続で出題されているので今年の試験に出るかは微妙ですが、骨子程度には整理しておいても損はありません。
ぜひ、添付資料を参考にまとめてみてください。
国交省の資料なので、素直にそのまま読んだだけでも、建設環境の技術士としての視点が自然と身に着くと思います。

報道・広報
社会資本整備審議会環境部会・交通政策審議会交通体系分科会環境部会建設リサイクル推進施策検討小委員会「建設リサイクル推進に係る方策(とりまとめ案)」に関する意見の募集の開始について
平成26年6月16日

建設リサイクル推進施策検討小委員会(以下、「小委員会」という。)では、今後の建設リサイクル推進に係る施策について検討が進められているところですが、このたび、国や行政のみならず、民間事業者を含めた建設リサイクルの関係者が今後、中期的に取り組むべき建設副産物のリサイクルや適正処理等を推進するための方策として、小委員会での議論を踏まえ「建設リサイクル推進に係る方策(とりまとめ案)」が作成されました。
今般、建設リサイクル推進に係る方策(とりまとめ案)について、広く国民の皆様からご意見を募集することとしましたので、お知らせいたします。
いただいたご意見については、今後の議論の参考にさせていただきます。

1.意見募集対象
建設リサイクル推進に係る方策(とりまとめ案)

2.意見募集期間
平成26 年6 月16 日(月)から平成26 年7 月4 日(金)まで(必着)

3.意見の提出方法
別紙の意見募集要領に基づき実施

4.閲覧又は資料の入手の方法
国土交通省「建設リサイクル推進施策検討小委員会」ホームページ
    http://www.mlit.go.jp/policy/shingikai/s204_recycle01.html
電子政府の総合窓口のパブリックコメントのホームページ
    http://search.e-gov.go.jp/servlet/Public


添付資料

建設リサイクル推進に係る方策(とりまとめ案)(PDF形式)PDF形式

2014年6月9日月曜日

いちばん手っ取り早い合格法

こんにちは、本州地方も梅雨入りしたそうですね。
となるとここ沖縄はそろそろ梅雨が明けて夏本番を迎えることになります。
本番といえば、いよいよ試験本番がもう目の前!
これからは『試験第一』に生活リズムを整えていくようにしたいものです。

先週土曜日に、首里で開催した「技術士第2次試験筆記試験対策セミナー」には、APECさんはじめSUKIYAKI塾北海道、東京、名古屋、大阪から助っ人講師をお迎えして、そしてなによりたくさんの受講生がご参加くださり(われわれ沖縄でいごの会の準備不足、配慮不足も散見されましたが)なんとか成功裏に終わることができました。
受講されたかた、いかがでしたでしょうか。

いまはちょっと気が抜けて放心状態で余韻に浸りつつ。。。というところなのですが、実はでいごの会でAPECさんのセミナー動画販売をすることになり、その注文フォームを作成していたところに完成前から喰い気味にバンバンと注文が入ってきて、それを右から左に慌てて捌いているところなんです。とても余韻に浸っている暇はありません。
全国各地の様々な地域から注文が入ってくるのをみると、これだけ需要があるのだといまさらながらに驚いています。
きっと日にちがあわない、距離が遠いなどのさまざまな理由でセミナーに参加できないひとがたくさんいらっしゃるのだと思います。
そんなセミナーへの参加を断念せざるを得なかったひとのもとへお届けできたら嬉しいです。
APECさんの筆記試験対策セミナー動画(テキストつき)

首里城裏門の継世門

セミナーでは動画にもあるAPECさんの全体講義のあと、午後からは部門科目にわかれてそれぞれ担当講師のもとでディスカッション方式の専門科目別セミナーもやりました。
われわれ建設環境チームは、昨年度試験の合格者がメイン講師となり、合格までの体験談、それからご自身の再現論文を材料に、とても実際的な細かい説明ができたのではないでしょうか。
そこでもメイン講師のかたがおっしゃっていたことには、
いちばん手っ取り早い方法は、合格したひとのやりかたを踏襲することです
わたしもそう思いますし、わたし自身そうしましたし、いまもそうしていますし、ほかのひとにもそう勧めています。

というわけで、これまた宣伝めいたことになってしまいますが、昨年度試験に合格したひとたちの再現論文(A評価論文)が廉価で販売されています。
ぜひとも入手して、論文構成、字句の使いまわしかた、問題に対する回答内容、項目立て、など参考にしてください。
APECさんの推奨する「骨子法」についても、まだ自分では作れない、なんてひとは、この合格論文の骨子をつくったらよいと思います。
必須科目の正解と解説、建設環境の問題Ⅱ-1が12例、Ⅱ-2が8例、Ⅲが6例あり、これで価格が1,500円です。
実に安いです。
H25年度筆記試験合格答案実例集

では、がんばってください!

2014年6月4日水曜日

IPCCって、なに?

いよいよ今週末に開催が迫りました、SUKIYAKI塾沖縄でいごの会主催の技術士第二次試験筆記試験対策セミナー!
業務盛りだくさんでとっても忙しいのですが、参加してくださる皆さん、そして建設環境の受講生の皆さんのためにもシッカリ準備して臨まなければなりません。

ところで、県外のひとからすると「でいご」って何?
”でいごの花”って聴くけどどんな花?
というかたもいらっしゃるのではないでしょうか。

というわけで、沖縄県を中心に就航する日本トランスオーシャン航空(JTA)の機体にデザインされている「でいごの花」を写してみました。

これがでいごの花なのです【JTA機体搭乗口側面】

沖縄では街路樹などでよく見られますが、花が咲くのはだいたいGW頃です。
ハイビスカスのように年中咲くわけではなんです。
しかも、よく咲く年とそうでもない年があるんです。
沖縄の都市伝説(?)では、でいごの花がよく咲く年は台風の当たり年(上陸する個数が多い年)なんて言われます。

台風といえば、地球温暖化にともなってその規模が大きくなることが予測されていますね。
今年はでいごの花がたくさん咲いていたので、どうなりますか。
とまぁ、近頃は気候変動に関連した話題が増えましたね。
昨日なんかは、梅雨前だってのに全国3地点で猛暑日、328地点で真夏日を記録、特に北海道では日中の最高気温が38℃近くまで上がったそうで、しかも朝方は7℃っていうじゃありませんか!
沖縄は海に囲まれているせいか、そこまで極端な気温の変化はありませんし、そもそも最高気温は行っても32℃くらいです。
どうも最近は「地球の温暖化」に結び付けたくなる事象が各地で頻発するようになりましたね。

そんな折、環境省の定期広報誌「エコジン」の最新号で、IPCC報告書に関する解説記事が掲載されました。
IPCCの第5次報告書(の一部)がちょこちょこ発表されていて、そのたびにニュースになったりしますが、こうニュースが小出し小出しだと、なんだか結局のところどうなっているのか、よくわかんないことになっちゃっているんじゃないでしょうか。

そうはいっても、環境関係の専門技術者の端くれであり、建設系技術者のなかでは環境ジャンルを任されている我々建設環境の技術者としては、IPCC報告書にまとめられている最新の地球温暖化情報についてはぜひ整理したうえで概略だけでも把握しておきたいところです。

報道発表資料

平成26年6月3日

「エコジン」(環境省広報誌)6-7月号の発行について

「エコジン」(環境省広報誌)6~7月号を本日6月3日に電子書籍として発行します。
年度が変わり、エコロ塾やエコ達人に学ぶをリニューアルし、新たにDiscover ECO JAPAN、エコテク解体新書やさかなクンのお魚eco講座が加わりました。今月号は、"美しい自然の風景を、この先の未来に、残していきたい。"と語る黒谷友香さんのインタビュー、その黒谷さんも賛同され3月26日にキックオフしたばかりの低炭素社会実現に向けた気候変動キャンペーン「Fun to Share」の紹介、IPCC(気候変動に関する政府間パネル)報告書の解説や環境省の「地球いきもの応援団 生物多様性リーダー」でもあるさかなクンがその豊富な知識を生かし、地球温暖化や生物多様性について"お魚目線"で動画解説する「さかなクンのお魚eco講座」など、イラストや写真などを使って一般の方がわかりやすい誌面としています。是非ご覧ください。
1.「エコジン」(環境省広報誌)6・7月号の概要は以下のとおりです。
 ○エコジン・インタビュー :黒谷友香さん
 「美しい自然の風景を、この先の未来に、残していきたい。」
 ○特集 :Fun to Share みんなでシェアして、低炭素社会へ。
 ○エコロ塾  :IPCC報告書解説
 ○ecojin SPECIAL NEWS(復興版) :復興へ夢を乗せて 福島県にJリーグチームが誕生!
 ○Eco First Company File File13 :株式会社タケエイ
                   File14 :株式会社電通
 ○Discover ECO JAPAN Case1 :神奈川県相模原市藤野地区
 ○エコテク解体新書    VOL.1 :あべのハルカス
 ○eco便り
 ○いきものノート :「ツシマヤマネコ」
 ○エコ達人に学ぶ   第1回 :かんたんエコそうじ・収納      
 ○しりあがり寿の「エコい毎日」 :Fun to Share "シェアーッ!!"
 ○さかなクンのお魚eco講座  :お魚と地球温暖化1
  
2.「エコジン」(環境省広報誌)は、隔月発行の電子書籍です。最近の環境行政情報や、企業や個人の方々の環境問題に対する先導的な取組を紹介し、国民一人ひとりが環境のことを考え、地球のためにできることを見つけ出すために役立つ情報をお伝えします。
  環境省広報誌エコジン:http://www.env.go.jp/guide/info/ecojin/index.html 

2014年5月24日土曜日

自然環境(生物多様性)の経済的価値の評価について

大変ご無沙汰しておりました。
ほとんど海に出ずっぱりの潜りっぱなしで、丘にはほとんど寝るためだけに戻ってきていました。
なんだかある種の甲殻類のようですね。

いよいよ沖縄でも筆記試験対策セミナーの開催が間近となってきました。
しかし上記のとおりわたしがセミナーに参加できるか今のところ不確定なので、午後に行う建設環境の科目別セミナーは、別のかた、それも昨年度試験に合格したひとをメイン講師としてお願いすることになりました。
新試験方法による合格体験を踏まえた、より受験生のためになる講座となるものと思います!
詳しい内容はこちらのページをご覧ください筆記試験対策セミナー開催案内

今回紹介するのは、環境部門のひとは要注意ネタ、建設環境のひとも頭の隅に入れておいてほしいネタである、「自然環境(あるいは生物多様性)の経済的価値の評価」についてのものです。
専門とする事項に『自然環境の保全及び創出』、『環境影響評価に関する事項』あたりを記入しているひとは要チェックです。

トドゥマリの浜(西表島)

報道発表資料

平成26年5月23日

アンケート調査による生物多様性の経済的価値の評価(CVM)の結果について

環境省では、過去に失われた干潟を再生することの経済的な価値、ツシマヤマネコの生息数を回復させることの経済的な価値について、アンケート調査による評価(CVM)を、平成25年度に実施しましたので、その結果についてお知らせします。
1.背景・経緯
・2010年に愛知県名古屋市で開催された生物多様性条約第10回締約国会議(COP10)で、TEEB(生態系と生物多様性の経済学)の最終報告書が公表されるなど、生物多様性や生態系サービスの価値を経済的に評価することの重要性が注目されている。
・様々な主体が生物多様性及び生態系サービスの価値を認識し、その保全や利用に際して適切な意思決定が行われることを促進するため、環境省においても経済価値評価の検討を進めている。
・平成25年度は、アンケート調査による評価手法を用いて、過去に失われた干潟を再生することの経済的価値、ツシマヤマネコの生息数を回復させることの経済的価値を算出した。
2.評価対象
平成25年度は下記の対象について評価を実施。
■過去に失われた干潟を再生することの経済的な価値
愛知目標(※1)に基づき、1978年から2010年までに国内で失われた干潟面積の15%にあたる約1,400haを2020年までに回復させることについて、1世帯あたりの年間の支払意思額を確認。
■ツシマヤマネコの生息数を回復させることの経済的な価値
ツシマヤマネコの保護増殖の取組を進めることにより、20年後までに野生のツシマヤマネコの生息数を1980年代の推定生息数(※2)である約140頭にまで回復(現在よりも約40頭増加)させることについて、1世帯あたりの年間の支払意思額を確認。
※1...COP10で採択された生物多様性に関する世界目標。2020年を主な目標年としている。
※2...推定生息数に関する詳細は関連webページの「ツシマヤマネコ生息状況等調査(第四次特別調査)」を参照
3.評価手法
・WEBアンケートを用いたCVMにより評価。
・CVMでは、不適切なシナリオ設定や回答者がシナリオを正しく理解できていない場合などには調査結果にバイアスが生じ、正しく評価されない場合があるため、今回の評価は、可能な限りこうしたバイアスが生じないよう有識者による検討を経て実施した。

※CVM(Contingent Valuation Method:仮想評価法)
アンケート調査等により支払い意思を聞き取ることにより、対象とする環境の持っている価値を評価する手法。回答者に環境改善のシナリオを示し、そのシナリオを実現することに対する支払意思を確認する。

4.評価結果
支払意思額に評価範囲(受益範囲)である全国の世帯数(51,950,504世帯)を乗じて評価額を算出。

評価対象

有効回答数
1
  /回答数

支払意思額
(1世帯あたり年間2

評価額
(年間)

過去に失われた干潟を再生することの経済的な価値

873/1,040

中央値3

2,916円

約1,515億円

平均値4

4,431円

約2,302億円

ツシマヤマネコの生息数を回復させることの経済的な価値

801/1,040

中央値

1,015円

約527億円

平均値

2,790円

約1,449億円
※1 有効回答数は、抵抗回答、温情効果回答、回答時間が明らかに短かった回答を除いた回答数
※2 アンケートでは一世帯あたり数年間(干潟は7年間、ツシマヤマネコは10年間)継続して支払うものとして質問した結果
※3 統計的にYESとNOの回答が半々となる値。政策を実行する際に過半数の支持が得られるかどうかの境界値
※4 統計的に算出した支払意思額の平均値
5.評価結果に関する留意事項
・今回の結果は、仮想的なシナリオを設定し、そのシナリオを実現することの価値を評価したものであり、干潟やツシマヤマネコそのものの価値を評価したものではない。
添付資料


報道発表資料

平成26年5月23日

湿地が有する経済的な価値の評価結果について

環境省では、平成25年度に国内の湿地のうち湿原及び干潟が有する経済的な価値を評価しましたので、その結果についてお知らせします。
1.背景・経緯
・2010年に愛知県名古屋市で開催された生物多様性条約第10回締約国会議(COP10)で、TEEB(生態系と生物多様性の経済学)の最終報告書が公表されるなど、生物多様性や生態系サービスの価値を経済的に評価することの重要性が注目されている。
・様々な主体が生物多様性及び生態系サービスの価値を認識し、その保全や利用に際して適切な意思決定が行われることを促進するため、環境省においても経済価値評価の検討を進めている。
・平成25年度には、我が国の生態系の中でも特に近年の損失が大きい生態系である湿地について、経済的な価値の評価を実施した。
2.評価の対象
本評価では様々な湿地タイプのうち湿原及び干潟を対象とし、全国の湿原及び干潟が有する生態系サービスの経済価値評価を行った。
表:評価の対象とした湿地の面積
湿地タイプ
面積
湿原
110,325ha
干潟
49,165ha
※湿原及び干潟の定義、面積は環境省自然環境保全基礎調査による。
3.評価方法
・湿原及び干潟が有する生態系サービスを整理し、既存の調査研究事例等を用いて経済価値評価が可能な生態系サービスのみを評価した。
・これまでに全国レベルで定量的な評価が行われている生態系サービスについては、適切な代替財(ダム、水質浄化施設にかかる費用等)を用いて貨幣換算を行った。
・定量的な評価が一部地域でしか行われていない場合には、その値を全国に適用して評価額を計算した。
・評価額は湿原及び干潟が年間に生み出す生態系サービス(フロー)の価値として算出した。
・経済価値の評価が困難な生態系サービスについては、生態系サービスの内容と経済評価にあたっての課題を整理した。
4.評価結果
・湿原及び干潟が有する生態系サービスのうち、今回、経済価値の評価を行ったものは以下のとおり。
■湿原の生態系サービスの経済価値評価結果
生態系サービス
評価額(/年)
原単位(/ha/年)
調整サービス
気候調整
(二酸化炭素の吸収)
約31億円
〔高層湿原〕
約1.4万円
〔中間湿原〕
約2.2万円
〔低層湿原〕
約3.1万円
気候調整
(炭素蓄積)
約986億円―
約1,418億円
〔高層湿原〕
約250万円
〔中間湿原〕
約154万円―
約177万円
〔低層湿原〕
約58万円―
約105万円
水量調整
約645億円
約59万円
水質浄化
(窒素の吸収)
約3,779億円
約343万円
生息・生育地
サービス
生息・生育環境の提供
約1,800億円
約163万円
文化的サービス
自然景観の保全
約1,044億円
約95万円
レクリエーションや
環境教育
約106億円―
約994億円
約9.6万円―
 約90万円
■干潟の生態系サービスの経済価値試算結果
生態系サービス
評価額(/年)
原単位(/ha/年)
供給サービス
食料
約907億円
約185万円
調整サービス
水質浄化
約2,963億円
約603万円
生息・生育地
サービス
生息・生育環境の提供
約2,188億円
約445万円
文化的サービス
レクリエーションや
環境教育
約45億円
約9.1万円

5.評価結果に関する留意事項
・上記の評価は、湿原及び干潟が有する価値のごく一部を既存の調査研究事例から整理したものであり、湿原及び干潟の価値の全てを評価したものではない。このため、今後の調査研究の進展による改善が望まれる。
・経済価値評価には様々な手法があり、用いる手法により評価結果も異なることから、生態系間、生態系サービス間で単純な比較はできないことに留意が必要。
・仮に今回計算した国内の湿地の生態系サービスの経済価値を単純に合計すると、湿原は年間約8,391億円~9,711億円、干潟は年間約6,103億円となるが、また1つの生態系サービスを他の生態系サービスから切り離して単独で評価できない場合もあり、合計額を用いる場合には重複して計算している可能性にも留意する必要がある。
・また、生態系及び生態系サービス毎に異なる評価手法を用いて評価しているため、湿原と干潟に係る経済評価の結果を単純に比較することはできない

6.専門家による検討
本評価の実施にあたっては、湿地及び環境経済学の専門家による湿地の経済価値評価検討会を平成25年度に3回開催した。そのほか12名の専門家へのヒアリングを行い、評価の参考とした。
■湿地の経済価値評価検討会 委員(50音順、敬称略)
金谷 弦    独立行政法人国立環境研究所地域環境研究センター 研究員
栗山 浩一   京都大学農学研究科 教授
中村 太士   北海道大学 大学院農学研究院教授(座長)
山形 与志樹  独立行政法人国立環境研究所地球環境研究センター 主席研究員
吉田 謙太郎  長崎大学環境科学部 教授
参考)生物多様性及び生態系サービスの経済価値評価に関する手法等については、関連Webページを参照。
添付資料