2013年6月17日月曜日

課題解決能力について

課題解決能力については、過去のAグループ問題と過去の建設部門必須科目の環境分野の問題が参考になります。
過去6年間を眺めてみると、生物多様性の保全、低炭素社会、環境影響評価のいずれかが出題されていました。
そのほか循環型社会、再生可能エネルギーといったあたりもよく出ています。
これら環境行政的に話題となっているネタから、受験生各自が課題を抽出してその課題を解決する方策を記述することが求められるのではないでしょうか。

素直な対策としては、上に挙げた頻度の高いテーマである、
 ・低炭素社会の実現
 ・生物多様性の保全
 ・自然共生社会の実現
 ・環境影響評価の手続き
 ・循環型社会の形成
 ・再生可能エネルギーの推進
について、現状、課題、解決策を、骨子レベルでもまとめておくことです。
2題出題のうち少なくとも1題は引っかかるのではないでしょうか。

あくまで課題解決能力が問われているわけですから、知識(の羅列)ではなく、「論理的かつ合理的に」解決策を策定できる能力をアピールすることを忘れずに。

そしてこれらすべて「持続可能な社会の実現」のための技術、あるいは方策であることを念頭に回答してください。
なんなら論文の〆にそのまま書いちゃってもいいと思います。

ヒジ川ビラ(ひじがーびら)
首里城からの主要道で16世紀頃に整備【那覇市】


なお、過去の投稿にも関連記事がありますので参考ください。
論理的考察力についてはこちら
課題解決能力問題回答例についてはこちら


2013年6月16日日曜日

専門知識と応用能力について その3応用能力

時の流れは早いもので、試験まであとひと月半ほどになっちゃいました。
沖縄は梅雨が明けて夏の調査本番を向かえると同時に、実は春の調査をいまのうちに終わらせないとホントにヤバイことになっちゃってますので、ここ最近は海に潜りっぱなしでした。

5月の連投から長らく放ってしまっていた選択科目についてですが、ブログを読んでくださっているひとから、続きはどうなってんだとお尻を叩かれてしまいました。ははは。

技術士会ウエブサイトにある平成25年度技術士第二次試験の内容についてをみてみると、次のように書いてあります。

「選択科目」に関する応用能力
【概念】
これまでに習得した専門的知識や経験等に基づいて,与えられた条件に合わせて正しく問題点を認識し,必要な分析を行ない,適切な業務プロセス留意すべき内容を説明できる能力
【内容】
「選択科目」に関係する業務に関し,与えられた条件に合わせて,専門的知識や実務経験に基づいて業務遂行手順が説明でき,業務上で留意すべき点工夫を要する点等についての認識があるかを問う内容とする

このことから、
①選択科目に関するなんらかの業務(仮想事例または受験者自身が経験した業務)について、
②その業務遂行手順を説明し、
③業務上の留意すべき点、あるいは工夫を要する点を説明する
ことが求められそうです。

こう考えると、ちょうどわたしが平成22年度試験で回答した問題の(2)に近い感じになるのかもしれません。

Ⅰ-7 干潟・砂浜・藻場等に代表される沿岸域の保全について,以下の問いに答えよ。
(1)沿岸域の特性を踏まえて,沿岸域の保全が重要である理由を3つ述べよ。
(2)沿岸域の保全事業において,計画段階と実施段階それぞれで,留意すべき点を述べよ。
「ホニャララ事業において、ナニナニ段階で留意すべき点を述べよ」
まさに平成25年度試験の内容そのものではないですか?

というわけで、わたしの回答文を載せておきますので、雰囲気を参考にしてみてください。
※ただしこの文章を書いた当時は「留意すべき点」の「留意」という言葉の意味がいまいちピンときていませんでした。さらに「技術士論文は『考える』で文章を〆るべきだ」という変な思い込みがありましたので、そこらあたりはご容赦ください。

遠くに見えるは伊江島です【沖縄県本部町瀬底島】
2.留意事項
2.1計画・構想段階
(1)適切な目標の設定
目標の設定にあたっては、良好な状態で持続する環境を目標とすることが重要であると考える。その際、自然の変動や攪乱は、生態系本来の動的な維持機構であることに留意する。
(2)包括的な計画立案
沿岸域を含む自然環境は環境条件の変動や生態系の応答が科学的に未解明の部分が多い。また社会的な要請の変化も予測不能である。このため不確実性に対応できるよう、設計・施工における順応的対応、管理における順応的管理を包括した事業計画を立案することが重要であると考える。
(3)場所の選定
沿岸生態系の保全を図るためには、目標とする生態系が成立する環境条件を整理し、その条件に適合した場所を選定する必要がある。そのうえで安定した生息基盤や生息環境などが満たされない条件に関して、土木技術等により人為的に制御することが重要であると考える。
周辺地域の地形や生物生息状況を参考とすることに留意する。また、周辺地域から生物の加入を促進させる工夫についても検討するべきである。
2.2実施段階
(1)施工
周囲への環境影響などに十分配慮することが重要であると考える。
(2)管理
順応的管理にあたっては、目標が達成されているかをモニタリングし、その成果を管理手法の改善などにフィードバックすることが必要である。
モニタリングにあたっては、生態系を評価するための判定基準やその評価方法、評価期間をあらかじめ詳細に定めておくことに留意する。
2.3多様な主体の参画
目標設定及び計画立案にあたっては、地域住民、漁業者、NPO、専門家、行政など多様な主体の参加による協議会において議論を進めていくべきである。様々な立場の意見を集約することで問題点が明確になり、事業理念の共有化が図られるものと考える。
管理段階においては、住民の参加によるモニタリングや環境学習などの活動を通して、地域が一体となって管理に取組む仕組みも重要であると考える。
以上

2.3多様な主体の参画については、マスがかなり余っちゃったので(10行ほど)、追加で記述したためそれぞれの段階を混ぜて書いています。
前々回の(1)の回答文とあわせて3枚ほぼきっちり記述しています。
今年は4枚ですので、さらに記述量が求められるわけですから、こういった文章量を調整するネタを持っておくとイイと思いますよ。

でも「4枚書け」なんてことを考えると、今回取り上げた平成22年度のような問題ではないかもしれません。
きっともっと設問数が多くなると思います。
ジャンルが増えるか、同ジャンルでも設問数が増えるか。
いずれにしても持ち球を増やせばどんな問題にも対応できます。

次回は課題解決能力編です(昨年の投稿ともカブりますが)。
では!

2013年6月10日月曜日

環境白書が出ましたね

沖縄での筆記セミナーが無事に終わったのもツカノマ、今度は沖縄県技術士会で40周年記念シンポジウムを開催することになり、それの準備に追われていました。
事後報告ですが、こちら

「沖縄の未来を担う技術者の展望」と題する若手技術士が登壇する第2部では、わたしもプレゼン発表をすることになっちゃいまして、その準備でさらに追い込まれておりました。
「これからの環境保全策」について、建設環境の技術者をある意味代表して発表させていただきました。
若手らしいハツラツとした感じでお願いします、とのリクエストを頂いていたので、内容よりもほとんど勢いのみで押し切った発表になっちゃったかもしれません。
それもこれも6月5日に無事に終わり、これからは業務に専念しつつ、残り2か月を切った技術士筆記試験に向けて、最後のスパートをかけないとですね!
。。。しかしアレやコレやと次々と忙しいですね。。。

というわけですみませんが、今回は環境白書にマーキングしておくだけにします。
中身を見ていないままに載せちゃうのもたいへんに気が引けるのですが、またの機会に。

地域循環圏
平成25年6月4日

平成25年版環境白書・循環型社会白書・生物多様性白書について(お知らせ)

 平成25年版環境白書・循環型社会白書・生物多様性白書は、本日6月4日(火)に閣議決定され、国会に提出されました。

1 平成25年版環境白書・循環型社会白書・生物多様性白書の概要

 今回の白書は、「真に豊かな社会を子供達へ ~震災復興の中でともに考える持続可能な未来~」をテーマとし、グリーン復興などの東日本大震災からの復旧・復興の取組に加え、持続可能で真に豊かな社会の構築のための低炭素社会・自然共生社会・循環型社会、グリーン経済を目指した取組を記述しています。
 また、実際の現場を紹介することなどにより、真に豊かな社会を子供達につないでいく姿勢を示しています。

2 白書の閲覧及び市販版等の入手方法について

(1)環境省ホームページ等への掲載

 環境省ホームページ(http://www.env.go.jp/policy/hakusyo/)に、「平成25年版環境・循環型社会・生物多様性白書」、「平成25年版図で見る環境・循環型社会・生物多様性白書」を6月下旬に掲載する予定です。
 なお、一般的なタブレット等で閲覧可能な電子書籍版(EPUB形式)を、6月下旬より発行元の日経印刷株式会社のホームページ等から無料でダウンロードすることができます。

(2)市販版の入手方法

 「平成25年版環境白書・循環型社会白書・生物多様性白書」は政府刊行物センターや政府刊行物を取り扱っている書店で購入できます(1部2,700円(税込:予価)(※店頭に並ぶのは6月下旬頃になります。))。
 市販版の入手方法等については、発行元の日経印刷株式会社第三営業部まで、お問い合わせください(電話番号:03-6758-1013)。

3 今後の普及啓発について

 白書の内容を広く国民に普及させること等を目的として、以下のとおり、「白書を読む会」の開催や冊子の発行等を予定しています。

(1)「白書を読む会」の開催

 環境省では、今年の白書について、テーマやねらいなどを執筆担当者が直接説明を行う「白書を読む会」を全国8ヶ所で開催する予定です(入場は無料です)。「白書を読む会」の開催日程については、後日、環境省及び各地方環境事務所のホームページ等においてお知らせします。

(2)「平成25年版図で見る環境白書・循環型社会白書・生物多様性白書」

 白書の内容を100頁程度に要約・編集した冊子です。購入を希望される方は、日経印刷株式会社が実費(1部 350円(税込、振込手数料・送料別))による6月下旬より頒布を行いますので、上記2(2)の日経印刷株式会社第三営業部までお問い合わせください。

(3)「こども環境白書」

 小学生向けに、環境白書の内容を、よりやさしく説明した小冊子を今後作成予定です。

(4)「英語版環境・循環型社会・生物多様性白書」

 国際社会に対し、我が国の環境行政を発信するため、海外向けに英訳版を今後作成予定です。

関連Webページ