2016年5月20日金曜日

地下水保全ガイドライン・事例集

沖縄は今週からようやく梅雨入りしました。蒸し暑いです。
カエル、カタツムリ、ミミズなどの小動物が水辺だけでなく舗装道路にも這い出てくるようになり、子育て真っ盛りの野鳥たちもこういった美味しいエサが簡単に確保できるので大喜びです。
地元新聞には道路上で縄張り争い?をするヤンバルクイナの写真も掲載されていました。

ヤンバルクイナの生息する沖縄島北部は急峻な地形でほとんど川らしい川がなくって上流域がそのまま海に流れこんでいます。
反対に島の南部は多孔質の石灰岩からなっていて地表水のほとんどが地下に浸透するので地表にはこれまた川らしい川がありません。
そういったわけで沖縄の飲料用のダムは地下浸透も少ないうえに急峻な谷間を利用できる北部に集中しているわけですが、南部は南部で主に農業用の地下ダムというのがあります。
鍾乳洞も多いし、降雨時だけ水が流れる洞穴というのがたくさんあります。いわゆる地下河川です。
真っ暗闇を轟轟と流れる水はとても恐ろしいものです。やみくろの世界です。
そういう謎の?地底を踏破するのは水曜スペシャル川口探検隊にあこがれた世代にはたまらないようです(わたしは体が硬いので洞窟探検はちょっとニガテなんですが仕事柄、何回か入っています)。

水循環というと河川を介して陸と海を繋ぐというこの流れを妨げないような工夫が我々建設環境の技術者にも求められているわけですが(試験にもよく出ます)、ここ最近は河川の重要性だけでなく、地下浸透した水が干潟などの沿岸域で浸みだすルートの重要性も注目されています(特に沿岸生態系にとって)。
河川はやっぱりどうしても国交省のメインともなる分野なので今後ともその重要性は変わりませんが、地味なようで実は河川にも劣らない「地下水」の重要性を認識してください。
そしてこの地下水の保全について、事例から浮かび上がってきた課題など教養程度には押さえておくといいんじゃないでしょうか。
そもそも建設事業による地下水汚染という問題は昔からあるわけですし、避けてはいけない課題だと思います。

【宮城県仙台市】

環境省:Ministry of the Environment
平成28年5月19日
水・土壌
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『「地下水保全」ガイドライン~地下水保全と持続可能な地下水利用のために~』について

 環境省では、地下水マネジメントを計画的に推進するため、地方公共団体等の地下水保全施策の手引きとして『「地下水保全」ガイドライン~地下水保全と持続可能な地下水利用のために~』を取りまとめました。

本ガイドラインの趣旨

 平成26年7月に施行された水循環基本法第3条には、基本理念として、水が国民共有の貴重な財産であり、公共性の高いものであること、総合的な管理と適正な利用によってその恩恵が将来にわたって享受されなければならないこと、水循環系全体に与える影響を回避又は最小にし、流域を単位とする総合的かつ一体的な管理が必要であることなどが示され、水循環の重要な構成要素である地下水の利用環境についても同様の保全管理が求められています。
 このため、環境省では地方公共団体等の地下水保全施策を支援することを目的に、地下水をめぐる最近の動向と地下水保全に向けた技術的、法・制度的課題、地下水保全のあるべき基本的な考え方を整理し、地下水の適切な保全管理のための方策を『「地下水保全」ガイドライン~地下水保全と持続可能な地下水利用のために~』として取りまとめました。地下水保全に関して先進的な地域の取組事例を紹介している『「地下水保全」事例集~地下水保全と持続可能な地下水利用のために~』と併せてご活用下さい。

ガイドライン・事例集

2016年5月16日月曜日

農地を都市に「あるべきもの」 へと転換 ~ 「都市農業振興基本計画」

前回の投稿からやや間が空いてしまいました。
皆さん、GWはプライベート活動に、家庭サービスに、ご自分の試験勉強に、あるいはお仕事など、多面的に充実して過ごすことができましたでしょうか。
わたしは自宅の階段踊り場の窓からの日射を和らげるため、2Fベランダにゴーヤーによる緑のカーテンを設置しました(まだ幼いので生長はこれからですが)。

やはり身近に緑があると気持ちの潤いが違いますね。
緑色もさることながら、風によって葉が揺らぐあの感じがとても心安らぐように感じます。
植物の葉やそれが作り出す影による予測不可能な軟らかい動きというのはとても大事な要素なのだと気づきました。
とくにコンクリートジャングルになりがちな都市では周囲は堅い構造物にカッチリと囲まれているので人の健康上それがなおさら重要になると思います。

そんなことを考えていたところタイミングよく標題の基本計画が閣議決定されました。
建設部門の都市及び地方計画や農業部門などに関係する内容ですが、建設環境の技術者もぜひ注目してください。
『都市政策上の再評価』のところでは、
・「集約型都市構造化」と「都市と緑・農の共生」を目指す上で都市農地を貴重な緑地として明確に位置付け
・都市農業を都市の重要な産業として位置付け
・農地が民有の緑地として適切に管理されることが持続可能な都市経営のために重要
という文言もあります。
これがメインテーマとなる出題はおそらくないと思いますが(いやいややっぱりⅡ-1の4択問題では出題されるかもしれませんよ!?)、都市緑化関連のネタを論文に記述するときには、ぜひこの都市農業振興基本計画を踏まえた記述をするとかなり高い評価を得ることができると思います。
ぜひ血肉にしてくださいね!

糸数城跡【沖縄県南城市玉城

国土交通省

「都市農業振興基本計画」を閣議決定 ~農地を都市に「あるべきもの」へと転換~

平成28年5月13日
 本日、都市農業振興基本法(平成27年法律第14号)に基づき、「都市農業振興基本計画」が閣議決定されました。本計画では、都市農地を、これまでの「宅地化すべきもの」から、都市に「あるべきもの」ととらえることを明確にし、必要な施策の方向性を示しています。
 今後、計画の具体化に向け、農林水産省を始めとする関係省庁と連携を図りながら、取組を推進してまいります。

1.趣旨

 本計画は、都市農業振興基本法第9条に基づき、都市農業の振興に関する施策についての基本的な方針、都市農業振興に関し政府が総合的かつ計画的に講ずべき施策等について定めた計画です。

2.概要

 本計画では、都市農地を農業政策、都市政策の双方から再評価し、これまでの「宅地化すべきもの」とされてきた都市農地を、都市に「あるべきもの」ととらえることを明確にしました。この上で、「都市農業の多様な機能の発揮」を中心的な政策課題に据え、都市農業の振興に関する施策についての基本的な方針について示しました。 この基本的な方針の実現に向け、今後講ずべき施策として、的確な土地利用に関する計画の策定等について取組むこととしています。

添付資料

報道発表資料(PDF形式:70KB)PDF形式
都市農業振興基本計画(PDF形式:368KB)PDF形式

2016年5月3日火曜日

重点的に推進すべき環境政策

GWですね。
ブログへのアクセス数をみると受験申込締め切り前をピークにだいぶ落ち着いてきました。
皆さんほっと一安心しているところなのでしょうか。
しかしまとまった時間がとれるこの連休にこそ、普段の隙間時間を利用した勉強とはアプローチを変えて、これから2カ月後に迎える試験本番に向けた作戦(というかスケジュール)をしっかりと練りあげ、浮かび上がった重要課題から優先的に取り組むべきだと思います。

わたしもこのGWは自宅の片づけや友人らとの遊びに興じつつ、試験関係では担当している受験生の論文の添削をはじめ、今月末に開催する筆記試験対策セミナーのテキスト(というか資料)を作るべくPCに向かっています。そこであらためて自分の専門分野以外も含めた建設環境の全体を俯瞰的に眺めてみているところなんです。
SUKIYAKI塾沖縄でいごの会主催の筆記試験対策セミナー

筆記試験では自分の専門分野以外のことについても選択して回答しないといけないことになると思います。
その対策として(特に初めて試験に挑戦するひとによくみられますが)国土交通白書を第1章から読み始めるひとがいます。
でも実際のところ白書を漫然と眺めてみてもちっとも頭に入らないんじゃないでしょうか。

白書もいいですが、国土交通省のHPに国交省が重点的に推進すべき環境政策についてまとめられている箇所がありますのでまずはそこを参考に「建設環境」の全体像をイメージするとイイと思います。
ひとつひとつの政策についての記述は詳しくないものも多いですがジャンル全体としてどういった項目があるのかを把握できますし、興味のあるジャンルはそこからさらに深堀して整理してゆくといつのまにか全体を身に着けることができると思います。

ブログでも建設環境とは、などの話題をたびたび取り上げていますが、建設部門の試験官(の多く)が所属する国土交通省は環境分野に対してどのような政策を掲げているのか、ここでいまいちどおさらいしておきましょう。
選択Ⅱ(特にⅡ-1)やⅢはこれらの分野から出題されるわけですから、キーワードのほか、どんな課題があってどのような方向性で解決を図ろうと考えているのか、を気にしながらチェックしてください。
政策に沿ったストーリーで論文を書くのが無難です。
ゼロからオリジナルの回答を書ききる時間はないですよ。

ハマダイコン【静岡県南伊豆町 逢ヶ浜】

国土交通省
環境

重点的に推進すべき環境政策の分野