2012年8月25日土曜日

ヒートアイランド対策大綱中間とりまとめ

毎日暑いですね。。。
天気予報をみると、まだまだここ沖縄(那覇)よりも温度が高い地域が多いですね。
ホント、ここ数年で明らかに熱さ対策が変化しましたよね。
うーん。。。

地球温暖化とかヒートアイランドとかいろいろ言われていますが、今日はそのヒートアイランド対策に関する最新ネタが挙がりましたのでUPします。

これまでのヒートアイランド対策大綱の内容が見直され、(地球温暖化対策と同様に)その緩和策だけでなく、適応策も付け加えられたようです。
ヒートアイランド問題について、現状、国の対応方針、そして具体策まで、わかりやすくまとめられています。
口頭試験対策、そして来年の筆記試験対策として必読の資料ですので、ぜひご一読ください。

ちなみに今年の筆記試験では、建設環境の選択科目Bグループの緑地系からの出題でヒートアイランド現象が取り上げられてました。

Ⅰ-4 ヒートアイランド現象について,以下の問いに答えよ。
(1)ヒートアイランド現象の緩和を図る上で,都市の緑地や緑化の果たす役割を述べよ
(2)(1)の役割を踏まえ,都市の緑地の保全と緑化を推進していくための対応策を3つ取り上げて,あなたの意見を述べよ

砂漠のオアシス インシャラー【那覇市国際通り】

平成24年8月23日

「ヒートアイランド対策大綱中間とりまとめ案」に対するパブリックコメントの結果及び「ヒートアイランド対策大綱中間とりまとめ」の取りまとめについて(お知らせ)

 政府においては、ヒートアイランド対策関係府省連絡会議において平成16年にヒートアイランド対策大綱を策定し、関係府省が連携し、ヒートアイランド対策を推進してきたところです。
 先般、ヒートアイランド対策推進会議において、「ヒートアイランド対策大綱改定に係る中間とりまとめ案」として同大綱の改定案を作成し、本案の最終的な取りまとめの参考とするため、広く国民の皆様から御意見を募集するパブリックコメントを平成24年6月1日(金)から平成24年6月30日(土)まで実施しました。
 今般、パブリックコメント等を踏まえた、「ヒートアイランド対策大綱中間とりまとめ」として取りまとめましたので、お知らせいたします。

1.概要

 政府においては、ヒートアイランド対策関係府省連絡会議において平成16年にヒートアイランド対策大綱を策定し、関係府省が連携し、ヒートアイランド対策を推進しています。しかし、近年の都市の熱環境の悪化を鑑みると、従来の取組を効果的に推進するだけでなく、ヒートアイランド現象の影響軽減について取り組むことも課題となっています。
 このため、国土交通省、環境省が事務局となり、ヒートアイランド対策推進会議において、現在のヒートアイランド対策大綱の改定を行っているところであり、平成24年5月、「ヒートアイランド対策大綱改定に係る中間とりまとめ案」として整理いたしました。
 さらに、本案の最終的な取りまとめの参考とするため、広く国民の皆様から御意見を募集するパブリックコメントを、平成24年6月1日(金)から平成24年6月30日(土)までの間実施しました。また、併せて有識者、地方公共団体へのヒアリングを実施しました。
 今般、これらの幅広い意見を踏まえ、「ヒートアイランド対策大綱中間とりまとめ」を取りまとめましたので、ご報告いたします。
 当面、関係府省は本中間とりまとめに基づき、ヒートアイランド対策を推進するとともに、今後更なる検討を行った後に、最終的な改訂ヒートアイランド対策大綱をとりまとめる予定です。

2.パブリックコメントの意見概要及び対応

パブリックコメントによる意見提出は総計20件。(別紙1参照)

3.ヒートアイランド対策大綱中間とりまとめ

 パブリックコメント等を踏まえたヒートアイランド対策大綱中間とりまとめ。(別紙2参照)

4.その他

 今後、さらなる検討を行った後、ヒートアイランド対策推進会議を開催し、最終的な改訂ヒートアイランド対策大綱をとりまとめ予定。
添付資料

2012年8月22日水曜日

筆記試験後のスケジューリング

お盆も明けて、今週から通常業務に復帰されているかたも多いと思います。
実はここ沖縄ではお盆は旧暦で行うのが習わしなので、お盆はまだなんです。

今年は8月30日(ウンケー;迎え盆)~9月1日(ウークイ;送り盆)となっています。
旧暦なので毎年日づけが違いますから確かめるのにひと手間かかるため、これがなかなか面倒なのです(普通のカレンダーには表示していないので)。

逆に利点?として、旧暦にやるお盆の最大の特徴として、お盆期間が必ず満月である、というのがあります。
夜だけどとても明るい月夜の晩、地区の若者たちが太鼓や三線で道々を練り歩くエイサー 道ジュネー、とてもいいものなんですよ。
県外出身者のわたしが言うのもなんですが、街灯が普及した現在でも、満月の下でないと本当のエイサーという気がしません。

それはさておき、「試験後はしばらく骨を休めて、お盆がすんだらいよいよ次の準備に取り掛かりましょう」というアドバイスをよく見かけます。
が、いろんな地域があるわけですから、お盆がすんだひともそうでないひとも、あるいは他の宗教を信仰していて(もしくは無宗教で)お盆はそもそも関係ないというひとも、筆記試験後のスケジュールをいまいちど確認しておきましょう。

わたしの例を以下に紹介しておきます。
多くの方もこのパターンで取り組むのが基本になると思いますので、参考にしてください。

新庄剛志選手の金の長靴【小樽にて】

筆記試験後の歩み 
~マイルストーンを意識して、最終ゴールをイメージする~

8月の筆記試験後3日以内に、筆記試験再現答案を完成させる。

9月上旬から技術的体験論文の作成を開始する。

9月下旬までに体験論文の初稿を書き上げる
わたしはAPECさんの著書「二次試験合格法 口頭試験編」を参考に作成しました(H24年版は9月中旬発売のようです)。

10月から体験論文の添削指導を受ける。
SUKIYAKI塾の体験論文添削講座は9月初旬から募集開始のようです。

10月末の筆記試験合格発表後(今年は10/25)、論文提出〆(今年は11/6)までラストスパート(今年は13日間)
実はこの期間が精神的・体力的・脳みそ的に一番きつかったです。

11月上旬技術的体験論文を提出する。
送付にあたり、論文の形式及び送付の形式をよく確認すること。6つの注意事項があります。

11月中旬口頭試験セミナー受講&模擬面接
わたしの場合は、SUKIYAKI塾セミナーでAPECさんらによる面接、地元技術士指導者のかたらによる面接、の計2回を受けました。

11月中旬~口頭試験まで(もっとも遅いひとで1月中旬)経歴業務や体系的知識の再確認シナリオ作成(想定問答集)

試験直前1週間経歴~体験論文の説明部分(10分版)の発表練習
わたしの場合は、妻に試験官役をしてもらって、繰り返し繰り返し何度も何度も練習、これを毎晩やりました。

12月上旬口頭試験
直後に試験の様子とQ&Aをノートに箇条書きでメモを残す。

1月末口頭試験の内容を再現
のちに技術的体験論文と併せてAPECさんの書籍に採用していただきました。

3月上旬、口頭試験合格発表(今年度は3/4)。

3月中旬技術士登録

2012年8月10日金曜日

技術士試験の見直しについて

筆記試験も終わり、燃え尽き症候群に陥りそうになりながらも、ようやく忙しくなってきた本業のほうに勤しむことで今週一週間を過ごし終えました。

このブログの訪問者数をみると、(当たり前ですが)筆記試験の前と後では雲泥の差です。
というわけで、ほとんど誰も読んでくれていない時期ではあるのですが、日本技術士会HPに来年度以降の新しい技術士試験についてのパブリックコメント募集(締め切り9/9)の記事がUPされていたので、ここにもあげておきます。

個人的には、体験論文が廃止になるのはとても残念だと思います。
クドいようですが、私が「技術士」にふさわしい技術者になったことを自覚したのは、業務体験論文の作成を通して、その狙い、意図するところ、求めているところ、を悟った瞬間なんですから。
決して、筆記記述論文の作成を通してではありません。
これはあらためて強調しておきたいと思います(パブコメしちゃおうかな)。
筆記論文については(誤解を恐れずに書いちゃうと)、過去の合格論文パターンをなぞっただけです、ハッキリ言って。

経歴票提出時に業務体験的なことを書き込む方式に変更するようですが、「論文」の形式になるとは思いません。

科学技術立国【ノーベル化学賞鈴木章先生語録 北大総合博物館にて】

平成24年5月23日
科学技術・学術審議会技術士分科会
制度検討特別委員会

技術士試験の見直しについて

1.経緯

(1)技術士試験の見直しについては、第20回技術士分科会において、「制度検討特別委員会」を技術士分科会の下に設置することを決定し、現行技術士制度の諸課題についての検討を行うことになった。

(2)第1回制度検討特別委員会において、委員の互選により主査に池田駿介委員、主査代理に鳥養映子委員がそれぞれ選出された。また、技術士試験制度の見直し事項について機動的に検討を行うため、問題検討作業部会、免除検討作業部会及び技術部門・選択科目検討作業部会を設置し、諸課題について検討を行ってきた。
 その結果、多くの優秀な技術者の技術士資格の取得を促し、技術士制度の更なる普及・拡大を図ることを目的に以下による見直しを行うことが適当との結論に至った。

2.技術士試験の見直し

【第一次試験】
(1)基礎科目及び共通科目
 共通科目は廃止する。
 基礎科目は、科学技術全般にわたる基礎的学識を確認する試験とし、大学卒業程度の基本的な知識から出題する。出題分野は、現行の5分野を基本とし、共通科目の出題内容にも配慮して出題する。現行の基礎科目より受験者の負担が増えることのないよう留意して出題するとともに、試験の難易度の安定化を図る。

(2)専門科目
 現行の出題範囲は変えないこととし、各技術部門の基礎的な分野に出題を重点化する。また、試験の難易度の安定化を図る。

(3)免除
 見直し後の基礎科目の姿を踏まえて、それに対応する免除の在り方及びその範囲を引き続き検討する。 
 JABEE認定修士課程について、第一次試験との同等性を確認した上で、第一次試験の免除の対象とする。

 【第二次試験】
<総合技術監理部門を除く技術部門>
(1)筆記試験(必須科目)
 筆記試験の必須科目を択一式とし、技術部門に係る専門知識を確認する。試験問題の作成に際しては、極端に難易度が高い出題とならないよう留意する。合否決定基準に満たない者については、記述式試験の採点を行わない

(2)筆記試験(選択科目)
 従来の選択科目については、解答数の2倍程度を出題数の目安とする。
 選択科目に課題解決能力を問う記述式試験を新設する。出題する課題は2問程度とし、普遍的な課題からも出題する。

(3)技術的体験論文
 技術的体験論文は廃止する。受験申込み時に提出する業務経歴票について、技術的体験をより詳細に記載できる形式とする。

(4)口頭試験
 経歴の確認、応用能力及び課題解決能力、技術者倫理、技術士制度の認識について問うこととする。技術者倫理については、実務を踏まえた試問を重視する。
 試験時間は20分程度を基本とし、必要がある場合は10分程度延長することを可能とするなど、弾力的に運用する。

 <総合技術監理部門>
 総合技術監理部門の必須科目に係る口頭試験は、当該部門に求められる専門知識等を問うこととする。
 試験時間は20分程度を基本とし、必要がある場合は10分程度延長することを可能とするなど、弾力的に運用する。
 なお、総合技術監理部門を除く技術部門と同様に、技術的体験論文は廃止することとし、受験申込み時に提出する業務経歴票について、技術的体験をより詳細に記載できる形式とする。

 3.技術部門・選択科目の見直し

 技術士を取り巻く環境の変化に合わせ、選択科目を時代のニーズに合ったものに見直すとともに、極端に受験者数が少ない選択科目については、その在り方を検討する必要がある。これにより更なる資格活用につながることが期待される。
 今後の見直しは、時代のニーズを踏まえ、産業界における技術士の活用状況並びに技術部門及び選択科目の将来性や技術の変遷に留意して実施するものとし、各技術部門の専門委員等から意見を聴取するなど技術士分科会において継続的に議論を行う。なお、見直しは、以下の考え方に基づくものとする。
今後2年(平成25年度及び26年度)程度の受験者の動向を見て、受験申込者数が20部門全体の申込者数の0.05%を下回る選択科目については、当該選択科目の廃止を含めその在り方を検討することとする。また、同様に0.1%を下回る選択科目については、他の選択科目との統廃合や内容の変更を検討することとする。
○現在96ある選択科目の総数を上回らないこととする。

 4.実施時期

 試験方法の見直しについては、受験者への周知や準備の期間等を考慮し、平成25年度の試験から実施する



●技術士分科会(第22回) 配付資料
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/gijyutu/gijyutu7/siryo/1323682.htm

●技術士法施行規則の一部を改正する省令案に関するパブリックコメント(意見公募手続)の実施について
http://search.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=185000605&Mode=0


2012年8月7日火曜日

筆記試験、おつかれさまでした

大変ご無沙汰でした。
前回更新から筆記試験日(8/5)まで、怒涛の(というほどでもないんですが)添削依頼、自分の総監対策の追い込み、そしてなによりロンドンオリンピック!の関係で、ブログの更新をサボってしまいました。

ともあれ受験された皆さん、大変お疲れさまでした。

まずは試験の総括、というか感想から。。。。。。

道は続く【北大東島】

Ⅱ-1
 東日本大震災を契機として,あらためて防災・減災対策のあり方が議論されている。
建設部門に携わる技術者として,我が国の防災・減災に向けた社会基盤の整備における課題3つ挙げ,その内容を説明せよ
 また,それらの課題に対し,防災・減災に向けた今後の社会基盤の整備を具体的にどのように進めていくべきかあなたの意見を述べよ

Ⅱ-2
 地球環境問題への対応として,(1)低炭素社会の実現,(2)自然共生社会の実現・生物多様性の保全,(3)循環型社会の形成が求められている。
 我が国の最近の社会情勢の変化も踏まえ地球環境問題に対し,建設分野として取り組むべき課題を上記3つの視点からそれぞれ挙げその内容を説明せよ
 また,前記のそれぞれの課題に対して,解決に向けたあなたの意見を述べよ


「防災減災」は大方の予想通りでしたね。
わたしがアドバイスしているSUKIYAKI塾筆記試験対策講座受講生のかたたちやそのほか知り合いのひとたちの多くも取り組んでいたネタでしたのでまずは安堵。

でも、「建設環境」の技術者を自認するひとならば、もういっこのⅡ-2にチャレンジしたかたもいらっしゃるかもしれません。
こっちで書けたら言うまでもなく、かなり有利だと思います(しかし午後の問題と被っちゃったですね)。

そして予想していた建設業界モノは出題されませんでした。どうもすみませんでした。

次にAグループですが。。。。。

わたしの予想していた「改正アセス法」が出なかったこと、
大変申し訳ありませんでした。

これはかなり自信喪失ぎみです。。。
しかしこうなればきっと口頭試験のときに突っ込んで訊かれることと思います。
決して準備を怠らないようにしてください。

それにしても建設リサイクル(建設だけじゃないけど)が復活し、それもAグループ問題で来るとは、これぞまさにサプライズでした。

Ⅰ-1
 建設分野においては従来から建設リサイクルの推進,環境物品の調達等の取り組みを進めてきている。
 しかし,社会資本投資の減少等に伴い,これらのリサイクル材の受入も困難になってきている。
 一方で,産業活動に伴って発生する鉄鋼スラグ等産業副産物の有効利用を図るための新たな技術開発や資材としての用途の拡大が進められている。
(1)このような状況の中で,建設分野においてリサイクルを推進する上での課題を3つ挙げ,その内容を説明せよ
(2)それらの課題のうち1つを選び,その課題にどのように取り組むべきか述べよ

Ⅰ-2
 建設事業での生物多様性の保全を図る取組について,以下の問いに答えよ。
(1)建設事業(道路,河川,港湾等)を1つ挙げ,当該事業の特性を踏まえて生物多様性の保全を図る上で掲げるべき目標を2つ述べよ
(2)(1)で掲げた2つの目標の実現に向けた具体的な取組と課題について,3つ挙げ説明せよ



Bグループはほぼ順当な出題でしたが、わたしの専門である「沿岸域」が去年に引き続き出題されなかったことも大変ショックでした。
一応、港湾「及びその周辺」に含まれると解釈できはするのですが、やっぱり文字として「沿岸域」という漢字がないのはショックです。
震災もあったし今年は出るかと思っていたのですが。。。。
社会的ニーズはないわけないと思うんですが、なんで河川が2つもでてるんでしょうかねえ。。。まぁ水質浄化ということなんでしょうけれども。
でも、わたしがアドバイスしていた受講生はみんな河川のひとたちなので、これについても安堵した部分もなくはないですけど。

予想を外しまくり、サプライズ的な問題ばっかりだったじゃないか!と問題を見た瞬間はそう思ったわけですが、試験から数日を経てちょっと冷静に振り返ってみると、そんなには意外ではなかったですね、建設環境ズバリそのもの、ともいえる出題だったのではないでしょうか。

わたしの予想能力が今回はまったくピントはずれの的外れだったわけで、本当に申し訳ない気持ちでいっぱいです。

最後にひとこと。
長い忍耐生活からようやく解放されたことだとは思うわけですが、技術士になりたいと強く思うのであれば、筆記論文が書けたひとはもちろんのこと、書けなかったと考えているひとも、まずは復元論文を作成してください。
休むのはそれからです。

ダメだったと思っていても、(いつか)技術士になるぞ!と思っているのであれば、諦めずにもう少しだけ力を振り絞って頑張ってください!


2012年7月29日日曜日

平成22年度「環境影響評価制度見直し(戦略的環境アセス)」再現答案

ご無沙汰です。
いろいろと本業のほうで忙しくなってきた上に、試験対策で有用となる情報が特にないこともあってブログからはちょっと遠ざかってました。
それでも頻繁にブログをチェックしてくださるひともいらっしゃるようですので、久しぶりに投稿します。

6月に集中的に「筆記試験突破のカギ」を連載し、4つのカギについてアレコレ書きました。
試験もあと残すところ1週間なのですが、ここでその実例としてわたしの平成22年度試験の答案を材料に解説してみます。
回答論文の内容を確認するだけで終わらせるのではなく、問題文で問われていることをシッカリ把握して、それに対してどう回答しているのかをぜひチェックしてください。
それからこれは平成22年8月に記述したものです。つまり平成23年4月の法改正前に書いたものであることにご注意ください。

恵庭の森【札幌と千歳のほぼ中間】
<問題文>
Ⅰ-2 環境影響評価制度について,環境影響評価法の施行後10年を経過し,中央環境審議会の答申「今後の環境影響評価制度の在り方について」(平成22年2月22日)がとりまとめられるなど,制度の見直しが行われている。これについて,以下の問いに答えよ。
(1)現行制度の課題と改善策(事業者としての対応が必要なもの)について,2つ挙げて説明せよ。(ただし,後述(2)戦略的環境アセスメント(SEA)を除く。)
(2)戦略的環境アセスメント(SEA)制度の導入にあたって,事業者としての課題を3つ挙げて説明し,それにどのように対応すべきか述べよ

1.現行制度見直しの背景←質問の答えをいきなりは書きにくいので、導入部をもうけると書きやすい
環境影響評価法の施行から10年が経過し、法で定められた見直し時期を迎えている。この間、事業者によって環境影響の回避、低減が行われてきた。↑これは問題文をオウム返し(+α)してるだけ
しかし、これまで現行法の、あるいは地方自治体の環境影響評価条例の施行を通じていくつかの課題が浮かび上がってきた。←ここで制度上の不具合を見直す必要性を把握していることをアピール
さらには生物多様性の保全、地球温暖化対策の推進、地方分権の推進、行政手続きのオンライン化など、社会情勢が変化してきた。←さらに社会情勢の変化に合わせた見直しの必要性を把握していることをアピール。すべて上記「答申」の内容そのままです。
2.現行制度の課題と改善策←(1)の要求事項をそのままタイトルに
上記の課題に対応するため、法制度の見直しが検討されている。以下に、現行制度の課題と改善策を2つ挙げる。←(1)の要求事項そのまま。問題文を読み違えていないことをアピールする効果がある
2.1住民説明会←2つのうちのひとつ
現行制度では住民説明会は準備書段階で開催されている。これでは住民の意見が評価項目や調査方法に反映されず、再調査や追加調査など、手戻りが生じる恐れがある。←ここまでが課題(問題点)
住民の意見を環境影響評価に反映させることが、制度の意義である。地域特性を反映した評価項目、方法とするためには、方法書段階で住民説明会を開催するべきであると考える。←これが改善策
2.2環境保全措置←2つのうちのひとつ
環境保全措置の実施状況がほとんど公表されず実際の環境配慮の効果が不明なため、他の類似事業における環境保全措置実施にあたって参考とするにはデータが不足している。←ここまでが課題(問題点)
今後のよりよい環境影響評価のためには、類似事業にも参考となるように、環境保全措置の実施状況について公表するべきであると考える。←これが改善策
3.戦略的環境アセスメント(SEA)制度の導入の背景←項目の立て方がちょっと変ですが、本番では手書きだしこんなもんです。少しくらい変でも気にしないほうがいいです
現行法では、事業計画がほぼ固まった段階から環境影響評価手続きが開始されており、環境影響の回避低減に関する内容の検討範囲が限られてしまっている。
生物多様性国家戦略において、事業の早期段階から生物多様性に配慮することが明記された。また国土交通省においては事業の計画構想段階において住民意見を反映させるため、PI手法を取り入れ、事業の早期段階で住民意見を反映させた事業が進められている。
このように、事業の計画構想段階において、生物多様性に及ぼす影響の調査、予測・評価の重要性、住民意見を取り入れる重要性が高まっている。←ここでふたたび専門知識(社会的なこと)があることをアピール。以下の3つの課題に共通した全体的な課題(問題提起)の概要説明も兼ねている
3.1戦略的環境アセスの課題←ここでは課題と解決策を分けた
SEAの実施にあたっては、複数案の比較検討が重要であり、次に示すようにSEAの課題を3つ挙げる。←(2)の要求事項そのまま。問題文を読み違えていないことをアピールする効果がある
①定性的である←3つの課題のひとつ
動植物などの生物種や生態系を評価するにあたっては、科学的知見が乏しく、定量的な評価手法が困難な場合が多いことから、定性的な評価方法となることが多く、複数案の比較検討を客観的に行うことが難しい。
②わかりにくい←3つの課題のひとつ
環境要因が複雑にからみあっており、専門家以外の一般の住民や行政には、わかりにくい。
③SEAの実施時期←3つの課題のひとつ ←これは試験中に頭が真っ白になり、無理やり書きました。複数案とは無関係。
SEAの実施後、事業アセスまで一定期間以上が経過し、SEAの評価結果が反映されない可能性がある。
③複数案(代替案)の実現性が低い ←口頭試験用に準備した論文の修正案
複数案の実現性が低いと事業計画案は限られることから、実質的に複数案とは名ばかりのものとなる。
3.2戦略的環境アセスの改善策←ここでは課題と改善策を分けて書いた
①定量的な評価手法←3つの策のひとつ
できるだけ定量的・客観的に評価する必要があることから、HSIモデルを用いたHEPなどの環境機能評価法や生物機能をモデル化した生物機能評価法などを用いるべきである。←具体策を示すことで応用能力をアピール
ただし事業者の経済的負担が大きくなることに留意する。←マイナス面を把握していることを示すことで応用能力をアピール
②環境情報マップ←3つの策のひとつ
複雑な環境要因を住民や行政などの専門外のひとにとっても理解しやすくするために、複数案のそれぞれについて、環境情報マップを作成し、比較検討を行うべきである。
具体的には、生物多様性保全の施策検討・方針決定に必要となる生態学的な要求を反映した、アセスで活用可能な精度を備えた、概ね市町村~県単位レベルの環境情報マップとする。←具体策を示すことで応用能力をアピール
③順応的対応←3つの策のひとつ  ↓このへんを書きながらもう泣きそうでした
SEAの実施時期については、事業計画の進捗状況を踏まえながら、順応的に対応するべきである。
以上
③実現性のある複数の事業計画案 ←口頭試験用に準備した論文の修正案
複数の事業計画案(代替案)それぞれ実現性の高い案とするため、専門家による客観的な評価を行う仕組み、さらには実務者の技術力を確保するための人材育成が重要である。

解説
「現行法見直し」と「戦略アセスの導入」の背景については、それぞれ9~10行程度(答案原稿用紙で)書いています。これは知識を備えていることを試験官にアピールすることのほかに、その後の「課題」に集約するように書きました。これはあらかじめ準備できると思います。

そのあとの小項目は、問題文で要求されていることを素直にそのまま項目だてして、その説明を答案原稿用紙で2~3行、文でいったら1~2文しか書いていません。
これだけの内容で、原稿用紙3枚、最終行の最終マスまで埋まりました。
答案原稿用紙3枚といっても、皆さんが普段業務でレポートを書いているMSWordなどのA4レポートだと、実は1枚半くらいにしかなりません。

ですから「原稿用紙を埋めるために文章を長々と書きつづる」というのではなく、やはり『箇条書きに近い短い文で体系的にまとめる』と、内容が濃いにもかかわらず、読みやすく、採点しやすいので、結局のところ高評価、すなわちA評価→「合格」ということになると思います。

また、戦略アセスの課題(特に複数案の比較検討にあたっての課題)について、3つめがどうしても思いつかなくて、頭が真っ白になりました。よく考えたら自分で勝手に縛っているだけです(苦笑)。
いろんなひとから話をきくと、「3つ挙げろ」と要求されているにもかかわらず、2つしか挙げないひとが結構いるらしいです。
無理やりでも3つ挙げて間違い部分については口頭試験のときに言い訳させてもらえるチャンスがあるかも、くらいに考えて、多少トンチンカンなのは承知の上で、終了間際の最後の10分でわぁーっと書きなぐりました。

というわけで、色鉛筆を準備していたのですが使うことなく終わり(※今年は黒色以外の鉛筆は禁止です)、しかもテキストではわかりやすいように各項目に下線を引いていますが、これも時間が足りなかったので本番では罫線なしです。
・・・つい話がそれました。
ここで訴えたいことは、「論文の完成度も重要ですが、それ以上に『設問にある要求事項には確実に応える』ことが最優先だ」ということです。

2012年7月17日火曜日

建設産業の再生と発展のための方策2012

ご無沙汰しておりました。
しばらく所要で留守にしており、PCからも遠ざかっておりました。
試験まで日も少なくなるなか自分の勉強もひとまずお預けで、本業のほうに精を出していたんです。

藻類が人類の未来を救う【北海道大学にて】

で、帰還のご挨拶がてらにネタとなるものを報道発表からあさぐっていると、試験までのこのギリギリのタイミングで重要ネタが出てました。

先月末に紹介しましたが、これの最新版ということのようです。
なかをみてみると、現状(課題~問題点含む)、対策が整理して記述してあります。
これはそのまま論文に使えますのでぜひともチェックしておいてください。

設問のテーマとして、5つの対策からひとつが抽出されるか、あるいは複数が採用されるかはわかりませんが、いずれにしても出題されると思いますよ。

建設産業戦略会議の提言「建設産業の再生と発展のための方策2012」について

平成24年7月10日
建設産業戦略会議においては、本年2月以来8回にわたり、建設産業が将来にわたり国土づくり・地域づくりの担い手としての役割を果たしていけるよう、建設産業のあり方について検討が重ねられてきましたが、本日、別添のとおり、提言「建設産業の再生と発展のための方策2012~「方策2011」を実現し、東日本大震災を乗り越えて未来を拓く~」が取りまとめられたので、お知らせいたします。

2012年7月8日日曜日

河川・海岸構造物の復旧における景観配慮の手引き

SUKIYAKI塾筆記試験対策講座もはじまりました。
わたしが担当しているひとの専門はみんな建設環境のなかの「河川系」のひとたちです。

しかしわたしはご存知の通り(?)沿岸系の人間なので、河川に関しては十分なアドバイスもできなく大変申し訳ない気持ちでおりました。
そんな矢先、さきほど知り合いの受験生からビッグな資料を紹介していただきました。
すでに皆さんご存知かもわかりませんが、試験も直前だし、ここであらためて強調しておきたいと思います。

連日の真夏日【那覇市】

 

「河川・海岸構造物の復旧における景観配慮の手引き」の策定について

平成23年11月11日
 東日本大震災では、河川・海岸構造物等に激甚な被害が発生しました。今後、これらの
施設の緊急的な復旧が短期間に行われることとなりますが、施設の復旧にあたっては地
域の景観に及ぼす影響に配慮することが重要となります。
 このため、国土交通省では「河川・海岸構造物の復旧における景観検討会」を開催して
きました。この検討会での議論を踏まえ、河川・海岸構造物の復旧における具体的な景観
配慮方法をとりまとめ、「河川・海岸構造物の復旧における景観配慮の手引き」を策定しま
した。
 東日本大震災により被害を受けた河川・海岸構造物の今後の復旧事業においては、同
手引きを参考に、景観の維持、向上が図られるものと期待しています。

■「河川・海岸構造物の復旧における景観配慮の手引き」および
「河川・海岸構造物の復旧における景観検討会」の議事要旨・配布資料は国土交通省
ホームページに掲載しています。
URL:http://www.mlit.go.jp/river/shinngikai_blog/hukkyuukeikan/index.html
添付資料
【記者発表】「河川・海岸構造物の復旧における景観配慮の手引き」の策定について(PDF ファイル79KB)PDF

河川に関しては、去年は「多自然川づくり」と王道ネタが出ました(一昨年は「中小河川」)。
そういうことから考えると、今年はちょっと変化球ネタでくるんじゃないかと思います。
ちょうどこの資料は、震災復旧に絡むはなしですし、景観配慮なんてのは建設環境の範疇でもあるし、発表された時期が去年の秋ですので、あらゆる状況から鑑みると、出題される条件が揃っているように思います。

本書では、今般の大震災からの施設復旧という、極めて緊急性の高い事業を想定しており、
事業を早期かつ着実に進めていく必要がある。復旧される堤防等の施設は、今後長期間に亘って供用され、地域の人々にとっては日常的に接する施設となる。
そのため、視覚的な景観のみならず、地域と海岸との関係や生態系等、広い意味での「景観」※にも十分に配慮し、地域の個性、魅力が将来に亘り持続することを担保できるものとする必要がある。
(5ページより引用)

なんて文章読んじゃうと、もう目をそらすことはできませんね、これは!
河川はもちろん、沿岸系のひとも要チェックの資料ですよ、これは。
ハッキリ言って、こっから出るんじゃないでしょうか?