2013年6月16日日曜日

専門知識と応用能力について その3応用能力

時の流れは早いもので、試験まであとひと月半ほどになっちゃいました。
沖縄は梅雨が明けて夏の調査本番を向かえると同時に、実は春の調査をいまのうちに終わらせないとホントにヤバイことになっちゃってますので、ここ最近は海に潜りっぱなしでした。

5月の連投から長らく放ってしまっていた選択科目についてですが、ブログを読んでくださっているひとから、続きはどうなってんだとお尻を叩かれてしまいました。ははは。

技術士会ウエブサイトにある平成25年度技術士第二次試験の内容についてをみてみると、次のように書いてあります。

「選択科目」に関する応用能力
【概念】
これまでに習得した専門的知識や経験等に基づいて,与えられた条件に合わせて正しく問題点を認識し,必要な分析を行ない,適切な業務プロセス留意すべき内容を説明できる能力
【内容】
「選択科目」に関係する業務に関し,与えられた条件に合わせて,専門的知識や実務経験に基づいて業務遂行手順が説明でき,業務上で留意すべき点工夫を要する点等についての認識があるかを問う内容とする

このことから、
①選択科目に関するなんらかの業務(仮想事例または受験者自身が経験した業務)について、
②その業務遂行手順を説明し、
③業務上の留意すべき点、あるいは工夫を要する点を説明する
ことが求められそうです。

こう考えると、ちょうどわたしが平成22年度試験で回答した問題の(2)に近い感じになるのかもしれません。

Ⅰ-7 干潟・砂浜・藻場等に代表される沿岸域の保全について,以下の問いに答えよ。
(1)沿岸域の特性を踏まえて,沿岸域の保全が重要である理由を3つ述べよ。
(2)沿岸域の保全事業において,計画段階と実施段階それぞれで,留意すべき点を述べよ。
「ホニャララ事業において、ナニナニ段階で留意すべき点を述べよ」
まさに平成25年度試験の内容そのものではないですか?

というわけで、わたしの回答文を載せておきますので、雰囲気を参考にしてみてください。
※ただしこの文章を書いた当時は「留意すべき点」の「留意」という言葉の意味がいまいちピンときていませんでした。さらに「技術士論文は『考える』で文章を〆るべきだ」という変な思い込みがありましたので、そこらあたりはご容赦ください。

遠くに見えるは伊江島です【沖縄県本部町瀬底島】
2.留意事項
2.1計画・構想段階
(1)適切な目標の設定
目標の設定にあたっては、良好な状態で持続する環境を目標とすることが重要であると考える。その際、自然の変動や攪乱は、生態系本来の動的な維持機構であることに留意する。
(2)包括的な計画立案
沿岸域を含む自然環境は環境条件の変動や生態系の応答が科学的に未解明の部分が多い。また社会的な要請の変化も予測不能である。このため不確実性に対応できるよう、設計・施工における順応的対応、管理における順応的管理を包括した事業計画を立案することが重要であると考える。
(3)場所の選定
沿岸生態系の保全を図るためには、目標とする生態系が成立する環境条件を整理し、その条件に適合した場所を選定する必要がある。そのうえで安定した生息基盤や生息環境などが満たされない条件に関して、土木技術等により人為的に制御することが重要であると考える。
周辺地域の地形や生物生息状況を参考とすることに留意する。また、周辺地域から生物の加入を促進させる工夫についても検討するべきである。
2.2実施段階
(1)施工
周囲への環境影響などに十分配慮することが重要であると考える。
(2)管理
順応的管理にあたっては、目標が達成されているかをモニタリングし、その成果を管理手法の改善などにフィードバックすることが必要である。
モニタリングにあたっては、生態系を評価するための判定基準やその評価方法、評価期間をあらかじめ詳細に定めておくことに留意する。
2.3多様な主体の参画
目標設定及び計画立案にあたっては、地域住民、漁業者、NPO、専門家、行政など多様な主体の参加による協議会において議論を進めていくべきである。様々な立場の意見を集約することで問題点が明確になり、事業理念の共有化が図られるものと考える。
管理段階においては、住民の参加によるモニタリングや環境学習などの活動を通して、地域が一体となって管理に取組む仕組みも重要であると考える。
以上

2.3多様な主体の参画については、マスがかなり余っちゃったので(10行ほど)、追加で記述したためそれぞれの段階を混ぜて書いています。
前々回の(1)の回答文とあわせて3枚ほぼきっちり記述しています。
今年は4枚ですので、さらに記述量が求められるわけですから、こういった文章量を調整するネタを持っておくとイイと思いますよ。

でも「4枚書け」なんてことを考えると、今回取り上げた平成22年度のような問題ではないかもしれません。
きっともっと設問数が多くなると思います。
ジャンルが増えるか、同ジャンルでも設問数が増えるか。
いずれにしても持ち球を増やせばどんな問題にも対応できます。

次回は課題解決能力編です(昨年の投稿ともカブりますが)。
では!

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