2016年2月5日金曜日

必須科目(択一問題)からみた建設環境

寒いですね。
全国ニュースでも触れられましたが、先月の大寒波のときは、なんと沖縄でも「雪」が観測されました(みぞれなんですが雪に分類されるそうです)。
これまで非公式的な噂や都市伝説的には「雪」が降ったという話は聞かないこともなかったのですが、ついに気象台の公式記録として認定されました。

2月に入り沖縄もまだまだ寒さが続いているわけですが、週明けには旧正月ですし、いよいよ寒さも底(そこ)かと思っています(期待しています)。

万年雪【富山県黒部峡谷】

春に向けた準備期間でもあるこの季節、そろそろ出願書類ネタを連投しようかと思っていたところなのですが、これまで投稿した出願書類関連の記事に付け加えるようなネタもなく、どうしようかなと筆が止まってしまいました。

このブログのページビュー統計をみると先々週くらいから出願ネタをチェックしてくださっているひとが増えてきました。平成28年度試験に向けてスタートしているひとたちなんだろうと嬉しく思っています。

そんなわけで前回の投稿からあまり間を空けるのもよくないので、スピンオフ的ネタですが記事をアップしてみます。
今回初めての(しかも試験にはそんなに直接的に役には立たないであろう)切り口ですが、よかったらお付き合いください。

わたしが直接に添削指導した受験生ではないのですが、仕事上で関わりのあるひとなどわりと身近な知り合いの多くが昨年度試験は「択一」で涙をのんでしまいました。
これは建設部門だけでなく、環境部門も含めてです。
択一、侮れませんね。
わたしは択一がないころの人間なのでナマな感覚がつかめないのですが、択一のある総監を複数年受験し続けた経験からすると、択一の極意はやはり過去問を解きまくる(浴びまくる)につきると思っています。
といっても昨年からはそうもいかなくなってきたような話も聞きましたので、いろいろと試行錯誤、プラスαの対策が求められています。
そんななか、昨年からスタートしたAPECさんの100本ノックがとても好評でしたから、6割確保に自信のないかたはいまから筆記試験までの半年間、隙間時間を利用していつでもどこでもノックを浴びまくったらいいんじゃないかと思います。

で、その択一ですが、建設環境に特化した問題はどんなことが取り上げられているのかを見てみましょう。

平成27年度
Ⅰ-7 世界の二酸化炭素排出量の推移を示す次のグラフにおいて,(ア),(イ)及び(オ)の組み合わせとして最も適切なものは次のうちどれか。
図 主要な国や地域等別のエネルギー起源二酸化炭素排出量の推移

Ⅰ-8 建設環境に関する次の記述のうち,最も不適切なものはどれか。
① 「土壌汚染対策法」の目的は,土壌汚染の把握に関する措置及びその汚染による人と野生動物への影響を防ぐ措置を定めること等により,土壌汚染対策の実施を図り,もって国民の健康と生物生息環境の保護を図るものである。
② 地球温暖化対策には緩和策と適応策があるが,緩和策,適応策のいずれも単独ではすべての気候変化の影響を避けることはできないが,両者を用いて相互補完的に取り組むことにより,気候変化のリスクを大きく減少させることができる。
③ 「環境影響評価法」に基づいて実施される計画段階配慮書手続きにおいては,事業の位置等に関する複数案には,現実的である限り,当該事業を実施しない案(ゼロ・オプション)を含めるように努めることとされている。
④ 「水循環基本法」においては,その基本理念として,水循環の重要性,水の公共性,健全な水循環への配慮,流域の総合的管理,水循環に関する国際的協調がうたわれている。
⑤ 水質汚濁防止対策として,特定事業場の排水口における排水基準を設けていることに加え,閉鎖性の高い海域である東京湾,伊勢湾及び瀬戸内海を対象として総量規制を導入している。

Ⅰ-11 我が国の循環型社会の形成に関する次の記述のうち,最も不適切なものはどれか。
① 下水汚泥は,全産業廃棄物排出量の約4割を占め,平成23年度の排出量は約5,000万トンであり,その減量化,リサイクルの推進が課題である。
 平成14年度以降、新たに不法投棄が確認された1件当たり10トン以上の産業廃棄物の投棄件数,量は概ね減少傾向にあり,平成25年度は件数が約160件でその投棄量は約3万トンであった。
③ 国土交通省のリサイクル原則化ルールでは,同省の発注する建設工事においてコンクリート塊,アスファルト・コンクリート塊を廃棄物として工事現場から搬出する場合は,経済性にかかわらす再資源化施設へ拠出することとなっている。
④ 循環型社会の構築に向けて循環資源の「環」を形成するため,循環資源の広域流動の拠点となる港湾がリサイクルサポートとして指定されている。
⑤ 平成24年度の建設廃棄物の排出量は平成20年度より約14%増加したが,最終処分量は減少した。

平成26年度
Ⅰ-7 我が国の部門別二酸化炭素排出量の推移を示す次のグラフにおいて,(ア)~(オ)の部門の組み合わせとして適切なものはどれか。
図 部門別二酸化炭素排出量(電気・熱配分後)の推移

Ⅰ-8 建設環境に関する次の記述のうち,最も不適切なものはどれか。
① 土壌汚染対策法における特定有害物質とは,「それが土壌に含まれることに起因して人の健康に係る被害を生ずるおそれがあるもの」であり,直接摂取によるリスクと地下水等の摂取によるリスクの観点から選定されている。
② 地球温暖化対策には緩和策と適応策があるが,緩和策,適応策のいずれも単独ではすべての気候変化の影響を避けることはできないが,両者を用いて相互補完的に取り組むことにより,気候変化のリスクを大きく減少させることができる。
③ 環境影響評価法に基づいて実施される計画段階配慮書手続きにおいては,事業の位置等に関する複数案には,現実的である限り,当該事業を実施しない案(ゼロ・オプション)を含めるように努めることとされている。
④ 「自動車から排出される窒素酸化物及び粒子状物質の特定地域における総量の削減等に関する特別措置法」に基づき,窒素酸化物対策地域内及び粒子状物質対策地域内に使用の本拠の位置を有する普通自動車に対して,それぞれ窒素酸化物排出基準及び粒子状物質排出基準が定められている。
⑤ 水質汚濁に関する環境基準には,「人の健康の保護に関する環境基準」では,河川,湖沼,海域別に水域類型を指定し,類型ごとに水質の基準値を定めている。

Ⅰ-11 循環型社会の形成促進に関する次の記述のうち,最も不適切なものはどれか。
① 循環型社会の構築に向けて循環資源の「環」を形成するため,循環資源の広域活動の拠点となる港湾が,リサイクルポート(総合静脈物流拠点港)として平成25年度までに全国で22港指定されている。
 平成20年度において,建設廃棄物は全産業廃棄物排出量の約6割,最終処分量の約6割を占めており,その発生抑制,リサイクルの促進は重要な課題である。
③ 平成24年度における建設汚泥,建設発生木材の再資源化率は,平成14年度よりも向上しているが,コンクリート塊やアスファルト・コンクリート塊の再資源化率には及ばない。
④ 「建設工事に係る資材の再資源化等に関する法律」では,特定建設資材を用いた建設物に係る解体工事であって,その規模が一定基準以上のものの受注者は,正当な理由がある場合を除き,分別解体を行い,それに伴って生じた特定建設資材廃棄物については再資源化をしなければならない。
⑤ 建設発生土は,建設工事から搬出される土砂であり「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」に規定する廃棄物には該当しない。

Ⅰ-17 次の記述のうち,最も不適切なものはどれか。
① 景観法は,我が国の都市,農山漁村等における良好な景観の形成を促進するため,景観計画の策定とその他の施策を総合的に講ずることにより,美しく風格のある国土の形成,潤いのある豊かな生活環境の創造及び個性的で活力のある地域社会の実現を図り,もって国民生活の向上並びに国民経済及び地域社会の健全な発展に寄与することを目的としている。
 環境影響評価とは,環境に大きな影響を及ぼすおそれがある事業について,その事業の実施に当たり,あらかじめ事業の環境への影響を調査,予測,評価し,その結果に基づき,その事業について適正な環境配慮を行う事である。

Ⅰ-18 水力,火力,原子力,地熱及び波力発電に関する次の記述のうち,最も不適切なものはどれか。
② 火力発電所リプレースに係る環境影響評価手法の合理化に関しては,国よりガイドラインが定められている。

平成25年度
Ⅰ-1 我が国の社会経済の現況に関する次の記述のうち,最も適切なものはどれか。
① 気候変動に関する国際連合枠組み条約の京都議定書において,我が国は2008年~2012年の温室効果ガスの排出量の平均を基準年に対して6%削減することとされた。

Ⅰ-7 ISO14001の環境マネジメントシステムに関する次の記述のうち,最も不適切なものはどれか。
① 環境マネジメントシステムは,計画,実施,点検,マネジメントレビューのいわゆるPDCAサイクルを継続的に実施することにより,環境配慮の取組の改善を図るものである。
② 環境方針は,トップマネジメントが定め,文書にすることが必要であり,組織で働く又は組織のために働くすべての人に周知するほか,誰でも入手できるようにしておかなければならない。
③ 環境マネジメントシステムでは,ISOが定める環境改善や環境負荷低減の目標値を達成しなければならない。
④ 環境マネジメントシステムでは,環境に関する緊急事態や事故の可能性について予め検討し,どのように対応するかの手順を確立しなければならない。また,緊急事態や事故が発生した場合には,有害な環境影響を予防・緩和するとともに,この手順のレビューもしなければならない。
⑤ 環境マネジメントシステムでは,環境マネジメントシステムが規格の要求事項を含めて,計画された取決め事項に適合し,適切に実施・維持されているかを判断するため.内部監査を行わなければならない。

Ⅰ-8 環境省が策定し、使用しているレッドリストのカテゴリー定義に関する次の記述のうち,絶滅危惧Ⅱ類として最も適切なものはどれか。
① 絶滅の危険が増大している種で,現在の状態をもたらした圧迫要因が引き続き作用する場合,近い将来,上位カテゴリーに移行することが確実と考えられるもの。
② 絶滅の危機に瀕している種で,現在の状態をもたらした圧迫要因が引き続き作用する場合,野生での存続が困難なもの。
③ 存続基盤が脆弱な種で,現時点での絶滅危険度は小さいが,生息条件の変化によっては上位カテゴリーに移行する要素を有するもの。
④ 地域的に孤立している個体群で,絶滅の恐れが高いもの。
⑤ 絶滅の危機に瀕している種で,ごく近い将来における野生での絶滅の危険性が極めて高いもの。

Ⅰ-11 我が国における循環型社会形成に関する次の記述のうち,最も不適切なものはどれか。
① 循環型社会形成のための課題の1つである3Rとは,リデュース(発生抑制),リユース(再使用),リサイクル(再生利用)である。
 「グリーン購入法」に基づく調達方針においては,国土交通省は間伐材を使用した公共工事の調達を積極的に推進しているほか,地域の木材を活用した木造住宅の振興に積極的に取り組んでいる。
③ 平成20年度の建設廃棄物の排出量のうち,アスファルト・コンクリート塊,コンクリート塊及び建設発生木材の3品目の排出量は約50%を占めた。
④ 平成20年度の建設廃棄物は,土木系廃棄物の方が建設系廃棄物より多く,再資源化率も土木系廃棄物の方が建築系廃棄物よりも高い。
⑤ 平成20年度における下水汚泥のリサイクル率は約80%であった。

Ⅰ-18 新エネルギーに関する次の記述のうち,最も不適切なものはどれか。
① 「京都議定書」の枠組みにおいてバイオマスの燃焼により発生するCOは,排出量にカウントしないものとされている。

こうしてみると、下記の1~5あたりは繰り返し出題されているのがわかりますね。
1.循環型社会(建設廃棄物、建設資材の再資源化、リサイクルポート)
2.低炭素社会(二酸化炭素排出量)
3.環境影響評価
4.土壌汚染対策
5.水質汚濁防止
6.景観法
7.ISO14001
8.水循環
9.自動車NOx・PM法
10.環境省レッドリスト

記述問題で出題されているジャンルと比べてみても、1~5は共通して頻出していますよね。
当たり前のことなのかもしれませんが、建設環境科目で必要とされている分野とはこのあたりのものなのだということがわかりました。

2 件のコメント:

  1. 涙をのんだ知り合いです(T_T)
    今年は頑張るぞ!
    100本ノック購入!
    択一問題150選購入!
    あとはやるだけです(^^;)

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    1. がんばってください!
      経過報告をお待ちしています!

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