2012年4月15日日曜日

経歴票の使われ方の実際

前回につづき、経歴票について。

・・・・・最初の構想では実は数回に分けて経歴票作成のポイントを書こうと考えていたのですが、もう締切までひと月もないし、いいかげん引っ張っても意味がないので、逆方向から光を当ててみることにします。

というわけでいきなりですが、実際の口頭試験では経歴票がどのような使われ方をしたのか、わたしの事例を紹介します。

まず経歴票がコチラ。

平成22年度試験だったので、当時はいまとちがってインターネット申請もできました。
その様式なので(しかも入力途中の様式です)見た目が違うわけです。
でも、入力文字数制限とかは別として、内容は同じですのでそこは気にしないでください。

なお、体験論文の詳述は7番目、概略のみのは4番目の業務でした。
どちらも最近の業務ではなかったので、すべての業務について念のため論文的なストーリーを作っておきましたが、実際の試験では訊かれませんでした(そういうものです)。

で、実際の口頭試験での様子を以下に公開します(経歴関連部分)。

試験官はふたり。試験官Aが左、試験官Bが右。
試験官A:司会役 温和でにこやか、どことなくノーベル化学賞受賞の田中耕一さんに似る。40代。
試験官B:終始ムスっとした表情、藤子不二雄Aを若くした感じ。声が小さく聞き取りづらいうえ、質問を2つ続けて出す。50代。

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A:「それでは一応お聞きしますが、あなたの名前をフルネームで、受験番号もお願いします」(両試験官とも起立したまま)
私:「はい、0911X00XX、○○○○○と申します。よろしくお願いします」(質問にある、①名前、②受験番号の順で答えるべきかどうか一瞬迷ったが、噛まないためにもこれまでの練習どおりとした)

A:「はい、どうぞお掛けください」(試験官が着席する)
私:「はい、失礼します」

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A:「まずは事前に提出していただいている、あなたの経歴と、それから技術的体験論文の内容について説明してください。全部で10分程度でお願いします
私:「はい。私は、XX大学理学部XX学科を卒業後、平成8年に株式会社 環境調査XXXに入社いたしました。
平成11年までの4年間、研究員として主担当者の補助的な立場、主に沿岸域における海岸整備事業、空港建設事業等の環境調査を行いました。そしてそれらの環境影響評価や環境保全対策検討などの補助を行いました。
平成12年から主任研究員として、管理技術者の下で主担当者としての仕事を任されるようになり、沿岸域における海岸整備事業や公有水面埋立等の社会資本整備に係る環境調査、そして環境保全対策の検討を行ってまいりました。
また、役職としては4月より係長を拝命し、より責任のある立場で業務を行っております」

(経歴票に記載していない4月以降のことも付け足してみたのだが、試験官Aさんがうなずいてくれたので精神的に落ち着き、これで調子が乗ってきた)

私:「つぎに業務1の説明をいたします」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・上記の内容そっくりそのままで1分半です・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・そのほか試験官が経歴票をチラチラみながら質問したことを以下に抜粋します・・・ 

B:「あなたの会社は、職員は何人ですか
私:「えー、X人ほどです」

B:「そのうち技術職は何人くらいですか
私:「えー、‥‥(事務職・営業職のひとの人数を数える、さらに社長・役員を除くと)‥‥X人ほどです」

B:「分析がメインなんですか
私:「はい、私は生物調査の部署ですが、ほかには水質や大気質などの化学分析、騒音振動などの物理測定などの部署がありまして、分析がメインの環境計量証明を行っている会社です」

A:「大学ではどういった研究をされてたんですか。分析関係ですか
私:「え、はい、いや分析というか、海洋生物の生態学講座、研究室でした。卒論はXX先生のところでXXダムの魚道を利用する生きものの遡上降下についてのものをやりました」
(試験官AさんならXX先生をひょっとしてご存知かもしれないと思ってためしにぶつけてみたけど、反応なし)


B:「今回が初めての受験ですか
私:「はい、初めてです。今回満を持して、といいますか、仕事での必要性も高まったので、挑戦しました。(試験官Bさんが経歴票を確認しだしたので実は1次試験に合格したのは平成15年...ですか、それからだいぶ時間がたっているんですが、その間はほかの民間資格などの取得に励んでおりました」(言い訳的な余計なことばかりペラペラ喋ってしまった)

B:「民間資格というのはRCCMのことですか
私:「あっ、RCCMは今年受験しました。取得した民間資格は生物分類技能検定の1級ですとか、港湾...」

B:「分類?技能?それはプロポの要件になってるの?
私:「はい、えー、生物分類技能検定については、主に環境省系のものがプロポの要件になっているものもありますが...」

A:「生物の分類ということは、あなたが実際に生物調査、分類をしているということですか
私:「はい、私は主に海域の生物の、特に海藻をやっています」

A:「それでは実際に海に潜っているんですか
私:「はい、潜っています。その体験論文のXXの移植についても、実際に潜水して作業しました。論文には細かくは書いていませんが、実際にはただ運べばいいというものではなくて、細かい指示、確認をしたりしないといけませんので」

A:「はい、それでは試験は以上です」(すごく唐突だった)
私:「えっ!?、はい、そうですか。ありがとうございました。よろしくお願いします。失礼します」
(試験官Aさん、Bさんが起立するので、あたふたと立ち上がり、荷物を抱えて慌しく退出した)
経歴説明のポイントは、地位・職名別にまとめて説明しました。

【卒業~入社→研究員の補助時代→主任研究員の主担当時代(+係長になったこと)】 

というように、技術者としてのステップアップ過程を印象付けるよう演出しました。
たいしたこと説明してませんが、これで1分半です。
残り9分程度で体験論文の2つの業務を3分、7分で説明しました。

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わたしの口頭試験での様子(と体験論文)は、ほぼ完全版のかたちでAPECさんの書籍(技術士受験を応援する第二次試験合格法 口頭試験編 2011年度版)に収録されています。
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