2013年5月27日月曜日

専門知識と応用能力について その1専門知識

それではまず、午後いっぱつめの試験である①専門知識と応用能力の、まずは専門知識について、実際に過去のBグループの問題文をみてみましょう。

平成24年度技術士第二次試験問題〔建設部門〕
Bグループ
Ⅰ-3 道路における環境への取組について,以下の問いに答えよ。
(1)沿道環境(大気質汚染と騒音)の近年の状況と課題について,概要を述べよ
(2)我が国において,省エネルギー化や低炭素型社会の構築が強く求められていることを踏まえ,道路において取り組むべき対策を3項目挙げて説明せよ。その際,沿道環境改善への効果もある場合にはそれにも言及せよ。

Ⅰ-4 ヒートアイランド現象について,以下の問いに答えよ。
(1)ヒートアイランド現象の緩和を図る上で,都市の緑地や緑化の果たす役割を述べよ
(2)(1)の役割を踏まえ,都市の緑地の保全と緑化を推進していくための対応策を3つ取り上げて,あなたの意見を述べよ。

Ⅰ-6 低炭素社会化の観点から,公共交通・輸送機関として鉄軌道の役割が期待されている。このことに関し,以下の問いに答えよ。
(1)CO2排出量において鉄軌道が他の輸送機関に比べ優れている理由を述べよ
(2)鉄軌道におけるCO2排出量削減の取組の内容を3つ述べよ
(3)公共交通・輸送機関として鉄軌道の利用をより促進するための取組を2つ挙げ,その推進に当たっての建設分野における課題と対応策について述べよ。

Ⅰ-9 平成20年3月「中小河川に関する河道計画の技術基準」が通知された。この中には,硫化能力を増大させるために必要な河積の拡大は,原則として川幅の拡幅により行うこと,そして,河床掘削はできるだけ避けることが示されている。そこで,以下の問いに答えよ。
(1)川幅を拡幅すること,河床掘削を避けることにより期待される河川環境に対する効果を2つ述べよ
(2)このような改修を行った際に生じる問題点を1つ挙げ,その解決方法を述べよ。

Ⅰ-10 河川水中に存在する有機物が流下に伴い減少することは“自然の浄化機構”や“自浄作用”として広く知られている。そこで,以下の問いに答えよ。
(1)河川における自然の浄化機構説明せよ
(2)河川における自然の浄化機構を高めるための方策を3つ挙げ,その内容を述べよ。

伊是名島の伊是名集落

このようにみてみると、(1)の多くが専門知識についての問いであることがわかります。
文末表現が、
○○について概要を述べよ
○○について説明せよ
○○の果たす役割を述べよ
○○である理由を述べよ
○○の取組の内容を述べよ
○○に対する効果を述べよ
となっているものがそれにあたります。

専門知識については設問で問われていることを述べる(=説明する)だけです。
知っていることを整理し、あとは淡々と記述するのみです。

ということで勝負は、
①問われている内容に関する知識について、必要レベル及び量を備えておく
②上記の知識を体系的に整理しておく
ことになると思います。

これについてはこれまでもたびたび紹介している行政発信の資料がとっても役立ちます。
各設問とも、それぞれのジャンルからホットな話題(新しい施策の実施前後、法改正前後、技術基準改訂前後、ガイドライン発行前後など)が出題される傾向があります。
そのほか建設環境の存在意義として重要なテーマである、①地球温暖化対策、②生物多様性保全、③循環型社会構築、については、ご自分の専門分野での取り組み、課題、対応策も専門知識として整理しておいてください。

次回は、わたしの実際の回答論文を例に、試験時の思考パターンを振り返ってみようと思っています。

では!

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