ほとんど海に出ずっぱりの潜りっぱなしで、丘にはほとんど寝るためだけに戻ってきていました。
なんだかある種の甲殻類のようですね。
いよいよ沖縄でも筆記試験対策セミナーの開催が間近となってきました。
しかし上記のとおりわたしがセミナーに参加できるか今のところ不確定なので、午後に行う建設環境の科目別セミナーは、別のかた、それも昨年度試験に合格したひとをメイン講師としてお願いすることになりました。
新試験方法による合格体験を踏まえた、より受験生のためになる講座となるものと思います!
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今回紹介するのは、環境部門のひとは要注意ネタ、建設環境のひとも頭の隅に入れておいてほしいネタである、「自然環境(あるいは生物多様性)の経済的価値の評価」についてのものです。
専門とする事項に『自然環境の保全及び創出』、『環境影響評価に関する事項』あたりを記入しているひとは要チェックです。
トドゥマリの浜(西表島)
報道発表資料
平成26年5月23日
アンケート調査による生物多様性の経済的価値の評価(CVM)の結果について
環境省では、過去に失われた干潟を再生することの経済的な価値、ツシマヤマネコの生息数を回復させることの経済的な価値について、アンケート調査による評価(CVM)を、平成25年度に実施しましたので、その結果についてお知らせします。
1.背景・経緯
・2010年に愛知県名古屋市で開催された生物多様性条約第10回締約国会議(COP10)で、TEEB(生態系と生物多様性の経済学)の最終報告書が公表されるなど、生物多様性や生態系サービスの価値を経済的に評価することの重要性が注目されている。
・様々な主体が生物多様性及び生態系サービスの価値を認識し、その保全や利用に際して適切な意思決定が行われることを促進するため、環境省においても経済価値評価の検討を進めている。
・平成25年度は、アンケート調査による評価手法を用いて、過去に失われた干潟を再生することの経済的価値、ツシマヤマネコの生息数を回復させることの経済的価値を算出した。
2.評価対象
平成25年度は下記の対象について評価を実施。
■過去に失われた干潟を再生することの経済的な価値
愛知目標(※1)に基づき、1978年から2010年までに国内で失われた干潟面積の15%にあたる約1,400haを2020年までに回復させることについて、1世帯あたりの年間の支払意思額を確認。
■ツシマヤマネコの生息数を回復させることの経済的な価値
ツシマヤマネコの保護増殖の取組を進めることにより、20年後までに野生のツシマヤマネコの生息数を1980年代の推定生息数(※2)である約140頭にまで回復(現在よりも約40頭増加)させることについて、1世帯あたりの年間の支払意思額を確認。
※1...COP10で採択された生物多様性に関する世界目標。2020年を主な目標年としている。
※2...推定生息数に関する詳細は関連webページの「ツシマヤマネコ生息状況等調査(第四次特別調査)」を参照
3.評価手法
・WEBアンケートを用いたCVM※により評価。
・CVMでは、不適切なシナリオ設定や回答者がシナリオを正しく理解できていない場合などには調査結果にバイアスが生じ、正しく評価されない場合があるため、今回の評価は、可能な限りこうしたバイアスが生じないよう有識者による検討を経て実施した。
※CVM(Contingent Valuation Method:仮想評価法)
アンケート調査等により支払い意思を聞き取ることにより、対象とする環境の持っている価値を評価する手法。回答者に環境改善のシナリオを示し、そのシナリオを実現することに対する支払意思を確認する。
|
4.評価結果
支払意思額に評価範囲(受益範囲)である全国の世帯数(51,950,504世帯)を乗じて評価額を算出。
評価対象 | 有効回答数※1
/回答数
| 支払意思額
(1世帯あたり年間※2)
| 評価額(年間) | |
過去に失われた干潟を再生することの経済的な価値 | 873/1,040 | 中央値※3 | 2,916円 | 約1,515億円 |
平均値※4 | 4,431円 | 約2,302億円 | ||
ツシマヤマネコの生息数を回復させることの経済的な価値 | 801/1,040 | 中央値 | 1,015円 | 約527億円 |
平均値 | 2,790円 | 約1,449億円 |
※1 有効回答数は、抵抗回答、温情効果回答、回答時間が明らかに短かった回答を除いた回答数
※2 アンケートでは一世帯あたり数年間(干潟は7年間、ツシマヤマネコは10年間)継続して支払うものとして質問した結果
※3 統計的にYESとNOの回答が半々となる値。政策を実行する際に過半数の支持が得られるかどうかの境界値
※4 統計的に算出した支払意思額の平均値
5.評価結果に関する留意事項
・今回の結果は、仮想的なシナリオを設定し、そのシナリオを実現することの価値を評価したものであり、干潟やツシマヤマネコそのものの価値を評価したものではない。
添付資料
報道発表資料
平成26年5月23日
湿地が有する経済的な価値の評価結果について
環境省では、平成25年度に国内の湿地のうち湿原及び干潟が有する経済的な価値を評価しましたので、その結果についてお知らせします。
1.背景・経緯
・2010年に愛知県名古屋市で開催された生物多様性条約第10回締約国会議(COP10)で、TEEB(生態系と生物多様性の経済学)の最終報告書が公表されるなど、生物多様性や生態系サービスの価値を経済的に評価することの重要性が注目されている。
・様々な主体が生物多様性及び生態系サービスの価値を認識し、その保全や利用に際して適切な意思決定が行われることを促進するため、環境省においても経済価値評価の検討を進めている。
・平成25年度には、我が国の生態系の中でも特に近年の損失が大きい生態系である湿地について、経済的な価値の評価を実施した。
2.評価の対象
本評価では様々な湿地タイプのうち湿原及び干潟を対象とし、全国の湿原及び干潟が有する生態系サービスの経済価値評価を行った。
表:評価の対象とした湿地の面積
湿地タイプ
|
面積
|
湿原
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110,325ha
|
干潟
|
49,165ha
|
※湿原及び干潟の定義、面積は環境省自然環境保全基礎調査による。
3.評価方法
・湿原及び干潟が有する生態系サービスを整理し、既存の調査研究事例等を用いて経済価値評価が可能な生態系サービスのみを評価した。
・これまでに全国レベルで定量的な評価が行われている生態系サービスについては、適切な代替財(ダム、水質浄化施設にかかる費用等)を用いて貨幣換算を行った。
・定量的な評価が一部地域でしか行われていない場合には、その値を全国に適用して評価額を計算した。
・評価額は湿原及び干潟が年間に生み出す生態系サービス(フロー)の価値として算出した。
・経済価値の評価が困難な生態系サービスについては、生態系サービスの内容と経済評価にあたっての課題を整理した。
4.評価結果
・湿原及び干潟が有する生態系サービスのうち、今回、経済価値の評価を行ったものは以下のとおり。
■湿原の生態系サービスの経済価値評価結果
生態系サービス
|
評価額(/年)
|
原単位(/ha/年)
| |
調整サービス
|
気候調整
(二酸化炭素の吸収)
|
約31億円
|
〔高層湿原〕
約1.4万円
〔中間湿原〕
約2.2万円
〔低層湿原〕
約3.1万円
|
気候調整
(炭素蓄積)
|
約986億円―
約1,418億円
|
〔高層湿原〕
約250万円
〔中間湿原〕
約154万円―
約177万円
〔低層湿原〕
約58万円―
約105万円
| |
水量調整
|
約645億円
|
約59万円
| |
水質浄化
(窒素の吸収)
|
約3,779億円
|
約343万円
| |
生息・生育地
サービス
|
生息・生育環境の提供
|
約1,800億円
|
約163万円
|
文化的サービス
|
自然景観の保全
|
約1,044億円
|
約95万円
|
レクリエーションや
環境教育
|
約106億円―
約994億円
|
約9.6万円―
約90万円
|
■干潟の生態系サービスの経済価値試算結果
生態系サービス
|
評価額(/年)
|
原単位(/ha/年)
| |
供給サービス
|
食料
|
約907億円
|
約185万円
|
調整サービス
|
水質浄化
|
約2,963億円
|
約603万円
|
生息・生育地
サービス
|
生息・生育環境の提供
|
約2,188億円
|
約445万円
|
文化的サービス
|
レクリエーションや
環境教育
|
約45億円
|
約9.1万円
|
5.評価結果に関する留意事項
・上記の評価は、湿原及び干潟が有する価値のごく一部を既存の調査研究事例から整理したものであり、湿原及び干潟の価値の全てを評価したものではない。このため、今後の調査研究の進展による改善が望まれる。
・経済価値評価には様々な手法があり、用いる手法により評価結果も異なることから、生態系間、生態系サービス間で単純な比較はできないことに留意が必要。
・仮に今回計算した国内の湿地の生態系サービスの経済価値を単純に合計すると、湿原は年間約8,391億円~9,711億円、干潟は年間約6,103億円となるが、また1つの生態系サービスを他の生態系サービスから切り離して単独で評価できない場合もあり、合計額を用いる場合には重複して計算している可能性にも留意する必要がある。
・また、生態系及び生態系サービス毎に異なる評価手法を用いて評価しているため、湿原と干潟に係る経済評価の結果を単純に比較することはできない。
6.専門家による検討
本評価の実施にあたっては、湿地及び環境経済学の専門家による湿地の経済価値評価検討会を平成25年度に3回開催した。そのほか12名の専門家へのヒアリングを行い、評価の参考とした。
■湿地の経済価値評価検討会 委員(50音順、敬称略)
金谷 弦 独立行政法人国立環境研究所地域環境研究センター 研究員
栗山 浩一 京都大学農学研究科 教授
中村 太士 北海道大学 大学院農学研究院教授(座長)
山形 与志樹 独立行政法人国立環境研究所地球環境研究センター 主席研究員
吉田 謙太郎 長崎大学環境科学部 教授
参考)生物多様性及び生態系サービスの経済価値評価に関する手法等については、関連Webページを参照。
添付資料
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