2021年4月9日金曜日

地球規模生物多様性概況第5版(GBO5)日本語版

受験申込書の作成はいかがでしょうか。
年度明け早々ですが、(R2年度筆記試験合格者以外のかたは)受付期限まであと10日となり、いよいよ折り返して終盤となりますね。これからは実務経験証明書の作成と並行して添付する書類の準備も進めてくださいね。

新しくなった受験申込書のことは近々あらためて投稿するとして、本日は筆記試験対策ネタを取り上げます。
建設環境だけでなく、その他の部門科目でも基本的知識として抑えておいてほしい「生物多様性」についての最新の概況です。
昨年秋頃でしたか、オリジナルが発表された際にはニュース報道もされましたが、それの日本語版がようやくリリースされました。環境分野の自然環境保全系の技術者のかたは要チェックです。活用方法のポイントだけでも見ておいてください。

GBO5は、国際的な生物多様性の状況や、保全と持続可能な利用の取組が概観できる内容となっており、今後の生物多様性に関する議論での基礎資料となります。
GBO5では、生物多様性戦略計画2011-2020及び愛知目標の実施の進捗の最終評価のほか、「自然との共生」という2050年ビジョン達成に向けての必要な行動が示されており、GBO5は2020年以降の世界目標を含むポスト2020生物多様性枠組の検討の資料の一つとなるものです。
GBO5日本語版が、都道府県及び市町村による「生物多様性地域戦略」の策定、これに基づく施策の進捗状況や、目標の達成状況を点検・評価する際の参考として御活用いただく等、生物多様性の保全と持続的な活用に関する施策推進の一助となることを期待しています。

特に環境部門の自然環境保全のひとはもう教科書にしてくださいね。本年度試験はここから必ず出題されると踏んでおいて間違いありません。

有栖川宮記念公園
【東京都港区南麻布】

令和3年4月8日
自然環境
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地球規模生物多様性概況第5版(GBO5)日本語版の作成について

環境省では、生物多様性戦略計画2011-2020及び愛知目標の最終的な達成状況について分析した『地球規模生物多様性概況第5版』(Global Biodiversity Outlook 5。以下「GBO5」という。昨年9月に生物多様性条約事務局から公表。)の日本語版を作成し、環境省ウェブサイトに掲載しましたのでお知らせします。

1.内容

GBO5は、これまでのGBO、各国から提出された国別報告書、IPBESアセスメント等の既存の生物多様性に関する研究成果やデータをもとに、生物多様性戦略計画2011-2020及び愛知目標(注1)の達成状況について分析した生物多様性条約事務局(カナダ、モントリオール。以下「条約事務局」という。)による報告書です。

昨年9月にオンラインで開催された生物多様性条約第24回科学技術助言補助機関会合(SBSTTA24)(注2)及び第3回条約実施補助機関会合(SBI3)(注3)の特別バーチャル・セッションの会議期間中に、条約事務局により公表されました。

GBO5では、愛知目標のほとんどの項目についてかなりの進捗が見られたものの、20の個別目標で完全に達成できたものはない(注4) こと、2050年ビジョン「自然との共生」の達成は、生物多様性の保全・再生に関する取組のあらゆるレベルへの拡大、気候変動対策、生物多様性損失の要因への対応、生産・消費様式の変革及び持続可能な財とサービスの取引といった様々な分野での行動を、個別に対応するのではなく連携させていくこと、などが必要と指摘しています。

2.活用方法

GBO5は、国際的な生物多様性の状況や、保全と持続可能な利用の取組が概観できる内容となっており、今後の生物多様性に関する議論での基礎資料となります。

GBO5日本語版が、都道府県及び市町村による「生物多様性地域戦略」の策定、これに基づく施策の進捗状況や、目標の達成状況を点検・評価する際の参考として御活用いただく等、生物多様性の保全と持続的な活用に関する施策推進の一助となることを期待しています。

主なポイントは以下に掲載していますので御活用ください。https://www.biodic.go.jp/biodiversity/about/aichi_targets/index_05.html

3.入手方法

環境省ウェブサイトからダウンロードできます。

http://www.biodic.go.jp/biodiversity/about/library/files/gbo5-jp-lr.pdf

生物多様性条約事務局ウェブサイトからもダウンロードすることが可能です。

https://www.cbd.int/gbo5/

4.その他

我が国の生物多様性や生態系サービスの状況については、令和3年3月19日に「生物多様性及び生態系サービスの総合評価2021Japan Biodiversity Outlook 3。以下「JBO3」という。」)の政策決定者向け要約報告書を公表しました。このたび、JBO3の詳細版報告書を以下の環境省ウェブサイトに公表しましたので、併せてお知らせいたします

http://www.biodic.go.jp/biodiversity/activity/policy/index.html

(注1)生物多様性戦略計画2011-2020及び愛知目標

COP10(2010年・愛知)において採択された2011年以降の生物多様性の世界目標。

長期目標(Vision)<2050年>:

「自然と共生する(Living in harmony with nature)世界」

短期目標(Mission)<2020年>:

生物多様性の損失を止めるため効果的かつ緊急な行動を実施

個別目標(Target)=愛知目標:

2020年又は2015年までをターゲットにした20の個別目標

(注2)科学技術助言補助機関(SBSTTA: Subsidiary Body on Scientific, Technical and Technological Advice: SBSTTA)

 ・生物多様性条約第25条に基づいて設立された。

 ・条約の実施状況について科学技術的な見地から締約国会議(COP)及び他の補助機関に対して助言を行うことを任務とする。

(注3)条約実施補助機関(SBI: Subsidiary Body on Implementation)

 ・CBD-COP決定Ⅻ/26により、条約の構造とプロセスを効率化するために設立された。

 ・生物多様性条約第23条第4項に従い、条約の実施を常に評価する上で締約国を支援することを目的として、生物多様性条約、並びにカルタヘナ議定書及び名古屋議定書の実施状況について科学技術的な見地以外の観点からCOP及び補助機関に対して助言を行うことを任務とする。

(注4)各目標は、複数の要素により進捗状況が評価される。GBO5では、20の目標を60の要素に分解して評価し、うち7が達成、38が進展あり、13が進展なし・後退、2が不明と評価された。ただし、すべての要素が達成・進展ありとなった目標はなかった。

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