2021年10月8日金曜日

大腸菌数

10月になり日を追うごとに秋になっていますね。
ここ沖縄でも自宅の上空をサシバが数羽旋回しています。天高くなってきました。
相変わらず海に潜ってばかりの毎日ですが、水温も27℃になりつつあり、長いこと潜っていると体が冷えるようになりました。

まぁ冷えるといってもたかが知れていますし、そもそも幸いなことに沖縄は海がとってもキレイですもんね。なにを贅沢なことを言っているのだとお叱りを受けるかもしれません。
沖縄の海がキレイ(に見える)のは透明度が高いことが要因としては大きいと思うわけですが、なんでそんなに透き通っているかっていいますと、栄養塩が低いことでプランクトンや懸濁物質が少ないからなんですね、それはとりもなおさず海流にさらされてて海水が滞らないということで、つまり本州でいうところの瀬戸内海やナントカ湾のような内湾環境じゃないってだけなのかもしれません。もちろん陸地からの赤土流出ですごく濁ってしまうこともありますが、降雨がなければ基本的にキレイです。

とはいえ、じつは沖縄などの亜熱帯地域では海やそれこそダムなどの大腸菌群数ってほぼ環境基準をクリアしていないんです。これではキレイな水とは自慢できませんね。
でもですね、これはやっぱり亜熱帯、南の地域なので年中暖かいから生きものの活動が活発でそれは細菌類も例外ではないんです。活発なだけじゃなくって種類も多いし、数も多いんじゃないかと思います。というわけで大腸菌に限らずそれに類する細菌がたくさんいるんですよね。そんな大腸菌以外のたくさんの細菌も「大腸菌群数」としてカウントされてしまうため沖縄では「大腸菌群数」は環境基準を満足しないことが多かったのですが、このたび環境基準が見直され、新たな衛生微生物指標が「大腸菌群数」から「大腸菌数」になりました。
ふん便汚染のない水や土壌等に分布する自然由来の細菌をも含んだ大腸菌群数でしたが、これからそれらを除外して評価できる(であろう)大腸菌数、すごく期待しています。

環境基準の項目追加や今回のような評価基準の大幅変更は試験問題に出やすいです。
改正された環境基準値そのものも重要かもしれませんが、それ以上に項目追加や基準値や試験方法等が変更になった「背景」そのものをしっかり把握しておきましょう。ひとに説明できるくらいが理想的です。

道頓堀
【大阪市中央区】

令和3年10月7日
水・土壌
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水質汚濁に係る環境基準の見直しについて(お知らせ)

 本日、公共用水域の水質汚濁に係る環境基準及び地下水の水質汚濁に係る環境基準の改正について告示しました。
 本告示により、人の健康の保護に関する環境基準のうち、六価クロムについて基準値を見直すとともに、生活環境の保全に関する環境基準のうち、大腸菌群数を新たな衛生微生物指標として大腸菌数へ見直しました。施行期日は令和4年4月1日です。

1.水質汚濁に係る環境基準について

 環境基本法(平成5年法律第91号)第16条に基づき定められている水質汚濁に係る環境基準のうち、人の健康の保護に関する環境基準については、公共用水域について27項目、地下水について28項目が、生活環境の保全に関する環境基準(以下「生活環境項目環境基準」という。)については、公共用水域において13項目が定められています。

2.改正の概要

(1)六価クロムに係る基準値の見直しについて

 公共用水域の水質汚濁に係る人の健康の保護に関する環境基準及び地下水の水質汚濁に係る環境基準の六価クロムの基準値について、現行の0.05 mg/Lから0.02 mg/Lに改正しました(表1)。

表1 基準値を見直す項目

項目名

新たな基準値

現行の基準値

六価クロム

0.02 mg/L以下

0.05 mg/L以下

備考 基準値は年間平均値とする。

(2)大腸菌群数に係る環境基準の見直しについて

 大腸菌群数を生活環境項目環境基準の項目から削除し、新たに大腸菌数を追加しました。基準値は、現行の類型区分とその利用目的の適応性に基づき設定することとしました。各利用目的の適応性における大腸菌数の基準値及び導出方法の概要は表2~表4のとおりです。

表2 環境基準値【河川】

類型

利用目的

の適応性

大腸菌数環境基準値

[90%水質値]

基準値の導出方法

AA

水道1級

自然環境保全

及びA以下の欄に掲げるもの

20 CFU/100ml

以下備考2

・水道1級の水道原水及び自然環境保全の実態から基準値を導出

水道2級

水浴

及びB以下の欄に掲げるもの

300 CFU/100ml

以下

・水道2級の水道原水の実態及び諸外国における水浴場の基準値等を参考に基準値を導出

水道3級

及びC以下の欄に掲げるもの

1,000 CFU/100ml

以下

・水道3級の水道原水の実態から基準値を導出

備考

1 大腸菌数に係る基準値については、90%水質値(年間の日間平均値の全データをその値の小さいものから順に並べた際の0.9×n番目(nは日間平均値のデータ数)のデータ値(0.9×nが整数でない場合は端数を切り上げた整数番目の値をとる。))とする(湖沼、海域もこれに準ずる。)。

2 水道1級を利用目的としている地点(自然環境保全を利用目的としている地点を除く。)については、大腸菌数100CFU/100ml以下とする。

3 水産1級、水産2級及び水産3級については、当分の間、大腸菌数の項目の基準値は適用しない(湖沼、海域もこれに準ずる。)。

4 大腸菌数に用いる単位はCFU(コロニー形成単位(Colony Forming Unit))/100mlとし、大腸菌を培地で培養し、発育したコロニー数を数えることで算出する。

表3 環境基準値【湖沼】

類型

利用目的

の適応性

大腸菌数環境基準値

[90%水質値]

基準値の導出方法

AA

水道1級

自然環境保全

及びA以下の欄に掲げるもの

20 CFU/100ml

以下備考1

・水道1級の水道原水及び自然環境保全の実態から基準値を導出

水道2、3級

水浴

自然環境保全

及びB以下の欄に掲げるもの

300

CFU/100ml

以下備考2

・水道2、3級の水道原水の実態及び諸外国における水浴場の基準値等を参考に基準値を導出

備考

1 水道1級を利用目的としている地点(自然環境保全を利用目的としている地点を除く。)については、大腸菌数100CFU/100ml以下とする。

2 水道3級を利用目的としている地点(水浴又は水道2級を利用目的としている地点を除く。)については、大腸菌数1,000CFU/100ml以下とする。

3 大腸菌数に用いる単位はCFU(コロニー形成単位(Colony Forming Unit))/100mlとし、大腸菌を培地で培養し、発育したコロニー数を数えることで算出する。

表4 環境基準値【海域】

類型

利用目的

の適応性

大腸菌数環境基準値

[90%水質値]

基準値の導出方法

水浴

自然環境保全

及びB以下の欄に掲げるもの

300

CFU/100ml

以下備考1

・諸外国における水浴場の基準値等を参考に基準値を導出

備考

1 自然環境保全を利用目的としている地点については、大腸菌数20CFU/100ml以下とする。

2 大腸菌数に用いる単位はCFU(コロニー形成単位(Colony Forming Unit))/100mlとし、大腸菌を培地で培養し、発育したコロニー数を数えることで算出する。

3.施行期日

令和4年4月1日

添付資料

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