2024年4月15日月曜日

世界初!海藻藻場(&環境配慮型コンクリート)による二酸化炭素の吸収量

まもなく受験申込受付が終了します。本日の消印まで有効です。
多くのかたは無事に郵送したのではないかと思いますが、これからというかたは、添付書類等の漏れなどなきよう抜かりなく。
そして申し込みが済んだらいよいよ筆記試験対策に本腰を入れないとですね。筆記試験まであと3か月です。
わたしの受講生も既にスタートしています。年度末は忙しいからだとは思いますが、受験申込書を今月早々に完成させて皆さん過去問に取組んでいます。それにしても今年はなぜか建設部門、農業部門、森林部門、水産部門、環境部門、総監部門とバラエティに富んでいます。特に建設部門、森林部門、環境部門は複数科目ですから、それは目まぐるしいです。
わたしの専門ではない分野の科目も担当していることで、付け焼刃的に慌てて勉強(というか下調べ)してから添削に臨んでいるわけですが、これがすごく勉強になります。視野が広がる喜びを感じます。いっそ脳みそが直接に喜んでいる状態とでもいいましょうか(笑)。
わたしは本格的に挑んでいるわけではないのでわかった風なことは言えないのですが、この歳になって新ジャンルに挑むのは大変なんでしょうけれども本人としては意外と楽しいのかもしれませんね。憧れます。

かくいう私はご存じの方も多いかもしれませんが、生業は環境調査業の生物調査屋なんです。そして扱う対象の生物群は「海藻」なんです。
就職してからこれまでアセス関連での環境調査で海藻相を調査する仕事が多かったわけですが、ここ3年くらいはだんだんとCO2吸収がらみでの調査も増えてきて、特に国交省がブルーカーボンを掲げるようになってからはこれがあからさまに劇的に増えています(やっていることはこれまでとほぼ同じなんですが)。大学などの研究はなおさらですよね。先日、神戸大学で開催された日本藻類学会に参加してきたのですが、やっぱりブルーカーボンに絡めた研究が多かったですね。研究費がつきやすいんでしょうね。
これらの国を挙げた研究の成果として、今回、世界で初めて海藻藻場によるCO2の吸収量を国連に報告することができたのでしょう。いろんな課題をひとつづつ克服、解決させていったからこそなんだと思います。
引き続き研究の進展に期待したいです(誰目線?)。

そういうわけで、技術士試験という側面からみても、水産部門水産水域環境は当然のこととして、建設部門建設環境や環境部門自然環境保全でも不定期的に問われている「藻場」について、とてもよいトピックだと思います。ぜひチェックしてみてください。なに部門で問われるのかは不明ですがそろそろ問われるんじゃないかと思いますよ。

【沖縄県恩納村】

我が国の沿岸域に生息する海洋植物による二酸化炭素の吸収量(約35万トン)が国連に報告されました
~海藻藻場による二酸化炭素の吸収量の報告は世界初~

令和6年4月12日

 国連気候変動枠組条約の締約国は、毎年4月に各国の温室効果ガス排出・吸収量を国連に報告することとなっています。
 本年4月の報告において、ブルーカーボン生態系※1の一つである海草(うみくさ)藻場及び海藻(かいそう)藻場(以下、藻場)による吸収量を我が国として初めて盛り込みました。このうち、海藻藻場については締約国の中で初めて報告したこととなり、世界初の取組になります。
※1:ブルーカーボンとは藻場や干潟などの海洋生態系に蓄積される炭素のことであり、そうした蓄積作用を有する生態系を「ブルーカーボン生態系」と言います。

○ 国土交通省では、温室効果ガス吸収源の拡大によるカーボンニュートラルの実現への貢献や生物多様性による豊かな海の実現を目指し、ブルーカーボンの活用を推進しています。 

○ 昨年度、国土交通省と国立研究開発法人海上・港湾・航空技術研究所 港湾空港技術研究所は、我が国の沿岸域における藻場の繁茂面積の推計手法を開発しました。 

○ この推計手法に加え、農林水産省が開発した藻場タイプ別の吸収係数も活用して、2022年度の我が国の温室効果ガス排出・吸収量において、藻場による吸収量を合計約35万トンと算定しました。 

○ 本年4月の国連への温室効果ガス排出・吸収量の報告において、我が国として初めて藻場による吸収量を盛り込みました。ブルーカーボンに該当する吸収量を国連に報告している国(先進国でも豪州、米国、英国、マルタの4か国のみ)はありますが、海藻藻場については日本が世界で初めての報告となります。 

○ なお、国土交通省では並行して、グリーンレーザー※2を搭載したドローンを含む、藻場の繁茂面積を高精度かつ効率的に把握・管理するシステムの開発を進めています。
  これにより、現在は捕捉できていない藻場を算定対象とすることができるようになります。引き続き、関係機関と連携し、藻場の繁茂面積及び吸収量の算定手法の高精度化に取り組んでまいります。
※2:水中透過性が高く、藻場の繁茂状況の計測が可能なレーザー

添付資料

報道発表資料(PDF形式:202KB)PDF形式

別紙1 ブルーカーボン生態系について(PDF形式:281KB)PDF形式

別紙2 我が国のブルーカーボン生態系による温室効果ガス排出・吸収量の報告状況(PDF形式:308KB)PDF形式

別紙3 世界におけるブルーカーボンの活用に向けた取組の動向(PDF形式:243KB)PDF形式

別紙4 ブルーカーボン高精度データ把握・管理システムの開発 (PDF形式:324KB)PDF形式


環境省からはさらに詳しい内容が掲載されています。

最後には「環境配慮型コンクリート」についても「世界で初めて吸収量(CO2固定量)を算定した」とあります。


2024年04月12日

2022年度の我が国の温室効果ガス排出・吸収量について

過去最低値を記録し、オントラック(2050年ネットゼロに向けた順調な減少傾向)を継続しました。

代替フロン等4ガス(HFCs・PFCs・SF6・NF3)の排出量は約5,170万トンで、2021年比で1.4%の減少となり、2009年以降初めて減少しました。
なお、HFCsについては、フロン排出抑制法への改正によって使用時漏えい対策が導入されたこと等を踏まえて、排出係数(使用時漏えい率)を見直し、2016年以降に適用しました。

今回の国連への報告では、世界で初めて、ブルーカーボン生態系の一つである海草藻場及び海藻藻場における吸収量を合わせて算定し、合計約35万トンの値を報告しました。
今後は塩性湿地・干潟の算定についても検討を進めます。

また、3類型(4種類)の環境配慮型コンクリートによる吸収量(CO2固定量)を同じく世界で初めて算定し、合計約17トンの値を報告しました。
今後はJクレジット化に向けた検討を進めます。
<補足>
・ 2022年度の我が国の温室効果ガスの排出量は約11億3,500万トンで、2021年度比で2.5%の減少、2013年度比で19.3%の減少となった。 
・ 2021年度からの排出量減少の主な要因は、産業部門、業務その他部門、家庭部門における節電や省エネ努力等の効果が大きく、全体では、エネルギー消費量が減少したことが考えられる。
・ 代替フロン等4ガス(HFCs・PFCs・SF6・NF3)の排出量の減少については、オゾン層保護法に基づく生産量・消費量の規制、フロン排出抑制法に基づく低(地球温暖化係数)冷媒への転換推進、及び機器使用時・廃棄時の排出対策等により、代替フロン(HFCs)の排出量が減少したことが主な要因。
・ 2022年度の森林等からの吸収量は約5,020万トンで、2021年度比6.4%の減少となった。吸収量の減少については、人工林の高齢化による成長の鈍化等が主な要因と考えられる。
・ ブルーカーボンについては、前年度のマングローブ林による吸収量の算定・報告に加え、国土交通省(面積データ)、農林水産省(藻場タイプ別の吸収係数)との連携により、世界で初めて、海草藻場及び海藻藻場の吸収量を合わせて算定・報告した。今後は、塩性湿地・干潟の算定についても検討していく。
・ 環境配慮型コンクリートについては、製造時CO2固定型(CO2-SUICOM)、CO2由来材料使用型(T-eConcrete/Carbon-Recycle、クリーンクリートN)、バイオ炭使用型(SUSMICS-C)の3類型4種類のコンクリートについて、日本建設業連合会等の協力により、科学的な知見やデータ等が整ったため、同じく世界で初めて吸収量(CO2固定量)を算定した。今後は、知見やデータ等が整ったものから随時算定を進めるとともに、策定した算定方法を参考にしつつ、Jクレジット化に向けた検討を進める。

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