2016年7月20日水曜日

選択科目Ⅱ-2-2 低炭素まちづくり計画

つづいてⅡ-2-2の低炭素まちづくり計画です。
昨日も書きましたが、最初にこの問題文を見かけたときはビックリしました。平成25年度に問題Ⅲで低炭素都市づくりが出ているし、昨年度の問題Ⅲでもコンパクトシティ環境配慮の際にも低炭素都市づくりのネタで解答したひとが多かったからです。
でもそうですよね、よく考えたら、問題Ⅱでは実際に計画する際の流れ、手順、検討事項なんかを書かせるわけですから似ているようでちょっと違うわけです。ようは段取りがわかっているか?ということなんですが、それを低炭素まちづくり計画で出してきたというところにグッと来ました。

しかし、これは実際に携わった経験のあるひとにしか書けないかもしれませんね。
問題Ⅱ-2は経験のないひとにとってはホントに難しいです。
となると、どのみちアセス関連は毎年必ず出るわけですから、環境アセスをしっかり頭に叩き込んで臨むのが確実です。

Ⅱ-2-2 地球温暖化を緩和するため都市レベルで低炭素まちづくりに関する計画を策定することとなった。この計画策定の担当者として業務を進めるにあたり,以下の問いに答えよ。

(1)低炭素まちづくりに貢献できると考えられる「交通・都市構造」,「エネルギー」,「みどり」の3分野のうち2分野について計画策定に当たって盛り込むべき取組を3つずつ概説せよ。

(2)(1)で挙げた中から定量的な評価が可能なものを1つ選び,計画の達成状況を評価する手順及び定量的な評価方法を述べよ。

(3)(2)の評価に当たって留意すべき点を述べよ。


環境未来都市を目指しているハウステンボス【長崎県佐世保市】

(2)のところで問われている「計画の達成状況を評価する手順及び定量的な評価方法」というのがなかなか難しいですね。そしてここの部分がキモになります。
総監のほうでも今年の問題では「定量的な記述が可能なものについては,相対的な表現(「大きい」,「小さい」,「高い」,「低い」など)は避け,できるだけ数値(概略でよい。)を用いて記述すること。」というのがありました。
つい総監を持ち出してしまいましたが、それに関係なく「低炭素もの」は二酸化炭素の排出量や吸収量をきっちり数値化しないと話になりませんから、問題Ⅱではそのへんの認識(というか計画の実効性・実現性)も問われているんだと思います。

① 交通に起因する二酸化炭素排出量
二酸化炭素排出量 = 交通量 × 移動距離(トリップ長)× 排出原単位

② 家庭・業務部門におけるエネルギー消費に起因する二酸化炭素排出量
二酸化炭素排出量 = 建物用途別延床面積 × 建物用途別エネルギー負荷原単位÷ 熱源設備総合効率× エネルギー種別排出係数

③ みどりによる二酸化炭素吸収量
二酸化炭素吸収量 = 高木植栽本数 × 原単位(吸収係数)
(※ 高木植栽本数が把握できない場合は緑地面積等で置き換えることが可能)

そして大事な点ですが、建設環境は建設部門なので(問題文にも指定されていますが)、低炭素まちづくりに貢献する分野は「交通・都市構造」、「エネルギー」、「みどり」になります。
よくガソリン自動車を電気自動車にして二酸化炭素排出量を削減する、なんて書いちゃうひとがいますが、そういうのは建設部門には該当しませんから注意してください。どちらかというと機械部門とか環境部門の範疇になると思います。
ほかにも建築物の低炭素化、というのは一見建設っぽいですが建築環境のほうになるんでしょうか(衛生工学部門の建築環境のことは素人なのでワカリマセン)。

低炭素まちづくり計画について

「都市の低炭素化の促進に関する法律」に基づく低炭素まちづくり計画概要パンフレット

低炭素まちづくり実践ハンドブック

2016年7月19日火曜日

選択科目Ⅱ-2-1 第1種事業の環境影響評価(環境要素ごとの環境保全措置)

つづいて「選択科目」に関する応用能力について試される選択科目Ⅱ-2です。
ひとつめは昨年と切り口を変えた第1種事業の環境アセス(環境要素ごとの環境保全措置)、ふたつめはちょっとびっくりの低炭素まちづくり計画でした。
順当な環境アセスもよし、H25年度Ⅲ-1(低炭素都市づくり)に取り組んだひとや昨年のⅢ-1(コンパクトシティ)で低炭素ネタを展開したひとは低炭素まちづくりでもよしですね。

Ⅱ-2 次の2設問(Ⅱ-2-1,Ⅱ-2-2)のうち1設問を選び解答せよ。(解答設問番号を明記し,答案用紙2枚以内にまとめよ。)

Ⅱ-2-1 山間部において環境影響評価法に定める第一種事業に当たる建設事業が計画されており,あなたは担当者として,この事業に関する方法書以降の手続に係る環境影響評価を行うこととなった。以下の問いに答えよ。

(1)あなたが想定した建設事業の概要・規模と,その事業が実施される地域の状況を具体的に述べよ。

(2)(1)で述べた地域の状況との関連性を踏まえ,この事業による環境影響を想定して,下記の【環境要素の区分】①~④のそれぞれに関して重要と考える影響要因及び影響を受ける環境要素の項目(以下,環境項目という)を1つづつ挙げよ。また,それらを選定した理由を合わせて述べよ。なお,本設問では,工事中あるいは事業完了後の環境影響を対象とする。

(3)(2)で選定した環境項目(4つ)のそれぞれについて,予測結果等から環境影響があると判断される場合に,実施することが適切であると考えられる環境保全措置を1つづつ挙げ,各々の効果を説明せよ。

【環境要素の区分】
①環境の自然的構成要素の良好な状態の保持(大気環境,水環境,土壌環境・その他の環境)
②生物の多様性の確保及び自然環境の体系的保全(動物,植物,生態系)
③人と自然との豊かな触れ合い(景観,触れ合い活動の場)
④環境への負荷(廃棄物等,温室効果ガス等)


やんばるの森【沖縄県国頭村】

昨年と異なり、今年は工事中だけでなく事業完了後の環境影響も対象でした。
そして環境保全措置とその効果を書かせていますが、そろそろ問われるかと思っていた「報告書」までは行きませんでした(予想したのはⅡ-1のほうですが)。

この設問は問題文の文章量も多く(なんとⅡ-2-2低炭素まちづくりの2倍はあります)、読むのが面倒そうでつい敬遠しがちかもしれませんが、こういった細かい指定のある問題は、逆に細かいぶんアレコレ悩まず、方向性もブレずに書くことができるというメリットがあります。
解答のコツもなにもありません。素直に訊かれたことに対して答えればいいだけです。
なお、例によって建設事業の規模は第一種事業に相当する規模としなければOUTです。

それにしてもH25年度Ⅱ-2-1計画段階配慮書手続でも山間部を事業実施想定区域とする事業でしたが、どうして「山間部」縛りなのでしょうか。
沖縄では沿岸域でのアセスが多くて、なかなか山間部っていうのは少ないんですよね。問題内容的にも「山間部」縛りにする必要性がないようにも思うわけですが。。。このへんは試験作成委員のひとに伺ってみたいですね。

では!

2016年7月18日月曜日

選択科目Ⅱ-1

筆記試験、お疲れさまでした(^^)/
今年も日本全国どこも天変地異的なことには見舞われなかったようで安堵しています。
沖縄はスコール的に雨が時折降る程度でした。

皆さん、どうでしたか。

記述問題で問われるジャンルについてはここ数年の傾向そのままに建設環境そのものでしたね。
要求レベルも順当だったし、出題方法も昨年と変化はなかったので、昨年度試験を踏まえていればそこそこ準備できたのではと想像します(昨年、一昨年と同じコメントになっていますね)。

今年も試験監督をしたのですが、例年よりは少ないものの記入ミス(受験番号の書き間違いや問題番号の書き忘れなど)の答案がチラホラありました。もったいないですね。
そんななか、今年も建設環境~環境部門にかけての試験会場だったので、受験者の多くが知り合いばかりでした。
ほとんどの皆さんが棄権することなく頑張っておられましたので、10月27日(木)の発表が待ち遠しいです。

帰宅してブログの閲覧数をチェックしたところ、11時から12時台がめっちゃ跳ね上がっていました。先日に連投した要チェック分野まとめシリーズの記事が集中的に閲覧されていたので、おそらく午前中の必須科目を終了したひとが午後の選択科目に向けた心の準備のためにスマホやタブレットでチェックしてくれていたのだと思います、嬉しいですね。
なにより少しでもお役に立っていればいいのですが。。。逆に振り回してしまっていたらスミマセン。。。

騒音振動表示器【高知市追手筋】

それでは以下に、試験問題(記述もの)を振り返ってみましょう。

まず、Ⅱ-1の4つの設問から2問を選ぶスタイルの専門知識問題です。
  • 湖沼やダム湖の富栄養化対策
  • 建設発生土のリサイクル
  • 騒音対策
  • 生物多様性民間参画
今年は法制度そのものの知識を問うものではなく、環境負荷のメカニズムとその対策、という観点のものが多かったですね。
そんななかⅡ-1-4の生物多様性については、これまでは建設コンサルや環境コンサル、あるいは行政サイドとしての視座からの問いがほとんどでしたが、今回は建設業者への問いでした。

9-11 建設環境【選択科目Ⅱ】
Ⅱ 次の2問題(Ⅱ-1,Ⅱ-2)について解答せよ。(問題ごとに答案用紙を替えること。)

Ⅱ-1 次の4設問(Ⅱ-1-1~Ⅱ-1-4)のうち2設問を選び解答せよ。(設問ごとに答案用紙を替えて解答設問番号を明記し,それぞれ1枚以内にまとめよ。)

Ⅱ-1-1 湖沼やダム貯水池等の淡水域における水質の課題として富栄養化があるが,富栄養化が進行するメカニズムについて述べよ。また,近年,国内で採用されている富栄養化対策事例を2つ挙げ,各々の内容を概説せよ。

Ⅱ-1-2 建設発生土のリサイクルに関する課題について,幅広い視点から2つ挙げ,それぞれ概説するとともに,これらを踏まえてリサイクル推進のための対応策を2つ述べよ

Ⅱ-1-3 建設作業騒音又は自動車交通騒音のいずれか一方について,当該騒音が法令に基づく基準に適合・達成するか否かの評価方法について述べよ。また,当該騒音の発生源対策及び伝搬対策それぞれについて概説せよ。

Ⅱ-1-4 2006年以降,特に,生物多様性に果たす民間部門の役割が求められ,我が国における生物多様性に配慮した民間企業の取組が着実に進展している。この背景となっていることについて説明せよ。また,生物多様性の観点から民間企業に期待される取組について,建設分野における原材料調達の場面,及び保有地管理における場面で,それぞれ述べよ。
  1. ダム湖の富栄養化のメカニズムとその対策事例については、ダム水源地ネット 技術講座「ダム貯水池の水質問題」第1回 ―富栄養化現象について―
  2. 建設発生土のリサイクルについては、建設リサイクル推進計画2014
  3. 建設作業や自動車交通騒音の評価方法については、騒音に係る環境基準の評価マニュアル(平成27年10月)、騒音対策については、建設工事に伴う騒音振動対策技術指針今後の自動車騒音対策の取組方針について
  4. 生物多様性民間参画ガイドライン
先日、予想した「平成28年度試験 要チェック分野まとめ(Ⅱ‐1)」では、
①グリーンインフラ(生態系を活用した防災減災~気候変動適応計画)
②パリ協定(温暖化対策)
③建設発生土
④閉鎖性水域の保全及び再生
⑤環境アセス手続き(特に環境保全措置等の結果の報告・公表)
としましたが、このなかから③建設発生土がドンピシャ、④閉鎖性水域の保全及び再生がやや当たり、といった具合でした。

イチオシの①グリーンインフラは、問題ⅡでもⅢでも直接的には問われませんでしたが、問題Ⅲ-1でも2でもグリーンインフラが使えましたね(Ⅲ-1は「自然災害に関する悪影響及び適応策は除く」とありますが、防災減災以外のインフラならOKです)。なおカッコ書きで示した「気候変動適応計画」のほうはまさにⅢ-1のドンピシャリ的中となりました!、ってⅡ-1ではなかったわけですが。。。
そして②パリ協定(温暖化対策)については、問題Ⅲ-1でネタとして使うことができます。
問題Ⅲについては後日あらためて投稿します。

こうしてみるとわたしとしてはそんなに的外れではなかったという印象なのですが、皆さんはどのように受け止めましたか?

Ⅱ-2は次回とします。

本日はお疲れさまでした!

【追記】
しつこくグリーンインフラですが、環境部門自然環境保全の選択科目Ⅱ-1で生態系を用いた防災減災が出題されてました。
参考までに掲載します。

Ⅱ-1-2 生態系を用いた防災・減災(以下,「Eco-DRR」という)について,以下の問いに答えよ。
(1)我が国においてEco-DRRの考え方が重要とされる理由を述べよ。
(2)Eco-DRRの考え方を取り入れた代表的な方法を2種類挙げた上で,その効果も含めて概要をそれぞれ述べよ。

2016年7月10日日曜日

平成28年度試験 要チェック分野まとめ(Ⅲ)

試験直前の振り返り、今回はⅢ(2つの設問から1問を選ぶスタイルの課題解決能力問題)です。
課題解決能力とは何ぞや、というところですが、「平成25年度技術士第二次試験の内容について」によると、「論理的かつ合理的に解決策を策定できる能力」とあります。
その試験内容は、
・「選択科目」に係わる社会的な変化・技術に関係する最新の状況や「選択科目」に共通する普遍的な問題を対象とし,これに対する課題等の抽出を行わせ,多様な視点からの分析によって実現可能な解決策の提示が行えるか等を問う内容とする。
ということです。

論理的、ということですから、これは従来から確認されている技術士の資質である論理的考察ができるかどうか、そしてそれを試験官に伝えることができるか、がキモです。
これには骨子(表)で整理して記述するクセを身につけると、書き間違うことはありません。
骨子(表)についてはこれまでにも何回か記述していますし、SUKIYAKI塾のHPにも詳しいのでそちらをご確認ください。

青い海の【黒島】

ここでは設問の対象となる「(建設環境)に係わる社会的な変化・技術に関係する最新の状況」や「(建設環境)共通する普遍的な問題」について、これまでの出題テーマを振り返ってみましょう。
H27
コンパクトシティと環境配慮
建設副産物の3R推進策

H26
防災減災と生物多様性
インフラ更新と環境配慮

H25
低炭素都市づくり
閉鎖性水域の水質改善策

こうしてみると、テーマそのものは建設環境というよりも、建設部門共通の社会的課題が出題されていますね。この部門共通の課題に対して建設環境の技術者としてどのようにアプローチするか(課題を抽出してそれをどのように解決を図るのか)が問われています。
平成24年度まではなんと10問から選択できましたが、平成25年度以降はたったの2問からしか選べません。建設環境はいろんな専門分野のひとが受験するわけですから、建設部門共通テーマから出題するほかないのではないかと考えています。
というわけで、白書で取り上げられるような社会的課題に対して、建設環境の技術者としての取り組みを書けるかどうかになるのではないでしょうか。

建設部門の共通課題としては、これまでにも出題されているものも含めて
①人口減少社会
②高齢化社会
③防災減災
④インフラ更新
⑤災害復興や東京オリンピック等に向けての建設ラッシュ
⑥低炭素都市づくり
⑦観光立国
⑧建設産業の活性化
⑨建設事業の海外展開
があり、

建設環境独自のものとしては、
⑩環境改善(閉鎖性水域の保全再生)
がありました。
環境改善ものとしては、水質のほかにも底質(水質みたいなものですが)、自然再生事業、などもあるかもしれません。

また、先日発表された国交省白書では
⑪生産性の向上
が特集されていましたね。
これに絡めた出題はなかなか難しいかもしれませんが、もし出たら面白いですね。
道路整備をはじめとする交通網整備(港湾空港整備含む)に関連するアプローチになるのでしょうか。

さらに、いまだ出題がないものとしては
⑫再生可能エネルギー
があります。ただし建設事業と絡めることを考えるとⅢよりもⅡのほうが相応しいようです(Ⅱではすでに出題されています)。

たくさん挙げてしまいましたが、なにがテーマとなっても建設環境の技術者としての対応はそんなにはバリエーションはないと思います。
要はどんなテーマであっても環境負荷低減を図ることで課題を解決・達成するということです。この軸さえブレなければ大丈夫です。
この際、カギとなるのが「課題の抽出」になります。
ここでご自分の解決策を展開しやすい課題を抽出できるかどうかで、あの短い限られた時間で回答論文を書ききることができるかどうかが決まるのではないでしょうか。

頑張ってください!

2016年7月9日土曜日

平成28年度試験 要チェック分野まとめ(Ⅱ‐2)

前回に続いてⅡ‐2(2つの設問から1問を選ぶスタイルの応用能力問題)です。
応用能力とは何ぞや、というところですが、日本技術士会が平成25年度に試験方法を改正した際に示した「平成25年度技術士第二次試験の内容について」によると、応用能力とは、
これまでに習得した専門的知識や経験等に基づいて、与えられた条件に合わせて正しく問題点を認識し、必要な分析を行ない、適切な業務プロセスや留意すべき内容を説明できる能力
とあります。
具体的にはどんなことが問われるのかを見てみると、
・選択科目に関係する業務に関し、与えられた条件に合わせて、専門的知識や実務経験に基づいて業務遂行手順が説明でき、業務上で留意すべき点や工夫を要する点等についての認識があるかを問う内容とする。
ということです。
業務遂行手順留意点工夫を要する点、というのがキモのようです。

カツオノカンムリとカツオノエボシ【沖縄県本部町】

まずはこれまでの出題内容を振り返ってみましょう。
H27
建設事業における外来種対策
第1種事業における工事中の環境影響評価

H26
計画段階配慮書
土壌汚染対策

H25
希少種への影響予測と環境保全措置
生活環境への影響予測と環境保全措置

もうほとんど環境アセスですね。環境影響評価法に基づく手続きはもちろん、法アセスに満たない規模も含んだ建設事業にかかる環境配慮(環境負荷低減)に関する手続きが問われています。
これは受験要件を満たした建設環境分野の技術者であれば当然これまでに実績、経験を積んでいるはずです。
建設環境の技術者は大きく、自然環境系、生活環境系、環境影響評価系に大まかに分けられますが、いずれの技術者でも回答できるはずの出題内容となっています。

H28の試験対策としては、
(1)まず法アセスの手続きの流れをしっかり頭に叩き込むこと
(2)ご自分が経験した(あるいは資料が入手可能な)環境アセスの一連の流れ(計画段階から環境保全措置まで)とその内容を概略で結構ですのでチェックしておく

そのほか、
(3)建設事業による環境負荷を低減する技術について、その実施手順と留意点を整理しておく

Ⅱ‐2の回答については、APECさんは「業務計画書を作る感覚で」としています。特記仕様書兼作成手順書(問題文です)に沿って業務計画書(回答論文です)を作成するように書き上げればいいと思います。

2016年7月8日金曜日

平成28年度試験 要チェック分野まとめ(Ⅱ‐1)

いよいよ試験目前ですね。
いまさら新しいことに手を出すのはオススメしませんが、ここで要チェック分野をおさらいしておきましょう。
青いサンゴ礁【池間島】

試験方法が変更となった平成25年度以降の試験問題を振り返ってみましょう。
まずはⅡ-1(4つの設問から2問を選ぶスタイルの専門知識問題)から。
H27
①生態系サービス
②再生可能エネルギー
③景観重要公共施設制度
④廃棄物最終処分場跡地

H26
①生物多様性4つの危機
②ヒートアイランド現象
③循環型社会
④下層DO

H25
①環境再生における順応的管理
②改正環境影響評価法
③建設リサイクル
④生態系ネットワーク

でした。

日本技術士会が公表している試験内容の解説「平成25年度技術士第二次試験の内容について」を見ると、Ⅱ‐1で問われている『専門知識』の意味する内容は、
・「選択科目」における重要キーワードや新技術等に対する専門的知識を問う。 
とあります。
重要キーワード新技術というのがミソですね。
昨今の話題なども鑑みるとH28は以下のようなあたりになるんじゃないかと予想しました(5つ挙げてみました)。
グリーンインフラ生態系を活用した防災減災気候変動適応計画
パリ協定(温暖化対策)
建設発生土
閉鎖性水域の保全及び再生
環境アセス手続き(特に環境保全措置等の結果の報告・公表)

いずれにしても重要キーワードや新技術なんかもそろそろ出題分野的に出尽くした感がありますので、今後は過去に出題された分野であっても問いかたを変えてくるようになるのではないかと考えています。
そういった意味では、これまでの試験で頻出している分野である生態系関連と廃棄物関連、次点で温暖化関連に関してはしっかり基本的知識を整理しておく必要があります。

2016年7月6日水曜日

人口減少や都市の縮退に対応した緑の基本計画

前回の投稿からずいぶんと日にちが経ってしまいました。
あれから沖縄県内離島を駆け巡りほとんど家を不在にしておりましてPCからもしばらく遠ざかった毎日を過ごしています。

試験まで2週間を切り、いよいよラストスパート、フルスロットル全開中でしょうか。
試験までの残り期間はこれまで積み上げたことを集大成すべく、主に択一の復習と記述論文の自筆による清書がオススメです。
論文を手書きする際は、ただやみくもに書くのではなく、写経のように模範回答文を魂込めて書き写すことも効果があります。
そしていきなり書き始めるのではなく、問題文を(もちろん最初の冒頭の部分から)しっかり読んでから始めてください。きっと気づきがあるはずです。その気づきはきっと合格に直結したものになると思います。
問題文冒頭に書かれている設問の意図すること(回答内容の方向性がこれで決まります)、問題文末行に示されている書くことが指定されていること、カッコの各問題で記述することが求められていること、を読み違えないだけで合格が近づきます。

最後までがんばってください!

今回取り上げたのは緑の基本計画の今後の重要な方向性となる緑地の扱いについてのものです。

第3章では都市緑化計画の新たな6つの視点が取り上げられています。
1.グリーンインフラストラクチャーの形成
2.環境負荷低減とQOL(生活の質)の向上
3.地域が抱える社会問題の解決
4.自然環境に基づく都市の再生
5.緑地由来生物資源の地域内循環
6.他分野との専門家との協働

どんなことが書いてあるのかすごく気になりますよね(まだ読んでないんです)。
建設環境の技術者として「コンパクトシティ」を取り上げる際には、うわべだけでないより専門的な内容を展開できると思います。

フクギ並木の防風林【沖縄県今帰仁村今泊】

「人口減少や都市の縮退に対応した緑の基本計画の方法論に関する研究報告書」を公表 
~地方公共団体による計画策定・改訂を支援~
 
○ 国総研では、平成 25 年度から平成 27 年度にかけて設置した「今後の緑の基本計画※のあ り方に関する研究会」における学識者との議論や、国内外の先進的な取組事例の収集・分 析等に基づき、これからの都市緑地計画についての新たな着眼点や、計画策定に有効と考えられる手法・技術を示した技術資料としてとりまとめ、公表しました。 

1. 少子高齢化による人口減少社会に突入した今日、都市経営は大きな転換期を迎えています。 都市緑地計画においても、“都市が拡大基調にある中で如何に緑地を確保するか”から“拡大を前提としない社会でも緑を通じたまちづくりによって人々の豊かな暮らしを如何に実現するか”へとその主眼を移行し、幅広い視点から計画内容を高め、都市形成に関与していくことが求められています。 

2. そこで、国総研では、平成 25 年度から平成 27 年度にかけて「今後の緑の基本計画のあり方 に関する研究会」を設置し、今後の緑の基本計画に求められる新たな役割や方向性について学識者と議論を行うとともに、国内外の先進的な取組事例の収集・分析を行うなど、“緑の基本計画の新たな展開を探るためのパイロット的な調査研究”を進めてきました。

3. 本書は、このような調査研究の成果として、これからの都市緑地計画についての新たな着眼点や、計画策定に有効と考えられる手法・技術を示した技術資料として、とりまとめ・公表したものであり、地方公共団体における緑の基本計画等の都市緑地計画の策定・改訂の際に活用いただくことを意図しています。本書は、どなたでも国総研のホームページからダウンロードできます。 

◆「人口減少や都市の縮退に対応した緑の基本計画の方法論に関する研究報告
書」を公表~地方公共団体による計画策定・改訂を支援~

http://www.nilim.go.jp/lab/bcg/kisya/journal/kisya20160630.pdf