2016年10月17日月曜日

道路環境影響評価の技術手法「13.動物、植物、生態系」における環境保全のための取り組みに関する事例集

日本全国秋晴れのようですね。
まだ鳴き声しか聴いていないのですが近所の公園にも先週初めにサシバが渡ってきたようです。
夜が深くなるとその公園からはこんどはアオバズクの鳴き声が聞こえてきます。
気温はまだまだ高いですが谷筋をひんやりとした風が吹き、本格的な秋の訪れを知らせてくれます。

ニュースではオリンピック競技会場をどうするんだとか豊洲市場はどうなってるのかなど、東京都内のゴタゴタばっかりで他府県人には(一見)関係ない話題ばっかりですよね。
ただ、我々のようなインフラ整備に係る環境保全系の技術者としては、こういった社会問題となっているものもまるっきり無視することなしに専門技術者の立場で俯瞰的に眺めてみるのも技術士らしさを身に着けるまたとない機会でもあります。意外な拾いものを得られるかもしれませんよ。

築地市場にて【東京都中央区】

ところで、以前にもとりあげたことのある「道路環境影響評価の技術手法」ですが、その事例集が、それも環境保全のための取り組みに関する事例集が公表されましたのでご紹介いたします。
道路事業関係者はもちろん、道路事業には縁遠いひとでも大変参考になりますので目を通しておいてください。

特に筆記試験の問題Ⅱ-2では業務経験の有無がその回答論文のデキを大きく左右しますが、もし実務経験がなくてもこういった事例集を読み込んで予めわが血肉としておけば、経験者にも決して劣らない知識見識をアピールできることでしょう。特に環境アセスはこれまで山間部縛りで出題されることが多いですから、それにもしっかり対応させることができるんじゃないでしょうか。

国総研資料 第 906 号

【資 料 名】道路環境影響評価の技術手法「13.動物、植物、生態系」における
環境保全のための取り組みに関する事例集(平成27 年度版)

【概   要】 本資料は平成25年3月に作成した道路環境影響評価の技術手法 13.動物、植物、生態系(国総研資料第735~737号)の参考として、環境保全のための取り組み事例等をとりまとめたものである。

【担当研究室】緑化生態研究室/道路環境研究室

【執 筆 者】上野 裕介,栗原 正夫
大城 温,井上 隆司,瀧本 真理,光谷 友樹,長谷川 啓一



表紙179KB
中扉591KB
目次/執筆者一覧442KB
はじめに:本資料のねらい205KB
1  道路事業における動物、植物、生態系に対する考え方の概要1,733KB
2  環境の把握技術と評価手法848KB
   2.1 希少猛禽類を対象とした環境影響評価手法 3,983KB
   2.2 哺乳類に対する道路横断施設の設置と事後調査手法45,571KB
   2.3 環境保全措置の効果検証とフィードバック(順応的管理)1,302KB
3  環境保全のための取り組み事例2,090KB
   3.1 全般(保全対象を特定の種や分類群に限定しないもの)21,668KB
   3.2 哺乳類14,843KB
   3.3 鳥類(猛禽類)22,168KB
   3.4 鳥類(猛禽類以外)7,812KB
   3.5 両生類・爬虫類16,293KB
   3.6 魚類4,683KB
   3.7 昆虫類12,304KB
   3.8 植物42,728KB
   3.9 その他の生物5,387KB
おわりに/謝辞859KB
参考資料<用語集>393KB
奥付103KB


全文190,180KB

2016年10月6日木曜日

グリーンインフラ、自然の力が変える公共事業

先日の台風18号ではわたしの住む沖縄本島地方に「特別警報」が発表されたことから多くの方からわたしの身を案じてくださるメッセージをいただきました。
結局、沖縄本島ではほとんど被害らしい被害はありませんでした。
思えば接近直前になぜか西向きに進路がカクっと変わったことが効いたのだと思います。ちょっと神がかり的にも感じましたね。
NHKのニュースではアナウンサーが必死の声かけをしてくださいましたが、なにもなかったことに拍子抜けするとともに、なにもなかったことに安堵と感謝の気持ちでいっぱいです。
そして今回は思いのほかいろんなかたからメッセージを頂戴したので驚くとともに嬉しい気持ちでいっぱいです。
ありがとうございました。

いよいよ今月末(27日でしょうか)に筆記試験の合格発表がありますね。
前回に引き続き今回も来年の筆記試験に役立つ話題満載の記事を紹介します。
日経コンストラクションを購読しているかたはすでにご存じと思いますが、日経本紙のほうでも2か月遅れで取り上げられていましたので今回はその記事をご紹介することにします。
もっとも日経本紙は日経コンストラクション(7月25日号)からの抜粋なので、機会があればやはり日経コンストラクションのほうチェックしてみてください。

ノーベル医学生理学賞おめでとうございます
ちょうど1年前のグリーンインフラのシンポジウムで
【東京工業大学 大岡山キャンパス】

グリーンインフラ、自然の力が変える公共事業 

(1/2ページ)
2016/9/28 6:30
日本経済新聞 電子版
 グリーンインフラ(グリーンインフラストラクチャー)をご存知だろうか。自然環境の幅広い機能を活用した社会資本整備や土地利用の在り方のことを表す概念だ。しかし、言葉さえも初耳だという読者は少なくないだろう。
 それもそのはず。欧米では10年以上前から公共事業の都市戦略や環境政策の文脈で使われていたものの、日本国内で普及し始めたのは、ほんの数年前だからだ。
 そのグリーンインフラが最近、急速に注目を集めて…
[有料会員限定] この記事は会員限定です。電子版に登録すると続きをお読みいただけます。
秋割実施中 お申し込みは10/10まで
http://www.nikkei.com/article/DGXMZO06883100V00C16A9000000

2016年9月19日月曜日

関空建設工事における環境配慮

しばらくです。
どうも月イチペースになってしまっていますね。スミマセン。
沖縄周辺海域では海水温が高止まりしていて生態系の基盤となっているサンゴが久方ぶりに大規模に白化してしまいました(サンゴだけじゃなくってクマノミと共生しているイソギンチャクも真っ白です)。それを受けて、沖縄県内のあちこちを飛び回っています(ちょっと大袈裟)。だもんでブログの更新が滞ってしまいました。

筆記試験の合格発表まで早いものであとひと月ちょっととなりました。
手ごたえのあるひとはそろそろ気持ちが落ち着かなくなってきているのではないでしょうか。
自信のあるかたはいまからでも業務経歴票を見直して、特に業務詳細のところで技術士らしさがアピールできるようにアレンジしてみてください。
択一が届かなかったなど、今年の試験はスッパリ諦めているひとは技術士試験のことなど蚊帳の外になっていることでしょうね。でも技術士になることを諦めていないのであれば、いまの時期から来年の試験(といっても10カ月もありません)に向けてスタートすることをオススメします。

建設環境の試験問題を眺めると、やはり環境アセス関連、特にアセス時における環境配慮について問われることが多いですね。問題Ⅱ-2では頻出の必出です。

というわけで、環境アセスの流れ、さらには事業のさまざま場面で実施された環境配慮についての事例を眺めるのもいいんじゃないかと、本日は関西国際空港建設事業のサイトを紹介することにしました。
環境アセスに関してはこれまで山間部縛りで出題されることが多かったのですが、あえて海域の事例を取り上げてみます。きっと来年の試験に役に立つネタが満載だと信じています。

関西空港駅


2期工事での環境配慮
2期工事における環境への配慮
2期空港島の建設工事では、大阪湾とその周辺地域に及ぼす環境影響を最小限に抑えるため、水質などに関する環境の監視、藻場造成などのゆたかな環境の創造、工事における様々な環境保全対策などに取り組んでいます。


ゆたかな環境の創造

海の生き物のすみかとなる藻場を造成し、大阪湾にゆたかな生態系を創出します。

環境への影響の監視

2期空港島造成工事に際して周辺環境に影響を及ぼしていないか、水質などを観測してます。

建設工事での環境保全対策

2期空港島造成工事に際して周辺環境に影響を抑えるため、多くの取り組みを行っています。

地域の人々とともに

空港建設へのご理解を深めて頂けるよう様々な催しを通じてコミュニケーションに努めています。

環境影響評価

大阪湾とその周辺地域の環境に与える影響を予測し、あらかじめ設定した環境保全目標に照らして評価しています。
ゆたかな環境の創造



環境への影響の監視


関西国際空港2期事業 人と自然にやさしい空港づくりへの取り組み

2016年8月22日月曜日

気候変動監視レポート2015

長らくご無沙汰しておりました。
皆さんにおかれましても筆記試験が終わってしばし休戦状態、というよりも、お盆や夏季休暇などの行事で忙しかったのではないでしょうか。

今年は沖縄のお盆(旧盆)も新暦のお盆と近い日取りでした。8/15がウンケー(迎え盆)、8/17がウークイ(送り盆)でした。

お盆が済むと、なんだか空や雲が秋っぽくなりますよね。
それともこれは台風のせいでしょうか。日本列島にはいま3つも接近していて大変なことになっています。
台風がめったに来ない北海道に連続で襲い掛かっていますし、関東も局地的に大雨豪雨のようです。河川の氾濫や土砂崩れが心配です。
沖縄方面へはこれまた珍しく伊豆諸島の八丈島沖で発生した台風がなんと南下(!)してきています。
コースも異常ながら、実は沖縄には今年初めての台風なんです。
台風が全然来ないもんですから、海の水がかき混ざらないし、エネルギーの行き場もないしで沖縄近海では海水の温度が例年より高いまま数か月が経っているんです。生態系の基盤となっているサンゴが弱ってきています(サンゴの白化現象)。

うーん。。。気候変動のことが叫ばれて久しいですが、こうして現実的にさまざまなかたちで目の前に表れてきているようにも感じれられる事態がここまで続くと、これまで試験勉強用に齧ってきた単なる知識等をいよいよ真剣に社会のために実践していかないといけないですね。

夏の終わり【沖縄県那覇市首里あたり】

気象庁

「気候変動監視レポート2015」を公表しました

報道発表日

平成28年8月22日

概要

「平成27年9月関東・東北豪雨」の背景となった不順な天候や、2015年のエルニーニョ現象など、気候や海洋、大気環境について幅広く解析した「気候変動監視レポート2015」を公表しました。

本文

気候変動監視レポート2015
 気象庁では、気候、海洋、大気環境の各分野の観測や監視、解析結果をとりまとめた「気候変動監視レポート」を毎年公表しています。今般、当該分野における2015年の状況やこれまでの長期的な変化傾向について、「気候変動監視レポート2015」として取りまとめ、本日気象庁ホームページで公表しました。
 本年のレポートでは、顕著な事例として、「平成27年9月関東・東北豪雨」の背景となった不順な天候や、2015年中に顕著に発達したエルニーニョ現象についての詳細な解析結果も掲載しました。

「気候変動監視レポート2015」の構成
第1章 2015年の気候
世界や日本の天候・異常気象、「平成27年9月関東・東北豪雨」の背景となった2015年8月中旬~9月上旬にかけての不順な天候、2015年中に顕著に発達したエルニーニョ現象など

第2章 気候変動
気温や降水量の長期変化傾向、さくらの開花日の経年変化、海洋・海氷、北半球の積雪域の変動など

第3章 地球環境の変動
温室効果ガス、海洋酸性化(海洋内部の解析結果も新たに掲載)、オゾン層・紫外線の変動、コラム「50年目を迎えた東経137度定線観測」など


 本レポートの全文は気象庁ホームページ上の「各種データ・資料」の「地球環境・海洋」からご覧いただけます。
(レポートのURL: http://www.data.jma.go.jp/cpdinfo/monitor/index.html)

資料全文


2016年7月22日金曜日

添削講座のご案内

平成28年度筆記試験も終わりましたので、次年度試験に向けての講座を開講いたします。

わたしの講師としての活動は、平成22年度試験に合格した翌年からSUKIYAKI塾の添削講座に参加するかたちでスタートしました。
SUKIYAKI塾のほか、身近な知り合いを含めると、これまでの6年間でのべ70名を超えるかたたちに指導アドバイスしたことになります。そしてその一助となったかどうか、平成27年度試験までの5年間で27名のかたが合格されました。

また、平成27年度からは総監の指導アドバイスも開始したところ、初年度にもかかわらず6名ものかたから吉報をいただくことができました。わたしはあくまで触媒にすぎませんが、『総監合格』にいくらかでも貢献できたであろうことに我ながら驚いています。

SUKIYAKI塾の活動と平行して綴り始めたこのブログですが、平成26年ごろからブログを訪問してくださるひとが増え始め、それに比例するように添削指導の依頼をあちらこちらから受けるようになりました。そこで平成27年から独自の添削講座を開講して受験に真剣に取り組む方のサポートを始めました。

昨年度は講座のスタートということで内容(指導方法や料金など)についてはこれまでの経験をもとに試験的に行い、お申し込みくださった複数名のかたを指導させていただきました。
1年間活動してみて、受講生に恵まれたことが大きいと感じていますが、受講生の皆さんの理解の度合や伸び具合がそれはとても良い感触でした。技術士試験合格への触媒を果たせたのではないかと感じています。

受講者さんからは「考え方の勉強になり、また楽しく勉強できました」との声をいただきました。
講師冥利につきます。思い切って講座を開いて本当に良かったと思いました。
そして筆記試験翌日にもかかわらず早くも講座についてのお問い合わせもいただいており、皆さんからの期待に応えたい、応えねば、という思いが強くなりました。

そこで、次年度試験に向けての添削講座では受講生さんとのやりとり、受講者さんへの指導方法については大きな変更は行わないこととし、筆記試験対策コースについて指導期間の長短で3コースを設け、そのコースごとに料金を設定することにしました(詳しくは下記の案内をご覧ください)。

また、昨年度に好評いただきました筆記試験再現論文に対するコメント評価も行います。先日の試験答案について第3者の視点を欲しているかたはぜひどうぞ。


本サービス(添削指導アドバイス)はSUKIYAKI塾とは異なり有料でお受けします。
対象とする技術部門科目は以下の2つです。
●建設部門建設環境
わたしの専門はどちらかというと自然環境に関する分野ですので生活環境の保全に関する現場感覚はやや劣るかもしれません。しかしながらこれまで添削するうえで支障はありませんでした。
また、他の部門科目(例えば環境部門など)についてはご希望であればお引き受けしますが、専門技術に関する指導はできませんので論理構成や文章に関する指導アドバイスとなります。

●総合技術監理部門
総監については科目を問いません。ただし建設-建設環境以外の科目の場合には専門技術を踏まえた管理については言及できないこともあります。

下記の5つのコースを設けました。
※併願・重願の場合はそれぞれの部門科目単位で受け付けます。

①平成28年度筆記試験の再現論文に対するコメント評価
内容:再現論文のコメント評価を行います。建設環境は選択科目Ⅱ-1×2つ、Ⅱ-2、Ⅲの合計4つ、総監は記述論文(必須科目Ⅰ-2)です。
不合格要因を推定することもできます。
原稿に赤を入れるのではなく、メールでコメントをお返しする方式です。
返信回数:各設問に対し、1回のコメントとそのコメントを受けての再質問・返信を1回の計2回
料金:3,000円

【平成29年度試験対策】
②出願書類作成コース
期間:受付完了時から平成29年度試験の申込期限日の7日前まで書類を受け付けます。
内容:受験申込書の記載内容と業務経歴票(5行の業務経歴と「業務内容の詳細」)についての添削指導を行います。平成29年度の様式が正式発表されるまでは平成28年度様式で添削指導を行い、平成29年度様式が発表され次第、あらためて添削指導いたします。
うまく作成できないかたには業務経歴のたな卸しと詳細業務の骨子の作成アドバイスからスタートします。
添削回数:期間内は回数無制限です。ただしわたしがOKと判断したらそこで終了とすることもあります。
料金:15,000円

③筆記試験論文添削 長期コース(7~11カ月)
期間:受付完了時から平成29年度筆記試験日の7日前まで論文を受け付けます。
内容:建設環境については選択科目ⅡとⅢを、総監については記述論文(必須科目Ⅰ-2)の添削指導を行います。基本的に過去問題に対する回答論文の添削です。原稿に赤を入れるのではなく、メールでコメントをお返しする方式です。
論文の仕上がり具合に自信がないかた、文章作成が苦手なかた、論理的思考が苦手なかた、専門技術分野が偏っているかた、それぞれに応じた指導をいたします。
添削回数:期間内は回数無制限です。ただし複数の論文を同時並行では添削しません。わたしが次の問題に移ってOKと判断してから別の設問に取り組んでください。
料金:30,000円 (平成28年度の筆記試験論文添削コースを受講したかたで同部門同科目の場合は25,000円)

④筆記試験論文添削 中期コース(3~6カ月)
期間:平成28年12月末から受付を開始します。受付完了時から平成29年度筆記試験日の7日前まで論文を受け付けます。
内容:建設環境については選択科目ⅡとⅢを、総監については記述論文(必須科目Ⅰ-2)の添削指導を行います。基本的に過去問題に対する回答論文の添削です。原稿に赤を入れるのではなく、メールでコメントをお返しする方式です。
論文の仕上がり具合に自信がないかた、文章作成が苦手なかた、論理的思考が苦手なかた、専門技術分野が偏っているかた、それぞれに応じた指導をいたします。
添削回数:期間内は回数無制限です。ただし複数の論文を同時並行では添削しません。わたしが次の問題に移ってOKと判断してから別の設問に取り組んでください。
料金:20,000円 (平成28年度の筆記試験論文添削コースを受講したかたで同部門同科目の場合は15,000円)

⑤筆記試験論文添削 短期コース(1~2カ月)
期間:平成29年5月から受付を開始します。受付完了時から平成29年度筆記試験日の7日前まで論文を受け付けます。
内容:建設環境については選択科目ⅡとⅢを、総監については記述論文(必須科目Ⅰ-2)の添削指導を行います。基本的に過去問題に対する回答論文の添削です。原稿に赤を入れるのではなく、メールでコメントをお返しする方式です。
論文の仕上がり具合に自信がないかた、文章作成が苦手なかた、論理的思考が苦手なかた、専門技術分野が偏っているかた、それぞれに応じた指導をいたします。
添削回数:期間内は回数無制限です。ただし複数の論文を同時並行では添削しません。わたしが次の問題に移ってOKと判断してから別の設問に取り組んでください。
料金:10,000円

【注意事項】
●本サービスは、Gmailを使用して行いますので、Gmailの送受信が可能な環境であることが必須条件です
●本サービスに使用するファイル形式はPDFもしくはMS Wordファイルのみです。これ以外のファイルは原則として対応できません
●添削指導の対象である経歴票や論文等はメールに添付してお送りいただきます
●メール受信後、添削コメント等を返信するまでに最大4日間の日数をいただきます
●総監については科目を問いませんが建設-建設環境以外の科目の場合には専門技術を踏まえた管理については言及できないこともあります
●領収書は発行いたしません
●振込手数料はご負担ください

本サービス(添削指導アドバイス)をご希望されるかたは上記の内容を確認いただいたうえで下記のフォームにてお申込みください。お申込みの時点で上記の注意事項に同意いただいたものとします。
フォームを受信後、遅くとも翌日中には振込先の銀行口座をご案内するメールをGmailで返信いたします。
※3日以上経過しても返信がない場合はGmailとのやりとりが不可能な環境と思われます。その際はお手数ですがご自身で設定等を調整したうえで再度ご応募ください。

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選択科目Ⅲ-2 大規模津波災害からの復旧復興事業における自然環境への配慮

平成28年度筆記試験問題シリーズも今日で最後となりました。

Ⅲ-2は大規模津波災害からの復旧復興事業における自然環境への配慮についての出題でした。自然環境保全系の技術者であればこっちに取り組んだひとも多いと思います。

東日本大震災のうち地震や原発事故を除く津波による被災からの復興復旧事業で主なものといえば、
・がれきの撤去・処分
・ライフライン構築
・海岸対策(護岸整備・海岸林)
・交通網整備(道路・鉄道・空港・港湾)
・まちづくり(集団移転・区画整理)
・災害公営住宅
・農業/水産業施設整備
・地域の産業に係る施設等の整備など

こうして書き出すとあたらめて津波がもたらした、あるいは奪い去ったものの大きさに呆然とします。
これらの事業のどれかを想定して書きやすい、あるいは書きたいものを取り上げて、自然環境にも配慮する意義を強調しながら書き進めればいいのではないかと思います。

そして、どの事業を選んだとしても、自然環境への配慮に関するキーワードを「生態系ネットワーク」とすると展開しやすいかもしれません。
そしてもちろん、どの事業を取り上げてもその事業が担うインフラ整備を生態系の力を活用して行うグリーンインフラによる手法も混ぜ込むと、問題文の冒頭部分で踏まえることが強調されている「中長期の視点」、「先導的な施策」、「人類共通の課題の解決」についても包括することができます。

東日本大震災からの復興の状況と最近の取組[平成28年3月版]

震災後実施事業における自然環境配慮事例収集

復興まちづくりにおける景観・都市空間形成の基本的考え方

また、津波によるものではありませんが、平成26年には美しい山河を守る災害復旧基本方針」【ガイドライン】が改定されています。
これを津波による復旧に当てはめて書き進めてもいいですね。

漁港災害復旧(再復)工事(海岸堤防)
【福島県南相馬市(2015年6月26日撮影)】

Ⅲ-2 東日本大震災復興基本法において「環境への負荷及び地球温暖化問題等の人類共通の課題の解決に資するための先導的な施策への取組が行われるべきこと」とされているように,大規模な津波災害からの復旧・復興に際しても自然環境への配慮も含めた中・長期の視点は重要である。
 このような状況を踏まえ,以下の問いに答えよ。

(1)大規模津波災害からの復旧・復興事業において自然環境への配慮を行う意義について,多面的な視点から3つ挙げ,その内容についてそれぞれ述べよ。

(2)大規模津波災害からの復旧・復興事業を1つ想定し,その概要を説明せよ。その復旧・復興事業において環境への配慮を図る際に,特に復旧・復興の観点から留意すべき課題を3つ挙げ,おのおのについて,その対応策を示せ。

(3)上述の対応策から1つを選び,その対応策を実施する際に生じ得る問題点と,その問題点への対処法について述べよ。

最後に、解答論文の再現だけはしっかりやっておいてください(最低でも問題Ⅲだけは)。筆記試験に合格してからさいげんしていなくて(そしてすっかり忘れちゃっていまさら再現できなくて)慌てるひとが毎年います。

それでは次の関門に向けてしばらく英気を養っておいてください。

お疲れさまでした!

2016年7月21日木曜日

選択科目Ⅲ-1 気候変動適応策

問題Ⅲの課題解決問題、Ⅲ-1が気候変動適応策、Ⅲ-2が大規模津波災害からの復旧復興事業における自然環境配慮でした。

わたしが受験生だったころによく勉強した対象分野に似ていてなにか懐かしさを感じました。
といってもわたしが取り組んでいたのは気候変動によって激甚化する自然災害に対処する方策でしたので今回のものとは似て非なるものでだいぶ違うわけですが。。。

問題文をみたときは、おっグリーンインフラ使いまくりじゃん!と思ったところ、読み進めていくうちに(なお,自然災害に関する悪影響及び適応策は除く。)というのが目に飛び込んできて絶句しました(試験中はもちろん声を出せませんが)。Ⅲ-2が自然災害分野なのであえて外したのでしょうね。

でもよく考えてみると気候変動によって悪影響が生じる分野は自然災害分野のほかにも、水環境分野(水底質の富栄養化)都市生活分野(ヒートアイランド)自然環境分野(生態系ネットワーク)などがありますのでこれらに対して活用できるグリーンインフラはあります。そもそも気候変動適応策の最も重要な参考文献である国土交通省気候変動適応計画でもグリーンインフラが紹介されてます。
もちろんグリーンインフラにこだわる必要はまったくありませんけど(笑)。

なお、グリーンインフラの防災減災モノがなんと環境部門自然環境保全のほうで出題されていました。過去ログに追記したので気になる方はご覧ください。

選択科目Ⅱ-1


ともかく気候変動適応計画は以前にもブログでも取り上げていたので、準備していたかたはまさにドンピシャの出題だったのではないでしょうか。

暑いので壁面緑化してみました【沖縄県】

Ⅲ 次の2問題(Ⅲ-1,Ⅲ-2)のうち1問題を選び解答せよ。(解答問題番号を明記し,答案用紙3枚以内にまとめよ。)

 Ⅲ-1 IPCC第5次評価報告書では,気候システムの温暖化は疑いの余地のないことが示されており,今後,気温上昇の程度をかなり低くするための対策をとった場合でも,世界平均地上気温や世界平均海面水位の上昇の可能性が高いとされ,自然及び人間社会に深刻な影響を及ぼすであろうことが同報告書に示されている。
 このため,近年の気候変動枠組条約の締約国会議(COP)においては,「緩和策」とともに気候変動による悪影響へ備える「適応策」を実施することの重要性が指摘されるようになっている。このような状況を踏まえ,以下の問いに答えよ。

(1)気候変動により想定される環境への悪影響とそれに対する適応策について,複数述べよ。(なお,自然災害に関する悪影響及び適応策は除く。)

(2)その適応策のうち,あなたが重要と考えるもの1つについて,実施するに当たっての技術的課題を述べよ。

(3)上記の課題を解決するための技術的提案及びその提案に関するリスクや留意点を述べよ。

では、また。