2025年8月5日火曜日

令和8年度技術士試験対策 添削講座を開講しました

令和7年度の筆記試験から早くも2週間が経ちました。皆さんいかがお過ごしでしょうか。
本日より令和8年度の試験に向けた添削講座を開講いたします。

SUKIYAKI塾の活動と平行して綴り始めたこのブログですが、平成26年ごろからブログを訪問してくださるひとが増え始め、それに比例するように添削指導の依頼をあちらこちらから受けるようになりました。そこで平成28年から独自の添削講座を開講して受験に真剣に取り組む方のサポートを始めました。

軌道に乗った平成29年度以降、多くの受講生の皆さんとメールによる濃密なやりとりができました。受講生に恵まれたことが大きいと感じていますが、受講生の皆さんの理解の度合や伸び具合がそれはとても良い感触でした。
令和6年度筆記試験及び口頭試験合格発表後に頂いたメッセージを抜粋します。

【建設環境】
●すごろく様
おかげさまで、無事口頭試験も合格しました!
筆記試験から幾度もご指導頂き、大変ありがとうございました。
今年度、新たにすごろく様の添削を受けたことが大きかったと自分では思います。
非常に的確で、辛口のご指導コメントありがとうございました。
これから、より一層努力して、社会に貢献できるよう頑張ります。
以上取り急ぎご報告でした。
(弊社で自分以外にも建設環境部門を受験予定の者がおりまして、すごろく様の添削講座も薦めようと思いますがよろしいでしょうか。)

●すごろく様
昨日、技術士試験に無事合格しました。
模擬口頭試験では、具体的に強化すべきポイントをご教示いただき、危機感を持って本番までの日々を過ごすことができました。本当にありがとうございます。
今後も楽しく学び、働き、謙虚に成長していけたらなと思います。
本当にありがとうございました。
今後もブログを拝見させていただければと思います。

●すごろく様
本日、技術士二次口頭試験結果がありましたが、無事「合格」しておりました。
技術士試験にあたっては、経験論文の作成~口頭試験対策まで、ご指導いただき大変ありがとうございました。
周りにあまり相談できる技術者がいない中で、すごろくさんの的確なアドバイスが大変勉強になりました。
引き続き、研鑽を積み、環境部門(環境保全計画)にチャレンジしていきたいと思います。また、機会がありましたらご指導いただけますと幸いです。
この度は本当にありがとうございました。

【河川、砂防及び海岸・海洋】
●すごろく様
ご無沙汰しております。河川砂防、無事に合格しておりました。建設環境に続き、今回も、ご指導いただき誠にありがとうございました。毎回の先生の細やかなアドバイス、とても心強かったです。今後は、来年か再来年以降、総監受験を考えているので、その際はご指導をお願いできればと思っております。お忙しいところ恐縮ですが、またその時は、よろしくお願いいたします。

【鋼構造及びコンクリート】
●すごろくさま
ご報告です。この度、二次試験合格しました。
ご連絡が遅くなったこと、ご容赦ください。
朝はヘンなテンションで、何も手につかないほどでした。
2022年の11月頃から長い間、本当にありがとうございました。
大変お世話になりました。
口頭試験の前は、厳しい状況でしたが、ご指導や貴重なご助言のおかげで、何とか乗り切ることが出来ました。
次の目標に向けて、今後も努力を重ねてまいります。
改めまして、本当にありがとうございました。

●すごろくさま
昨年度、大変お世話になった○○です。
ご報告です。今回、通りました。ありがとうございました。
未だに信じられません。何度も確認しました。
妻にも確認してもらい"通ってるよね"ってことで、ご連絡いたしました。
掲示板でも話題になってましたが、自分では、今回も出題者の題意に添えていないと思っておりました。さらに、必須科目においては、最初の行にタイトルを入れ忘れるチョンボもあり絶望しておりました。
模擬面接でもお世話になりたいと思っておりますので
通知が届きましたら、お申込みします。
興奮が収まりません。乱文お許しください。
以上、よろしくお願いします。

【環境保全計画】
●すごろく様
いつもお世話になっております。
先日は技術士2次試験筆記試験に向けて、論文の添削指導をいただきありがとうございました。
無事筆記試験に合格して、以下口頭試験の対策もお願いできればと考えております。

【自然環境保全】
●すごろく様
今年度の試験について、無事に合格しておりました。
経歴的に建設環境じゃないかというような問答もあったことからすこし心配しておりましたが、無事に合格することができ、安心しているところです。
今年度も筆記試験からご指導いただきありがとうございました。
技術士試験について、来年度は受験しない予定ですが、プロジェクトをマネジメントする経験を積み始めましたら、総監にもチャレンジしたいと思います。
その際は、またご指導いただけますと幸いです。
自身の興味がある、自然環境保全科目に合格できましたので、今後のキャリアを通じて人と自然の調和する社会の実現に少しでも貢献したいという想いが、改めて強くなりました。
引き続き、慢心せずに頑張りたいと思います。
そうした活動の中で、いつか、すごろくさんとも直接お会いする機会があるとよいなと思っています。
指導いただきありがとうございました。
よろしくお願いいたします。

●すごろく様
おかげさまで、環境部門自然環境保全の筆記試験に合格しておりました。
無事に受験番号を発見できて安心いたしました。
今年度も、添削・ご指導いただき、誠にありがとうございました。
また、先ほど、口頭試験のオンライン面接にも申し込みをさせて頂きました。
引き続き、口頭試験についてもご指導いただけますと幸いです。
どうぞよろしくお願いいたします。

【総監】
●すごろく様
本日、合格通知届きました。
その節は大変お世話になりました。
ご指導のおかげです。
ありがとうございました。

など嬉しい報告をいただきました。


本サービス(添削指導アドバイス)はSUKIYAKI塾とは異なり有料でお受けします。
対象とする技術部門科目は下記の通りです。
※併願・重願の場合はそれぞれの部門科目単位で受け付けます。

●建設部門(建設環境)・環境部門(自然環境保全)・水産部門(水産資源及び水域環境)
技術士受験指導の経験は早いもので13年、そして建設環境分野、自然環境保全分野、水産水域環境分野の技術者としての業務経験は28年になりました。これまで主に沖縄県内での環境調査、環境影響評価、自主アセス(ミニアセス)に携わっております。
わたしの専門はどちらかというと自然環境に関する分野ですので生活環境の保全に関する現場感覚はやや劣るかもしれません。しかしながらこれまで添削するうえで支障はありませんでした。
また、他の科目についてもご希望であればお引き受けします。ただし専門技術に関する指導はできませんので論理構成や文章に関する指導アドバイスとなります。
なお、これまで建設環境、水産資源及び水域環境、自然環境保全以外の科目については、建設部門の都市及び地方計画、道路、河川、砂防及び海岸・海洋ののかた、環境部門の環境保全計画、環境影響評価、森林部門の林業・林産、森林土木、森林環境、水産部門の水産土木のかたを指導いたしました。
また、建設部門の鋼構造及びコンクリート、施工計画・施工設備及び積算、環境部門環境測定のかたに対しては必須科目(部門共通の問題)を中心に指導いたしました。

●総合技術監理部門
総監については科目を問いません。ただし建設-建設環境や水産-水産資源及び水域環境、環境-自然環境保全以外の科目の場合には専門技術を踏まえた管理については言及できないこともあります。
なお、これまで建設環境、水産資源及び水域環境、自然環境保全以外では、電気電子-電気設備、土質及び基礎、鋼構造及びコンクリート、都市及び地方計画、河川砂防・海岸海洋、港湾及び空港、道路、施工計画・施工設備及び積算、上水道及び工業用水道、下水道、農業-農業農村工学、経営工学-サービスマネジメント、環境-環境保全計画のかたを指導いたしました。
ご希望のかたには、平成29年2月23日で頒布が終了した「技術士制度における総合技術監理の技術体系(第2版)」(いわゆる青本)のテキストデータを差し上げます。
なお一部内容を法律等の改正に伴い書き換えています。ただしH29年時点までのものです。とはいえだいぶ年月が経過しちゃいましたね。。。
※択一対策は、繰り返し過去問を解くことの他に、総合技術監理部門 キーワード集2024を用いてご自分でキーワードの解説集を作成するのが合格への近道です。

★お申込みはこちらからお願いします

①令和7年度筆記試験の再現論文に対するコメント評価
内容:再現論文のコメント評価を行います。総監以外は必須科目Ⅰ、選択科目Ⅱ-1、Ⅱ-2、Ⅲの合計4つ、総監は記述論文(必須科目Ⅰ-2)です。
原稿に赤を入れるのではなく、メールでコメントをお返しする方式です。
返信回数:各問題に対し、1回のコメントとそのコメントを受けての再質問・返信を1回の計2回
※令和7年度試験の答案用紙を模したWordファイルを差し上げます。
料金:4,000円

②令和7年度口頭試験対策 オンライン模擬面接
令和7年10月末の筆記試験合格発表後から受付を開始します。
令和7年度技術士第2次試験の筆記試験に合格したかたを対象に、オンライン(ZOOM)で模擬面接指導を行います。
本番さながらの模擬面接(20分程度)とその後の指導アドバイス等(30分程度)を合わせて60分程度を、日を替えて2回行うものです。
面接日時は、本番の試験日を見据えて受講者さんとわたしの都合でバランスよく調整します。
※わたしの口頭試験の再現記録(総監のかたには総監の、一般部門のかたにはR2年度に受験した環境部門の再現記録)と令和以降の口頭試験を受験したかたから提供いただいた再現記録の質問部分を抽出した質問集を提供いたします。
料金:12,000円

【令和8年度試験対策】
③出願書類作成
期間:受付完了時から令和8年度試験の受験申込期限日の7日前まで書類を受け付けます。
内容:受験申込書の記載内容と実務経験証明書(5行の業務経歴と「業務内容の詳細」)についての添削指導を行います。受験する部門科目に合致しているかの確認と令和5~6年度の口頭試験における実際の試問内容を踏まえた記述内容となるよう指導いたします。
令和8年度の様式が正式発表されるまでは令和7年度様式で添削指導を行い、令和8年度様式が発表され次第、あらためて添削指導いたします。
うまく作成できないかたには業務経歴のたな卸しと詳細業務の骨子の作成アドバイスからスタートします。
添削回数:期間内は回数無制限です。ただしわたしがOKと判断したらそこで終了とすることもあります。
料金:20,000円

④筆記試験論文添削 長期コース
期間:受付完了時から令和8年度筆記試験日の7日前まで論文を受け付けます。
内容:総監以外については必須科目と選択科目を、総監については記述論文(必須科目Ⅰ-2)の添削指導を行います。過去問題に対する回答論文の添削です。原稿に赤を入れるのではなく、メールでコメントをお返しする方式です。
論文の仕上がり具合に自信がないかた、文章作成が苦手なかた、論理的思考が苦手なかた、専門技術分野が偏っているかた、それぞれに応じた指導をいたします。
※令和7年度試験の答案用紙を模したWordファイルを差し上げます。
添削回数:期間内は回数無制限です。ただし複数の論文を同時並行では添削しません。わたしが次の問題に移ってOKと判断してから別の設問に取り組んでください。
料金:35,000円

⑤筆記試験論文添削 中期コース
期間:令和8年1月から受付を開始します。受付完了時から令和8年度筆記試験日の7日前まで論文を受け付けます。
内容:総監以外については必須科目と選択科目を、総監については記述論文(必須科目Ⅰ-2)の添削指導を行います。過去問題に対する回答論文の添削です。原稿に赤を入れるのではなく、メールでコメントをお返しする方式です。
論文の仕上がり具合に自信がないかた、文章作成が苦手なかた、論理的思考が苦手なかた、専門技術分野が偏っているかた、それぞれに応じた指導をいたします。
※令和7年度試験の答案用紙を模したWordファイルを差し上げます。
添削回数:期間内は回数無制限です。ただし複数の論文を同時並行では添削しません。わたしが次の問題に移ってOKと判断してから別の設問に取り組んでください。
料金:30,000円

⑥筆記試験論文添削 短期コース
期間:令和8年4月末頃から受付を開始します。受付完了時から令和8年度筆記試験日の7日前までまで論文を受け付けます。
内容:総監以外については必須科目と選択科目を、総監については記述論文(必須科目Ⅰ-2)の添削指導を行います。過去問題に対する回答論文の添削です。原稿に赤を入れるのではなく、メールでコメントをお返しする方式です。
論文の仕上がり具合に自信がないかた、文章作成が苦手なかた、論理的思考が苦手なかた、専門技術分野が偏っているかた、それぞれに応じた指導をいたします。
※令和7年度試験の答案用紙を模したWordファイルを差し上げます。
添削回数:期間内は回数無制限です。ただし複数の論文を同時並行では添削しません。わたしが次の問題に移ってOKと判断してから別の設問に取り組んでください。
料金:18,000円

【注意事項】
●本サービスは、Gmailを使用して行いますので、Gmailの送受信が可能な環境であることが必須条件です
●本サービスに使用するファイル形式はPDFもしくはMS Wordファイルのみです。これ以外のファイルは原則として対応できません
●添削指導の対象である受験申込書や論文等はメールに添付してお送りいただきます
●メール受信後、添削コメント等を返信するまでに最大4日間の日数をいただきます
●総監については科目を問いませんが、建設-建設環境、水産-水産資源及び水域環境、環境-自然環境保全以外の科目の場合には専門技術を踏まえた管理については言及できないこともあります
●PDFの領収書は発行できますが、受講代金の10%を上乗せした代金を頂戴します
●なおインボイス発行事業者への登録は行っておりませんので適格請求書の発行はできません
●振込手数料はご負担ください

本サービス(添削指導アドバイス)をご希望されるかたは上記の内容を確認いただいたうえで下記のフォームにてお申込みください。お申込みの時点で上記の注意事項に同意いただいたものとします。

フォームを受信後、遅くとも翌日中には振込先の銀行口座をご案内するメールをGmailで返信いたします。
※3日以上経過しても返信がない場合はGmailとのやりとりが不可能な環境と思われます。その際はお手数ですがご自身で設定等を調整したうえで再度ご応募ください。

★お申込みはこちらからお願いします




2025年7月29日火曜日

水産部門 必須科目Ⅰ 大規模災害からの復旧復興業務と、水産物消費の拡大と持続可能な漁業・養殖業の両立

なんだかブログがちゃんとアップされておりませんで、技術士会HPで問題文が公表されたあとに一挙に公開するという事態になっておりますが、最後に水産部門必須科目の問題文を取り上げます。
大方の予想通り、復旧復興&水産振興がシッカリ出ましたね(ってブログ予想をサボってしまいましたが)。わたしの水産分野(水産土木)の受講生の皆さんも漁港漁場漁村の防災減災対策と水産振興策の両方とも準備しておられたのでどちらでもバッチリ書けたのではないでしょうか。

14 水産部門【必須科目Ⅰ】
Ⅰ 次の2問題(Ⅰ-1,Ⅰ-2)のうち1問題を選び解答せよ。(解答問題番号を明記し,答案用紙3枚を用いてまとめよ。)

Ⅰ-1 2024年1月1日に石川県能登地方を震源とした最大震度7を観測した地震により,石川県を中心に富山県や新潟県において様々な被害が発生した。この地震や津波で,漁船や水産関連施設が損壊し,漁村集落が崩壊するとともに生活インフラも破壊された。さらに,海岸や海底の地盤隆起により,未だに漁港の利用や漁業の操業に大きな支障が生じている。このような状況を踏まえて,以下の問いに答えよ。

(1)水産部門全般を念頭に,大規模災害対策としての復旧・復興業務を実施するうえでの課題を,技術者として多面的な観点から3つ抽出し,それぞれの観点を明記したうえで課題の内容を示せ。

(2)前問(1)で抽出した課題の中で,最も重要と考えられる課題を1つ挙げ,その課題に対する複数の解決策を,水産部門の専門技術用語を交えて説明せよ。

(3)前問(2)で示したすべての解決策を実行して生じる波及効果と,新たに生じうる懸念事項について専門技術を踏まえた考えを示せ。

(4)前問(1)~(3)の実現において,技術者としての倫理,社会の持続可能性の観点から必要となる要件・留意点を題意に即して述べよ。

出張輪島朝市
パワーシティ 輪島ワイプラザ
【石川県輪島市】

Ⅰ-2 近年,国内における水産物の消費量は減少傾向にあり,特に若年層の魚離れが顕著になっている。一方で,漁業・養殖現場では,国際市場での燃油,資材,餌料などの価格高騰により,生産コストが大幅に上昇し,従来の価格体系では採算が取れなくなっている。このため,水産業界においては,水産物の消費拡大と持続可能な漁業・養殖業の確立が喫緊の課題となっている。このような状況を踏まえて,以下の問いに答えよ。

(1)水産部門全般を念頭に,水産物消費の拡大と持続可能な漁業・養殖業の両立を図るうえでの課題を,技術者として多面的な観点から3つ抽出し,それぞれの観点を明記したうえで課題の内容を示せ。

(2)前問(1)で抽出した課題の中で,最も重要と考える課題を1つ挙げ,その課題に対する複数の解決策を,水産部門の専門技術用語を交えて説明せよ。

(3)前問(2)で示したすべての解決策を実行して生じる波及効果と,新たに生じうる懸念事項について専門技術を踏まえた考えを示せ。

(4)前問(1)~(3)の実現において,技術者としての倫理,社会の持続可能性の観点から必要となる要件・留意点を題意に即して述べよ。

R7年度筆記試験のコメント評価をしています。
第3者目線での評価を欲している方はぜひどうぞ。

2025年7月28日月曜日

自然環境保全 Ⅲ 生態系ネットワーク形成計画と持続的なツーリズム

「問題解決能力及び課題遂行能力に関する」問題Ⅲ、Ⅲ-1が生態系ネットワーク形成に係る計画、Ⅲ-2が持続的なツーリズムでした。生態系ネットワークは鉄板ですから、皆さんこちらを選択したのではないでしょうか。それにしても今回は自然公園、国立公園ものが目立ちますね。

Ⅲ 次の2問題(Ⅲ-1,Ⅲ-2)のうち1問題を選び解答せよ。(赤色答案用紙に解答問題番号を明記し,答案用紙3枚を用いてまとめよ。)

Ⅲ-1 生物多様性の保全と持続可能な利用を図っていくうえで,生物の生態特性に応じて,生息・生育空間のつながりや適切な配置が確保された生態系ネットワークが重要な役割を果たす。生態系ネットワーク形成の重要性が指摘されている状況を踏まえ,以下の問いに答えよ。

(1)ある流域圏の生態系ネットワーク形成に係る計画段階において,生物多様性の保全機能を効果的・持続的に発揮させるための課題について,環境分野における技術者として,多面的な観点から技術課題を3つ抽出し,その内容を観点とともに示せ。

(2)前問(1)で抽出した技術課題の中で,最も重要と考える技術課題をその理由とともに記し,専門技術用語を用い遂行方策を含む解決策を複数示し,具体的に説明せよ。

(3)前問(2)で示したすべての解決策を実行しても新たに生じうる将来的な懸念事項とそれへの対応策について,専門技術を踏まえた考えを示せ。

【石川県金沢市】

Ⅲ-2 人口減少や少子高齢化が進む中で,我が国の経済再生に向け,2000年代に入り特にインバウンドによる観光収入が期待されるようになった。しかし,新型コロナウイルス感染症対策のため,国際的な人の移動が制限され,観光分野でも大きな影響を被ることになった。世界的な新型コロナウイルス感染症による危機的状況がおさまり,2023年より日本でも海外からの誘客に積極的に取り組む展開となり,安全かつ歴史や文化,自然景観に恵まれた日本には,多くの観光客が訪問するようになった。同時に観光客の集中する地域では,いわゆるオーバーツーリズムによる地域環境や地域経済に関する課題も顕在化するようになった。このような状況を踏まえ,以下の問いに答えよ。

(1)ある自然公園内の地域活性化に向けたインバウンドを呼び込む計画段階において,地域環境の保全等を考慮した持続的なツーリズム展開に取り組むための課題について,環境分野における技術者として,多面的な観点から技術課題を3つ抽出し,その内容を観点とともに示せ。

(2)前問(1)で抽出した技術課題の中で,最も重要と考える技術課題をその理由とともに記し,専門技術用語を用い遂行方策を含む解決策を複数示し,具体的に説明せよ。

(3)前問(2)で示したすべての解決策を実行してもなお生じうる将来的な懸念事項とそれへの対応策について,専門技術を踏まえた考えを示せ。

R7年度筆記試験のコメント評価をしています。
第3者目線での評価を欲している方はぜひどうぞ。

2025年7月27日日曜日

自然環境保全 Ⅱ-2 国立公園の施設長寿命化計画策定と大規模拡張候補地の区域拡張に向けた調査

つづいて「選択科目」に関する応用能力について試される選択科目Ⅱ-2です。
ナントどちらも国立公園関連でしたね(驚)。1つ目は施設の長寿命計画策定、2つめは大規模牡蠣拡張候補地の区域拡張に向けた調査でした。
自分ならどっちを選択するのか考えてみましたが、どちらもなかなか難しいですね。建設部門の技術士としては1問目の施設の維持管理モノになるか、はたまた環境調査の専門家としては2問目の調査モノにするか。。。やっぱり悩ましいですね。皆さんはスッと選べましたか?

Ⅱ-2 次の2設問(Ⅱ-2-1,Ⅱ-2-2)のうち1設問を選び解答せよ。(青色答案用紙に解答設問番号を明記し,答案用紙2枚を用いてまとめよ。)

Ⅱ-2-1 国立公園事業施設の長寿命化対策は,自然公園等施設長寿命化計画策定指針に基づき,自然公園等施設長寿命化計画の策定と運用により推進している。ある国立公園の集団施設地区で自然公園等施設長寿命化計画を策定することになった。この業務を担当責任者として進めるに当たり,下記の(1)~(3)の問いに答えよ。なお,対象施設は次のとおりとする。

○対象施設

2025年7月26日土曜日

自然環境保全 Ⅱ-1

続きまして、自然環境保全Ⅱ‐1、4つの設問のうち1問を選ぶスタイルの、「選択科目」に関する専門知識について試される選択科目Ⅱ-1です。

○ブルーカーボン生態系
○地域生物多様性増進法
○新たな指定管理鳥獣クマ類
○国立公園のブランドプロミス

ブルーカーボンでましたね!なんと環境保全計画のほうでも出題されています!大流行りですね。知り合いの研究者もブルーカーボンに(無理やりにでも)絡めないと国のお金が回ってこないから研究が成り立たないと言ってました。
そして社会問題となっているクマ類も予想どおりでしたね(って今年は予想を掲載できませんでしたが。。。)。これまでも選択科目ⅡやⅢのほうで害獣問題は繰り返し出題されていましたから1問目か2問目でイケたのではないでしょうか。

19-3 自然環境保全【選択科目Ⅱ】
Ⅱ 次の2問題(Ⅱ-1,Ⅱ-2)について解答せよ。(問題ごとに答案用紙を替えること。)

Ⅱ-1 次の4設問(Ⅱ-1-1~Ⅱ-1-4)のうち1設問を選び解答せよ。(緑色答案用紙に解答設問番号を明記し,答案用紙1枚にまとめよ。)

Ⅱ-1-1 大気中の二酸化炭素吸収源対策の選択肢としてブルーカーボン生態系に係る取組が進められている。ブルーカーボン生態系の特徴とブルーカーボン生態系による二酸化炭素吸収源対策に向けた国の取組について述べよ。

Ⅱ-1-2 令和6年4月に地域における生物の多様性の増進のための活動の促進等に関する法律(「地域生物多様性増進法」)が成立し,令和7年4月から施行された。「地域生物多様性増進法」について,この法律制定の背景,生物多様性の増進の定義,創設された主な措置事項等について説明せよ。

Ⅱ-1-3 ニホンジカ及びイノシシに続き,四国の個体群を除くクマ類(ヒグマ及びツキノワグマ)が新たに指定管理鳥獣に追加された(令和6年4月16日公布・施行),指定管理鳥獣制度の概要,クマ類追加の背景,今後の課題と対策を述べよ。

Ⅱ-1-4 環境省が平成28年から始めた国立公園満喫プロジェクトの取組実績を踏まえ,国立公園のブランディングを更に強化するため,令和5年6月に国立公園の4つのブランドプロミス(国立公園が来訪者・地域に約束すること)を定めた。このブランディングプロミスの概要とそれを実施し続けるための活動について述べよ。

しろくまピースとバリーバ
【愛媛県伊予郡砥部町】

R7年度筆記試験のコメント評価をしています。
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2025年7月25日金曜日

環境部門 必須科目Ⅰ 地球の3つの危機と循環型社会形成

それでは環境部門の問題文を取り上げます。まずは必須科目から。

19 環境部門【必須科目Ⅰ】
Ⅰ 次の2問題(Ⅰ-1,Ⅰ-2)のうち1問題を選び解答せよ。(解答問題番号を明記し,答案用紙3枚を用いてまとめよ。)

Ⅰ-1 環境基本法第15条の規定に基づく第六次環境基本計画が,令和6(2024)年5月に閣議決定された。人類の活動は環境収容力を超過しつつあり,その結果,自らの存続基盤への脅威となるような,気候変動,生物多様性の損失,汚染という地球の3つの危機に直面するに至っている。この危機を踏まえて,以下の問いに答えよ。

(1)環境部門における技術者としての立場で多面的な観点から3つの技術課題を抽出し,観点を明記したうえで,その技術課題の内容を示せ。

(2)前問(1)で抽出した技術課題のうち最も重要と考える技術課題を1つ挙げ,その技術課題に対する複数の解決策を,環境部門の専門技術用語を交えて示せ。

(3)前問(2)で示したすべての解決策を実行して生ずる波及効果と専門技術を踏まえた懸念事項への対応策を示せ。

(4)前問(1)~(3)の業務遂行に当たり,技術者としての倫理,社会の持続可能性の観点から必要となる要件・留意点を題意に即して述べよ。

やっぱり第6次環境基本計画から出ましたね。まぁ当たり前ですが。そこから今回は3つの危機が問われました。

応用生態工学会国際シンポジウム@東京工業大学(現・東京科学大学)
【東京都目黒区】

Ⅰ-2 第五次循環型社会形成推進基本計画(令和6(2024)年8月閣議決定)では,循環経済への移行を関係者が一丸となって取り組むべき重要な政策課題として位置付けるとともに,循環型社会形成に向けた取組の中長期的な方向として,5つの重点分野を提示している。また,同計画の決定に先立って公表された令和6年版環境白書・循環型社会白書・生物多様性白書では,このうち3つの重点分野の趣旨が,同計画策定のポイントとして,次のとおり示されている。

①資源循環のための事業者間連携によるライフサイクル全体での徹底的な資源循環
②多種多様な地域の循環システムと地方創生の実現
③適正な国際資源循環体制の構築と循環産業の海外展開の推進

 このことを踏まえて,以下の問いに答えよ。

(1)上記の3つのポイントのうち1つないし複数の中から,環境部門における技術者としての立場で多面的な観点から3つの技術課題を抽出し,観点を明記したうえで,その技術課題の内容を示せ。

(2)前問(1)で抽出した技術課題のうち最も重要と考える技術課題を1つ挙げ,その技術課題に対する複数の解決策を,環境部門の専門技術用語を交えて示せ。

(3)前問(2)で示したすべての解決策を実行して生ずる波及効果と専門技術を踏まえた懸念事項への対応策を示せ。

(4)前問(1)~(3)の業務遂行に当たり,技術者としての倫理,社会の持続可能性の観点から必要となる要件・留意点を題意に即して述べよ。

筆記試験の再現論文についてコメント評価をしています。
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2025年7月24日木曜日

建設環境 Ⅲ 持続可能な都市づくりと民間による新たな緑地

どんどんいきましょう。「問題解決能力及び課題遂行能力に関する」問題Ⅲ、Ⅲ-1がCO2排出量削減による持続可能な都市づくり、Ⅲ-2が都市における民間による新たな緑地でした。今回はどちらもやや都市計画っぽくもありますね。

Ⅲ 次の2問題(Ⅲ-1,Ⅲ-2)のうち1問題を選び解答せよ。(赤色答案用紙に解答問題番号を明記し,答案用紙3枚を用いてまとめよ。)

Ⅲ-1 地方都市においては,市街地の拡散や人口密度の低下といった課題がみられる。このような課題を解決するため,持続可能な都市構造の実現に向けた「コンパクト・ネットワーク」の考え方に基づく取組が全国各地で行われている。以上のような状況を踏まえ,建設環境の技術者として,以下の問いに答えよ。

(1)市街地の拡散や人口密度の低下が進む地方都市において,二酸化炭素排出量の削減による持続可能な都市構造を実現するうえで,「交通」,「エネルギー」文宇あの課題を,技術者としての立場で多面的な観点から3つ以上抽出し,それぞれの観点の明記とともに,その技術課題の内容を示せ。

(2)前問(1)で抽出した技術課題のうち最も重要と考える技術課題を1つ挙げ,その技術課題に対する複数の解決策を,専門技術用語を交えて示せ(解決策の1つの観点として「都市構造の集約化」を含めること)。

(3)前問(2)で示したすべての解決策を実行しても新たに生じうるリスクとそれへの対策について,専門技術を踏まえた考えを示せ。

【福岡県福岡市早良区】

Ⅲ-2 都市における緑地は,良好な都市環境の保全など多様な機能を有し,住民が健康で文化的な生活をするうえで不可欠な基盤である。近年,地球規模の環境問題の深刻化などから,多様な機能を有する緑地への期待が一層高まっており,公共だけでなく民間による新たな緑地の創出が期待されている。このような状況を踏まえ,以下の問いに答えよ。

(1)近年,都市において対応が必要となっている技術課題のうち,市街地の整備において民間事業者が緑地の質と量を確保する取組を行うに当たり配慮すべき課題を,多面的な観点から3つ以上抽出し,観点を明記したうえで,それぞれの技術課題の内容を示せ。なお,本問における技術課題には,地球規模の環境課題や社会的な課題も含まれるものとする。

(2)抽出した課題のうち最も重要と考える技術課題を1つ挙げ,その技術課題に対して民間事業者が行う緑地の質と量の確保による複数の解決策を,専門技術用語を交えて示せ。ただし,施肥,剪定など植物の健全な成育のみに関する内容を除く。

(3)(2)で示した解決策に関連して生じうる将来的な懸念事項とそれへの対策について,専門技術を踏まえた考えを示せ。

再現論文を添削評価します。よかったらどうぞ下記からお申し込みください。