2018年5月22日火曜日

平成30年度技術士試験 要チェック分野まとめ(Ⅲ)後編

前回からの続きです。
設問の対象となる「(建設環境)に係わる社会的な変化・技術に関係する最新の状況」や「(建設環境)共通する普遍的な問題」について具体的にどういったことが問われているのか、これまでの出題テーマから探っていきましょう。
H29
生態系ネットワーク(エコロジカルネットワーク)
再生可能エネルギーの利活用

H28
気候変動適応策
大規模津波災害からの復旧復興事業における自然環境への配慮

H27
コンパクトシティと環境配慮
建設副産物の3R推進策

H26
防災減災と生物多様性
インフラ更新と環境配慮

H25
低炭素都市づくり
閉鎖性水域の水質改善策

いずれも建設部門共通の社会的課題について建設環境の技術者としてどのようにアプローチするか(課題を抽出してそれをどのように解決を図るのか)が問われています。

建設部門共通の社会的課題のほうは、白書で取り上げられるような社会的課題に対して、建設環境の技術者としての取り組みを書けるかどうかになるのではないでしょうか。

タンチョウ
【釧路市丹頂鶴自然公園】

建設部門の共通課題(国土のグランドデザイン2050)としては、これまでにも出題されているものも含めて
人口減少社会(H27?)
少子化・高齢化社会(H27?)
③防災減災(H26・H28)
インフラ更新(H26)
⑤災害復興や東京オリンピック等に向けての建設ラッシュ(H27・H28)
⑥気候変動適応策と緩和策(H28)
⑦低炭素都市づくり(H25)
⑧観光立国
⑨建設産業の活性化・技術継承
⑩建設事業の海外展開
生産性の向上~i-Construction
があり、

建設環境独自のものとしては、
⑫環境改善(閉鎖性水域の保全再生)(H25)
⑬生態系保全(H29)
⑭再生可能エネルギー(H29)
がありました。
環境改善ものとしては、水質のほかにも底質(水質みたいなものですが)、自然再生事業都市緑化などもあるかもしれません。

昨年イチオシしていたものに
多自然川づくり
があります。昨年度はちょうど河川法改正から20周年でした。
今年こそ「過去を振り返り今後に活かす」というテーマで出題されるのではないでしょうか。
これまでの取り組みの成果(効果)、解決されていない課題及び新たに浮かび上がった課題、その解決策、その留意点です。

そのほか、
⑯地震災害からの復旧復興における環境配慮(廃棄物関連)
⑰土砂災害からの復旧復興における環境配慮(自然環境)
なんてのも一昨年の問題をパクリ過ぎな感じもいたしますが、骨子程度には整理しておいて損はないと思います。
建設事業と環境配慮、というのは建設環境の本分ですからね。

たくさん挙げてしまいましたが、なにがテーマとなっても建設環境の技術者としての対応はそんなにはバリエーションはないと思います(解答ネタ、解答パターンとして)。
要はどんなテーマであっても環境負荷低減を図ることでボトルネックを解決解消し、課題を達成するということです。あるいはボトルネックを解決解消して課題である環境負荷低減を図るということです。この軸さえブレなければ大丈夫です。
この際、カギとなるのが「ボトルネックの抽出」になります。
ここでご自分の解決策を展開しやすいボトルネックを抽出できるかどうかで、あの短い限られた時間で回答論文を書ききることができるかどうかが決まるのではないでしょうか。

頑張ってください!
*ボトルネックとは、課題の達成を阻む問題点のことで、近年の問題文では「技術的課題」とも。


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