2014年8月6日水曜日

技術士第二次試験 選択科目Ⅲ-1 防災減災と生物多様性

問題Ⅲは課題解決問題です。
1つめは防災減災対策事業における生物多様性保全への配慮、2つめはインフラ更新時の環境配慮についての問題でした。

建設環境にはなかなか絡みにくいとされていた防災減災と老朽インフラの更新ネタで来ましたね!国交省白書のテーマをそのまま放り込んできました!

いま建設部門の技術者が社会から求められている2大分野が「防災減災」と「インフラ更新」でありますけれども、それに対して建設環境の技術者としてあなたはどう取り組むべきだと考えているのか?
を試験官から問われているわけです。

●防災減災を進めながら生物多様性の保全をどのように図っていくべき?
●老朽化したインフラを適宜更新するに際して、環境への配慮はどうあるべき?

問題を読んだときは、建設部門の端くれ技術者のひとりとして、正直、武者震いしましたねえ。

回答にあたってはもちろん論理的に矛盾なく整理する冷静さがたいへん重要だとは思いますが、こういった問題に対しては(微熱程度には)情熱的な熱い技術者魂を試験官にぶつけたいところです。

1つめは「生物多様性」と絞られていますが、2つめは「自然環境や生活環境」と対象がぼかされています。もちろん2つめのインフラ更新時に生物多様性の保全に配慮するネタを展開してもいいわけです。

2014年4月14日に投稿した美しい山河を守る災害復旧基本方針【ガイドライン】、「確実に出ますよ」といろんなひとに吹聴していたわけですが、災害復旧に際して生物多様性に配慮するという具体策を防災減災対策工事やインフラ更新事業にはめかえればいいんじゃないでしょうか。

美しい山河を守る災害復旧基本方針【ガイドライン】


Ⅲ 次の2問題(Ⅲ-1,Ⅲ-2)のうち1問題を選び解答せよ。(解答問題番号を明記し,答案用紙3枚以内にまとめよ。)

 Ⅲ-1 大規模な津波・高潮・洪水等の自然災害に対する備えとして,事前防災・減災を推進することが必要となってきている。一方,我が国の生物多様性の損失はすべての生態系に及んでおり,今後は,自然と共生できる事前防災・減災を進めていくことが重要になると考えられる。このような状況を考慮し,以下の問いに答えよ。

(1)事前防災・減災の取り組みを進めながら生物多様性の保全を図るために検討すべき事項を多面的に記述せよ

(2)(1)の検討すべき事項からの中から,生物多様性の保全を図る上で,あなたが最も重要と考えるものを,他の事項との比較を行った上で1つ挙げ,その理由を論述せよ

(3)(2)で挙げた事項に対する技術的課題を2つ挙げ,それぞれについて,解決するための技術的提案を具体的に述べよ


【大宜味村津波】

それにしてもどちらの問題も「多面的」に記述することが求められています。
多面的ってどんな面かと戸惑うわけですが、
防災減災対策、インフラ更新ともに、われわれの生活利便性(安全性)と自然環境(生物多様性)はトレードオフの関係にあります。
ここらあたりのことに言及して、イイ塩梅のバランスで配慮する内容を記述できたらバッチリだと思います。

なお、防災減災については、生態系を基盤とした方策も注目されてきているようです。
用い方が難しいかもしれませんが、こういった方策もあるよ、と多面的に考察するネタにも利用できますね。
生態系を基盤とした防災・減災(Eco-DRR)をめぐる国際的動向

では!

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