2014年8月4日月曜日

技術士第二次試験 選択科目Ⅱ-2-1 計画段階配慮書

試験が終わっての投稿第2弾。
早くもたくさんのかたが訪れてくださってますね。
マイナーと言われることもある建設環境が注目されるのは嬉しいです。

今回は「選択科目」に関する応用能力について試される選択科目Ⅱ-2です。
昨年はほとんど出題形式が同じだったので2つまとめて掲載しましたが、本年は毛色が違う2問でした。
というわけで、今回はひとつめの問題を取り上げます。

Ⅱ-2 次の2設問(Ⅱ-2-1,Ⅱ-2-2)のうち1設問を選び解答せよ。(解答設問番号を明記し,答案用紙2枚以内にまとめよ。)

 Ⅱ-2-1 山間部を事業実施想定区域とするある建設事業が計画されており,あなたは,この事業に係る計画段階配慮書手続を実施することとなった。
 建設事業及び,当該事業に関し調査,予測,評価を行う計画段階配慮事項(本設問では,事業完了後の環境影響に係る事項とする。)のうち特に重要と思われるものを1つ想定した上で,当該業務に関する以下の問いに答えよ。

(1)あなたが想定した建設事業の概要計画段階配慮事項を挙げよ

(2)建設事業の事業特性,事業実施想定区域及びその周辺の地域特性に言及しつつ,(1)で挙げた計画段階配慮事項を選定した理由を述べよ

(3)事業特性,地域特性を踏まえつつ,(1)で挙げた計画段階配慮事項に係る調査の手法について具体的に説明せよ

(4)(1)で挙げた計画段階配慮事項に係る調査,予測及び評価の結果を,それ以降の建設事業の具体化や環境影響評価手続きにどのように反映・活用するのか,反映・活用場面を1つ挙げ,その内容を概説せよ


複数案を検討した環境アセスを経た事業【那覇空港滑走路増設事業】

建設環境分野の技術者が建設事業のなかで業務上いちばん活躍するジャンルといえる、環境アセスや環境調査、環境保全措置に関する手続きや手順が昨年度に引き続き今年も問われるとは思っていましたが、昨年に改正法が施行されたばっかりの計画段階配慮書手続きについてのものでしたね!

以前より戦略的環境アセスメントに関する出題があったのでもしかしたら出るかもなと踏んでいたのですが、予想以上に具体的で詳細な要求に驚きました。
(1)~(4)まで書くべき内容が細かく指定されているので、そのまま素直に問われたことに対して返答すればいいだけですね。
どうせ回答用紙が2枚しかないので、項目だてをキッチリしていったらあまりたいそうな展開はできないわけです。
訊かれたことに答えるだけで良さそうです。
もし、すぐには書くことが思いつかなくても、強引に「わたしが想定した事業や地域ではこれが重要なんだ」という気迫で無理やり乗り切れるんじゃないでしょうか(←勝手な憶測デス)。

計画段階配慮書手続きに取り組んだ経験のあるひとはほとんどいないと思うわけですが、環境アセス(ミニアセス、自主アセス含む)や環境調査には何らかの形で携わった経験があるはずです。

①自然環境(生物多様性)、生活環境、景観、人と自然との触れ合い活動など、ご自分の得意分野(これは「専門とする事項」に記入したジャンルと合致するものが望ましいです)に関する、
②これまでに携わったあるいは経験はなくとも知識のある山間部での環境アセス(ミニアセス、自主アセス含む)を1つ取り上げて、
③事業により重大な影響を及ぼす恐れのあるネタ(山間部といえばわたしには猛禽類しか思い浮かびませんが。。。)を念頭に、
③実際に配慮したこと、あるいは配慮すべきだったと後に悔やまれたことなどをピックアップして、
④その事業が始まる前の段階(あるいは計画段階)に時間を巻き戻して、
⑤計画段階配慮書作成に係る調査等の手法(戦略的環境アセスの手法でいいです)を整理、
これはとにかく「複数案」がキーワードですよね。そのほか事業取りやめ案も複数案のひとつに入れるとか。ただし事業取りやめ案に重きを置く記述は避けましょう。書くとしても触れる程度にしておくべきです。なんといっても建設部門なので。。。
⑥反映・活用場面については、事業の計画段階でこんな配慮(複数案の検討)ができると、環境への影響を最小化、回避低減できる、とかそんなことを書けばいいんじゃないでしょうか。
これは実際の皆さんの経験で、配慮(事前に複数案の検討)をしたから環境が保全できたとか環境影響を回避・低減できたとかいうネタを(もちろん回答した想定事業に合わせて)利用すればいいと思います。
実際には配慮(事前に複数案の検討を)していなくても、配慮すればこれこれこうよかったという経験があればそれをアレンジすればいいです。
★もちろん計画段階の話なので、事業計画(範囲・位置・規模・期間・時期)が変更になるようなネタにしてください。

計画段階配慮手続に係る技術ガイド

では!

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