2021年7月13日火曜日

環境部門 必須科目Ⅰ 環境保全と両立した再生可能エネルギーと地球規模での環境危機

それでは続きまして環境部門の問題文を取り上げます。まずは必須科目から。

19 環境部門【必須科目Ⅰ】
Ⅰ 次の2問題(Ⅰ-1,Ⅰ-2)のうち1問題を選び解答せよ。(解答問題番号を明記し,答案用紙3枚を用いてまとめよ。)

Ⅰ-1 脱炭素社会を構築し,それを通じた持続的な成長を進めていくことは喫緊の課題であり,再生可能エネルギーの導入は,2050年のカーボンニュートラルの実現に最も重要な役割を果たすことになる。
 しかしながら,再生可能エネルギーの急速な導入により,環境保全上の懸念が生じ,様々な問題が顕在化しており,環境保全と両立した導入が必要となってきている。

(1)再生可能エネルギーの導入の社会的意義についてその概要を説明せよ。また,再生可能エネルギーの種類を1つ挙げ,その導入に関して環境部門の技術者としての立場で多面的な観点から3つの課題を抽出し,それぞれの観点を明記したうえで,課題の内容を示せ。

(2)前問(1)で抽出した課題のうち最も重要と考える課題を1つ挙げ,その課題に対する複数の解決策を示せ。

(3)上記すべての解決策を実行しても新たに生じうるリスクとそれへの対策について,専門技術を踏まえた考えを示せ。

(4)前問(1)~(3)の業務遂行に当たり,技術者としての倫理,社会の持続可能性の観点から必要となる要件・留意点を述べよ。

良い問題ですねえ!まるで建設環境のようでもあります。
「再生可能エネルギーの急速な導入により,環境保全上の懸念が生じ,様々な問題が顕在化してきており,環境保全と両立した導入が必要となってきている」、この時点でもう論文を書き始めたくてウズウズしちゃいました(ちゃんと設問を読まないとダメですよ)。

G20大阪サミット2019
【大阪市】

Ⅰ-2 今日,私たちは地球規模での環境の危機に直面しており,迅速な対応を迫られている。地球環境の危機はグローバルな社会・経済システムと深く関わっており,私たちは,経済社会活動に必要不可欠である環境の基盤を維持しながら,環境と成長の好循環を実現することが求められている。
 以上の基本的な考えに関して以下の問いに答えよ。

(1)地球環境に危機をもたらしている地球規模での課題について,環境部門の技術者としての立場で多面的な観点から3つ課題を抽出し,それぞれの観点を明記したうえで,課題の内容を示せ。

(2)前問(1)で抽出した課題のうち最も重要と考える課題を1つ挙げ,その課題に対する解決策を3つ示せ。

(3)上記すべての解決策を実行しても新たに生じうるリスクとそれへの対策について,専門技術を踏まえた考えを示せ。

(4)前問(1)~(3)の業務遂行に当たり,技術者としての倫理,社会の持続可能性の観点から必要となる要件・留意点を述べよ。

地球規模の地球環境の危機とは、これまた漠然としているようなところもありますが、グローバルな課題を挙げればいいですね(というかグローバルな課題を挙げてください)。国際会議で話し合われているような課題が相応しいです。
とすると、まずは地球温暖化(気候変動)とそれに対する二酸化炭素排出量の削減を筆頭に、廃棄物問題もグローバルですし、あとはオゾン層、熱帯林や生物多様性の減少、酸性雨、砂漠化、海洋汚染(マイクロプラスチックやプラスチックごみ)というのもあります。奇をてらって宇宙ごみ(スペースデブリ)なんてのを取り上げると試験官にも注目してもらえるかもしれませんね。地球環境に該当しない、なんて弾かれるかもしれませんが(笑)

どうでしたか?
再生可能エネルギーでもよし、自信がなければ地球環境問題についてならなんとか書けたのではないでしょうか。これがまったく書けないようでは(厳しいことを言うようですが)環境部門の技術士には相応しくありません。

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