2024年7月19日金曜日

建設環境 選択科目Ⅲ 生態系の健全性の回復と防災減災に寄与するグリーンインフラ

どんどんいきましょう。「問題解決能力及び課題遂行能力に関する」問題Ⅲ、Ⅲ-1が生態系の健全性の回復、Ⅲ-2防災減災に寄与するグリーンインフラでした。どちらも自然環境系でしたね。選択科目Ⅱのほうは自然環境系色が弱かったとはいえ、選択科目Ⅲのどちらもが自然環境系で来るとは驚きました。わたしのような人間にとってはどちらの問題を選択するのか悩ましいといころです。小躍りしている場合ではありません。

Ⅲ 次の2問題(Ⅲ-1,Ⅲ-2)のうち1問題を選び解答せよ。(赤色答案用紙に解答問題番号を明記し,答案用紙3枚を用いてまとめよ。)

Ⅲ-1 令和5年3月に策定された「生物多様性国家戦略2023-2030」では,世界目標である「昆明・モントリオール生物多様性枠組」に対応するため,「2050年自然共生社会」及び「2030年ネイチャーポジティブ」の実現に向けた5つの基本戦略を掲げている。「基本戦略の1つに「生態系の健全性の回復」が掲げられており,河川,道路,都市の緑地,海岸,港湾においても,生物の生息・生育地の保全・再生・創出の取組を推進することが必要である。このような状況を踏まえ,以下の問いに答えよ。

(1)生態系の健全性の回復を図るため,河川,道路,都市の緑地,海岸,港湾において生物の生息・生育地の保全・再生・創出の取組を推進するに当たって,多面的な観点から課題を3点抽出し,その内容を観点とともに示せ。

(2)前問(1)で抽出した課題のうち最も重要と考える課題を1つ挙げ,その課題に対する建設分野における複数の解決策を示せ。

(3)前問(2)で示したすべての解決策を実行しても新たに生じうるリスクとそれへの対策について述べよ。

漢那ダム
【沖縄県国頭郡宜野座村】

Ⅲ-2 グリーンインフラとは,グリーンインフラ推進戦略2023(令和5年9月国土交通省)によれば,社会資本整備や土地利用等のハード・ソフト両面において,自然環境が有する多様な機能を活用し,持続可能で魅力ある国土・都市・地域づくりを進める取組である。我が国においてもグリーンインフラの概念が定着し,産学官の取組が広がりつつあるが,近年,気候変動に伴って水災害等が激甚化・頻発化するなど,グリーンインフラに関連する社会情勢にも大きな変化が生じている。これらの点を踏まえ,以下の問いに答えよ。

(1)防災・減災に寄与するグリーンインフラを一層普及させるとともに,あらゆる場面で実装(ビルトイン)させていくに当たって,取組を実施する技術者としての立場で,多面的な観点から3つの課題を抽出し,それぞれの観点を明記したうえで,その課題の内容を示せ。

(2)前問(1)で抽出した課題のうち,最も重要と考える課題を1つ挙げ,その課題に対する複数の解決策を示せ。

(3)前問(2)で示したすべての解決策に共通して生じうるリスクとそれへの対策について述べよ。

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2024年7月18日木曜日

建設環境 選択科目Ⅱ-2-2 自然由来重金属等含有土の汚染拡散防止措置

つづきまして自然由来重金属等含有土の汚染拡散防止措置です。土壌汚染や地盤汚染については忘れたころに繰り返し問われています。こちらが専門のかたは小躍りしたことでしょうね。わたしはサッパリです。。。

Ⅱ-2-2 鉄道事業において山間部におけるトンネル工事が計画されている。このトンネル工事において事前の調査により,地盤中に自然由来重金属等が含まれていることが確認されている。
 トンネル掘削により発生する自然由来重金属等を含有する岩片,土壌,あるいはそれらの混合物(以下,「自然由来重金属等含有土」という)による地下水の汚染や,自然由来重金属等含有土の拡散等がないように,長期的な汚染拡散の防止措置等が求められている。建設環境の担当責任者として地盤汚染に関する調査や,周辺環境対策や汚染拡散防止措置等を検討するに当たり,下記の内容について記述せよ。

(1)トンネル掘削工事において,自然由来重金属等含有土の汚染拡散防止措置,及びその措置に伴う環境影響を合理的に回避又は低減するために,調査,検討すべき事項を列記し,その内容について説明せよ。

(2)トンネル掘削工事において,自然由来重金属等含有土の長期的な汚染拡散防止措置を検討するに当たり,留意すべき点,工夫を要する点を含めて業務を進める手順について述べよ。

(3)自然由来重金属等含有土の汚染拡散防止措置を効率的・効果的に進めるための,関係者との調整方策について述べよ。

沖縄モノレールの唯一の地下トンネルである浦添前田駅~てだこ浦西駅間トンネル
【沖縄県浦添市】

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2024年7月17日水曜日

建設環境 選択科目Ⅱ-2-1 景観の環境影響評価

つづいて「選択科目」に関する応用能力について試される選択科目Ⅱ-2です。
今回はなんと「景観」と「自然由来重金属等含有土」でした。自然由来重金属等含有土については土壌汚染、地盤汚染としてこれまでも定期的に問われていますよね。環境アセスは毎年の出題ですが、今回は景観でした。今年はどちらもわたしの専門外でもあるので、実際に受験していたらいったいどんなことになっていたのかと背筋が凍りました。。。

Ⅱ-2 次の2設問(Ⅱ-2-1,Ⅱ-2-2)のうち1設問を選び解答せよ。(青色答案用紙に解答設問番号を明記し,答案用紙2枚を用いてまとめよ。)

Ⅱ-2-1 環境影響評価法に定める第一種事業に当たる道路事業が,峡谷,滝,植物群,風景林など景観資源が複数存在する地域で計画されている。本事業における環境影響評価のうち,環境要素の区分の一つである「景観」の環境影響評価について,建設環境の担当責任者の立場で以下の問いに答えよ。なお,ここで扱う「景観」は,道路(地表式又は掘削式,嵩上式)の存在に係る景観とする。

(1)「景観」に係る環境影響評価の項目を選定するに当たって,調査,把握すべき事項を列記し,その内容について説明せよ。

(2)「景観」に係る環境影響評価の項目の選定後に行う,環境アセスメントの実施に係る手順を列挙して,それぞれの手順において留意すべき点,工夫を要する点を述べよ。

(3)業務を効率的,効果的に進めるための関係者との調整方策について述べよ。


等々力峡谷
【東京都世田谷区】

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2024年7月16日火曜日

建設環境 選択科目Ⅱ-1

あれから早くも24時間が経ちました。業務多忙で試験を振り返る余裕がないひとが多いのではないかと思いますが、このページに来てくださるかたはお忙しいなかでも試験について振り返り、もしくは誰かと試験体験を共有したい、というお気持ちなのかなと勝手に考えています。とにもかくにも訪問くださりありがとうございます。

バッチリうまく書けて自信と期待がたっぷりなひと、問題によってはデキがいまいちだったのがあって不安でいっぱいなひと、なんとか無理やり書いたけどやっぱりたぶん無理なんだろうなと半分諦めてしまっているひと、その間を行きつ戻りつ逡巡しているひと、いろんなひとがいると思います。10月末の合格発表までの短いようでそれなりに長い期間、受験したひとだけが味わえる(味わわざるを得ない)感情の浮き沈みは貴重な体験でもあります。とにもかくにも試験が終わりましたので、頭と体を休めて気持ちをリフレッシュさせ、これからの夏本番、業務に実務に集中してください!

それでは建設環境Ⅱ‐1、4つの設問のうち1問を選ぶスタイルの、「選択科目」に関する専門知識について試される選択科目Ⅱ-1です。

○ダム湖のアオコと気泡式循環施設によるアオコ増殖抑制メカニズム
○再エネ海域利用法
○港湾脱炭素化推進事業
○歴史的町並みの保全活用に係る法制度

例年にも増して4問ともシブいですねぇ。このブログでも6月に出題予想をしたわけですが、今回も昨年度に引き続きひとつも当てることができませんでした。。。昔は4つのうち1つや2つはカスっていたんですけどね。スミマセン。
それにしても一発目が「アオコ」には仰け反りました。わたしの専門ドストライク過ぎるからです。わたしが建設環境を受験したのは10年以上前ですが、その頃以前はまだダム貯水池関連がチラホラ出題されていたのですが、それ以降パッタリと出題されなくなりましたよね。日本全国のダム建設が落ち着いたからかな、なんて考えていましたが、こういったかたちでちゃんと出題されるのは嬉しいですね。受験していたら小躍りしていたことでしょう!
2問目の再エネは再エネとしては予想範囲ではありますが、「認定の手続きにおいて国が勘案すべきことについて述べよ」なんて問いがなされるとは夢にも思いませんでした。まだまだ認識が甘いですね。勉強になります。
3問目のカーボンニュートラルポートも国交省HPではよく見かけていたのですが、港湾空港分野のはなしだとこれまた勝手な印象できちんと取り上げてきませんでした。
4問目の歴史的町並みも歴まち法だとかが制定された頃こそ出題されていましたが、(わたしが専門外ということもありますが)ちょっと見て見ぬふりをしてしまっていたかもしれません。昨年度は景観地区制度について出題されていましたから(それだけでなく道路緑化にかかる景観についても出題されましたから)余計に今年はこっち方面はない、と踏んでしまっていました。。。。そしてこのあとまさかのⅡ‐2で「景観」に係る環境影響評価が出題されるとは(驚)。

以上、4問の出題状況をみるにつけ、わたしの建設環境ジャンルの認識不足が露呈しました。深く反省し、来年の試験に向けて心を新たに、初心にかえり、勉強しなおします。

9-11 建設環境【選択科目Ⅱ】
Ⅱ 次の2問題(Ⅱ-1,Ⅱ-2)について解答せよ。(問題ごとに答案用紙を替えること。)

Ⅱ-1 次の4設問(Ⅱ-1-1~Ⅱ-1-4)のうち1設問を選び解答せよ。(緑色答案用紙に解答設問番号を明記し,答案用紙1枚にまとめよ。)

Ⅱ-1-1 ダム貯水池では,アオコの発生により景観障害や利水障害が引き起こされる場合がある。アオコが発生しやすい環境について,複数の要因を挙げて説明せよ。また,成層型のダム貯水池内におけるアオコ対策には,気泡式循環施設が導入される事例が多い。気泡式循環施設の導入によってアオコの増殖が抑制されるメカニズムについて説明せよ。

Ⅱ-1-2 再エネ海域利用法に基づき,海洋再生可能エネルギー発電設備整備のために一般海域を利用するに当たっては,海洋環境の保全等,海洋の多様な開発等との調和を図ることが基本方針に定められている。そこで,海域の環境に大きな影響を及ぼす可能性があるため海洋環境の保全を図ることが必要とされている場合を1つ挙げるとともに,海域の占用等に係る計画の認定の手続きにおいて国が勘案すべきことについて述べよ。

Ⅱ-1-3 令和4年12月に港湾における脱炭素化の推進等を図る改正港湾法が施行され,港湾管理者は,官民の連携による港湾における脱炭素化の取組を定めた港湾脱炭素化推進計画を作成することができるとされた。同計画に基づくCNP(カーボンニュートラルポート)の形成を通じて目指すべき2つの目的をそれぞれ述べるとともに,港湾脱炭素化推進計画事業の対象となる事業・施設を1つ挙げ,その概要について述べよ。

Ⅱ-1-4 地域特有の歴史や文化,自然の中で,城郭や神社仏閣等の歴史的な価値を有する建造物が,周囲の建造物や自然環境と一体となって歴史的な街並みを形成している地域が全国に存在している。このような歴史的な街並みを保全・活用する必要性を述べるとともに,保全・活用するための法律又は法律に基づく制度を1つ挙げ,その概要について述べよ。


歴史的風土特別保護地区 金閣寺
【京都府京都市北区金閣寺町】

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2024年7月15日月曜日

建設部門 必須科目Ⅰ 第三次国土形成計画(連結拠点型国土の構築)と災害からの復旧・復興におけるDX

筆記試験、たいへんお疲れさまでした(^^)/
皆さん、どうでしたか?
今回も受験していないので別の形で試験に参加してきました(^^)/
沖縄会場は昨年に引き続き沖縄大学でした。やっぱりイイですね、勝手知ったる沖縄大学。AEDの設置場所やらトイレの位置やら守衛さんの詰め所も含めてぜんぶ頭に入っています(笑)。
それではこれから複数回にわたって問題文をアップいたします。
まずは建設部門の必須科目から。

今回の建設部門はジャンルとしては2問とも王道中の王道ジャンルですが、新しい取組を進める上での課題解決でしたね。
どちらもドンピシャで準備していたひとは少なかったとは思いますが、問題文前文を受けて試験会場で持てる知識と経験を総動員すればなんとか対応可能だったのではないでしょうか。
そして注目の各設問の問い方ですが、一応これまでどおりといえばこれまで通りなのですが、(1)のところで課題の内容を示すにあたり、それぞれの観点を明記することが求められています。これは建設部門に限ったものではなく、全部門とも共通でした。
まっ、これも例年通りなのですが、ただ、建設部門だけなぜか(※)の注記で再度の念押しされています。これは絶対守らないと合格させないぞ、という強い意志を感じました。

さらに建設部門で注目すべきは、どちらの問題でも設問(1)で「投入できる人員や予算に限りがあることを前提に,」とありました。それを踏まえた課題、そして解決策としなければなりません。

9 建設部門【必須科目Ⅰ】
Ⅰ 次の2問題(Ⅰ-1,Ⅰ-2)のうち1問題を選び解答せよ。(解答問題番号を明記し,答案用紙3枚を用いてまとめよ。)

Ⅰ-1 国が定める国土形成計画の基本理念として,人口減少や産業その他の社会経済構造の変化に的確に対応し,自立的に発展する地域社会,国際競争力の強化等による活力ある経済社会を実現する国土の形成が掲げられ,成熟社会型の計画として転換が図られている。令和5年に定められた第三次国土形成計画では,拠点連結型国土の構築を図ることにより,重層的な圏域の形成を通じて,持続可能な形で機能や役割が発揮される国土構造の実現を目指すことが示された。
 この実現のために,国土全体におけるシームレスな連結を強化して全国的なネットワークの形成を図ることに加え,新たな発想からの地域マネジメントの構築を通じて持続可能な生活圏の再構築を図る,という方向性が示されていることを踏まえ,持続可能で暮らしやすい地域社会を実現するための方策について,以下の問いに答えよ。

(1)全国的なネットワークを形成するとともに地域・拠点間の連結及び地域内ネットワークの強化を目指す社会資本整備を進めるに当たり,投入できる人員や予算に限りがあることを前提に,技術者としての立場で多面的な観点から3つ課題を抽出し,それぞれの観点を明記したうえで,課題の内容を示せ。(※)
 (※)解答の際には必ず観点を述べてから課題を示せ

(2)前問(1)で抽出した課題のうち,最も重要と考える課題を1つ挙げ,その課題に対する複数の解決策を示せ。

(3)前問(2)で示したすべての解決策を実行して生じる波及効果と専門技術を踏まえた懸念事項への対応策を示せ。

(4)前問(1)~(3)を業務として遂行するに当たり,技術者としての倫理,社会の持続性の観点から必要となる要件・留意点を述べよ。


おつかれさまでした!
【愛媛県松山市】

Ⅰ-2 我が国では,年始に発生した令和6年能登半島地震を始め,近年,全国各地で大規模な地震災害や風水害等が数多く発生しており,今後も,南海トラフ地震や首都直下型地震等の巨大地震災害や気候変動に伴い激甚化する風水害等の大規模災害の発生が懸念されているが,発災後の復旧・復興対応に対して投入できる人員は予算に限りがある。そのような中,災害対応におけるDX(デジタル・トランスフォーメーション)への期待は高まっており,既に様々な取組が実施されている。
 今後,DXを活用することで,インフラや建築物等について,事前の防災・減災対策を効率的かつ効果的に進めていくことに加え,災害発生後に国民の日常生活等が一日も早く取り戻せるようにするため,復旧・復興を効率的かつ効果的に進めていくことが必要不可欠である。
 このような状況下において,将来発生しうる大規模災害の発生後の迅速かつ効率的な復旧・復興を念頭において,以下の問いに答えよ。

(1)大規模災害の発生後にインフラや建築物等の復旧・復興までの取組を迅速かつ効率的に進めていけるようにするため,DXを活用していくに当たり,投入できる人員や予算に限りがあることを前提に,技術者としての立場で多面的な観点から3つの課題を抽出し,それぞれの観点を明記したうえで,課題の内容を示せ。(※)
 (※)解答の際には必ず観点を述べてから課題を示せ。

(2)前問(1)で抽出した課題のうち,最も重要と考える課題を1つ挙げ,その課題に対する複数の解決策を示せ。

(3)前問(2)で示したすべての解決策を実行しても新たに生じうるリスクとそれへの対策について,専門技術を踏まえた考えを示せ。

(4)前問(1)~(3)を業務として遂行するに当たり,技術者としての倫理,社会の持続性の観点から必要となる要件・留意点を述べよ。


とにかく論文の再現だけは、今日か、遅くとも明日中にはやっておいてくださいね!
毎年再現できなくて泣きを見る人がいます。

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2024年7月14日日曜日

総監 必須科目Ⅰ-2 記述式問題文

筆記試験、たいへんお疲れさまでした(^^)/
記述問題はなんと「カーボンニュートラル」でしたね!そして問題文を読むと「脱炭素経営」についての出題でした!
昨年まで出題予想の分野として脱炭素を推していただけに、ついに出た!やっぱり出た!と心躍りました。
出題のしかたも順当でしたね。
ただ2点ほど気になった個所がありました。
1つめは「論文の解答において,カーボンニュートラルはCNと略して記すこと。」
2つめは「事業や組織の枠を超え,我が国として取るべき施策について解答すること。」です。
1つめのCNなんて解答論文にカーボンニュートラルなんて記述しちゃったらどうなっちゃうのでしょうか。4枚目、5枚目なんて後半に行くに従いCNなんて書き慣れない略字のことなんか忘れてしまいそうです。
2つめなんかは「事業や組織の枠を超えて、我が国として取るべき施策」ですよ!とうとう事業や組織を超えたさらなる俯瞰の境地が求められています!特に最後の設問には「複数の視点には,総合技術監理の視点に限らず,我が国が直面する重要課題等の視点を含めて記述してよい。」とまでありました。総監の視点に限らなくてよい、ってどうゆうことでしょうか(驚)。わたしのこれまでの添削指導では「とにかく何を訊かれても総監として答えてください」ってそればっかり言っていたのですが、総監の視点に限らなくてよい、なんて書かれちゃうと戸惑ってしまいます。

択一のほうはここ数年のようなヘンテコな出題はなかったような印象がありますので、おそらく今年度は合格率が上がるんじゃないでしょうか!
それにしても択一も1つ気になったことがありまして、それは社会環境管理に関することなんですが、これまで8問中1つは環境アセスメントに関する出題がありましたが、今回はなかったですね。もしかして総監技術士の素養として必要性が下がってしまったのでしょうか。。。。環境アセス分野を生業としているわたしにとっては試験とは別にちょっと心配になってしまいました。

有料ですが再現論文を添削評価します。ご希望のかたは下記フォームからお申し込みください。

東京電力武蔵野支社府中事務所
【東京都府中市】

必須科目
Ⅰ-2 次の問題について解答せよ。(指示された答案用紙の枚数にまとめること。)

 地球温暖化の進行に伴い,豪雨や猛暑などのリスクが今後さらに高まることが予想されており,地球温暖化への対応は人類共通の重要課題となっている。地球温暖化の要因である温室効果ガスの抑制を目的とし,世界的に取組まれている『カーボンニュートラル』は,温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする,すなわち,二酸化炭素をはじめとする温室効果ガスの「排出量」から「吸収量」を差し引いて,合計を実質的にゼロにすることを意味している。カーボンニュートラルへの対応は事業や組織の置かれた状況により異なると考えられるが,総合技術監理に求められる俯瞰的な視点から,それぞれに適した施策を検討し,地球規模での課題解決に繋げることは重要であろう。そこで本論文では,このカーボンニュートラルの実現に向けた施策について検討してみたい。
 カーボンニュートラルの実現を年限付きで表明している国・地域は,現在までに150以上にのぼり,我が国においても,2030年度の温室効果ガス46%削減,2050年カーボンニュートラルの実現という国際規約を掲げ,国家を挙げて対応する決意を表明している。これらの公約を受け,1000を超える地方公共団体が「2050年ゼロカーボンシティ」を表明し,脱炭素型まちづくりに向けた取組を進めている。
 さらに,民間部門においては,電力をはじめとした,温室効果ガス排出の多くを占めるエネルギー分野における供給サイドの取組だけでなく,輸送・製造等の需要サイドも含めた,あらゆる産業分野での対応が求められている。また,環境や社会に配慮して適切なガバナンスがなされている会社に投資する「ESG投資」,事業者自らの温室効果ガスの排出のみならず,原材料調達・製造・物流・廃棄等,サプライチェーンを構成する一連の事業活動に伴う排出を考慮する「サプライチェーン排出量」の考え方も広まっている。したがって,コピー用紙の削減や照明の間引き等の従来からの省エネ対策の枠を越えた,抜本的で効果的な施策が求められている。例えば,省エネ製品の開発や活用,再生可能エネルギーの活用,生産現場における自動化の推進,森林保護への投資等の幅広い観点で工夫した施策が必要となろう。
 一方,いわゆる「2050年長期戦略」(パリ協定に基づく成長戦略としての長期戦略。令和3年10月閣議決定)で謳われているとおり,カーボンニュートラルの実現に向けた取組を,経済成長の制約ではなく,産業構造の大転換と力強い成長を生み出す,競争力向上の機会と捉える視点も重要である。同戦略では,優先的に取組む横断的施策として,イノベーションの推進,グリーン・ファイナンスの推進,ビジネス主導の国際展開・国際協力等を掲げており,なかでも,今後の技術イノベーションにより成長が期待される14の重要産業分野(表参照)は,総合技術監理の技術士として将来の施策を検討するうえで参考となろう。また,先進的企業イメージによる優位性の構築,社員のモチベーション向上等の経営メリットに繋げる「脱炭素経営の視点」等も施策を検討するうえで重要な観点となろう。

表 2050年長期戦略における成長が期待される14の重要産業分野
【エネルギー関連産業】
①洋上風力・太陽光・地熱,②水素・燃料アンモニア,③次世代熱エネルギー,④原子力

【輸送・製造関連産業】
⑤自動車・蓄電池,⑥半導体・情報通信,⑦船舶,⑧物流・人流・土木インフラ,⑨食料・農林水産業,⑩航空機,⑪カーボンリサイクル・マテリアル

【家庭・オフィス関連産業】
⑫住宅・建築物・次世代電力マネジメント,⑬資源循環関連,⑭ライフスタイル関連

 そこであなたがこれまでに経験した,若しくはよく知っている事業(研究開発・製品製造・販売等の業務機能の集合体としての事業,個々のプロジェクトの集合体としての事業,国・地方公共団体の事業等が代表例である。)や組織(役所や法人の全体とすることも,個々の部署や事業部等とすることもできる。)を1つ取り上げ,その目的や創出している成果物等を踏まえ,カーボンニュートラルの実現に向けた施策について,総合技術監理の視点から以下の(1)~(2)の問いに答えよ。さらに,取り上げた事業や組織の枠を超え,2050年カーボンニュートラル達成に向けた我が国の取るべき施策について,以下の(3)の問いに答えよ。なお,論文の解答において,カーボンニュートラルはCNと略して記すこと。(以下,同様に略す。)
 解答に当たり,事業や組織について,関連するステークホルダーや他組織との連携を含めてもよい。また,ここでいう総合技術監理の視点とは,「業務全体を俯瞰し,経済性管理,安全管理,人的資源管理,情報管理,社会環境管理に関する総合的な分析,評価に基づいて,最適な企画,計画,実施,対応等を行う。」立場からの視点をいう。なお,書かれた論文を評価する際,考察における視点の広さ,記述の明確さと論理的な繋がり,そして論文全体のまとまりを特に重視する。

(1)本論文においてあなたが取り上げる事業や組織の内容と,そこにおけるこれまでのCNに関連する取組状況について,以下の問いに答えよ。
問い(1)については,答案用紙1枚以内にまとめよ。)
① 事業や組織の内容として,名称,目的,及び創出している成果物(製品・構造物・サービス・技術・政策等)を記せ。
② この事業や組織において,現在既に実施している温室効果ガスの抑制(排出量の削減や吸収量の増加。以下同じ。)に効果があると考えられる施策を1つ取り上げ,以下の項目をすべて含む形で記せ。なお,十分に効果が発揮できていない状況を記すことを妨げない。
・具体的な施策の内容
・その施策が温室効果ガスの抑制に繋がる理由・根拠
③ ②で取り上げた施策の問題点・今後に向けた課題を記せ。

(2)この事業や組織において,温室効果ガスの抑制策として近い将来(おおむね5年以内)に導入が可能で効果が高いと考えられる施策を2つ取り上げ,それぞれについて,以下の問いに答えよ。なお,想定する時期までに事業や組織の内容や形態そのものが変化することを踏まえて解答しても構わない。
問い(2)については,答案用紙を替えたうえで,まず1つめの施策について1枚以内にまとめ,さらに答案用紙を替えたうえで2つめの施策について1枚以内にまとめよ。)

① 施策の内容と温室効果ガスの抑制に繋がる理由・根拠を記せ。
② ①で記述した施策を進めることで,温室効果ガスの抑制により,脱炭素経営や社会貢献等の観点から事業や組織にとって期待できる効果を,理由とともに記せ。
③ ①で記述した施策を進めていくうえで,総合技術監理の視点からどのような課題があるかを記せ。ただし,2つの施策それぞれについて,総合技術監理の視点における5つの管理分野のうち2つ以上を含むこととし,解答欄にはどの分野の視点であるかを明記すること。

(3)今後の技術革新の進展等を見据え,我が国において2050年時点でのCN実現に向けて,あなたが重要と考える施策を2つ取り上げ,それぞれについて以下の問いに答えよ。なお,問い(3)では,事業や組織の枠を超え,我が国として取るべき施策について解答すること。
問い(3)については,答案用紙を替えたうえで,まず1つめの施策について1枚以内にまとめ,さらに答案用紙を替えたうえで2つめの施策について1枚以内にまとめよ。)
① 取り上げる施策を記せ。なお,解答に当たっては,表に示した重要産業分野に関連する施策を取り上げてもよいし,その他あなたが重要と考える施策を取り上げてもよい。
② ①で記述した施策に関し,2050年時点でのCNに向けた有効性と実現性について,今後の技術革新の進展等の背景を含めて記せ。
③ ①で記述した施策を進めていくうえでの最も重大な障害とその克服策を複数の視点に
留意して記せ。なお,複数の視点には,総合技術監理の視点に限らず,我が国が直面する重要課題等の視点を含めて記述してよい。

ーーーーーーここまでーーーーーー

そして早くも7月16日に択一の正答が発表されました!試験から2日後ですか。もちろんありがたいではありますが、正答発表までの期間にああだこうだと議論するのが楽しかったのですが。昔はもっと悠長というかもっとのんびりしていましたよね。世の中だんだんセッカチになってきているんでしょうか。。。。

2024年7月1日月曜日

令和6年版国土交通白書 ~持続可能な暮らしと社会の実現に向けた国土交通省の挑戦~

沖縄は梅雨明けしましたが、梅雨まっただなかの本土のほうでは線状降水帯の発生が頻発していますね。どうか無理せず、安全にお過ごしください。

国土交通白書が出ました。
テーマは「持続可能な暮らしと社会の実現に向けた国土交通省の挑戦」です。持続可能な暮らしといっても、これまでのような脱炭素や循環型社会といったことではなく、『少子高齢化・人口減少』に対するものがテーマとなっています。
なんだかんだ言って我が国が直面する大きな課題ですからね。これまでいまいちちゃんと向き合っていなかったことでさらに大ごとになってしまった感があります。それを建設技術者としてどのように課題解決してゆくか、が問われています。試験でも問われるはずです。試験本番まで残り2週間となりましたが、キーワードや主な施策はぜひチェックしておいてください。

ヤギ
【沖縄県石垣市】



「令和6年版国土交通白書」を公表します。
~持続可能な暮らしと社会の実現に向けた国土交通省の挑戦~

令和6年6月28日

 

 国土交通白書は、国土交通省の施策全般に関する年次報告として毎年公表しています。今回の白書は、深刻な少子高齢化と人口減少に直面している我が国の現状を踏まえ、「持続可能な暮らしと社会の実現に向けた国土交通省の挑戦」をテーマとしました。
 人口減少の影響を最小限に抑えるため、防災、まちづくり、公共交通、物流、インフラなど、国土交通分野における施策の方向性を示した上で、今後の「持続可能で豊かな社会像」を展望しています。

本白書についての概要は、以下のとおりです。
 
第I部 持続可能な暮らしと社会の実現に向けた国土交通省の挑戦
 第1章 
 人口減少と国土交通行政
  第1節 本格化する少子高齢化・人口減少における課題
  第2節 未来につながる変革と持続可能で豊かな社会を目指して
 第2章 国土交通分野における取組みと今後の展望
  第1節 国土交通分野の現状と方向性
  第2節 望ましい将来への展望

特集 令和6年能登半島地震への対応
 令和6年能登半島地震について、国土交通省の対応を紹介

第II部 国土交通行政の動向
 国土交通行政の各分野の動向を政策課題ごとに報告