2015年7月22日水曜日

建設環境 選択科目Ⅱ-2-2 第1種事業における工事中の環境影響評価

選択科目Ⅱ-2のもうひとつの選択肢は、第1種事業における環境影響評価についての設問でした。

H25年は希少種または生活環境への環境影響の予測と保全措置の、H26年は計画段階配慮書についての実施手順が問われました。
今年は第1種事業の環境アセスの調査及び予測手法、並びに環境保全措置についての問題です。実に3年連続で環境アセスが出題されていますね。
今後とも環境影響評価のさまざまな場面を切り取ったものがⅡ-2で問われ続ける可能性が高いと思います。

今回の設問では、問題文とその文末にわざわざカッコ書きされているとおり、まず第一に、施設等の事業対象そのものの存在による影響ではないことに注意してください。
事業の供用後の環境影響評価ではなく、あくまで建設事業の工事中における環境影響を評価し保全対策を検討することが求められています。
対象とする環境項目が工事中のものかどうかが重要で、ここを外してはダメです。
工事中ということを考えると、騒音振動や濁りの発生(水質)、重機の往来(動物・植物)、なんかがパッと思い浮かびました。こういった工事が自然環境豊かな地域であるとか、生活環境と隣接した地域で行われることを想定すればいいんじゃないでしょうか。
皆さんはどうされましたか?

もちろん第1種事業であることがわかるような事業を設定しないと、これまたダメです。
第1種事業の代表的なものは、高速道路新幹線原子力発電所があり、これらは面積や規模などの条件なしで第1種です。そのほかは事業の規模が規定されていますのでそれを超える規模であることを書き添えたらバッチリですね。
規定数値を失念しちゃっていたとしても最低でも「第1種事業のダム建設」などのような表現でなんとか体裁を整えてください。
規模もそうですが、そもそも第1種事業の対象事業ではないものを取り上げたら、その時点でOUTです。
※第1種事業の対象となる事業は、道路、河川(ダムなど)、鉄道、空港(飛行場)、発電所、廃棄物最終処分場、埋立・干拓、土地区画整理事業、新住宅市街地開発事業、工業団地造成事業、新都市基盤整備事業、流通業務団地造成事業、宅地(住宅地・工業用地含む)の造成事業の13種類の事業+港湾計画です。

以上を設定したら、あとは記述する内容が細かく要求されているので、その指示(ガイド)に従って書けばいいですね。
実際に携わった経験があるひとはあまり悩むことなくスラスラと書けたのではないでしょうか。
今年の総監の問題もそうですが、設問の要求事項がとても細かくなっており、人によって相性の差が大きく出そうです。

環境アセスメントガイド

【小樽駅】

Ⅱ-2 次の2設問(Ⅱ-2-1,Ⅱ-2-2)のうち1設問を選び解答せよ。(解答設問番号を明記し,答案用紙2枚以内にまとめよ。)

Ⅱ-2-2 「環境影響評価法」に定める第一種事業にあたる建設事業が計画されており,工事中の環境影響が懸念されている。この工事中の影響に関する調査・予測及び環境保全措置の検討を行うに当たり,以下の問いに答えよ。(本設問では,工事中の環境影響に係る事項とする。)

(1)あなたが想定した建設事業の概要と,その事業が実施される地域の状況を具体的に述べよ。

(2)(1)で述べた地域の状況との関連性を踏まえて,この建設事業において環境影響を及ぼす要因と影響を受ける環境要素の項目(以下,環境項目という)を5つ挙げよ。また,あなたが最も重要と考える環境項目をその中から1つ選び,その理由を述べよ。

(3)(2)で最も重要であると選んだ環境項目について,調査と予測を行うための手法を述べよ。具体的に,調査事項,調査地域,調査地点及び調査期間,予測の前提条件,予測方法,予測地域・地点及び予測時期について,明記すること。

(4)(2)で最も重要であると選んだ環境項目について,実施することが適切と考えられる環境保全措置と見込まれる効果を説明せよ。また,環境保全措置の検討を行う際に留意すべき事項を2つ挙げよ。

次回はいよいよ選択科目Ⅲです。
では!

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