2012年3月30日金曜日

復興へ向けた技術士宣言

東日本大震災から1年が経過した。
日本国民が一丸となって取り組むべき最重要課題であるこの大災害からの復興にあたり、技術士として(技術士会として)の今後の活動の方向性についての「宣言」を、日本技術士会が行った。
日本技術士会HP http://www.engineer.or.jp/c_topics/001/001661.html

誰に対しての「宣言」なのかを考えてみると、つぎのようになると思う。
〇一般の国民全体に対しては、技術士会(技術士)の紹介を行うとともに、その科学技術の専門性とその応用能力を駆使して復興(支援活動)に尽力する、という宣言である。
〇一方、既存の技術士に対しては、技術士会としてこのような方向性でやっていくからともに尽力してゆこう、という宣言である。
★技術士を目指すひとに対しても、技術士会としてこのような方向性でやっていくので、宣言の内容をよく踏まえてともに復興活動に尽力しよう!という宣言と読むこともできる。
宣言に掲げた活動方針に沿った復興対策を担える人材を(これからの技術士に)求めている、とも読める。
試験実施機関である日本技術士会による「技術士宣言」である。
つまりこれは全部門の全受験生も「技術士」を目指す以上は把握しておくべき「方向性」である。

で、その方向性を確認しながら読み進めていくと。。。。。
章立て、キーワードなど、そのまま筆記論文に使える材料がふんだんに盛り込まれています!!!
試験対策として非常に参考になるテキストといえますね。
課題→問題点抽出→解決策(の方向性)まで丁寧に書いてありますよ。

夜明けのような夕日【沖縄県那覇市首里にて】

東日本大震災から1年 復興へ向けた技術士宣言

東日本大震災から既に1年が経過したにも関わらず、被災地の復興はまだ緒についたばかりである。この技術士宣言は、我々技術士が復興支援活動を更に積極的に進めるため、これまでの実績を踏まえて今後の活動の方向を示すものである。

2012年3月25日日曜日

”インフラ危機”を乗り越えろ

ご無沙汰しておりました。

さすがに年度末で余裕がありませんでした。
少しづつ落ち着いてきましたが、まだまだ解放されてはいません。

来週の土曜日に建設部門受験生は要チェックの番組があるので、本日はその紹介をしておきたいと思います。


日本新生 “インフラ危機を乗り越えろ” 


NHKスペシャル"インフラ危機を乗り越えろ"
2012年3月31日(土) 午後9時00分~
http://www.nhk.or.jp/special/detail/2012/0331/index.html


ガス管や水道管の破裂、橋の亀裂、公民館や学校の老朽化…ここ数年、全国で「インフラ崩壊」の危機が顕在化し、生活に直結する事故が相次いでいる。
「国土の均衡ある発展」をスローガンに、高度成長期に多くが整備されたインフラ。40年~50年の耐用年数を経て、いま、一斉に老朽化が進んでいるのだ。インフラ全ての維持・更新に必要な費用は、今後40年間で実に600兆円にも達すると試算されている。しかし、これまで国も自治体も有効な対策を講じず、問題を先送りにしてきた。
こうした中、各地で危機を乗り越えようという動きも始まっている。街をコンパクトにすることで、インフラの“選択と集中”を行い、企業誘致や雇用の拡大をめざす自治体。住民自らが道路工事を行うなどして、国の補助金に頼らない自立的な運営に乗り出す自治体も現れている。
人口減少が続き、縮んでいく日本で、持続可能な国作りはどうあるべきか。インフラ危機の現状とそれを克服しようとする取り組みを通して考える。

では!

2012年3月8日木曜日

体験論文のこと

ちかごろSUKIYAKI塾の掲示板で話題にあがっているのが技術士試験の新制度(噂)についてのこと。
そのなかで「体験論文の是非」みたいな議論があり、どうも体験論文軽視の風潮が見受けられる。

ちょっとこのまま黙っていられなくなって、久しぶりに掲示板に書き込んだ。
いま思えば、少し頭に血が上ってしまっていたかもしれない。でもそれだけ思いが強いのだと思う。

夕日に染まる層積雲【沖縄県那覇市首里にて】

No.30038 RE:不合格でした。 投稿者:すごろく 投稿日:2012/03/06(Tue) 21:56]

経験論文(技術的体験論文)はテクニックだけとは思いません。

どちらかというと私の場合は、筆記試験ではテクニックを駆使しているのみでした。

体験論文の作成を通して(テクだけではない真の)「技術士」へと自分の体が変態しはじめ、そして口頭試験中に脱皮したんだと思っています。


スレッドはこちら→ https://www.pejp.net/pe/store/old_log/old_121.htm
      

そのあと私の意見に賛同してくれるひとの書き込みもあり、溜飲を下げることができました。
さらにそのあとAPECさんの投稿があり、これがまた大変に参考になるので素直な気持ちでぜひ読んでみてほしいと思います。

【その後】
さっきもう一回掲示板をチェックしたら、APECさんの投稿に対して問題提起されてました。
しばらくこの話題で議論が盛り上がりそうで目が離せません。

どうやら部門によって体験論文の扱われ方が違うのかもしれませんね。

では!

2012年3月5日月曜日

合格発表!

本日、技術士第二次試験の合格発表がありました。

合格されたかた、本当におめでとうございます。

私がかかわったひとたちも合格メールを次々に寄せてくださいました。
なかには最後まで微妙な感じのひともいたのですが、無事に合格されてました。

富士山【静岡市駿河区にて】

しかし、知り合いのなかには残念だったひともいらっしゃって、なんとも言いようがありません。

今回見事合格したかたのなかには過去の口頭試験で不合格を経験したひともいます。
口頭で不合格というのは想像を絶する辛い体験だと思うのですが、よくぞ再挑戦し、そしてよくぞ栄冠を勝ち取ったものだと思います。

この偉業から得るべき教訓は、「諦めない」ことだと私は思います。

私個人としても今年は指導する活動の初年度だったわけですが、こうして吉報の数々をいただけると素直に嬉しいということだけでなく、驚きとともに身が引き締まるというか、受験生を通じて追体験できるので、結局のところすごく自分のためになっているのがわかります。

来年は(今年か!)、筆記試験の合格率を上げられるよう、きめ細かい指導、情報発信をしてゆきたいと思います。もちろん自分自身の総監試験に対しても真剣に取組みます!

しかし、朝からいままでメールやらfacebookやらなにやらで情報が飛び交い続けて、ちょっと偏頭痛ぎみです。
いやぁ、今日一日、お祭りのようでした!

2012年2月29日水曜日

まちづくりマネジメント

コンパクトシティとかスマートシティとか、これまでも地域経済建て直しのためにいくつか試行錯誤的に取り組まれてきましたが、震災後はその復興計画との絡みもあって、より具体的に熱を持ったものとなっているように思います。
つまり、筆記試験で問われる可能性が高いと踏んでいます!

そこでオススメするのがこの本です。


先日紹介した弁護士の伊藤真さんの仕事学のすすめのテキストと同じシリーズで、都市計画家の西郷真理子さんの「まちづくりマネジメントはこう行え」。

仕事学のすすめ
まちづくりマネジメントはこう行え 2011年10月
西郷真理子
https://www.nhk-book.co.jp/shop/main.jsp?trxID=C5010101&webCode=61895702011

日本再生を担う凄腕リーダー

川越・高松など地方の商店街の再開発を手掛け、次々と活性化させてきた一級建築士の西郷真理子さん。1000回を超える会合を重ねて地元の合意を取りつけ、住民主体のまちづくりを成功させた徹底討論の手法や、地域再生の秘策を学ぶ。


目次
地方都市は必ず活性化できる!
第1回 住民主体のまちづくり
第2回 快適な空間をつくれ
第3回 地域の強みを生かせ
第4回 人を巻き込むコミュニケーション能力


これまたすごくいい本です。
前に紹介した資料(集約化で地方はどう変わるか http://www.city.kuwana.lg.jp/img/files/shisei/toshikeiei/0505_shuyaku_tihou.pdf)とか国土交通白書に書かれていることも重要なんだけど、ああいうお堅い資料ってのはどうしても頭でっかちになって終わっちゃう、というか机上の空論というか、そもそも自分のものになりませんよね、どこか他人行儀で。

この本は読みながら追体験ができるというか、知識が血肉になるというか、すごくよかったです。
自分も一緒になって四国の香川は高松の丸亀商店街を再生させたような気になっちゃいます。
てか、丸亀商店街に視察に行きたいですよ、ハッキリ言って。
やっぱ、人を動かす力、現場に行きたくさせる力があるネタって、潜在パワーがすごいです。
多少、粗があってもうっちゃれます(これは主に体験論文のはなし)。

とにかくこの本には、地元住民との協働作業を繰り返していく過程であぶりだされるいろんな課題、問題点、そしてそれをどうやって乗り越えていったのか、わかりやすく書かれています。
コンパクトシティ地元住民との協働地元主体のまちづくり、あたりのエッセンスを手っ取り早く体に入れるにはオススメです、ぜひ!

行政発行の資料からのネタだけで論文を構成するよりも、こういった実務者の実体験にもとづいた言葉、経験のエッセンスをちりばめるとかなり差がつくんじゃないでしょうか。

テレビ放送は見逃しちゃってるのが口惜しい。。。また再放送やんないのかな。。。。

では!

2012年2月26日日曜日

生物多様性国家戦略2010の点検結果

COP10 が名古屋で開催されたのが2010年の夏くらいでしたっけ?
あれから1年以上の時間が経過し(感覚的には2、3年前のことのようにも感じます)、最近では「生物多様性」なる文言も巷で見聞きする量がすっかり減ってしまいました。
比較的専門分野といえる私の周りでさえこうなのだから、一般のひとにとってはもうほとんど意識の外にあるのかもしれません。

COP10開催の1~2年前はそれこそCOP10に向けてのアピールのため、関係省庁、外郭団体、大企業等からかなりの資料が発表されたものです。
たとえば国土交通省の取組について→パンフレット「環境の創造と継承を目指して」(PDFファイル6.57MB)
環境省から生物多様性関連のパンフレット・報告書のいろいろを掲載しているURL→ http://www.biodic.go.jp/biodiversity/wakaru/library/index.html

しかし開催後は、名古屋議定書と愛知目標についてまとめた資料くらいでしょうか→「生物多様性条約COP10の成果と愛知目標(パンフレット)」(11MB)

そして2011年3月に東日本大震災が発生し、世の中はそれどころではない状況になりました。

いま日本の一番の課題は、「震災からの復興」です。
その復興あたり、「生物多様性」の視点というのは優先順位は低いかもしれませんが、しかしわれわれ建設環境分野(の特に自然環境系)の技術者は忘れてはいけないと思います。
つまり、筆記試験の際にはどんな設問であろうともこの「生物多様性」の視点を論文に盛り込むべきです。

。。。。と書きながらも私自身は実は少し忘れかけていたところもあったわけですが、スヌーズのごとくタイミングよくこの2月初旬に環境省から生物多様性国家戦略2010の実施状況の点検結果が発表されました。

白米千枚田【能登半島北部にて】

生物多様性国家戦略2010の実施状況の点検結果及びそれに対する意見募集(パブリックコメント)の結果について(お知らせ

 生物多様性国家戦略関係省庁連絡会議では、平成22年3月に閣議決定された生物多様性国家戦略2010に基づく施策等の実施状況について点検結果を取りまとめました。本案については、平成23年11月25日(金)から平成23年12月26日(月)までの間、意見募集(パブリックコメント)を行い、1件の意見提出がありました
1.点検について
 平成20年6月に生物多様性基本法が施行したことを受け、平成22年3月に同法に基づく生物多様性国家戦略2010が閣議決定されました。生物多様性国家戦略2010では、同戦略に基づく施策等の実施状況について、関係省庁が自主的な点検を行い、生物多様性国家戦略関係省庁連絡会議が取りまとめ、中央環境審議会に報告することとしています。
 今回の点検は主に平成22年3月から平成23年7月までの施策等を対象としており、以下の内容で構成されています。
◆点検結果の構成
第1章 4つの基本戦略に関する取組状況について
1.「生物多様性を社会に浸透させる」に関する取組
2.「地域における人と自然の関係を再構築する」に関する取組
3.「森 ・ 里 ・ 川 ・ 海のつながりを確保する」に関する取組
4.「地球規模の視野を持って行動する」に関する取組
第2章 生物多様性の保全及び持続可能な利用に関する行動計画の点検結果
1.数値目標の点検結果
2.具体的施策の点検結果
2.意見募集(パブリックコメント)について

-以下略-

詳しくはコチラ→生物多様性国家戦略2010の実施状況の点検結果及びそれに対する意見募集(パブリックコメント)の結果について(お知らせ)

では!


2012年2月21日火曜日

技術的体験論文に相応しい業務とは?

合格発表まであと2週間となりました。

私の知り合いにも結果待ちのひとが何人かいます。
なかには私が筆記試験対策指導や体験論文のアドバイスをしたひともいるし、提出済の体験論文にダメ出しして口頭試験用に論文を修正した内容のシナリオを作成してもらったひともいます。

それにしても各ステージでいろんなひとたちがいましたね。。。感慨深いです。
ぜひとも皆さんに「合格」してほしいと切に願います。

今年受験するみなさんは、4月からの経歴書執筆に向けて、いまのこの時期は体験論文のテーマとして採用する業務を抽出して、さらに技術的体験論文として相応しい内容とするため骨子程度に書き出すレベルくらいにはその業務を練っておくことをオススメします。

体験論文が既に仕上がっている(もちろん技術士の査読審査済み)というひと以外の、特に挑戦すること複数回のひとにとっては必須の作業だと思います。

しかしこの「体験論文として相応しい業務」を抽出するのが、意外と厄介なんですよね。

いろんな受験指導の書籍やウェブサイトなどでも指摘されているとおり、業務上の(あるいは社会一般から解決要請の)ある課題に対して、(課題遂行を阻む)問題点をあなた自身が抽出して、それに対してあなた自身による解決策を提示し、最終的にどのような成果が得られ、今現在はどうなっていて、改善すべき点はどんなことか、将来はどのように活かして(応用して)いくのか、を書くわけです。

決して、事業規模の大小、プロジェクトの派手さぐあいではありません。
ポイントは、オリジナルな視点で問題点を抽出できるか?その問題点に対して論理的に飛躍のない整然とした解決策を示せるか?だと思います。

。。。。。。という漠然とした書き方ではいまいちピンとこないひとも実際のところ多いようで、なかなか伝えるのに苦労しています。
こればっかりは人から伝えられるものではなく、自分で掴みとらなければならないことなのでしょう。

そんな折、体験論文作成を指導したひとへのメールを見返したら、とても印象深いキーワードがありましたので、皆さんにもご紹介いたします。
以下の青太字で示す切り口でまずは論文候補とする業務をピックアップしていってもイイんじゃないでしょうか。
合格祈願【沖縄本島名護市にて】

拝読してのコメントを、添付したエクセルシートに記入しましたので、ご確認ください。

【全体コメント】
自信を持って試験に臨める業務ですね!
論文を読んでいて、実際の現場を見学しに行きたくなりました。

きっと試験官もそう思うと思います。
そう思わせたら『勝ち』です。
論文について気になったところは、問題点の書き方と改善策の提示の仕方くらいです。
いまのままでも口頭試験のときにしっかりと説明できればOKだと思いますが、無駄に質疑に時間をかけることもないと思いますので、できるだけ論文をブラッシュアップさせてください。


では!