2021年5月24日月曜日

環境部門(自然環境保全)の要チェック分野まとめ(Ⅱ-2)

緊急事態宣言が発令されて最初の平日を迎えました。
気持ち、路上を走行する車両の数が減っているように感じます。
わたしの勤務する会社は在宅勤務ではないので(状況によっては在宅OKですが)基本的に出社しています。
通勤手段は自家用車なので(10年前は電動アシスト自転車(笑))、感染リスクは都会の満員電車よりは低いんだと思いますが、いずれにしてもラクチンですよね。渋滞していてもたかが知れています。この境遇はとても恵まれていると思います。なにせ車内では狭いとはいえ他人と接触することもないし、なによりradikoで前日放送のナイツのザ・ラジオショーを聴きながら通勤しているんですから。自分の好きなように過ごせるというのは本当にありがたいです。リラックスできるし楽しい時間を過ごせています。
そういえば総監を受験していたころは青本のテキストを音声変換した読み上げファイルを聴きながら通っていました。あれはあれで今思えばとても充実していたとも言えるのですが、それでも受かったあとはいたって暢気なものですね(笑)

...てなことはどうでもいいですね、スミマセン。
それでは続きまして自然環境科目の選択Ⅱ‐2(2つの設問から1問を選ぶスタイルの応用能力問題)で出題されたネタを見てみましょう。
応用能力については「平成31(2019)年度 技術士試験の概要について 」によると次のような説明があります。
これまでに習得した知識や経験に基づき,与えられた条件に合わせて,問題や課題を正しく認識し,必要な分析を行い,業務遂行手順や業務上留意すべき点,工夫を要する点等について説明できる能力
とあります。
「選択科目」に関係する業務に関し,与えられた条件に合わせて,専門知識や実務経験に基づいて業務遂行手順が説明でき,業務上で留意すべき点や工夫を要する点等についての認識があるかどうかを問う。
ということです。
業務遂行手順、留意点や工夫を要する点、というのがキモになります。

実際の問題文をみてみると、上記の「応用能力」の説明そのままですよね。ということは今後も同じような問われ方になるんじゃないでしょうか(違っていたらゴメンナサイ)。
Ⅱ-2-X (前文に業務テーマが指定されます)~の担当責任者として業務を行うに当たり,下記の内容について記述せよ。
(1)~に関して調査,検討すべき事項とその内容について説明せよ。
(2)業務を進める手順について,留意すべき点,工夫を要する点を含めて述べよ。
(3)業務を効率的,効果的に進めるための関係者との調整方策について述べよ。

この流れ、令和元年度から2年続けて同じだったので、令和3年度はもしかしたらじゃっかんアレンジしてくるかもしれませんが、それでも大きくは変えられないと思います。
これまでどおりの準備で大丈夫でしょう(違ってたらゴメンナサイ)。

それでは具体的にどういった業務の遂行手順が問われてきたのか、これまでにどんな業務が出題されたのか振り返ってみましょう。

R2
①生態系ネットワークを踏まえた自然再生事業
②生物多様性地域戦略の改訂業務

R1
①生息域外保全計画
②自然公園における利用者負担

H30
①国立公園満喫プロジェクト(自然公園におけるインバウンド利用推進)
②生物多様性地域戦略の改訂業務

H29
①地域の自然再生事業
②生物多様性地域戦略の改訂業務

H28
①原発事故避難民の帰還にあたり利活用を前提とした自然環境の保全育成基本計画
②地域のエコツーリズム推進

H27
①河川中流域における自然環境の保全とその利活用を目的とした整備基本計画
②自然ふれあい活動計画

H26
①奥山地域における自然環境の保全育成基本計画
②自然公園における情報提供施設の改修計画と運営計画

H25
①里地里山における自然環境の保全育成基本計画
②林地を自然ふれあいの場とする基本計画

まずはなんといっても生物多様性地域戦略(の改訂)ですね。
ついで自然公園の維持管理や自然再生事業が続きます。

H28年度の原発事故避難住民の帰還にあたっての自然環境保全育成計画が出題されたときは唸りました。突然の災害、突然の事故によって、ある日突然に住んでいる家、暮らし慣れたまちから遠く離れることになり、そしてそれから何年も経過していますがいまだに戻ることが許されていません。当然、まちはゴーストタウンと化し、山から下りてきた野生のサルやイノシシなどが道路や住宅街を闊歩している様子が報道されました。わたしも被災から8年後に福島第1原発構内やその周辺地域を見て回る機会があり、止まったままの信号機、草木がのび放題になった民家の庭や駐車場、路上のサルの群れなど、現実とはとても思えないような景色を目の当たりにしました。このわたしにいったい何ができるのか、しかしまずは現地の状況を知ることが大事なのだ、と、まとまらないままにいろんな思いが頭を駆け巡りました。そしてやはり専門技術者として貢献するのがいちばん社会の役に立つことができるのだろうなと、福島から離れてしばらくたってからやっとのことで答えの方向性をなんとか炙り出すことができた次第です。
H28年度のような今の日本社会が避けることのできない真正面から向き合うことが待ったなしで目の前に突きつけられている大きな課題を踏まえた出題があると、それこそ己の真の実力が試されているようで(試されているんですが)どうしても気持ちが高ぶってしまいます。実際のところ、あの短い試験時間内で回答することができたのでしょうか。とても重い課題だと改めて思いました。

福島第1原発から5kmのところにある旧福島県原子力センター
原子力発電所周辺の環境放射能を測定、原子力に関する知識の普及啓発を行っていた
そして津波被災直後からは放射線測定の拠点としての役割を担うが
3号機の水素爆発を受け、ただちにモニタリング調査を中止し職員全員が撤収した
【福島県大熊町】

気持ちが違う方向に行ってしまいました。
試験対策としては、とにかく2問のうち1つは受験要件を満たした自然環境保全分野の技術者であれば当然これまでに実績、経験を積んでいるはずのものが出題されます。直接の経験がなくとも間接的にでも関わっているはずですし、なんなら耳学問でも体に入っているはずです。とにかくこの分野の技術士を目指すのであれば当然身につけておくべき応用能力です。

R3の試験対策としては、
①生物多様性地域戦略の改訂業務の流れ
②自然公園における維持管理計画
③自然再生事業の流れ
④自然環境の利活用計画
などを整理しておけばOKじゃないでしょうか。

とにかく、
Ⅱ‐2の回答については、APECさんは「業務計画書を作る感覚で」としています。特記仕様書兼作成手順書(問題文です)に沿って業務計画書(回答論文です)を作成するように書き上げればいいと思います。

わたしの講座です。論文の添削を受けたい方はぜひどうぞ。

0 件のコメント:

コメントを投稿