2021年5月21日金曜日

令和3年度技術士第2次試験 要チェック分野まとめ(Ⅰ)

7月11日(日)の試験まで、早いもので2か月を切りました。試験までの週末はあと8回です。
出題ジャンル予想をまとめた要チェック分野まとめ、最後に必須科目Ⅰ、令和元年から復活した記述式(解答用紙3枚)です。
「技術部門」全般にわたる専門知識,応用能力,問題解決能力及び課題遂行能力に関するもので,
現代社会が抱えている様々な問題について,「技術部門」全般に関わる基礎的なエンジニアリング問題としての観点から,多面的に課題を抽出して,その解決方法を提示し遂行していくための提案を問う。
とのことです。
部門共通というところがミソですね。
建設環境は建設部門ですので、いまいちど建設部門なのだと認識してください。暗示にかけてもいいです。
とにかく環境系のひとは「建設部門だ」という意識がたいへん低いです。

平成30年度以前はマークシートだったわけで近年の傾向もなにもないのですが、平成24年度試験以前のⅡ-1&2の出題テーマは参考になると思います。
では具体的にどういったことが出題されていたのか、見てゆきましょう。

①担い手確保
②戦略的なメンテナンス

①生産性向上
②国土強靭化

①防災・減災に向けた社会基盤の整備
②地球環境問題3つの視点

H23
①今後の社会資本整備
②建設産業の活力回復

H22
①防災・減災対策
②海外での社会資本整備

H21
①低炭素社会の実現
②高度化細分化した技術

H20
①アセットマネジメント
②技術力の維持・向上

H19
①地域活性化
②大量退職に伴う技術継承

こうしてみると「●●における社会資本整備のあり方」を問う問題ばかりですね。
●●には、限られた予算、人口減少、労働人口減少、少子高齢化、グローバル社会、激甚化する災害、インフラ老朽化、環境保全、ICTといったあたりになろうかと思います。
これすべて「国土のグランドデザイン2050」から取っています。

令和2年度は担い手確保メンテナンスでした。どちらも建設部門の大テーマなので例年通りの想定内だったといえると思います。令和元年度も生産向上国土強靭化でしたのでこれまた王道テーマでした。今年度もこの傾向が続くと思います。へんに捻らず王道テーマで多面的な課題を抽出してそれを解決する骨子を作成しておけばOKだと思います。令和元年度以降の骨子も使えるはずです。

まずは令和2年版国土交通白書2020はあらためて目を通しておいてください。キーワードや課題を拾うくらいだったら概要版でも結構です。
その令和2年の白書といえば「社会と暮らしのデザイン改革」がサブテーマでした。
国交省の報道発表から抜粋すると、
概要
○白書において、既往の調査や国民意識調査を整理・分析したところ、
・土砂災害の発生回数は、1990~2009年の約1,000件/年から、2010年以降は約1,500件/年と1.5倍に増加、2018年は過去最多の3,459件
・2076~2095年において、1980~1999年と比べ、年平均気温最大4.5℃上昇、1日降水量200mm以上の年間日数2倍以上
・南海トラフ地震や首都直下地震が30年以内に70%程度の確率で発生
・地方圏の約9割のバス事業者が赤字など、地方公共交通の衰退が懸念
・2050年には、人口1万人未満の市区町村で人口が半減(2015年との比較)
 等が分かったことから、「激甚・頻発化する災害への対策」、「地域の移動手段の確保」等を、今後、国土交通行政が向き合うべき課題として取り上げました。

○これらの課題に対する取組の方向性として、
・災害対策については、国民目線でわかりやすい、抜本的・総合的な対策や、分野横断的に、平時から非常時、復旧・復興時まで、行政・企業・住民が連携し対応することで、「防災・減災が主流となる社会」の実現を目指す
・地域の移動手段については、上下分離方式、他の事業者との合併・共同経営、自家用有償旅客運送への転換や、まちづくりと一体となった効率的な交通ネットワーク形成により、将来も地域の移動ニーズに応えられる持続可能な交通サービスを確保する
 等を展望しています。

○さらに、現下の課題である新型コロナウイルス感染症に関して、白書の最初に特集として取り上げ、これまでの経緯や取組、国土交通分野への影響とこれへの対策を紹介するとともに、今後の対応を掲載しております。

多面的な課題と課題に対する取り組みの方向性まで示されています。これに沿ったはなしを書けば無難にA評価ではないでしょうか。

(追記)
とまぁなんだかんだ書きましたが、やはり目玉としては「脱炭素」ですかね。
2030年目標を達成するためには建設分野としてどんな課題があってそれをどう解決すればよいか、ということが出題されると思いますよ。
穴としては「インフラシステム海外展開」を挙げておきます。
さていったい何が出ますか。

とはいえ、SDGsは要チェックです!
【沖縄県島尻郡南風原町】

いずれにしろ、選択科目Ⅲと同様、なにがテーマとなっても建設部門の技術者としての対応はそんなにはバリエーションはないと思います(解答ネタ、解答パターンとして)。
あらかじめ上記のテーマごとに骨子を整理しておけば試験当日は出題テーマに合わせてアレンジする程度で対応できると思います。

わたしの講座です。論文の添削を受けたい方はぜひどうぞ。

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