2024年6月12日水曜日

R6水産部門の要チェック分野まとめ(Ⅰ)

それではたいへん遅くなりましたが水産部門を取り上げます。
水産部門は必須科目Ⅰしか取り上げませんけれども、ともかく必須科目Ⅰ、令和元年から復活した記述式(解答用紙3枚)です。
「技術部門」全般にわたる専門知識,応用能力,問題解決能力及び課題遂行能力に関するもので,
現代社会が抱えている様々な問題について,「技術部門」全般に関わる基礎的なエンジニアリング問題としての観点から,多面的に課題を抽出して,その解決方法を提示し遂行していくための提案を問う。
というやつです。

水産部門はもうアレですよ、「新たな水産基本計画」から出題されます!
ちなみに昨日、R5年度水産白書も発表されました(^^)/

【令和4年版 新たな水産基本計画】
持続性のある水産業の成長産業化と漁村の活性化の実現に向け3本の柱
(1)海洋環境の変化も踏まえた水産資源管理の着実な実施
(2)増大するリスクも踏まえた水産業の成長産業化の実現
(3)地域を支える漁村の活性化の推進

水産物の持続的な発展に向けて横断的に推進すべき施策
●スマート水産技術の活用
●カーボンニュートラルへの対応
●新型コロナウイルス感染症対策
●東日本大震災からの復興
●水産物の自給率目標

R3はスマート水産業と東日本大震災からの復興が出題されました。
R4は(1)の柱と(3)の柱でした。
そう考えると、今年度は(2)増大するリスクも踏まえた水産業の成長産業化の実現ですね。リスクはどんなものがあるのか整理洗い出ししておいてください(もちろんそれに対応する方策も)。
R5年3月には「災害に強い水産地域づくりガイドライン、マニュアル、事例集」というのも出ましたからね。すごく匂います!
能登半島地震を受けて、輪島周辺の被災状況を整理し、水産分野技術者として災害対策をどうすべきか、復興復旧に向けてどうすべきかを考えてみてください。

もう1こは最近問われていない脱炭素・カーボンニュートラルですかね。

とにかく水産分野の基本中の基本の計画ですからしっかり抑えてください。そのうえで余力があれR5年度の水産白書をチェックされるとよいでしょう。
では具体的にどういったことが出題されていたのか、見てゆきましょう。

①地域を支える漁村の活性化
②水産資源の持続的利用

①マーケットイン
②震災被害の回避低減

R3
①東日本大震災からの復旧復興
②スマート水産業

R2
①新技術の活用(新たな水産基本計画から)
②地球温暖化対策

R1
①水産物の安定供給と漁村の維持発展(新たな水産基本計画から)
②SDGs目標14「海の豊かさを守ろう」

H24
●水産資源の持続的利用

H23
●漁業・漁村の6次産業化

H22
●我が国の水産業の現状と課題

H21
●我が国や世界の漁業及び養殖業の現状と課題

H20
●水産物の安定供給と水産業の健全な発展

H19
●水産分野の現状と課題

平成24年度以前は水産業の現状と課題、そしてその対策で統一されていますね。
同じですね。令和元年度以降もこのテーマがずうっと根底にあります。つまり何が出題されようともコレしか出ません。
ということは試験対策も同じです。
水産分野の課題っていろいろあるようで、実は結構決まっていますよね。やはり新技術(ICT)は必須ネタです。漁業者も高齢化しているし、海外に対抗するには効率化、集約化、自動化、付加価値化するしかないですもんね。それら定番の課題を骨子などでまとめておけば、試験本番では出題テーマが何であろうともそのあらかじめ準備しておいた骨子をアレンジすることで対応できるはずです。

なお、ここで注意してほしいのですが、必須科目Ⅰは水産部門共通の問題です。問題文にもわざわざ書いてある通り「技術者としての立場で,水産部門全体にわたり広く多面的な観点から課題を抽出し」とか「技術者としての立場で,水産部門全般にわたる多面的な観点から抽出し」とあります。
課題の抽出にあたってはご自分の専門とする科目だけじゃなくてほかの科目における課題についても意識してくださいね。そうすることで高い評価が得られますし、他の受験生との差がつくはずです。
ここでおさらいですが、水産部門の専門科目は、「水産資源及び水域環境」、「水産食品及び流通」、「水産土木」の3つからなります。わたしは必須科目や選択科目Ⅲの回答の際には(問題文に数の指定がない限り)課題を3つ程度挙げることを推奨していますが、ちょうどこの3科目から課題をひとつづつ抽出すると多面的な観点がバランスよくアピールができると思います。3科目からが無理だったとしても少なくとも2科目から3つ程度抽出するようにしてください。
そのためには、いまの時期にご自分の受験する科目に関する勉強は当然のことながら、ほかの科目も意識した課題の抽出を時間をかけて整理しておくことで、試験本番では広い視野を備えた課題の抽出が瞬時にできることでしょう。その際、新たな「漁港漁場整備長期計画」も参考にしてみてください。これは各科目ごとの選択科目対策にもなります。
とにかく準備することなしに、試験本番でゼロベースで課題を抽出、解決策を提示する、なんてあの短い試験時間にできっこないです。

【沖縄県うるま市 宮城島】

わたしの講座です。課題や解決策の妥当性、論理的整合性の確認を含めて、論文の添削を受けたい方はぜひどうぞ。

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