2018年6月26日火曜日

A評価論文を書くために~書く前に、骨子やタイトル構成で整理する

早くも本シリーズ3回目になります。
今回はこれまで述べてきた①訊かれたことからズレる②盛り込みすぎると横道にソレる、についての試験本番での対処法です。

試験勉強中に論文を作成する際は、合格論文を参考にしつつ、ネットなどで関連する資料を参照しながら模範解答論文を作成していると思います。
PC上での作業ですから、センテンスごと引っ越したり、文章の前後を入れ替えたり、削除、挿入など自由自在に編集しているのではないでしょうか。
しかし試験当日はPCではなく手書きで論文を作成しなければいけません。編集作業はほぼ不可能と思っていてください。けっして本能のままに見切り発車で頭から書き始め、途中書きながら考えてそれをまた書く、ということはやめてください。あとで消すのがそれはもう大変なことになります。
では編集ナシの一発で論文を書ききるにはどうすればよいか。
これはあらかじめ書くことを決めておいて、解答用紙に清書するように書くしかありません。
本能寺跡【京都市上京区】

一推しはやはり「骨子法」です。これは表形式で整理するもので、横方向に論理展開が単純化されており、視覚的に論旨が認識しやすいことが特徴です。つまり論理的に横道にソレにくいわけです。これを問題用紙の余白を利用して作ってみてください。
これはそのまま論文内容を記録したメモがわりになりますので、問題用紙を持ちかえって再現論文を起こすのにも重宝します。試験が終わるとビックリするほどあっという間に忘れちゃうんですよね(笑)
骨子法についてはSUKIYAKI塾HPにさらに詳しい解説がありますのでそちらを参照してください。

骨子法に慣れてくると、問題文から書き下すようにタイトルと記述項目を整理して、その下に記述内容のキーワードをメモする、というやりかたもあります。
そうするとこのメモをもとに自宅で再現論文もすぐに作成できます。
ただし、論理的整合性が確認しづらいという弱点はあります。論理的整合性についてはしっかり確認するようにしてください。

Ⅱ-2-1 環境影響評価法に定める第一種事業に当たる建設事業が計画されており,あなたは担当者として,この事業に関する方法書以降の手続に係る環境影響評価を行うこととなったが,以下の問いに答えよ。なお,環境保全措置については複数案の比較を通じて検討した結果,回避,低減,代償の措置が取られることとなった。
(1)あなたが想定した建設事業の概要と,その事業が実施される地域の状況を具体的に述べよ。
(2)(1)で述べた地域の状況との関連性を踏まえ,この事業による環境影響を想定して,影響要因及び影響を受ける環境要素の項目(以下「環境項目」という。)を3つ挙げよ。また,それらを選定した理由を併せて述べよ。
(3)(2)で選定した環境項目から2つ選び,実施することが適切であると考えられる環境保全措置の内容を説明せよ。ただし,1つ目の環境項目は回避・低減措置の内容を,2つ目は代償措置の内容を説明せよ。このうち,代償措置については,当該措置をとるに当たって行った複数案の比較検討の内容を説明せよ。

太字下線で示した部分が解答すべき事柄なので、これを素直にタイトルにします。
本番の試験問題文には太字下線はありませんので、解答すべき内容を漏れることなく記述するためにご自分でアンダーラインを引くなどしてください。

1.建設事業の概要
(1)建設事業の概要
・第1種事業であることがわかる事業規模を提示
(2)地域の状況
・次にとりあげる環境項目を含む状況
2.影響要因及び影響を受ける環境要素の項目
(1)環境項目①
・影響要因、影響を受ける環境要素、選定した理由
(2)環境項目②
(3)環境項目③
3.環境保全措置
(1)環境項目①の回避・低減措置
・回避低減措置の内容
(2)環境項目②の代償措置
・代償措置の内容、複数案の比較検討

問題文(の太字下線)とタイトルの対比をしてみてください。問題文そのままですよね?これが前々回取り上げた『問われたことについて素直に解答する』の実践になります。

添削指導を受けているひとは他者から気づきを与えてもらえるのでそれほど心配はしていませんが、独学でがんばっているひとはこの点を意識してご自分の解答論文を再度見直してみてください。

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